JPH056357Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、構造体として例えばプレキヤスト製
の屋根板等を、フオークリフトによつて下から側
壁部上面に据え付ける際に、前記屋根板の位置を
調整する据付装置に関するものである。

「従来技術とその問題点」 屋根付きの構造物の中で、例えばコンクリート
製構造物の屋根を構築する場合には、従来、覆工
用の型枠を用いてコンクリート等を現場打ちする
などの工法が適用されているが、現場での型枠の
組み立て等が面倒であり、またコンクリートの養
生に多くの時間を要し、工期が長引くなどの不満
があるため、プレキヤスト製コンクリート板等を
利用して屋根を構築する等の工法が適用されるよ
うになつてきている。

このような工法は、たとえば、予め工場などに
おいてプレキヤスト製品を製作しておき、このプ
レキヤスト製品を現場において、クレーンあるい
はジヤツキによつて、取り付けるものであるが、
このものでは、クレーンの作業場所を確保するこ
とが困難な場合があり、また屋根板を据え付ける
際に、その位置調整が難かしいなどの問題点があ
つた。

本考案は、このような背景に基づいて提案され
たもので、その目的とするところは、プレキヤス
ト製の屋根板等の構造体を構造物の側壁部上面に
据え付ける際に、該構造体の微調整を容易に行う
ことのできる据付装置を提供することにある。

「問題点を解決するための手段」 本考案は、このような目的を達成するために、
据付装置として、フオークリフトのフオーク上に
載置される基台と、該基台の上面にフオークリフ
トの車体の幅方向に沿つて移動自在に配設された
第１シフト本体と、該第１シフト本体に第１シフ
ト本体の移動方向に垂直な面内において揺動自在
に配設された基盤本体と、該基盤本体にフオーク
リフトの車体の前後方向に沿つて移動自在に配設
された第２シフト本体と、該第２シフト本体にそ
の移動方向に垂直な方向に軸線を沿わせた状態で
回転自在に設けられた駆動軸と、該駆動軸を回転
させる駆動手段と、前記駆動軸に一体に取り付け
られかつ屋根板等の構造体が載置される載置台と
を具備したことを特徴としている。

「作用」 前記構成の据付装置は、載置台に屋根板等の構
造体を載置した状態で、フオークリフトにより上
下動させられ、またフオークリフトの移動、基盤
本体の回動、および第１、第２シフト本体の摺動
並びに載置台の回転によつて屋根板等の構造体の
位置調整を行うものである。

「実施例」 以下、本考案の一実施例をドーム状の屋根の屋
根板Ｋを据え付ける場合を例にとつて第１図ない
し第３図を参照して説明すると、これらの図にお
いて、符号１はフオークリフトであり、このフオ
ークリフト１は周知の如く、車体２の前方（第１
図左方）に取り付けた２本のフオーク３がマスト
４に沿つて上下し、このフオーク３の昇降および
マスト４の縦回動によつて積荷の揚げ降ろしをす
るようになつている。

そして、本実施例の据付装置Ａは、前記フオー
クリフト１のフオーク３に載置されるようになつ
ており、その構成は、前記フオーク３上に載置さ
れる基台５と、該基台５の上面にフオークリフト
１の車体２の幅方向に沿つて移動自在に配設され
た第１シフト本体６と、該第１シフト本体６の移
動方向に垂直な面内において揺動自在に配設され
た基盤本体７と、該基盤本体７にフオークリフト
１の車体２の前後方向に沿つて移動自在に配設さ
れた第２シフト本体８と、該第２シフト本体８の
上面にその面内において360度旋回自在に配設さ
れかつ前記屋根板Ｋが載置される載置台９とを主
体として構成されている。

前記基台５は、箱形の枠体により構成されてお
り、その内部には、図面ではわからないが、前記
第１および第２シフト本体６，８、および基盤本
体７等を駆動する駆動装置が設けられるととも
に、その上面には第１シフト本体６を収納する枠
体１０が設けられ、また下面にはフオークリフト
１のフオーク３が嵌め合わされる一対の嵌合部１
１が取り付けられている。

