JPH0560138A - 磁性流体軸受装置 - Google Patents

磁性流体軸受装置

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Publication number
JPH0560138A
JPH0560138A JP22177491A JP22177491A JPH0560138A JP H0560138 A JPH0560138 A JP H0560138A JP 22177491 A JP22177491 A JP 22177491A JP 22177491 A JP22177491 A JP 22177491A JP H0560138 A JPH0560138 A JP H0560138A
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JP
Japan
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bearing
magnetic
magnetic fluid
fluid
bearing device
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Application number
JP22177491A
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English (en)
Inventor
Shuetsu Uno
修悦 宇野
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Publication of JPH0560138A publication Critical patent/JPH0560138A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/02Parts of sliding-contact bearings
    • F16C33/04Brasses; Bushes; Linings
    • F16C33/06Sliding surface mainly made of metal
    • F16C33/10Construction relative to lubrication
    • F16C33/1025Construction relative to lubrication with liquid, e.g. oil, as lubricant
    • F16C33/103Construction relative to lubrication with liquid, e.g. oil, as lubricant retained in or near the bearing
    • F16C33/1035Construction relative to lubrication with liquid, e.g. oil, as lubricant retained in or near the bearing by a magnetic field acting on a magnetic liquid

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Magnetic Bearings And Hydrostatic Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】装置を簡素化して軸受装置から潤滑材の漏れを
完全に防止し、かつ信頼性が高く、メンテナンスを容易
に行なうことができるようにしたものである。 【構成】枠体2に取付けられた軸受ハウジング57と、
この軸受ハウジング57に収容され回転軸54を支持す
る軸受部55とを有し、これら軸受側55、57と回転
軸側54との間隙S1に潤滑流体MFを充填させた軸受
装置53において、前記潤滑流体MFを磁性流体により
構成し、前記回転軸54を磁性体で前記軸受部55と軸
受ハウジング57とを非磁性体でそれぞれ構成し、前記
軸受部55と軸受ハウジング57との間に磁性体からな
る磁路形成部56を設け、この磁路形成部56と前記回
転軸54とで形成される磁路Φ1により前記磁性流体M
