JPH0559973A - 自動車用複合原動装置 - Google Patents

自動車用複合原動装置

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JPH0559973A
JPH0559973A JP15051691A JP15051691A JPH0559973A JP H0559973 A JPH0559973 A JP H0559973A JP 15051691 A JP15051691 A JP 15051691A JP 15051691 A JP15051691 A JP 15051691A JP H0559973 A JPH0559973 A JP H0559973A
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JP
Japan
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electric motor
internal combustion
combustion engine
power
prime mover
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JP15051691A
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Motoyuki Hayashida
素行 林田
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ROOTASU RES KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】自動車用原動装置において燃費,排気汚染,騒
音等を改善する。 【構成】制御用マイクロコンピューター11により、所定
以下の要求出力では電磁クラッチ3を切断した状態で電
動機1のみを蓄電池8からインバーター6によって制御
電力を供給して運転し、それ以外の要求では信号停止等
では電動機1,補助エンジン2とも停止し、高い要求出
力があるときは補助エンジン2を最適領域付近で略一定
のトルクで運転しつつ電動機1によるトルクを加勢し、
要求出力が現状トルクより低いときには電動機1を発電
機として駆動し、該発電電流を蓄電池8に充電して回生
する。これにより、燃費,排気汚染,騒音等の問題が大
幅に改善される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車に使用される原
動装置に関し、特に、省エネルギー性,環境保全性を大
きく改善でき、かつ、実用性の高い原動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の原動装置は、依然として100
%近く内燃機関で独占されているが、自動車台数の急増
により原料である石油燃料の消費量に占める割合は益々
増加しており、燃料消費節約の問題に加え、燃焼排気に
よる大気汚染,騒音問題を改善する上からも、内燃機関
に代わる原動装置の開発が急がれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】エンジン (内燃機関)
のみを原動機とする一般自動車の問題点を走行モード別
に検討すると以下のようになる。図13は、走行に要求さ
れる回転速度と発生トルクを図示したものである。加速
運転領域は図中Aで示され、図示右回りに加速段数に応
じて使用される。加速の程度によっては最良燃費率領域
を通過することもあるが、概ね加速時には最良燃費率領
域より高いトルク領域を使用し、ギアシフト時には発生
トルクが負の領域を使用している。ここで注目されるの
は、最良燃費率領域を使用する頻度が小さく、エンジン
にとっては高トルクの発生の直後に負トルクの発生、ま
た、その直後に高トルクの発生を要求されていることで
ある。このことは、排気対策、燃費対策、騒音対策を著
しく困難にしている。
【0004】図中C1 〜C4 で示された線図はおもに定
常走行中に使用される領域であり、最良燃費率領域より
も遙に低いトルクで運転できることが示されている。減
速運転は、図中Dで示され、負トルクによりエンジンブ
レーキを使用しながら減速していることがわかる。燃料
カット等の装置を付加されたものでは減速中の必要燃料
は概ねゼロであるが、実際はアイドリングへの滑らかな
復帰性能や排気対策の問題から、僅かな燃料の使用は不
可避である。また、車体の持つ運動エネルギーの回生と
いう問題では、エンジンのみの駆動方式では殆ど不可能