前記枠体１０に収納される第１シフト本体６の
両側壁部６ａの外面には二組の摺動ローラ１３が
設けられ、第１シフト本体６は、前記基台５に設
けられた第１油圧シリンダ１２により各摺動ロー
ラ１３の転動にともなつて移動するようになつて
いる。第１油圧シリンダ１２は、そのロツド１２
ａが第１シフト本体６に固定され、ロツド１２ａ
が伸縮することにより、第１シフト本体６が移動
するようになつている。また、第１シフト本体６
の内部には、前記基盤本体７を上下に回動させる
一対の第２油圧シリンダ１４が横回動自在に設け
られている。

一方、前記基盤本体７は、ユニバーサルヒンジ
１５を介して第１シフト本体６の左側壁部６ｂに
揺動自在に取り付けられており、またその前後の
側壁部７ａに前記第２油圧シリンダ１４のロツド
１４ａが連結されている。また、この基盤本体７
の左右両側壁部７ｂには、前記第２シフト本体８
を前後に案内するガイドレール１６が設けられて
いる。なお、ここで前記ユニバーサルヒンジ１５
について説明を補足しておくと、これは、前記第
１シフト本体６の左側壁部６ｂに一体に取り付け
られるブラケツト１５ａと、該ブラケツト１５ａ
に横回動自在に取り付けられる十字状の連結部材
１５ｂと、該連結部材１５ｂに縦回動自在に取り
付けられ基盤本体７の左側壁部７ｂに一体に設け
られるブラケツト１５ｃとから構成される。

さて、前記第２シフト本体８について説明する
と、これは、左右側壁部８ａに基盤本体７のガイ
ドレール１６上を摺動する二組のシフトローラ１
７を設けたもので、その内部には支持板１８を介
して載置台９を回転自在に支持する駆動軸１９
が、その軸線を第２シフト本体８の移動方向に垂
直な方向に沿わせた状態で立設されるとともに、
この駆動軸１９を回転させる駆動手段２０が配設
されている。この駆動手段２０は油圧モータ２０
ａを主体に構成されており、該油圧モータ２０ａ
の回転をその回転軸に取り付けたウオームギア２
０ｂと、駆動軸１９に設けた平歯車２０ｃとを介
して駆動軸１９に伝達するようになつている。第
２シフト本体１８は、前記基盤本体７に設けられ
た第３油圧シリンダ２１により、ガイドレール１
６に沿つてシフトローラ１７が摺動するにともな
い移動するようになつている。

また、前記載置台９は、駆動軸１９に嵌合する
嵌合筒９ａの周囲に半径方向に延びる支持アーム
９ｂを設け、該支持アーム９ｂの先端に屋根板Ｋ
を載置するための載置部９ｃを設けた構成とされ
る。

前記駆動装置は、第４図に示すように、原動機
３０によつて作動させられる油圧ポンプ３１から
なり、油圧ポンプ３１に、前記第１油圧シリンダ
１２、第２油圧シリンダ１４、第３油圧シリンダ
２１および油圧モータ２０ａが、それぞれ正逆切
換弁である電磁弁３２，３３，３４，３５を介し
て接続されている。

次に、以上のように構成された本実施例の作用
を第３図イないしハを参照して説明する。

ドーム状の構造物を構築する場合、その周壁Ｄ
に屋根板Ｋを載置するには、まずフオークリフト
１のフオーク３を、据付装置Ａの基台５に取り付
けた嵌合部１１に挿入して、据付装置Ａをフオー
ク３上に載せ、この据付装置Ａの載置台９にその
長さ方向に沿つて、屋根板Ｋを載せる。なお、こ
の場合、屋根板Ｋはその下端を基盤本体７のヒン
ジ部側（ユニバーサルヒンジ１５側）に向け配置
しておく。

そして、屋根板Ｋを据付装置Ａの載置台９に載
せた状態で、フオークリフト１を据付位置まで移
動させて、第３図イに示すように、フオークリフ
ト１のフオーク３を上昇させる。次いで、屋根板
Ｋの下端が周壁Ｄの上面よりも上昇したら、その
位置でフオーク３を停止し、固定する。そして、
第３図ロに示すように、屋根板Ｋの下端が周壁Ｄ
の上面まで位置するように、第１油圧シリンダ１
２のロツド１２ａを伸張させることにより第１シ
フト本体６を移動させて、屋根板Ｋの水平移動を
行う。さらに、第３油圧シリンダ２１を作動させ
て、屋根板Ｋの幅方向の調整を行う。次いで、第
３図ハに示すように、第２油圧シリンダ１４のロ
ツド１４ａを伸張して載置台７を縦回動させ、さ
らに油圧モータ２０ａにより屋根板Ｋを回転させ
て、屋根板Ｋを据付装置に載置する。