Fを前記間隙S1内に密封するシール部58を形成する
ようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転機械に用いられる
軸受装置に係り、特に、潤滑流体に磁性流体を用いた磁
性流体軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、それぞれの技術分野における環境
汚染防止規制が厳しくなる中で、各種回転機械の軸受装
置に用いられる潤滑剤の漏れ防止対策が重要視されてき
ている。一方、原子力発電所に設置される各種回転機械
(例えば誘導電動機など)では、長期信頼性とメンテナ
ンスフリーの要求が強い。
【0003】回転機械の軸受部からの潤滑剤の漏れは、
環境汚染に繋がるばかりでなく、潤滑剤不足による軸受
性能の低下や回転機の機内への漏洩による絶縁物(コイ
ルの被覆等)の劣化を招き、時には絶縁破壊等を引き起
こし、事故発生の原因となる可能性がある。
【0004】また、給油機器等の装置の設置を極力抑制
し、メンテナンスの簡略化や小型化による省資源の要求
が非常に強くなってきている。
【0005】従来の回転機械に用いられる軸受装置を図
10ないし図16を参照して説明する。
【0006】回転機械1は、図10に示すように、ステ
ータフレームとしての枠体2を有し、この枠体2にステ
ータコイル2Aが収容され、ステータコイル2A内に回
転軸4が挿通される。回転軸4は軸受装置3を介して枠
体2に支承される。
【0007】軸受装置3は、軸受部6と軸受ハウジング
7とシール部20とを備えて構成される。軸受部6は軸
受ハウジング7内に収容され、軸受ハウジング7は枠体
2に取付けられる。軸受部6と軸受ハウジング7とで構
成される軸受側と回転軸4側との間隙には、潤滑流体と
しての潤滑油Fが充填される。シール部20は、軸受ハ
ウジング7と回転軸4との間に配設される。
【0008】軸受ハウジング7は、図10に示すよう
に、軸受部6を軸受支持部8A,8Bに固定し、下部に
は給油室7Aが形成され潤滑油Fを貯溜する。
【0009】軸受部6は、スリーブ状のラジアルスラス
ト軸受で構成され、回転軸4の周面側にラジアル荷重を
支持するラジアル摺動部6Aが、回転軸4の径方向側に
スラスト荷重を支持するスラスト摺動部6Bがそれぞれ
形成される。また、軸受部6の両端面には、油切り板1
0A,10Bが回転軸4側に突出して取付けられる。
【0010】軸受部6の中央部には、溝6Cが形成さ
れ、溝6Cにオイルリング9が回転軸4の回転面に接触
可能に配設される。オイルリング9の下部は給油室7A
内に突出して潤滑油Fに浸漬される。油切り板10Aよ
り枠体2側の回転軸4には、周方向に油切り溝13が刻
設される。
【0011】ところで、軸受装置3のシール部20は、
図10に示すように、油切り11A,11Bとラビリン
スパッキン12A,12Bとを備えて構成される。
【0012】油切り11A,11Bは、軸受ハウジング
7の両端面内側にそれぞれ設けられる。ラビリンスパッ
キン12A,12Bは、油切り11A,11Bの内周面
に取付けられる。ラビリンスパッキン12A,12Bと
回転軸4との間隙は、回転軸4が回転時する際の軸心の
偏位を考慮して所定の大きさに設定される。
【0013】従来の軸受装置1は、潤滑油Fが回転軸4
が回転すると、オイルリング9も回転し、オイルリング
9を介して給油室7Aからラジアル摺動部6Aに潤滑油
Fが供給される。潤滑油Fは、図13に示すように、回
転軸4とラジアル摺動部6Aとの間隙C1で油膜を形成
する。
【0014】油膜形成により回転軸4が浮上し、軸受部
6の軸受中心Oと回転軸4の軸心O4が偏心量eの状態
で平衡する(図13参照)。平衡状態では、軸受幅方向
の油膜圧力分布PD1は、図14に示すような圧力分布
を示す。このため、軸受部6の端部より逃げ流としての
側流量FL1が発生する。
【0015】側流量FL1は、スラスト摺動部6Bと回
転軸4との間隙C2に流入する(図10参照)。このと
き、スラスト摺動部6Bは、図13に示すような圧力分
布PD2による流体圧を受け、軸方向のスラスト荷重が
油膜により支持される。ほとんどの側流量FL1は、回
転軸4に沿って油切り板10A,10Bと回転軸4との
間隙C3を通過する。
【0016】間隙C3を通過した側流量FL1は、油切
り溝13に導入されて遠心力により飛散され、給油室7