といっても過言ではない。また、減速中は酸素濃度の低
い不活性な環境で燃焼させる必要があることから、燃焼
環境としては極めて悪条件のもとにあり、排気からの排
出、アフターバーン等の騒音の発生など環境的にも困難
な問題を提起する。
【0005】このように、エンジンのみを原動機とする
現状の一般自動車の場合、各運転領域で夫々問題を抱え
ているのが現状である。限られた区域での小距離走行用
としては、電動機により駆動する電気自動車も使用され
ており、近年では可なり性能も向上してきているが、一
般道路走行用としては未だ実用性に乏しい。即ち、一般
道路走行時は、加速走行,高速走行時に高出力が要求さ
れるが、電動機ではこのような要求を満たす高出力を得
ようとすると、電動機及び電動機に電力を供給するため
の蓄電池等が著しく大型化してしまうため実用に供しえ
ないのが現状である。
【0006】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
なされたもので、電動機と内燃機関とを搭載し、これら
を運転要求に応じて選択的又は併用して運転する構成と
した複合型の原動装置とすることにより、省エネルギー
性,環境保全性を大きく改善でき、かつ、実用性の高い
自動車用複合原動装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため本発明にかかる
自動車用複合原動装置は、電動機と、内燃機関と、該電
動機と該内燃機関との回転軸相互の回転力の伝達を制御
する伝達制御装置と、前記電動機に電気的に接続された
蓄電池と、該蓄電池から前記電動機への電力供給量を制
御する電力制御装置と、これらを運転者の運転要求に適
合するように総合的に制御する運転制御装置と、を含ん
で構成される。
【0008】ここで、前記運転制御装置は、要求出力が
所定以下のときには前記電動機のみを運転し又は該電動
機及び前記内燃機関の運転を停止し、それ以外では該電
動機と該内燃機関とを併用して運転し又は該内燃機関の
みを運転させる制御機能を含んで構成してもよい。ま
た、前記内燃機関は、前記電動機を発電機として駆動
し、それによって発電した電流を前記蓄電池に充電させ
る電力供給源としての機能を含んで構成するとよい。
【0009】また、前記内燃機関以外の電力供給源を備
え、又は、外部電力供給源からの電力供給を可能に構成
してもよい。また、本発明にかかる自動車用複合原動装
置の別の例では、内燃機関と、該内燃機関に直結または
クラッチを介して連結された発電機と、電動機と、該電
動機と前記発電機との回転軸相互の回転力の伝達を制御
する伝達制御装置と、前記電動機及び発電機に電気的に
接続された蓄電池と、該蓄電池から前記電動機への電力
供給量を制御する電力制御装置と、これらを運転者の運
転要求に適合するように総合的に制御する運転制御装置
と、を含んで構成される。
【0010】また、本発明にかかる自動車用複合原動装
置の更に別の例では、内燃機関と、該内燃機関によって
駆動される発電機と、該発電機からの発電電力を充電す
る蓄電池と、該蓄電池から電力を供給されて駆動される
電動機と、該蓄電池から前記電動機への電力供給量を制
御する電力制御装置と、これらを運転者の運転要求に応
じて総合的に制御し、前記電動機のみを原動機として運
転させる運転制御装置と、を含んで構成される。
【0011】
【作用】第1の発明に係る複合原動装置では、運転者の
要求した運転条件に応じて、運転制御装置により電動
機,内燃機関,伝達制御装置,蓄電池,電力制御装置を
総合的に制御される。これにより、運転条件に応じて電
動機,内燃機関が選択的に又は併用して運転し、或いは
停車条件では電動機,内燃機関共に運転を停止させるよ
うなことが可能となる。
【0012】したがって、高い頻度で電動機のみにより
運転することで排気汚染や騒音を抑制した上で加速走行
や高速走行等の高出力が要求される条件では内燃機関を
補助的に併用し、又は、内燃機関のみの運転に切り換え
ることで運転要求を満たすことができる。尚、電力制御
装置により電動機への電力供給量を制御することで要求
出力の変化に対応した出力が得られ、かつ、その応答性
も優れる。
【0013】また、内燃機関で電動機を発電機として駆
動して発電電流を蓄電池に充電させることにより、走行
中も電力を確保でき、かつ、発電機の負荷抵抗で減速運
転を行うことで車体の運動エネルギーを電力に変換して
蓄え、回生することができるので燃費を大幅に改善でき
る。また、太陽電池や燃料電池等の電力供給源を備えた
り、商用電力等の外部電力供給源からの電力供給を可能
に構成することにより、電動機への電力供給をより安定
