JPH0560665A - 生体高分子溶液濃度2次元測定用結晶化容器 - Google Patents

生体高分子溶液濃度2次元測定用結晶化容器

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JPH0560665A
JPH0560665A JP40355790A JP40355790A JPH0560665A JP H0560665 A JPH0560665 A JP H0560665A JP 40355790 A JP40355790 A JP 40355790A JP 40355790 A JP40355790 A JP 40355790A JP H0560665 A JPH0560665 A JP H0560665A
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JP
Japan
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chamber
crystallization
solution
crystallizing agent
bio
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Withdrawn
Application number
JP40355790A
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English (en)
Inventor
Kotaro Oka
浩太郎 岡
Takaharu Asano
高治 浅野
Shozo Fujita
省三 藤田
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】生体高分子結晶化の測定の際、従来の装置にお
ける吸光度測定誤差の問題を解決することを目的とす
る。 【構成】結晶成長室Bと結晶化剤室Cとから成り、該結
晶化剤室Cには内部に結晶化剤を含有する透析膜11の
袋体が設けられており、該透析膜11は該結晶成長室B
とは隣接して設置するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生体高分子結晶化容器
に関し、更に詳しくは生体高分子溶液濃度の2次元測定
方法を実施するための装置に使用できる生体高分子濃度
2次元測定用結晶化容器(以下、単に結晶化容器ともい
う)に関する。
【0002】
【従来の技術】蛋白質、ポリペプチド、核酸などの生体
高分子構造解析にはX線回折が行われる。X線回折を行
うためには、構造の乱れが少ない、良質な生体高分子結
晶を得ることが重要である。しかしながら、良質な生体
高分子結晶を得るのは従来困難であった。それは、結晶
化条件が、各生体高分子で異なるために、試行錯誤に最
適化条件決定を行う必要があったためである。また、生
体高分子結晶の結晶核に成長過程についての知見が少な
いことも、良質な生体高分子結晶を得ることを困難にし
ている。
【0003】近年、生体高分子、とりわけ蛋白質結晶成
長過程を詳細に調べようとする試みがなされ始めた(例
えばAzuma et al. J.Crystal Growth, 98, 371-376, 1
989)。彼らの論文では、蛋白質結晶過程追跡を、結晶近
傍の屈折率変化を微分干渉光学系を利用して測定するこ
とにより行っている。この方法により、結晶近傍での2
次元濃度測定が可能となった。しかしながら微分干渉光
学系による蛋白質濃度測定には幾つかの問題がある。ま
ず第一には、蛋白質濃度を屈折率により測定するため
に、結晶母液中の溶質濃度変化を蛋白質濃度変化と誤認
する可能性があげられる。また第二点目としては屈折率
から蛋白質濃度への換算のためには、結晶近傍と母液中
での干渉縞の間隔測定が必要であるために、画像処理な
ど煩雑な操作が必要である。
【0004】本発明者らは、生体高分子結晶化過程を2
次元で走査できる方法およびこの方法を実施するための
簡便な装置を発明し特許出願している。この出願に係る
発明において、従来の微分干渉光学系による測定装置の
問題点であって前記の2点を克服できた。更に、該出願
で開示した装置においては、液液界面2液拡散法および
膜介在2液拡散法を用い、生体高分子の紫外線吸光度を
利用して、蛋白質結晶化過程を追跡することが可能とな
った。
【0005】しかるに、前記出願方法の実施に際して
は、図3に模式的に説明するように結晶化剤溶液1を充
填した結晶化セル2内に、その内部に蛋白質溶液3を装
入した球状の透析膜の容器4を取り付け生体高分子結晶
化容器としていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来の前記
結晶化容器を用い、膜介在2液拡散法により紫外吸光度
を測定して結晶化過程を追跡しようとする場合、結晶成
長が透析膜の内側で起きることから透析膜自身が紫外線
を吸収するため、吸光度検出部においてノイズが発生
し、より正確な吸光度の測定に支障を生じていた。更
に、紫外光は、透析膜を2回通過して検出部に至るので
減弱し、測定に誤差が生じやすく、このためより正確な
蛋白質の結晶化の測定に問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであり、本発明の生体高分子
結晶化容器は、結晶成長室と結晶化剤室とから成り、該
結晶化剤室には内部に結晶化剤を含有する透析膜の袋体
が設けられており、該透析膜の袋体は該結晶成長室と隣
接して設置されていることを特徴とする。
【0008】すなわち本発明は、従来の結晶化容器とは
発想を異にし、紫外光を通過させることによって結晶化
状態の知見を得るための結晶成長室と結晶化剤室の2つ
の室を隣接して設けかつ、結晶化剤室にはその内部に結