Aに回収される。このとき枠体2側の間隙C3を通過し
た側流量FL1の一部は、回転軸4の表面に粘着して流
動し、ラビリンスパッキン12Aに達すると軸受ハウジ
ング7の外部への流出が阻止される。
【0017】他方、枠体2と反対側の間隙C3を通過し
た側流量FL1は、回転軸4の表面に粘着して流動し、
ラビリンスパッキン12Bに達すると軸受ハウジング7
の外部への流出が阻止される。
【0018】図15および図16は、従来の軸受装置と
してラジアル軸受を有する軸受装置を示す。なお、図中
図10ないし図13と対応部分には同一の符号を付し、
その説明を省略する。
【0019】軸受装置33の軸受部36は、図15に示
すように、回転軸4の周面側にラジアル荷重を支持する
ラジアル摺動部36Aが形成され、軸受ハウジング37
の軸受支持座37A,37Bに固定される。
【0020】ところで、軸受装置33にはシール部38
がステータ側に2ヶ所設けられる。シール部38は、図
16に示すように、軸受ハウジング37の油切り取付け
座40、41、42に取付けられた油切り40A,41
A,42Aと油切り40A,41A,42Aの内周面に
設けられたラビリンスパッキン40B,41B,42B
とにより構成される。シール部38は、ラビリンスパッ
キン40B,41B,42Bにより軸受部36と軸受ハ
ウジング37とで構成される軸受側と回転軸4側との間
隙に充填された潤滑油Fをシールするようになってい
る。
【0021】軸受装置33は、上記軸受装置3と同様
に、潤滑油Fが回転軸4の表面に粘着して流動し、ラビ
リンスパッキン41B,40B,42Bに達すると軸受
ハウジング37の外部への流出が阻止される。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】従来の軸受装置では、
軸受装置内部に潤滑油を貯溜し、潤滑油の外部への漏れ
防止にラビリンスパッキンを用いているため、回転軸の
ぶれを考慮して所定の間隙回転軸とラビリンスパッキン
との間に確保しなければならず、回転軸の表面を潤滑す
る潤滑油をラビリンスパッキンで完全にシールすること
は極めて困難である。
【0023】また、ファンの吸い込み作用(負圧作用)
や摺動部に形成される油膜の粘性作用による軸受損失に
より、軸受ハウジング内部の温度が上昇し、温度上昇に
伴う内部圧力の増大によりラビリンスパッキンから潤滑
油が漏洩しやすくなるという問題がある。
【0024】このように、回転機械の軸受部からの潤滑
油の漏れは、環境汚染に繋がるばかりでなく、潤滑油不
足による軸受性能の低下や回転機機内への漏洩による絶
縁物(コイルの被覆等)の劣化を招き、時には絶縁破壊
等を引き起こし、事故発生の原因となる恐れすらある。
【0025】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、装置を簡素化して軸受装置から潤滑材の漏れを
完全に防止し、かつ信頼性の高いメンテナンスフリーの
磁性流体軸受装置を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁性流体軸
受装置は、上述した課題を解決するために、枠体に取付
けられた軸受ハウジングと、この軸受ハウジングに収容
され回転軸を支持する軸受部とを有し、これら軸受側と
回転軸側との間隙に潤滑流体を充填させた軸受装置にお
いて、前記潤滑流体を磁性流体により構成し、前記回転
軸を磁性体で前記軸受部と軸受ハウジングとを非磁性体
でそれぞれ構成し、前記軸受部と軸受ハウジングとの間
に磁性体からなる磁路形成部を設け、この磁路形成部と
前記回転軸とで形成される磁路により前記磁性流体を前
記間隙内に密封するシール部を形成したものである。
【0027】また、本発明に係る磁性流体軸受装置は、
上述した別の課題を解決するために、回転軸と軸受部と
のいずれか一方の対向面に磁性流体を低圧側から高圧側
に導く溝を形成したものである。
【0028】さらに、本発明に係る磁性流体軸受装置
は、上述したさらに別の課題を解決するために、磁路形
成部は、外部から冷却媒体を導入する冷却通路が内部に
形成されるようにしたものである。
【0029】さらに、本発明に係る磁性流体軸受装置
は、上述したさらに別の課題を解決するために、軸受部
は、磁性流体を外部から供給可能に導入する導入通路が