して行える。
【0014】第2の発明に係る複合原動装置では、運転
者の要求した運転条件に応じて、運転制御装置により電
動機,内燃機関,発電機が選択的に又は併用して運転さ
れ、第1発明と同様の形態での運転を行える他、電動機
による電力走行と発電機による発電及び蓄電池への充電
を独立して同時に実行できるため、過渡応答性能を高め
ることができる。
【0015】第3の発明に係る複合原動装置では、原動
機として作動するのは電動機に限られ、内燃機関は発電
機を駆動して蓄電池に電力を供給する機能のみを有す
る。
【0016】
【実施例】 以下に本発明の実施例を図に基づいて説明
する。図1は、本発明に係る自動車用複合原動装置の第
1の実施例の概略システム構成を示す。原動機として
は、主原動機として高頻度で運転される電動機1と、該
電動機1では賄いきれない要求出力が高いときに補助的
に運転される補助エンジン (内燃機関) 2とを備え、補
助エンジン2の出力軸は電動機1の回転軸の入力側に伝
達制御装置としての電磁クラッチ3を介して接続されて
いる。尚、電磁クラッチ3の代わりに回転力を連続的に
調節可能な回転力調節装置を用いてもよい。ここで、補
助エンジン2は、通常のエンジンと同様ガソリンを燃料
とするガソリンエンジンや軽油を燃料とするディーゼル
エンジンを使用すればよいが、エンジンのみを原動機と
する自動車の場合と比較すると、極めて小型,低出力の
エンジンを使用すればよい。例えば2000cc級のエ
ンジンが搭載される車体に対して660cc級のエンジ
ンと、7.5KW級の電動機とを組み合わせればよい。
【0017】前記電動機1の回転軸の出力側にはトラン
スミッション4が接続され、該トランスミッション4の
出力軸が通常の自動車と同様にして直接又はプロペラシ
ャフト等を介して駆動車輪に連結されている。また、電
動機1の入出力端子は、相順逆転器5,インバーター
6,電流リミッター7を介して主電源としての蓄電池8
に接続されている。電流リミッター7により制限される
電流は、抵抗器9によって調整される。また、補助エン
ジン2の出力軸に連動する補機10を有する。
【0018】そして、これら電動機1,補助エンジン
2,電磁クラッチ3,トランスミッション4,電源部等
の各部が運転制御手段としての制御用マイクロコンピュ
ーター11により総合的に制御される。次に、制御用マイ
クロコンピューター11により制御される前記各部の構成
と制御動作をより詳細に説明する。図2は電動機制御
部、図3は補助エンジン制御部、図4は電源制御部、図
5は操作信号入力部を夫々示す。
【0019】まず、電動機制御部について説明する。電
動機1は、要求される条件に応じて、原動機としての機
能と発電機としての機能を切り換えて使用される。原動
機として使用する時は電源から現在の電動機1の回転速
度を幾らか上回る回転速度で運転するための電力を供給
する。三相誘導電動機の例で説明すると、制御用マイク
ロコンピューター11は現在の電動機1の回転速度を回転
センサー21からの検出信号によって把握し、インバータ
ー6を現在の回転速度より幾らか早く回転させることの
できる周波数の交流電力を発生させるように制御する。
この出力を入力した電動機1が、原動機として回転力を
発生する。
【0020】逆に、インバーター6に対して回転センサ
ー21により把握した回転速度より遅い周波数の電力を要
求すると電動機1は発電機として作動し、いわゆる回生
制動力を発生する。要求される条件の判定は、制御用マ
イクロコンピューター11に対して回転センサー21により
検出される電動機1の実際の回転速度、アクセルセンサ
ー22により検出されるアクセルペダルの踏込み量を信号
として入力することにより行われる。また、補助エンジ
ン2が作動している状況では走行に要求されるトルク
と、補助エンジン2が発生しているトルク (後述するト
ルクセンサー32で検出) との差が演算され、前者が後者
を上回るより大きな動力の要求時には原動機として作動
させ、後者が前者を上回る余剰動力を意味している時
は、発電機として作動させるように制御する。
【0021】尚、補助エンジン2が作動している時と、
停止している時とで同一要求に対するアクセルペダルの
踏込み加減が異なるために運転者に違和感を与えるとい
う問題に対しては、例えば、現在の実際の回転速度をデ
ジタル信号に変換して制御用マイクロコンピューター11
の入力信号とするときに、補助エンジン2が作動してい
る時と、停止している時とで異なるように補正して入力
させることで容易に解決できる。
【0022】また、回転力の調整・変換装置としてトラ