晶化剤を含有する透析膜袋体を設けるように構成したも
のである。また、結晶化剤(例えば硫安)が透析膜を通
過して結晶成長室に至るためには結晶成長室の濃度より
も結晶化剤室の濃度を高くする必要がある。このための
2本の導管を更に結晶化剤室に設けることができる。
【0009】
【作用】本発明の結晶化容器は上記のように構成される
ので、紫外光は透析膜に邪魔されることなく結晶成長室
のみを通過する。以下、更に実施例により本発明を更に
説明する。
【0010】
【実施例】
実施例1 図1は、本発明の結晶化容器(膜介在2液拡散法によ
る)の一実施例を示す平面図である。この結晶化容器A
は、結晶成長室Bとこの室に隣接する結晶化剤室Cとか
ら成っている。結晶成長室Bは、蛋白質などの生体高分
子の溶液を注入するための室である。
【0011】結晶成長室Bの大きさは適宜選択すること
ができるが、例えば4×10×2mmの大きさとすることが
できる。結晶成長室Bの両面(上面と下面)には紫外線
を透過させるための石英ガラス窓10が設けられている。
結晶化剤室Cには、袋状の透析膜11が設けられている。
この透析膜の一部に開口部が設けられている。この開口
部を通して結晶化剤溶液を該結晶化剤室Cに導入および
排出するための導入管12および排出管13が、更に結晶化
剤室に設けられている。また、透析膜の開口部には蛋白
質溶液の流出を防止するための蓋体20が設けられ、更に
導入管12および排出管13と透析膜の一端のシールを、密
封部材(例えばOリング)12によって行うことができ
る。更に結晶化剤室Cとキャップ15の間シールは、密封
部材(例えばOリング)16によって行われる。
【0012】一方、結晶成長室の一端には蛋白質溶液を
注入するための注入口17が設けられている。注入口17は
キャップ18によって封鎖されている。なお、結晶成長室
Bとキャップ18との密閉を保持するため密部部材(例え
ばOリング)19を設けることができる。図面から明らか
なように結晶化剤室Cは結晶成長室よりも大きく構成さ
れ、例えば10倍程度の容積を有する。
【0013】結晶化過程の測定にあたっては、まずキャ
ップ18を取りはずし、注入口17より生体高分子溶液を結
晶成長室Bに充填する。一方、結晶化剤室C内の袋状透
析膜11内には生体高分子溶液と同じ組成の塩溶液を充填
しておく。測定開始時には、導入管12より高濃度の結晶
化剤溶液を袋状透析膜11内に注入し、同時に排出管13よ
り結晶化剤溶液を吸引することにより、透析膜11内の結
晶化剤濃度を上げる。この操作により結晶化剤は、透析
膜11を介して結晶成長室Bに入り、該室Bで蛋白質の結
晶成長が開始される。 実施例2 以下、前記実施例1で説明した結晶化容器を用いたタン
パク質ミオグロンビン結晶化について説明する。
【0014】図1で示す結晶成長質Bに2.0%ミオグロ
ヒビン溶液(55%飽和硫安水溶液)を充填する。次い
で、結晶化剤室Cに、導入管12より97%飽和硫安溶液を
注入し、同時に排出管13より硫安溶液を吸引することに
より、結晶化剤室の硫安溶液を置換した。このような操
作により結晶化剤室の硫安溶液の濃度を結晶成長室の硫
安溶液の濃度よりもより高くした。置換終了後、測定を
開始した。実験開始後、結晶化容器を室温で静置した。
【0015】結晶化の様子を生体高分子溶液濃度2次元
測定装置により観測したところ、実験開始後 120時間を
経過した段階で、結晶成長が観察することができた。
(表1)。この結晶について石英ガラス窓を通して顕微
鏡観察を行ったところ、結晶容器中に約30個のタンパク
質結晶が成長しているのが観察できた。生成した結晶の
大きさを調べたところ、平均497 ±221μmの大きさで
あった。このことから、この生体高分子溶液2次元測定
用結晶化容器で、タンパク質結晶化が可能であり、また
紫外線により結晶化過程の追跡が可能であることが明ら
かとなった。
【0016】
【表1】
【0017】表中の右の□は、透析膜の影響により吸光
度がスケールアウトしたことを示す。また図中の★は、
結晶成長が起こったために吸光度がスケールアウトして
いることを示している。
【0018】
【発明の効果】従来容器における如く透析膜に邪魔され
ることなく紫外光を結晶化成長室に照射することができ
る。従って、測定に誤差がなく、より正確に生体高分子
結晶化過程を観察できる効果を奏する。また本発明容器
を用いることにより、膜介在2液拡散法による生体高分
子結晶化過程を2次元で追跡しうることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施例の結晶化容器の平面図である。
【図2】図1のI−I′断面図である。
【図3】従来容器の概略図である。
【符号の説明】
10…石英ガラス窓 11…透析膜 12…導入管 13…排出管 A…結晶化容器 B…結晶成長室 C…結晶化剤室

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶成長室と結晶化剤室とから成り、該
    結晶化剤室には内部に結晶化剤を含有する透析膜の袋体
    が設けられており、該透析膜の袋体は該結晶成長室と隣
    接して設置されていることを特徴とする生体高分子結晶
    化容器。
  2. 【請求項2】 透析膜内の結晶化剤を置換するための2
    本の管が更に設けられている請求項1の生体高分子結晶
    化容器。
JP40355790A 1990-12-19 1990-12-19 生体高分子溶液濃度2次元測定用結晶化容器 Withdrawn JPH0560665A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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