JPH0565437A - 一時保護複合被膜の形成方法 - Google Patents

一時保護複合被膜の形成方法

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JPH0565437A
JPH0565437A JP3255817A JP25581791A JPH0565437A JP H0565437 A JPH0565437 A JP H0565437A JP 3255817 A JP3255817 A JP 3255817A JP 25581791 A JP25581791 A JP 25581791A JP H0565437 A JPH0565437 A JP H0565437A
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strippable coating
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忠義 龍野
Mitsuo Wakimoto
光男 脇本
Noriyuki Okamoto
宣之 岡本
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 塗装物表面に粘着シート及びストリッパブル
塗膜を順次設けてなり、かつ該ストリッパブル塗膜を粘
着シート表面に重なるように設け、そしてその重なった
ストリッパブル塗膜と粘着シートとの界面付着力が50
g/cm以上であることを特徴とする一時保護複合被膜の
形成方法。 【効果】 得られた被膜は剥離性が優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一時保護複合被膜の形
成方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来、自動車などの塗装物
が需要者の手にわたるまで輸送されたり、また屋内もし
くは屋外で一時保管されたりした際に砂塵、鉄粉、雨
(酸性雨)、塩類、太陽光線などの影響によって塗装物
表面にキズ、シミ、変色、汚染などの欠陥を生じるた
め、被塗装物表面にストリッパブル塗料を塗布し一時保
護する方法が考えられている。
【0003】しかしながら、該方法は、例えば自動車車
体にストリッパブル塗料を塗装した際に、組立部品間の
合わせ目部分(例えばフード/フェンダ、フェンダ/ド
アー、センターピラー/ドアー、リアピラー/ドアー、
トランクリッド/ボデーなど)の周辺ではストリッパブ
ル塗膜が必然的に薄くなったり、また、不連続膜(ダス
ト)となったりするために完全に剥離することが困難と
なり、塗装物表面に剥離不可能なストリッパブル塗膜が
残り商品価値が低下するという欠点が残されていた。
【0004】また、塗装物が雨や熱などにさらされた場
合に、ストリッパブル塗料が塗装された塗装物表面と未
塗装の塗装物表面との間に、剥離後にストリッパブル塗
膜の周辺にそって該塗膜の剥離部に跡形(段差)が残る
という欠点があった。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、前記し
た問題点を解消するために鋭意研究を重ねた結果、粘着
性シートとストリッパブル塗膜とを組合わせることによ
り、例えば自動車などの合わせ目部をもつ塗装物に適用
しても剥離が容易で跡形が残らない一時保護複合被膜が
提供できることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】即ち、本発明は塗装物表面に、粘着シート
及びストリッパブル塗膜を順次設けてなり、かつ該スト
リッパブル塗膜を粘着シート表面に重なるように設け、
そしてその重なったストリッパブル塗膜と粘着シートと
の界面付着力が50g/cm以上であることを特徴とする
一時保護複合被膜の形成方法に関する。
【0007】本発明方法で用いる塗装物は、特に熱硬化
性樹脂を主体とする塗料を塗装した自動車、車両などが
好適である。
【0008】次に、本発明の一時保護複合被膜の形成方
法について、図を示して説明する。
【0009】図1は自動車車体の概略図である。図1の
Aフード部、Bフード部とフロントフェンダ部の合わせ
目、Cドア部の周辺部、Dサイド部の一部に粘着シート
を貼り付けたのち粘着シートが貼り付けられていない部
分及び粘着シート部分の一部もしくは全体にストリッパ
ブル塗料を塗布し乾燥させることにより、塗装物表面に
粘着シート及びストリッパブル塗膜を形成させることが
できる。
【0010】図2は、図1のB部分をフェンダからフー
ド方向に切断した拡大概略図である。図2中のEはフェ
ンダ、Fはストリッパブル塗膜及びGは粘着シートであ
る。該粘着シートは図2に示す如く矢印方向にカッター
などで切断しておくこともできる。
【0011】本発明で用いる粘着シートは、基材及び感
圧性粘着剤層を必須構成要素とするものである。
【0012】粘着シートを構成する基材としては、特に
限定がなく紙、布、不織布などの繊維類からなるもの;
ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
エステルなどのプラスチック類からなるもの;アルミニ
ウムなどの金属類からなるフィルムやシートが挙げられ
る。該基材の厚みは通常約50〜500μmの範囲が好
ましい。
【0013】感圧性粘着剤層としては、温度変化による
膨張や収縮などの変化で粘着シートの端部に粘着剤が残