ンスミッション4を備えた本実施例装置のような場合に
は、シフトレバーに手が掛かっているかどうか(シフト
操作の意志があるかどうか) 、また、どの段のギアで運
転されているか、又はニュートラル位置であるか等を検
出するシフトセンサー23からの検出信号を、制御用マイ
クロコンピューター11に入力させて判定し、該判定結果
によってギアシフトの際のシンクロ制御を行う。
【0023】尚、低速域での電動機1の発生トルクを増
加するために電動機1を冷却する冷却ファン24が備えら
れる。つまり、低速では電動機1が通常内蔵する冷却フ
ァンのみでは冷却不十分な状況があり、その場合には外
部から送風する必要がある。適当な速度で走行するとき
にはこのような冷却は殆ど必要なく、電動機温度センサ
ー25により、電動機1の温度を感知しながら冷却ファン
24の駆動をオン,オフ制御する。また、電流センサー26
が設けられ、電動機1やインバーター6などの能力を超
える電流が流れた時にこれを検出して焼損を防止するよ
うにしている。
【0024】次に補助エンジン制御部について説明す
る。補助エンジン2の起動と停止、回転速度と発生トル
クの制御は、制御用マイクロコンピューター11からの指
令により自動的に行われる。まず、補助エンジン2が起
動される条件は、次の各項目のいずれかが発生した場合
である。 1.アクセルペダルが一杯に踏み込まれた時 2.敷居値以上のトルクを要求された時 3.敷居値以上の回転速度を要求された時 4.平均電圧が敷居値を下回った時 5.手動スイッチなどにより後述する強度加速,高速巡
航が要求された時 6.補助エンジン2の作動を要求する補機が運転される
時 7.その他、補助エンジン2の運転の必要がある時 補助エンジン2の始動のモードには、次の2つがある。
【0025】1.図3に示すようにセルモーター27を備
えている場合に、セルモーター27によって補助エンジン
2の回転速度が適度に上昇してから電磁クラッチ3を接
続する方法 これはセルモーター27を必要とするので機構としては複
雑となるが、補助エンジン2が起動して電磁クラッチ3
が接続された時のショックは少なく、高級車には適す
る。自動始動の手順は一般に、 a.セルモーター27に送電 b.補助エンジン2の回転速度の検出 c.送電時間の計測 d.スロットルバルブ開度の調整 e.チョークバルブ開度の調整 f.補助エンジン2の回転速度による始動の判定 g.始動に失敗の場合は一定時間後に再始動 h.始動完了時は補助エンジン2と電動機1との同期判
定 i.同期完了で電磁クラッチ3を接続 という順番に制御・実行される。
【0026】2.セルモーターを備えず電動機1により
始動する方法 この方法は、セルモーター、これに送電するためのリレ
ー等が不要であり、構造は簡単であるが、補助エンジン
2の始動の時に幾らかのショックを伴う。始動までに余
裕があるときは、起動要求があった後に運転状態が減速
に入ってから示度をするとショックの問題は克服され
る。補助エンジン2が起動される前記条件の中で、平均
電圧が敷居値を下回った時及び補助エンジン2の作動を
要求する補機が運転される時などは緊急の事態ではない
ので、上記方法による始動方法で十分である。自動始動
の手順は一般に、 a.電磁クラッチ3を徐々に接続 b.スロットルバルブ開度の調整 c.チョークバルブ開度の調整 d.補助エンジン2の回転速度による始動の判定 e.始動に失敗の場合は一定時間後に再始動 f.始動完了時は補助エンジン2と電動機1との同期判
定 g.同期完了で電磁クラッチ3を完全に接続 という順番に制御・実行される。
【0027】補助エンジン2が停止される条件は次のよ
うである。前記起動の条件の全てが解消されること及び
電源の平均電圧が停止条件を満たすことが同時に成立す
るか、又は、マスタースイッチ29がオフされた時 補助エンジン2を停止する手順は、 a.補助エンジン2と電動機1の速度を同期 b.電磁クラッチ3を切断 c.スロットルバルブを徐々に閉じる d.点火の停止又は燃料供給量制御装置30による燃料供
給停止 という手順によっている。
【0028】補助エンジン2がアイドリング運転される
とき 補助エンジン2の前記停止条件は成立しないが、平均車
速又は最低車速が敷居値を下回った時は、電磁クラッチ
3を切って所謂アイドリング状態 (後述するアイドリン
グモードでの停止とは異なり無負荷で運転される) に入
る。加速されて車速が上昇した時は電動機1と同期させ
た後、電磁クラッチ3を接続して通常の運転に復帰す
る。
【0029】補助エンジン2の回転速度と発生トルクの
制御 補助エンジン2は始動された後は、補助エンジン2の回