内部に形成されるようにしたものである。
【0030】
【作用】本発明に係る磁性流体軸受装置は、枠体に取付
けられた軸受ハウジングと、この軸受ハウジングに収容
され回転軸を支持する軸受部とを有し、これら軸受側と
回転軸側との間隙に潤滑流体を充填させた軸受装置であ
って、前記潤滑流体を磁性流体により構成し、前記回転
軸を磁性体で前記軸受部と軸受ハウジングとを非磁性体
でそれぞれ構成し、前記軸受部と軸受ハウジングとの間
に磁性体からなる磁路形成部を設け、この磁路形成部と
前記回転軸とで形成される磁路により前記磁性流体を前
記間隙内に密封するシール部を形成したことにより、回
転軸と軸受側との間が磁性流体により完全に密封される
ので、潤滑流体が軸受装置から外部に漏れることがな
い。
【0031】
【実施例】以下図1ないし図8を参照して本発明に係る
磁性流体軸受装置の第1の実施例について説明する。
【0032】図1は本発明の第1の実施例に係る磁性流
体軸受装置を示す縦断面図、図2は図1を拡大して示す
拡大縦断面、図3は図1のIII −III 線に沿う縦断面
図、図4は図1のIV−IV線に沿う矢視図である。
【0033】なお、図中図10ないし図14と対応する
箇所には同一の符号を付して説明は省略する。
【0034】回転機械51は、図1に示すように、ステ
ータフレームとしての枠体2を有し、この枠体2にステ
ータコイル2Aが収容され、ステータコイル2A内には
磁性体からなる回転軸54が挿通される。回転軸54
は、ファン5を備え、磁性流体軸受装置53を介して枠
体2に回転可能に支承される。
【0035】磁性流体軸受装置53は、枠体2に取付け
られ、軸受部55と磁路形成部56と軸受ハウジング5
7とシール部58とを備えて構成される。磁性流体軸受
装置53と回転軸54との間には潤滑流体として磁性流
体MFが充填される。
【0036】軸受ハウジング57は、図1に示すよう
に、非磁性体材料からなる筒体で構成され、外周面には
冷却強化溝57Aが周方向に多数形成される。冷却強化
溝57Aは、磁性流体軸受装置53で発生する熱を放熱
して冷却する機能を果たす。軸受ハウジング57の一端
のフランジ部57B(図1の左方参照)は、枠体2に取
付けられる。
【0037】軸受ハウジング57の内側には、磁路形成
部56が設けられる。磁路形成部56は、2片の磁路テ
ィース60、61と各磁路ティース60、61間に挾着
された永久磁石62とを有して構成される。磁路ティー
ス60、61はそれぞれ、磁性体からなる筒状体で構成
される。
【0038】各磁路ティース60、61の外側端部は、
図2に示すように、回転軸54に向かって突出した突部
60A,61Aがそれぞれ形成され、突部60A,61
Aには、シール溝60B,61Bが周方向にそれぞれ刻
設される。シール溝60B,61Bは、磁路ティース6
0、61の磁束を集中させるために設けられる。また、
各磁路ティース60、61の外側端面には、リング溝6
0C,61Cがそれぞれ形成され、Oリング63、64
が嵌着される。
【0039】各磁路ティース60、61には、回り止め
ピン65、66が軸受ハウジング57を貫通して挿着さ
れ、軸受ハウジング57に対する回動が規制される。ま
た、軸受ハウジング57の他端開口部57C(図2右方
参照)には、締め付けナット67が螺着され、磁路形成
部56を軸受ハウジング57に固定している。
【0040】永久磁石62は、図3に示すように、円柱
形に形成され、磁路ティース60、61間で周方向に複
数個配設される。このため、磁路形成部56は永久磁石
62の磁界により、磁路ティース60、突部60A、回
転軸54、突部61Aおよび磁路ティース61を通る磁
路Φ1(図2参照)を形成するよう構成される。
【0041】軸受部55は、図2に示すように、磁路形
成部56と回転軸54との間に配設され、図3に示すよ
うに、回り止めキー70を介して磁路形成部56に係止
されるとともに締め付けナット68が螺着され磁路形成
部56に取付けられる。軸受部55は、セラミックス等
の非磁性体材料からなるスリーブ状の磁性流体ラジアル
スラスト軸受で構成される。
【0042】軸受部55は、ラジアル荷重を支持するラ
ジアル摺動部55Aとスラスト荷重を支持するスラスト
摺動部55Bとを有し、ラジアル摺動部55Aおよびス
ラスト摺動部55Bには、ホワイトメタル等の軸受金属