フオークリフト１の車体２の前後動およびマス
ト４の縦回動によつて、屋根板Ｋの幅方向の位置
調整および屋根板下端の角度調整を行うことはで
きるが、上記のように、第１シフト本体６を移動
させ、第２シフト本体８を移動かつ縦回動させ、
さらに第２シフト本体８を回動させることによ
り、フオークリフト１を作動させる必要はなく、
微調整を容易にかつ正確に行うことができる。

したがつて、本実施例にあつては、第２シフト
本体８と載置台９とによつてフオークリフト１の
前後動の動きおよびマスト４の縦回動の微調整を
しないで済むことになる。

なお、この実施例にあつては、前記載置台９を
駆動軸１９によつて360度回転させることができ
るので、載置台９に屋根板Ｋ等のプレキヤスト製
品を載せた状態でこれを横方向および水平方向に
も回転させることができ、したがつて屋根板Ｋの
微調整以外に例えば垂直方向に立設される壁板等
を据え付ける際に有効に利用することができると
いつた長所がある。

また、前述した実施例では、ドーム状の屋根を
持つ構造物の屋根板を据え付ける場合を例にとつ
て説明したが、本考案の据付装置は、このものに
限定されるものではなく、他の構造物の上面を覆
うものを据え付ける場合にも適用できることは勿
論である。

「考案の効果」 以上説明したように本考案によれば、フオーク
リフトによつて、構造物の屋根板等の構造体を側
壁部上面に据え付ける際に、フオークリフトの動
きに加えて、据付装置の第１、第２シフト本体に
よる前後左右方向の移動並びに基盤本体による縦
回動、さらには載置台の回転運動により、屋根板
等の構造体を動かすことができるので、構造体の
据え付けに際し、必要な作動方向をすべて行うこ
とができ、したがつて、例えばプレキヤスト製の
屋根板等を簡単に据え付けて、その微調整を容易
に行なうことができる等の優れた効果を奏する。

また載置台を駆動軸によつて360度回転させる
ことができるので、載置台に屋根板等のプレキヤ
スト製品（構造体）を載せた状態でこれを横方向
および水平方向にも回転させることができ、した
がつて屋根板の微調整以外に例えば垂直方向に立
設される壁板等を据え付ける際に有効に利用する
ことができるといつた長所がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案の一実施例を示す
もので、第１図は概略を示す斜視図、第２図は調
整装置の分解斜視図、第３図イないしハは作用を
説明するために示した工程図、第４図は駆動装置
の油圧回路図である。 Ｋ……屋根板、Ｄ……周壁、Ａ……据付装置、
１……フオークリフト、２……車体、３……フオ
ーク、５……基台、６……第１シフト本体、７…
…基盤本体、８……第２シフト本体、９……載置
台、１９……駆動軸、２０……駆動手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 構造物の屋根板等の構造体をフオークリフトに
   よつて側壁部の上側に据え付ける際に、前記構造
   体の位置調整をする据付装置であつて、該据付装
   置は、前記フオークリフトのフオーク上に載置さ
   れる基台と、該基台の上面にフオークリフトの車
   体の幅方向に沿つて移動自在に配設された第１シ
   フト本体と、該第１シフト本体に第１シフト本体
   の移動方向に垂直な面内において揺動自在に配設
   された基盤本体と、該基盤本体にフオークリフト
   の車体の前後方向に沿つて移動自在に配設された
   第２シフト本体と、該第２シフト本体にその移動
   方向に垂直な方向に軸線を沿わせた状態で回転自
   在に設けられた駆動軸と、該駆動軸を回転させる
   駆動手段と、前記駆動軸に一体に取り付けられか
   つ前記屋根板等の構造体が載置される載置台とを
   具備した構造体据付装置。