転速度を検出する回転センサー31と、補助エンジン2の
トルクを検出するトルクセンサー32からの信号に基づい
て最適領域で運転される。要求されるトルクが最適領域
として設定したトルクに電動機1で発生可能なトルクを
加えたトルクを超える場合は、空気供給量制御装置28で
幾らかスロットルバルブの開度を増加したり、燃料供給
量制御装置30で燃料の噴射量を増加して発生トルクを増
加するように制御する。要求トルクの判定はアクセルセ
ンサー22で検出されるアクセルペダルの踏込み量と回転
センサー21で検出される電動機1の回転速度の信号から
判別する。
【0030】走行に必要なトルクが補助エンジン2が発
生するトルクを下回っている時は、電動機1を発電機と
して使用して余剰分の動力を電力として回収貯蔵する。
余剰分が回収可能分を上回っている時は補助エンジン2
の調節制御により出力を抑制する。尚、電磁クラッチ3
の制御は、クラッチ制御駆動部33を介して行われる。
【0031】次に電源制御部について説明する。電動機
1として三相誘導電動機を使用するのが、効率,耐久
性,取扱いの簡便さ,コスト等の面から、複合原動装置
には最適であろうと思われる。そこで、三相誘導電動機
を使用する時必然的に用いられるのがインバーター6で
ある。制御用マイクロコンピューター11は、大半の走行
制御をインバーター6に与える信号によって実行してい
る。電動機1を原動機として作動させるには、現在電動
機1が回転している速度を上回る同期速度を与える周波
数の電力を供給すればよいし、発電機として機能させ、
運動エネルギーを電力に交換したい時は同期周波数より
も幾らか低い周波数の電力を電動機1に与えればこと足
りる。原動機として作動させるべきか、又は発電機とし
て作動させるべきかはアクセルペダルの踏込み量と実際
の電動機1の回転速度から主に判定される。
【0032】蓄電池8には、その電圧を検出する電圧セ
ンサー34,電流を検出する電流センサー35,化学物質の
性状や量,温度などを検出する化学物質センサー36が取
り付けられ、制御用マイクロコンピューター11はこれら
の信号をデジタル値として入力する。これらの信号は、
蓄電池8が貯蔵する電気量の大きさ,放電電力,充電余
力の判定に使用され、該判定結果に基づいて補助エンジ
ン2の出力調整や回生制動時の蓄電量が決定され、それ
らの制御が行われる。充・放電の制御は実際には制御用
マイクロコンピューター11がインバーター6を制御する
ことによって実行している。複合原動装置は長距離走行
や夜間走行,登坂走行,加速走行など蓄電池に非常な負
担を強いる運転条件では補助エンジン2が活躍するの
で、従来の電気自動車の電池に要求される条件より可な
りの緩和された条件で可能である。しかし、蓄電池8の
充・放電効率が燃費に影響する大きな要因となるので大
電力が短時間に効率よく充電又は放電する蓄電池8が望
まれる。
【0033】また、回生電力の全てを蓄電池8に収容で
きない時がある。そのときは回生電力の一部又は全部を
抵抗器9に送電し、熱エネルギーとして放散する。尚、
簡易な複合原動装置では抵抗器を設けることなく回生電
力を低減して制動力の不足するときは摩擦式ブレーキを
用いる方式とすることもできる。相順逆転器5について
は、後退を運転者から要求されたとき、制御用マイクロ
コンピューター11は相順逆転器5に信号を送り、三相電
力の相順を変更する。インバーター6によっては相順逆
転機能を有しているものもあり、相順逆転器5は独立の
装置を形成しているとは限らない。尚、普通の自動車と
同様な感覚で運転したいという要望から後退は従来のよ
うにリバースギアに入れてメカニカルに行うという方式
も可能であり、そのときはこの機能は閉鎖される。
【0034】ここで、相順逆転器5,インバーター6,
電流リミッター7,抵抗器9が電力制御装置を構成して
いる。上記のように、通常は補助エンジン2を最良条件
で運転して電動機1を発電機として使用することにより
蓄電池8に充電した電力を使用するが、夜間又は昼間駐
車場等に設置された商用電源から電力を蓄電池8に充電
できるように商用電源受電装置37を備えたり、太陽電池
38や燃料電池を設けてもよい。
【0035】次に操作信号入力部について説明する。こ
れは、運転者が操作するスイッチなどで構成される。取
り分け、既述したアクセルセンサー22は発生トルクを要
求するための操作因子として重要である。アクセルペダ
ルの踏み加減によりインバーター6が発生する交流電力
の周波数が調整され、加速又は減速が実行される。この
他、前記マスタースイッチ29,ブレーキの踏込みを検出