が接合される。軸受部55の外周面55Cは曲面に形成
される。軸受部55の外周面55Cと磁路形成部56の
内周面とにより連通溝59が画成される。ラジアル摺動
部55Aは、図2に示すように、滑らかな内周面を有す
る円筒からなり、スラスト摺動部55Bは、図4に示す
ように、テーパランド形状をなしている。
【0043】回転軸54には、軸受部55を受入れる凹
陥部71が形成される。凹陥部71には、ラジアル摺動
部55Aに面するラジアル摺動面54Aとスラスト摺動
部55Bに面するスラスト摺動面54Bとが形成され
る。ラジアル摺動面54Aの両端部には縮径の圧力開放
溝71A、71Bが形成される。
【0044】ところで、ラジアル摺動面54Aは、図1
および図2に示すように、第1の溝72とランド部73
とにより形成され、第1の溝72はヘリングボーンパタ
ーンに刻設される。また、スラスト摺動部55Bの外面
は、図4に示すように、第2の溝74とランド部75に
より形成され、第2の溝74はスパイラル形状に刻設さ
れる。
【0045】また、ラジアル摺動部55Aとラジアル摺
動面54Aとの間には所定の間隙C4が、スラスト摺動
部55Bとスラスト摺動面54Bとの間には所定の間隙
C5がそれぞれ設けられ、間隙C4,C5には、回転軸
54の回転時磁性流体MFの油膜が形成されるようにな
っている。
【0046】次に磁性流体軸受装置53の第1の実施例
の作用について説明する。
【0047】磁性流体軸受装置53と回転軸54との間
に磁性流体MFが充填されると、磁路形成部56は、永
久磁石62により回転軸54との間に磁路Φ1を形成
し、シール溝60B,61Bに磁束が集中するため、突
部60A,61Aと回転軸54との間に磁性流体MFの
膜80が形成され、シール部58を構成する。
【0048】回転軸54が、図1および図2に示すよう
に、矢印方向D1に回転すると、スラスト摺動部55B
の第2の溝74内の磁性流体MFは、ポンピング効果に
より外側から内側に向けて吸い込まれる。ところが、磁
性流体MFはランド部75で流体抵抗を受け、図4の2
点鎖線で示す圧力分布PD3に応じた流体膜圧力が発生
する。
【0049】磁性流体MFは、ランド部75の内周側か
ら側流量FL2が逃げ、圧力開放溝71A,71Bに流
出する。圧力開放溝71A,71Bに充満した磁性流体
MFは、第1の溝72を介して、ラジアル摺動部55A
とラジアル摺動面54Aとで画成される間隙C4内に吸
い込まれる。このとき、軸受部55には、第1の溝72
によるポンピング作用により、図1および図2に2点鎖
線で示す圧力分布PD4に応じた流体膜圧力が生じる。
なお、この圧力分布PD4は、回転軸54の傾きがない
場合を示す。
【0050】間隙C4内の磁性流体MFは、流体膜圧力
により間隙C4から側流量FL3,FL4となり圧力開
放溝71A,71Bへと還流する(図6参照)。この還
流量FL3+FL4と第1の溝72によるポンピング流
量は、等しくなることから間隙C4には、常時磁性流体
MFが充満する。従って、磁性流体MFは、磁性流体軸
受装置53と回転軸54とにより画成される隙間S1内
に閉じ込められ、閉循環する。
【0051】一方、磁性流体MFが隙間S1内で閉循環
すると、熱が発生する。この発熱は軸受ハウジング57
の冷却強化溝57Aにより自然冷却或いは通風冷却され
て磁性流体軸受装置53の発熱が除去される。
【0052】また、回転軸54がぶれて軸心が傾斜する
と、軸受部55と回転軸54との間隙C4,C5が不均
一となり、流体膜圧力は圧力分布PD5(図1および図
2参照)に示されるように非対称となる。このような非
対称の流体膜圧力が発生すると、軸受部55の軸受端へ
の側流量FL3,FL4も不均一となり、軸受性能に悪
影響を及ぼす恐れがあるため、連通溝59により軸受部
55両端を連通させ、側流量FL3,FL4が均一にな
るようバランスをとっている。
【0053】なお、上記実施例では、第1の溝72とラ
ンド部73とを回転軸54のラジアル摺動面54Aに形
成しているが、軸受部55のラジアル摺動部55Aに形
成してもよく、その場合も同じ作用を果たす。
【0054】次に、本発明の第2の実施例に係る磁性流
体軸受装置について図7ないし図9を参照して説明す
る。
【0055】図7は本発明の第2の実施例に係る磁性流
体軸受装置を示す縦断面図、図8は図7のVIII-VIII 線
