JPH0562204U - ペット動物の健康チェック用具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ペット動物の健康チェックのための尿の状態
を手軽に検査できるようにした用具を提供する。 【構成】 ペット動物の尿を貯える貯尿シート１と、貯
尿シート１に押圧して、該貯尿シート１上の尿を転移さ
せる試験紙７を貼着した検知ボード２とを含み、試験紙
７の変化によって尿中のＰＨ、糖または蛋白を検知する
ようにした用具。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、犬や猫などのペット動物の健康を日常管理するためのチェック用具 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

最近、愛玩用の犬や猫の世界でも高齢化が進み、また給餌の多様化やストレス の溜まりやすい生活環境などにともなう病気の発生率も高くなり、その病気の内 容も多種、多様に及んでいる。各種の病気は必然的に尿成分の異常を来す。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このように犬や猫の健康が損なわれた場合でも、ものを言わぬため余程重症に ならぬ限り、飼主が気が付かないことが多く、重症になり、犬猫病院に入院しな ければならなくなったり、病気が慢性化して治癒が長引いたり、あるいはこれら が昂じて不幸な結果を招くことになりやすい。

【０００４】 特に、尿の酸性度を知り、尿中の糖分や蛋白量を知ることは、上記の事態発生 を防ぎ、動物の健康管理のために、必要にして、かつ手軽な方法である。しかし ながら、従来は、飼主が手軽にペット動物の健康状態をチェックする方法はなく 、まして、チェックするための用具も市販されていない。

【０００５】 本考案は、飼主が日常、愛玩する犬、猫などの健康を手間をかけることなく、 家庭で容易に管理でき、これらペット動物との絆を強めることができるペット動 物の健康チェック用具を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的達成のため本考案は、貯尿シートと検知ボードとを含み、 貯尿シートは、レーヨンまたは合成繊維の不織布状体から成り、 検知ボードは、把持部と当接部から成り、当接部の一方面に、尿成分によって 色が変化する試験紙が貼着されることを特徴とするペット動物の健康チェック用 具である。

【０００７】

【作用】

尿が排出された貯尿シート上に検知ボードの試験紙を押圧接触させて前記尿を 試験紙に転移させ、試験紙が示す変色状態によって対象動物の健康状態を知る。

【０００８】

【実施例】

図１は本考案の一実施例を示す貯尿シートの斜視図であり、図２は検知ボード の正面図である。

【０００９】 これらの図に示すように、健康チェック用具は、貯尿シート１と検知ボード２ とを組合わせて構成される。

【００１０】 本考案のペット動物の健康チェック用具は犬猫をはじめとし、各種愛玩哺乳動 物の尿の状態を観察することによって、それぞれの健康状態を管理しようとする ものである。

【００１１】 たとえば、尿のＰＨを検査した結果、酸性尿である場合は、 呼吸性、代謝性アシド・シス、糖尿病性ケトアシド・シス、原発性腎不 全、重度の嘔吐、飢餓、発熱、内因性、外因性蛋白の異化、酸素負債 などが起因しており、また、逆に、アルカリ尿である場合は、ウレアーゼ産性 菌による尿路感染、呼吸性、代謝性アルカローシス、嘔吐などの病気の疑い がある。

【００１２】 糖尿には生理的糖尿、製剤性糖尿および病的糖尿があり、この病的糖尿 としては真性糖尿病、急性膵炎、副腎皮質機能抗進、ＣＮＳ病変、クローム親和 性細胞腫、原発性腎性糖尿病、アミノ糖尿病、先天性腎疾患などがある。

【００１３】 さらに蛋白尿の原因は、種々の泌尿器系および非泌尿器系の疾患によって起こ るが、生理的蛋白尿のほか、病的蛋白尿としては、非尿路性蛋白尿、尿路性蛋白 尿、非腎性蛋白尿および腎性蛋白尿がある。

【００１４】 本考案は、これらＰＨ、糖、蛋白の程度を検知することによってこれら動物の 体調をチェックする。

【００１５】 貯尿シート１は、レーヨンまたは合成繊維を用いて不織布状体とされ、清浄で 動物の尿に化学変化を与えない品質であり、透水性とともに、毛管現象によって 一時的に尿を貯えることのできる採尿容器兼用のシートであって、繊維自らは吸 水性を有しないことが望ましい。

【００１６】 検知ボード２は、厚紙またはプラスチック板から成り、その長手方向途中に形 成された折線５を介して把持部３と当接部４とに区分される。検知ボード２は前 記折線５で折り曲げられたとき外側面となる一方面側において、把持部３に形成 される品名欄６には、後記試験紙７の種類による検知ボード区分、たとえばＰＨ 検査用、糖検査用または蛋白検査用などの使用区分が記入され、当接部４には、 上記各検査に対応する試験紙７が貼着される。