するブレーキセンサー39,手動の複合原動機能解除ボタ
ン40,緊急停止ボタン41,補機スイッチ42,シフトセン
サー23等が設けられて、各操作信号が制御用マイクロコ
ンピューター11に入力される。
【0036】制御用マイクロコンピューター11として
は、各種の形式が考えられるが、複合原動装置として
は、自動車のマスターキーを切られて終業状態のときに
は、商用電源,又は太陽電池などからの供給があれば蓄
電池8の電圧をモニターしながら充電制御半導体を制御
し、マスターキーが入れられて走行が要求される予感が
ある時はインバーター制御用電力ダイオードの制御ブロ
ックも稼動状態に立ち上げて走行準備完了の状態に導く
構成とする。
【0037】また、走行中の制御用マイクロコンピュー
ター11の作動については、既述したとおりであるが、走
行と直接関係しない機能として次の2つの機能が装備さ
れている。 1.緊急停止の機能 ブレーキが、ある限度を超えて強く踏まれた時や、前記
緊急停止ボタン41が押されたときは、走行用のどのよう
な信号にも優先して全ての機能を停車する方向に操作す
る。
【0038】2.電動機1の切り離し機能 電動機1又は制御用マイクロコンピューター11の制御機
能が故障した時に、複合原動装置の機能を放棄して補助
エンジン2のみにより整備工場まで辿り着きたいことが
不幸にして発生したときは、前記複合原動機能解除ボタ
ン40を押して、補助エンジン2による走行モードを選択
することができる。この時はアクセルペダルの変位は補
助エンジン2の出力を調整するスロットルバルブなどに
伝えられ、電動機1には駆動力も制動力も掛からないよ
うに界磁コイルが開放される。
【0039】次に、前記制御用マイクロコンピューター
11による各部の制御による各種運転モードを図6〜図10
に示した自動車の走行に必要な回転速度とトルクのマッ
プに基づいて説明する。 A.強度加速 (図6のHA) 補助エンジン2は、最適領域を含む略一定のトルクで運
転され、電磁クラッチ3は結合されている。アクセルペ
ダルの変位等により、強い加速要求があるときには、電
動機1に電力が供給されて電動機1が加速に加勢する。
アクセルペダルからの変位等により、さほどの加速を要
求していないと判断される時は、その程度に応じて回生
モードに切り換え、余剰の補助エンジン2出力は電力と
して蓄電池8に貯蔵する。
【0040】本実施例のようにトランスミッション4を
装備している時には、ギアシフト時に動力側の回転速度
の調節が必要となってくる。通常のエンジンのみで走行
する自動車のように電動機の出力軸とトランスミッショ
ンギアとの間に運転者が操作できるクラッチを設けて行
ってもよいが、複合原動装置では、電動機1を制御する
ことにより車速に合わせた回転速度に同期させ、シフト
アップ,シフトダウンの際のシンクロ機能を持たせるこ
とができる。通常、シフトアップの時はシンクロ機能に
より幾らかの電力を回生できる。逆に、シフトダウンの
時はシンクロにより幾らかの電力を消費する。かかる電
動機1による機能に加えてクラッチを装備することも、
トルクコンバーターやその他の回転力の調節装置を装備
することも可能であり、自動車の性格によってはそれら
が必須の装備となることもある。
【0041】尚、補助エンジン2を運転する際の前記最
適領域は、原則としてエンジンが発揮できる最良の燃費
率領域のことであるが、電動機1の過負荷運転によって
も必要なトルクが得られない時は、できるだけ変位を少
なくする努力をしながらも、より高出力領域を使用せざ
るを得ない状況も発生する。また、蓄電池8が既に満充
電状態にある等、電力として回生しても貯蔵余地がない
ときには余剰出力を抑制するために、より低出力の領域
を使用することもある。また、窒素酸化物など排気規制
の見地から最良の燃費率領域から幾らか変位した領域を
使用することがある。最適領域というのはこれらを含め
て実用最適領域という意味で使用している。
【0042】以上述べた強度加速運転による効果は、補
助エンジン2が最適条件で無理なく運転され、急激な加
速がないということである。したがって燃費が改善さ
れ、これに伴い排気の排出量も必然的に低減される。但
し、窒素酸化物については注意を要する。これは最適燃
費率領域では窒素酸化物の排出が多いという一般的な特
性があるからである。しかし、前記したように排気排出
量の絶対量が小さく、また、運転領域が狭いことは対策
を容易にする上で重要な要素であり、混合気の調整や触
媒による方法で十分に対応できる水準である。
【0043】また、騒音問題については不足トルクはエ
ンジンに比較して静粛性の高い電動機1によって発生さ
