JPH0564645U - 空気調和機の風向変更装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 空気調和機の風向変更装置に関し、簡単な構
造で吹出空気の方向を床面と床面から少し離れた上部に
送出するようにし、暖房運転時に床面近傍の広い範囲に
わたって暖房することのできる上下風向板構造を提供す
ることを目的とする。 【構成】 上下風向板の板面に後端から先端に向かって
傾斜する傾斜角度の異なる複数の傾斜面を形成し、吹出
空気を傾斜面に沿って偏向させることにより、室内の床
面と床面から少し離れた上部までの広い範囲に拡散する
ようにしたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は空気調和機の風向変更装置に関し、詳しくは上下風向板の構造に関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、上下風向板４は図３（ａ）に示すように、平板状に形成され両側端に外 側に突出する回転軸５を具え、吹出口３の左右側壁に設けた軸受部に軸支し、回 転軸５により回動することにより吹出空気の方向を所定の角度に変更するように している。 暖房運転時には、吹出空気の温度が室内空気より高いため、吹出空気が上昇し て床面近傍がなかなか暖められず、図３（ｂ）のように床面に向けて吹き出すよ うに、上下風向板４の開きを狭くして床面に達するようにしている。 この場合、近傍の床面温度を上げることができるが、離れた床面には吹出空気 が到達せず、また床面から少し離れた上部には、吹出空気が直接送られないため に温度のバラツキを生じ、快適な暖房状態を保つことができなかった。 この対策として、図３（ｃ）のように上下風向板４に補助風向板８を設け、吹 出空気の方向を２分し、床面と床面から少し離れた上部に吹出すことにより、床 面から上昇する吹出空気を補助風向板８から出た吹出空気により押し下げ、離れ た床面にも吹出空気が到達するようにするとともに、床面から少し離れた上部の 温度を高め室内に均一に暖房することができるが、２枚の風向板の角度を調整す る機構が複雑となり、風向板の成型の複雑化、機構部品の増加や組立工数の増加 を生じ、コストアップの原因となっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記従来の問題点に鑑みなされたもので、１枚の上下風向板で吹出 空気の方向を床面近傍とその少し離れた上部にも振り向けることができ、且つ成 型が容易で機構部品の増加や組立工数の増加を生じない上下風向板構造を提供す ることを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、上下風向板の板面中央部に、その後端側から先端 側に向かって傾斜角度の異なる複数の傾斜面を形成し、吹出空気を同傾斜面に沿 って偏向するようにした。

【０００５】

【作用】

上記の構成によれば、上下風向板の板面中央部に後端側から先端側に向かって 傾斜角度の異なる複数の傾斜面を設け、吹出空気を傾斜面に当て傾斜面に沿って 流れるようにし、吹出空気を複数の方向に偏向させることにより、床面の広い範 囲にわたって吹出空気を送り出すとともに、床面から少し離れた上方にも吹出空 気を送り出し室内の温度を均一にすることができる。

【０００６】

【実施例】

本考案の実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。 図１は、本考案の室内機１の要部斜視図で、室内機１の正面に形成された吸込 口２より室内空気を吸込み、熱交換し暖められた空気はクロスフローファン７に より吹出空気として吹出口３から室内に送り出される。 吹出口３には、内側に左右風向板（図示せず）、外側に上下風向板４が設けら れ、図では上下風向板４が閉じている状態であるが、上下風向板４を開け吹出空 気の方向を偏向するようにしている。 図２（ａ）は本考案の上下風向板４の構成を示す斜視図で、上下風向板４の両 側端には回転軸５が設けられ、吹出口３の側壁の軸支部（図示せず）に水平に軸 支され、上下風向板４を上下方向に回動することにより吹出空気の方向を変更す るようにしている。 上下風向板４の板面には後端から先端に向かって傾斜角度の異なる複数の傾斜 面６が形成され、上下風向板４の中央部Ａの傾斜が最も大きく、両端に向かって Ｂ、Ｃと段階的に傾斜の度合が少なくなるようにしている。

【０００７】 図２（ｂ）は本考案の上下風向板４の作用を示す要部側面断面図で、上下風向 板４を所定の角度に開いた状態で、中央部分を流れる吹出空気は中央部Ａに当た り下方床面に向け送出され、床面近傍の温度を暖める。 このとき、両端のＢ部およびＣ部から送出した吹出空気は、床面より少し離れ た上方に向かい、中央部Ａから送出した吹出空気の上昇を抑えて床面近傍に拡散 し、広い範囲にわたって床面近傍の温度を高めることができる。 また、室内機１に設けられたクロスフローファン７の風速分布は、中央部の風 速が高く両端に向かって低下する特性を有することから、中央部Ａを通過する吹 出空気は吹出口３から遠くまで送出され床面に沿って流れ、床面近傍の温度を早 く高めることができ、両側のＢ部分およびＣ部分は床面から少し離れた部分に送 出され拡散して室内温度が均一に高められるように作用する。

【０００８】

【考案の効果】

以上のように本考案においては、上下風向板の板面に後端側から先端側に向か って傾斜する傾斜角度の異なる複数の傾斜面を設け、その傾斜を中央部に大きく 両端に向かって小さくなるように配置することにより、上下風向板を開き吹出空 気を偏向させると、床面近傍から床面から少し離れた部分までに広く吹出空気を 送出し、快適な暖房環境を生成することができ、複雑な開閉機構や機構部品の増 加、組立工数の増加を要しない上下風向板構造を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の室内機の要部斜視図である。

【図２】本考案の上下風向板の構成を示す斜視図および
上下風向板の作用を示す要部側面図である。

【図３】従来の上下風向板の構成を示す斜視図および上
下風向板の作用を示す要部側面図である。

【符号の説明】

１ 室内機 ２ 吸込口 ３ 吹出口 ４ 上下風向板 ５ 回転軸 ６ 傾斜面 ７ クロスフローファン ８ 補助風向板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 室内機に設けた吹出口の側壁に上下風向
   板を水平に軸支し、同上下風向板を上下方向に回動し
   て、吹出空気の方向を上下方向に偏向させてなる空気調
   和機の風向変更装置において、上記上下風向板の板面中
   央部に、その後端側から先端側に向かって傾斜角度の異
   なる複数の傾斜面を形成し、吹出空気を同傾斜面に沿っ
   て偏向するようにしてなることを特徴とする空気調和機
   の風向変更装置。