り易くなったり、また、粘着シートの端部に塗膜の段差
などの変形が生じ易くなったりするので基材60℃での
動的弾性率が約2×105 〜7×106 ダイン/cm2
範囲のものを用いることが好ましい。該感圧性粘着剤層
の種類としては上記性質を有するものであれば特に制限
されず使用できるが、好ましくは天然ゴム、ポリイソブ
チレン、A−B−A型ブロックポリマーなどのゴム系ポ
リマーを成分とするものが使用できる。また、上記動的
弾性率を調整するのに粘着付与剤(炭化水素系樹脂、ア
ルキルフェノール系樹脂、テルペン系樹脂など)や軟化
剤(低分子量ゴム系ポリマーなど)を必要に応じて配合
できる。さらに、充填剤、顔料、老化防止剤、安定剤な
どを必要に応じて配合してもかまわない。感圧性粘着剤
層の膜厚は通常、約100μm以下、好ましくは約5〜
30μmの範囲がよい。
【0014】また、粘着シートの塗装物表面に対する初
期付着力は25g/cm以上、好ましくは50〜400g
/cmの範囲がよい。
【0015】本発明で用いるストリッパブル塗料は、特
に制限なしに従来から公知のものを適宜選択して使用で
きるが、人体に対する悪影響や火災などの危険性が少な
くそして耐候性、耐酸性などの性能に優れた塗膜が形成
できる(メタ)アクリロニトリルを単量体成分として1
0〜60重量%含有するビニル系共重合体を樹脂成分と
する水性ストリッパブル塗料が好ましい。具体的には
(メタ)アクリロニトリル10〜60重量%と酸モノマ
ー20重量%以下と硬質モノマー50重量%以下と軟質
モノマー90〜50重量%とを共重合反応して得られる
ビニル系共重合体である。該(メタ)アクリロニトリル
の含有量が10重量%を下回るとストリッパブル塗膜の
強度が低下するので剥離作業性が悪くなり、また60重
量%を上回るとストリッパブル塗膜の造膜性が低下した
りするという欠点がある。
【0016】上記したモノマーにおいて、硬質モノマー
としてホモポリマーのTg(ガラス転移温度℃)が約1
0℃以上、好ましくは約15〜190℃範囲のもの並び
に軟質モノマーとしてホモポリマーのTgが約10℃未
満、好ましくは約9〜−70℃範囲のものが使用でき
る。これらのモノマーとしては、例えばメタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、
メタクリル酸iso−ブチル、メタクリル酸ter−ブ
チル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロ
ヘキシル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトル
エンなどの如き硬質モノマー:メタクリル酸2−エチル
ヘキシル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリ
ル酸iso−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリルなど
の如き軟質モノマーが挙げられる。また、酸モノマーと
しては(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、
フマール酸などが挙げられる。これらのモノマーは1種
もしくは2種以上組合わせて使用できる。上記したモノ
マー以外にも(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルなどの如き水酸
基含有モノマーを必要に応じて使用できる。
【0017】上記モノマーの配合割合は、(メタ)アク
リロニトリル:アクリル酸ブチル:アクリル酸=20〜
40:80〜60:0.5〜2(重量比)の範囲が好ま
しい。
【0018】該ビニル系共重合体は、従来から公知の方
法、例えば乳化重合、溶液重合、懸濁重合などで製造で
きる。
【0019】ストリッパブル塗料は必要に応じて充填
剤、着色剤、添加剤、増粘剤などを配合することができ
る。
【0020】ストリッパブル塗料を塗装物表面及び粘着
シート表面に塗装し塗膜を形成する方法としては、例え
ば乾燥膜厚が約30μm以上、好ましくは約50〜15
0μm範囲になるようにスプレーなどの手段により塗装
し、通常、室温では1時間程度、加熱する場合には、例
えば70℃の場合では10分間程度の加熱で乾燥がおこ
なわれる。
【0021】本発明において、ストリッパブル塗膜と粘
着シートの基材との界面付着力は50g/cm以上であ
る。該付着力が50g/cm未満だと粘着シートとストリ
ッパブル塗膜とが同時に剥離されずストリッパブル塗膜
だけが塗装物表面に残り易くなるので好ましくない。ま
た、該付着力はストリッパブル塗膜と塗装物表面との付
着力よりも大きいことが望まれる。
【0022】
【実施例】
ストリッパブル塗料の製造例 還流冷却器、カキマゼ機、温度計、滴下ロートを装備し
た1Lのフラスコに部分ケン化ポリビニルアルコール
(日本合成化学工業(株)商品名ゴーセノールGH−1
7)0.53g、メタノール5.3g、水37.74g
を仕込み均一溶液とする。次いで重亜硫酸ソーダ0.1
2gを加え均一に溶解した後、窒素ガス雰囲気中でアク
リロニトリル14.89g、アクリル酸ブチル34.1
9g、アクリル酸0.14gの混合液を徐々に滴下し均
一分散液とする。この分散液を55〜60℃に加温し、
別に用意した過硫酸カリ0.05gの0.6重量%水溶
液を徐々に滴下しながら7時間反応せしめてエマルショ
ンを得た。このエマルションをアンモニア水でpH7.