せることや、ギアシフトの時も補助エンジン2は適度に
運転されていることからアフターバーン等の問題もな
く、けたたましいエンジンの運転騒音は大幅に解消され
ることとなる。 B.高速巡航 (図7のHC) 図4は、本実施例装置による高速巡航の状況を示したも
のである。ここで高速巡航とは電動機1の出力のみでは
賄えない高速度の走行又は蓄電池8の電力のみでは賄え
ない長距離の走行、その他、蓄電池8の放電能力を超え
る電流を要する時を一括して称することとする。これら
は、必要なトルクの点から、または電力の点から補助エ
ンジン2の助けを借りなければならない状況にあること
を意味する。
【0044】補助エンジン2は最適領域で運転され、電
磁クラッチ3は結合されている。アクセルペダルの変位
等に応じて速度を調整しながら、略一定の比較的高速に
維持される。巡航速度を一段と加速する時は蓄電池8か
ら電力が供給されて電動機1が回生モードから出力モー
ドに切り換えられる。また、最高速度付近で走行する
か、相当の登り傾斜の坂路を登坂走行している時など、
補助エンジン2の出力のみでは出力不足を来す条件の時
にも電動機1に電力が供給されて電動機1も出力に加勢
することとなる。
【0045】しかし、このモードで通常高い頻度で発生
している状況は、補助エンジン2の出力が走行に要求さ
れる出力に対して過剰であり、それを電力として回生し
ている状況である。このことは、熱効率の高い運転領域
から電力を得るには最適の方法であり、また、加速の応
答性をよくする意味でも貢献している。つまり、補助エ
ンジン2は常時走行に必要なトルクよりも大きなトルク
を発生しているのであり、電動機1の回生制御を切るだ
けで当然に加速が行われる。そこには、燃料の供給量を
調節したり、与える空気量を調節したりする必要はな
く、これらに伴う応答の遅延は発生しない。さらに、電
動機1を回生から出力に切り換えることも即時に行うこ
とができる。これらの特質が相まって電気自動車はノロ
マであるとのイメージから俊足のイメージに一変するこ
とができる。
【0046】また、蓄電池8の放電により充電量が不足
してこのモードに入って補助エンジン2が運転され、電
動機1を発電機として作動して充電をしているときは、
蓄電池8が適度に充電された時点で補助エンジン2の運
転は停止され、本来の電動機1のみによる運転に復帰す
る。本発明に係る複合原動装置は、前述したように車体
に対して比較的小さな容量の補助エンジン2を搭載する
ことを特徴としている。したがって、電動機1の出力を
除いて補助エンジン2のみの出力で見ると巡航時に必要
なトルクと補助エンジン2の最良燃費率領域が非常に接
近していることがわかる。これは、同じ車体に容量の異
なるエンジンを搭載した場合、巡航燃費は小さいエンジ
ンの組み合わせが最も良くなるという実験結果からも明
らかなように燃費を改善する手軽で確実な方法である。
通常わかってはいても対策として実施できないのは、加
速性能を著しく損なったり高速性能、とりわけ高速での
静粛性を多いに損なうからである。複合原動装置の場
合、上記の問題は容易に解決される。これは、加速を含
む高速巡航時に騒音や振動の少ない電動機1の出力を加
えて又は減じて使用することにより達成されたものであ
る。
【0047】また、複合原動装置では、電動機と制御用
マイクロコンピューターの相性の良さも大きく貢献して
いる。即ち、エンジンの運転状態を変化させるというこ
とは燃料と吸入空気との調節、点火時期の調節、排気対
策装置の調節と、極めて面倒なものであるが、電動機を
制御するのはコンピューターによって即座にしかも簡単
に行える。電動機は時には発電機として機能するし、ブ
レーキにもなりエネルギーの回生という仕事をしながら
無接触ブレーキライニングの役目もこなしている。
【0048】以上、強度加速,高速巡航モードで補助エ
ンジン2を運転する場合、補助エンジン2をできるだけ
最適領域又はその付近で運転して電力に変換するように
している結果、動力から電力への変換効率,蓄電池8へ
の充電効率による損失を割り引いても燃費を向上でき
る。 C.普通加速 (図8のCA) 補助エンジン2は停止され、電動機1のみが動力を発生
して加速する運転モードである。補助エンジン2が停止
している時は補助エンジン2と電動機1との間に介在し
ている電磁クラッチ3は切断の状態に保たれている。こ
の状態では、アクセルペダルの変位等に応じて電動機1
に電力が供給され、電動機1によって車体が加速され
る。
【0049】上記のように、普通加速とは電動機1の出
力のみで加速できる中程度までの加速であり、市内走行
では自動車を使用する者の道義としてこの程度までのお