に沿う縦断面図、図9は図7の要部を拡大して示す要部
拡大縦断面図である。
【0056】なお、図中、図1ないし図6と対応する部
分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0057】磁性流体軸受装置153は、枠体2に取付
けられ、軸受部155と磁路形成部156と軸受ハウジ
ング157とシール部158とを備えて構成される。磁
性流体軸受装置153と回転軸154との間には潤滑流
体として磁性流体MFが充填される。
【0058】軸受ハウジング157は、図7に示すよう
に、非磁性体材料からなる筒体で構成され、軸受ハウジ
ング157の一端面157Bは、枠体2に取付けられ
る。
【0059】軸受ハウジング157の内側には、磁路形
成部156が設けられる。磁路形成部156は、2片の
磁路ティース160、161と各磁路ティース160、
161間に挾着された永久磁石162とを有して構成さ
れる。磁路ティース160、161はそれぞれ、磁性体
からなる筒状体で構成される。
【0060】各磁路ティース160、161の外側端部
は、図7に示すように、回転軸154に向かって突出し
た突部160A,161Aがそれぞれ形成される。突部
160A,161Aには、図9に示すように、シール溝
160B,161Bが周方向にそれぞれ刻設される。シ
ール溝160B,161Bは、磁路ティース160、1
61の磁束を集中させるために設けられる。
【0061】ところで、各磁路ティース160、161
の内部には、図7に示すように、冷却通路160C,1
61Cがそれぞれ周方向に形成される。冷却通路160
C,161Cには、それぞれ冷却媒体供給パイプ160
D、161Dと冷却媒体排出パイプ160E,161E
とが軸受ハウジング157を径方向に貫通して接続され
る。冷却媒体供給パイプ160D,161Dは、冷却通
路160C,161Cに外部から冷却媒体を導入し、冷
却媒体排出パイプ160E,161Eは、冷却通路16
0C,161C内で仕事を終えた冷却媒体を外部に排出
する。
【0062】各磁路ティース160、161には、回り
止めピン165、166が軸受ハウジング157を貫通
して挿通され、軸受ハウジング157に対する回動が規
制される。回り止めピン165、166の先端はそれぞ
れ、各磁路ティース160、161を貫通して軸受部1
55に挿着される。また、軸受ハウジング157の他端
開口部157C(図7右方参照)には、締め付けナット
167が螺着され、磁路形成部156を軸受ハウジング
156に固定している。
【0063】永久磁石162は、図8に示すように、円
柱形に形成され、磁路ティース160、161間で周方
向に複数個配設される。このため、磁路形成部156
は、図7に示すように、永久磁石162の磁界により、
磁路ティース160、突部160A、回転軸154、突
部161Aおよび磁路ティース161を通る磁路Φ2を
形成するよう構成される。
【0064】軸受部155は、図7に示すように、磁路
形成部156と回転軸154との間に配設される。軸受
部155は、セラミックス等の非磁性体材料からなり、
スリーブ状の磁性流体ラジアル軸受で構成される。軸受
部155は、軸方向の断面がT字形状に形成され、内周
側に基部155Aと外周側に突出部155Bとを有し、
突出部155Bが磁路形成部156に嵌合される。ま
た、軸受部155には、回り止めピン165、166の
先端が嵌入され磁路形成部156に係止される。
【0065】ところで、軸受部155の内部には、内周
側に軸方向の連通孔170が多数穿設される。連通孔1
70は、各突部160A、161Aと基部155Aの両
端部とにより画成される両空間171、172を連通す
る。
【0066】多数の連通孔170のうち最上部に位置す
る連通孔170Aには、図8に示すように、接続パイプ
180、181が軸受ハウジング157と各磁路ティー
ス160、161を径方向に貫通してそれぞれ接続され
る。接続パイプ180、181の他端は、磁性流体MF
が貯溜される供給槽182、183あるいは真空ポンプ
184(図8参照)のうちいずれか一方に選択可能に接
続される。
【0067】多数の連通孔170のうち最下部に位置す
る連通孔170Bには、供給パイプ190、191が軸
受ハウジング157と各磁路ティース160、161を