【００１７】 この試験紙７として、ＰＨ試験紙７は、吸水紙にプロームクレゾールパープル またはメチールレッドまたはＭＲ，ＢＴＢ混合液を含浸されたものが用いられ、 これらは、酸に対しては黄変し、アルカリの場合には青に変色する。酸またはア ルカリ量が高くなるにつれて各色とも強く顕出される。

【００１８】 また、糖検査用試験紙には、ブドウ糖酸化酵素、過酸化水素分解酵素、オルト ・トリジンなどの医療品が用いられる。検査の結果が陰性の場合には黄色である が陽性に対しては緑色に変化する。

【００１９】 蛋白検査用試験紙には、テトラプロムフェノールブルーまたはテトラクロロ フェノール・テトラブロモスルホンフタレンもしくは、クエン酸緩衝剤が用い られる。これらは陰性では黄色であるが蛋白が陽性の場合には青緑色に変化する 。

【００２０】 次に本考案の健康チェック用具の使用態様について説明する。

【００２１】 先ず、チェック対象動物が犬の場合は、図３の正面図に示すように、室内ペッ ト専用の排尿箱１０内に保水性の繊維製品から成るペットシーツ１１を置き、そ の上に本考案の貯尿シート１を敷いた上に排尿させる。排尿箱１０に排尿するよ うに躾られた犬なら容易に貯尿シート１上に排尿するので、この貯尿シート１上 に排尿直後、検知ボード２を試験紙７が貼着された一方面を表にして折線５から Ｌ字状に折り曲げ、把持部３をつまんで試験紙７を下向きにして、試験紙７が、 前記貯尿シート１上または貯尿シート１内の尿に触れるように検知ボード２を貯 尿シート１に押圧し、試験紙７に尿を転移させる。このときの試験紙７の色の変 化によりＰＨや糖または蛋白の程度を判定する。たとえばＰＨ検査用検知ボード を使用した場合、ＰＨが６．６以上であると、要注意であり、動物病院に相談す る必要がある。このことは、検知ボード２に、使用方法とともに記載しておく。 検知ボード２には変色状態とＰＨ数値との関係も表示される。

【００２２】 糖検査または蛋白検査には、それぞれ糖検査用試験紙または蛋白検査用試験紙 が貼着された検知ボードが用いられるが、これらの検知ボードにも使用方法、色 変化による説明が記載されている。

【００２３】 屋外飼育用の犬についても、上記使用態様に準じて使用するが、屋外運動途中 の排尿に対しては、尿を試験紙に転移させるにあたり、貯尿シートを省略するこ ともできる。

【００２４】 このように本考案によると、日常生活の中でペット動物の健康チェックが、誰 にでも手間をかけることなく手軽にできることとなり、しかも手を汚すこともな い。また、発病前に異常を発見して早目の養生や治療を施すことができるので、 治癒も容易である。このことは、ものを言わぬペット動物のためは勿論、飼主の ためにも極めて重要なことといえる。

【００２５】 図４は、猫に対する使用態様を示す正面図である。猫の排尿箱１０には、犬の 場合のペットシーツ１１の代わりに、排尿砂１２が用いられている以外は変わり なく、したがって使用態様も犬と同様とする。

【００２６】 上記実施例では、犬と猫について説明したが、本考案の健康チェック用具は、 猿その他の哺乳動物に対しても利用できることは勿論である。

【００２７】

【考案の効果】

本考案は以上のように、貯尿シートと検知ボードとを含み、貯尿シートに排出 された尿を検知ボードの試験紙に転移させ、試験紙の変色状態によってペット動 物の健康状態をチェックすることができるので、日常生活の中で手間をかけずに 、誰にでも容易に実施でき、ペット動物の発病を未然に防ぐことができる。しか も本考案のチェック用具は構造簡単で、安価に購入でき、清潔にペット動物の健 康管理ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の貯尿シートの斜視図であ
る。

【図２】本考案の一実施例の検知ボードの正面図であ
る。

【図３】使用態様を示す正面図である。

【図４】他の使用態様を示す正面図である。

【符号の説明】

１ 貯尿シート ２ 検知ボード ３ 把持部 ４ 当接部 ７ 試験紙 １０ 排尿箱

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 貯尿シートと検知ボードとを含み、 貯尿シートは、レーヨンまたは合成繊維の不織布状体か
   ら成り、 検知ボードは、把持部と当接部から成り、当接部の一方
   面に、尿成分によって色が変化する試験紙が貼着される
   ことを特徴とするペット動物の健康チェック用具。