0に調整後2重量%のメチルセルロース水溶液(信越化
学工業(株)製、商品名メトローズ65SH)をエマル
ションに対し4重量%添加してアクリル系エマルション
を得た。得られたエマルションは固形分46.9重量%
であった。
【0023】実施例 パルボンド3050で表面処理した軟鋼版(厚さ0.8
mm、横300mm、縦300mm)にアミノアルキド樹脂系
塗料(関西ペイント(株)製、商品名、アミラック)を
140℃、20分間焼付け塗装した塗板を素材とし、該
素材の周辺に幅2cmの粘着シート(基材:ポリプロピレ
ン/ポリエチレン=1/9、40μm、感圧性粘着剤:
数平均分子量120万ポリイソブチレン/数平均分子量
3.5万ポリイソブチレン=1/1、10μm、60℃
でのバイブロン測定による動的弾性率1.2×106
イン/cm2 )を貼り付け、続いて残りの部分に上記スト
リッパブル塗料を乾燥膜厚が約80μm及び粘着シート
表面上に約10〜50μmになるようにスプレー塗装
し、乾燥をおこなった。塗装板に対するストリッパブル
塗膜の付着力は約20g/cm、塗装板に対する粘着シー
トの付着力は約100g/cm及び粘着シートに対するス
トリッパブル塗膜の界面付着力は約55g/cmであっ
た。
【0024】得られた塗板を用いて、粘着シートから剥
離をおこなった結果、粘着シートからストリッパブル塗
膜と連続して剥離が容易におこなうことができ良好な剥
離性を示した。
【0025】次に、該塗板を60℃で17時間耐熱性試
験をおこなったのち、上記と同様にして剥離試験をおこ
なった。その結果、良好な剥離性を示した。また、剥離
後の塗装板の表面には粘着シートの粘着剤による残りあ
と、粘着シート及びストリッパブル塗膜の端部の跡形
(段差)は認められず良好であった。
【0026】比較例 実施例で用いたと同様の塗板を素材とし、この素材に、
素材の中央近辺には乾燥膜厚が約80μmになるよう
に、また、その周辺はスプレーダストがふりかかるよう
に塗装し、乾燥をおこなった。得られたストリッパブル
塗膜は特にダスト部の剥離が困難であった。次に、該塗
板を実施例と同様の条件で耐熱試験をおこなったのちス
トリッパブル塗膜を強制的に剥離をおこない剥離後の塗
装物表面を観察した結果、ダスト部やストリッパブル塗
膜の端部に段差を生じ塗装物の外観が著しく低下した。
【0027】(界面)付着力は、幅1cm(粘着シート又
はストリッパブル塗膜)を引っ張り試験機を用いて18
0度方向に引っ張り速度300mm/分の条件で引っ張
り、その時の引っ張り荷重を測定した。
【0028】
【発明の効果】本発明方法によって形成された一時保護
複合被膜は剥離が容易であるとともに剥離後の塗装物表
面に段差が生じ難いという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一時保護複合被膜の形成方法を説明する
ために用いた塗装物及び該塗装物に該被膜を形成したも
のの概略図である。
【図2】本発明方法により形成した塗装物の断面概略図
である。
【符号の説明】
A フード部 B フード/フロントフェンダの合わせ目部 C ドアの周辺部 D サイド部 E フェンダ部 F ストリッパブル塗膜 G 粘着シート

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗装物表面に、粘着シート及びストリッ
    パブル塗膜を順次設けてなり、かつ該ストリッパブル塗
    膜を粘着シート表面に重なるように設け、そしてその重
    なったストリッパブル塗膜と粘着シートとの界面付着力
    が50g/cm以上であることを特徴とする一時保護複合
    被膜の形成方法。
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