径方向に貫通してそれぞれ接続される。供給パイプ19
0、191はそれぞれ、開閉バルブ190A,191A
を有し、開閉バルブ190A,191Aが開くと、外部
から磁性流体MFが連通孔170Bを介して両空間17
1、172に導入されるようになっている。
【0068】また、突出部155Bの両端面にはリング
溝167,168がそれぞれ形成され、リング溝16
7,168にはOリング167A,168Aがそれぞれ
嵌着される。
【0069】軸受部155は、ラジアル荷重を支持する
ラジアル摺動部155Cを有し、ラジアル摺動部155
Cには、ホワイトメタル等の軸受金属が接合される。ラ
ジアル摺動部155Cは、図8に示すように、滑らかな
内周面を有する円筒から構成される。
【0070】回転軸154には、ラジアル摺動部155
Cに面するラジアル摺動面154Aを有し、ラジアル摺
動面154Aは、図7に示すように、第3の溝192と
ランド部193とにより形成され、第3の溝192はヘ
リングボーンパターンに刻設される。
【0071】また、ラジアル摺動部155Cとラジアル
摺動面154Aとの間には所定の間隙C6が設けられ、
間隙C6には、回転軸154の回転時磁性流体MFの油
膜が形成されるようになっている。
【0072】次に磁性流体軸受装置153の第2の実施
例の作用について説明する。
【0073】磁性流体軸受装置153は、真空ポンプ1
84を接続パイプ180、181に接続し、供給パイプ
190、191を外部の図示しない磁性流体供給部に接
続して開閉バルブ190A,191Aを開放し、真空ポ
ンプ184を駆動すると、磁性流体MFが、連通孔17
0Bを介して磁性流体軸受装置153と回転軸154と
の間に画成されるすべての隙間S2に充填される。
【0074】磁性流体軸受装置153と回転軸154と
の間に磁性流体MFが充填されると、磁路形成部156
は、永久磁石162により回転軸154との間に磁路Φ
2を形成する。このため、シール溝160B,161B
に磁束が集中するので、突部160A,161Aと回転
軸154との間に磁性流体MFの膜200(図9参照)
が形成され、膜200により磁性流体MFは外部への流
出が阻止される。そして、磁性流体軸受装置153と回
転軸154との間に画成されるすべての隙間S2に磁性
流体MFが充填されると、供給バルブ190A,191
Aが閉じられ、磁性流体MFの導入が停止される。
【0075】次に、回転軸154が、図7に示すよう
に、矢印方向D1に回転すると、間隙C6内の磁性流体
MFには、ポンピング効果により図7の1点鎖線で示す
圧力分布PD6に応じた流体圧力が発生する。このよう
な流体圧力が発生すると、軸受部155の両端方向にリ
ークが発生する。リーク量は、実用上必ずしも軸受部1
55の各端部側空間171、172で同一のリーク量と
はならないが、連通孔170を介して各空間171、1
72が連通しているため、各空間171、172の圧力
は同一となる。
【0076】一方、磁性流体MFは間隙C6内でラジア
ル摺動部155Cとラジアル摺動面154Aとが摺動す
ることにより摩擦損失が生じ、熱が発生する。発熱によ
り磁性流体MFが高温になると、軸受のポンピング効果
が薄れ、軸受特性の低下や、磁性流体MFの蒸発を招
く。このため、外部から冷却媒体が冷却媒体供給パイプ
160D,161Dを介して、冷却通路160C,16
1Cに導入される。冷却通路160C,161Cに導入
された冷却媒体は、軸受損失による発熱を吸収して高温
化され、冷却媒体排出パイプ160E,161Eを通じ
て外部に排出される。従って、磁性流体軸受装置153
の発熱が除去される。
【0077】また、回転軸154の回転時には、磁性流
体MFは温度上昇により体積膨脹したり、長期運転にお
いて多少なりとも蒸発または漏れを伴うことから、真空
ポンプ184に代えて、供給槽182、183を接続パ
イプ180、181に接続して、磁性流体MFを隙間S
2に導入する。
【0078】なお、上記実施例では、第3の溝192と
ランド部193とを回転軸154のラジアル摺動面15
4Aに形成しているが、軸受部155のラジアル摺動部
155Cに形成してもよく、その場合も同じ作用を果た
す。
【0079】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明に係る流体
軸受装置は、潤滑流体を磁性流体により構成し、回転軸
を磁性体で軸受部と軸受ハウジングとを非磁性体でそれ
ぞれ構成し、軸受部と軸受ハウジングとの間に磁性体か
らなる磁路形成部を設け、この磁路形成部と回転軸とで
形成される磁路により磁性流体を間隙内に密封するシー
ル部を形成したことにより、軸受装置から潤滑材の漏れ
を完全に防止することができるので、信頼性を向上させ
ることができる。さらに、装置を簡素化したので、メン
テナンスを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る磁性流体軸受装置
を示す縦断面図。
【図2】図1を拡大して示す拡大縦断面。
【図3】図1のIII −III 線に沿う縦断面図。
【図4】図1のIV−IV線に沿う矢視図。
【図5】上記磁性流体軸受装置の軸受円周方向の油膜圧
力の分布を示す圧力分布図。
【図6】上記磁性流体軸受装置の軸受幅方向の油膜圧力
の分布を示す圧力分布図。
【図7】本発明の第2の実施例に係る磁性流体軸受装置
を示す縦断面図。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿う縦断面図。
【図9】図7の要部を拡大して示す拡大縦断面図。
【図10】従来のラジアルスラスト軸受装置を示す縦断
面図。
【図11】図10のXI−XI線に沿う矢視図。
【図12】図11のXII −XII 線に沿う断面図。
【図13】図10のラジアルスラスト軸受装置の軸受円
周方向の油膜圧力の分布を示す圧力分布図。
【図14】図10のラジアルスラスト軸受装置の軸受幅
方向の油膜圧力の分布を示す圧力分布図。
【図15】従来のラジアル軸受装置を示す縦断面図。
【図16】図15の要部を拡大して示す拡大縦断面図。
【符号の説明】
2 枠体 4、54、154 回転軸 6、55、155 軸受部 7、37、157 軸受ハウジング 20、38、158 シール部 56、156 磁路形成部 72 第1の溝 160C,161C 冷却通路 170,170A,170B 連通孔 180、181 接続パイプ 192 第3の溝 MF 磁性流体 Φ1、Φ2 磁路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 枠体に取付けられた軸受ハウジングと、
    この軸受ハウジングに収容され回転軸を支持する軸受部
    とを有し、これら軸受側と回転軸側との間隙に潤滑流体
    を充填させた軸受装置において、前記潤滑流体を磁性流
    体により構成し、前記回転軸を磁性体で前記軸受部と軸
    受ハウジングとを非磁性体でそれぞれ構成し、前記軸受
    部と軸受ハウジングとの間に磁性体からなる磁路形成部
    を設け、この磁路形成部と前記回転軸とで形成される磁
    路により前記磁性流体を前記間隙内に密封するシール部
    を形成したことを特徴とする磁性流体軸受装置。
  2. 【請求項2】 回転軸と軸受部とのいずれか一方の対向
    面に磁性流体を低圧側から高圧側に導く溝を形成した請
    求項1に記載の磁性流体軸受装置。
  3. 【請求項3】 磁路形成部は、冷却媒体を外部から導入
    する冷却通路が内部に形成された請求項1または2に記
    載の磁性流体軸受装置。
  4. 【請求項4】 軸受部は、磁性流体を外部から供給可能
    に導入する導入通路が内部に形成された請求項1、2ま
    たは3に記載の磁性流体軸受装置。
JP22177491A 1991-09-02 1991-09-02 磁性流体軸受装置 Pending JPH0560138A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012050779A (ja) * 2010-09-03 2012-03-15 Toshiba Corp 洗濯機

Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012050779A (ja) * 2010-09-03 2012-03-15 Toshiba Corp 洗濯機
TWI452196B (zh) * 2010-09-03 2014-09-11 Toshiba Kk washing machine

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