となしい走行が要求される時代になってきている。した
がって、蓄電池8の充電不足時など補助エンジン2の助
けを借りなければならない状況にあるとき以外は、でき
るだけ補助エンジン2に頼らず市街地走行は電動機1に
よる走行を想定している。
【0050】上記の点から、普通加速時は電動機1の出
力線図の内側で加速するのを原則としているが、短時間
であれば電動機1を過負荷で運転することもありうる。
また加速に伴うギアシフトの際の動力側の回転速度の調
整は電動機1の慣性力を制動しつつ行い、この際、幾ら
かの電力を回生できる。燃費については、ここでは補助
エンジン2は停止しているので燃料を消費することはな
いが、蓄電池8の電力を消耗している。この蓄電池8の
電力がどこから供給されたかということは大きな問題で
あるが、結論として普通加速時の燃費は通常の自動車に
対して、幾らか改善される。とりわけ、普通程度の加減
速を頻繁に繰り返しながら走行する市街地走行では減速
時の回生電力が大きな意味を持っている。また、太陽電
池には将来的な夢を託すとして、化石燃料であるガソリ
ンや軽油からの脱皮という意味及び二酸化炭素の排出抑
制の目的では商用余剰電力の利用は効果的であろうと思
われる。
【0051】また、排気汚染,騒音の問題では、このモ
ード中は補助エンジン2が停止されるのであるから、最
も有効に改善される。 D.普通巡航 (図9のCC) 補助エンジン2は停止され、電動機1のみが動力を発生
して巡航する運転モードである。普通加速時同様、電磁
クラッチ3は切断されている。この状態ではアクセルペ
ダルの変位などに応じて電動機1に電力が供給され、電
動機1によって速度が維持される。
【0052】このように、普通巡航とは電動機1の出力
のみで走行できる中低速度の略一定走行を指している。
このモードの燃費は、普通加速の場合と同様補助エンジ
ン2を停止しているのであるから、消耗する電力のコス
トということになる。結論としては、通常の自動車に比
較して幾らか改善されるということである。このモード
の最も大きな利点は、排気を発生しないで走行できると
いうこと及び走行騒音が極めて小さいことである。
【0053】E.アイドリング (図9のST) 信号待ち等の停止状態を意味し、補助エンジン2は停止
され、電動機1も電力供給を断たれて停止している。制
御用マイクロコンピューター11は、次に前進が指示され
ていることを予感しながら待ち状態を保っている。しか
し、マスタースイッチ29が切られたときには制御用マイ
クロコンピューター11の主な機能を停止して終業状態に
入る。終業状態にある制御用マイクロコンピューター11
は、走行制御機能は停止されるが、商用電力からの受電
制御及び太陽電池などからの受光・受電制御の機能は継
続される。これらの機能には過充電防止機能、受電時間
の設定機能及び太陽電池に多くを依存する形式の複合原
動装置では受光板を太陽の方向に向ける方向制御が組み
込まれる。
【0054】このように、アイドリングでは燃料の直接
的な消費はなく、電力の消費もゼロではないが極めて軽
微である。通常、普通自動車でアイドリング時のガソリ
ンの消費量は0.8 〜1.4Lit. 程度であり、市街地走行で
のアイドリングの頻度が極めて大きいことを考えると、
燃費は可なり改善される。
【0055】さらに、交通渋滞の多い都市部での重要な
問題として通常の自動車ではアイドリング時の排気汚
染,騒音の問題は都市生活の質に関わる深刻さを有する
だけに燃費以上に改善が要求されるが、複合原動装置に
おいてはアイドリング時の排気汚染は全く無くなり、騒
音についても制御用マイクロコンピューター11の冷却フ
ァンの音程度であるから、極めて静粛なものとなり、該
複合原動装置搭載自動車の普及により都市交通環境を一
変させることが予想される。
【0056】F.減速 (図10のDC) 既述した強度加速モードや高速巡航モードでも補助エン
ジン2が運転された状態でギアシフト時に一時的に減速
されることもあるが、それらは、高負荷運転中の一時的
な状態であり、ここでは、通常の車速の減速を目的とし
た減速運転についてのモードについて説明する。
【0057】補助エンジン2は停止され、電磁クラッチ
3も切断される。電動機1は、回生制動モードに制御さ
れる。車速の減速は主に電動機1の回生制動によって行
われるが、低速度領域など回生制動では制動力が不足を
来す時には、通常の摩擦式ブレーキも併用すればよい。
尚、回生制動で発生した電力は、通常蓄電池8に貯蔵
し、走行用電力等として再利用されるが、満充電などに
より貯蔵の余地がないときには抵抗器9に逃がして処理
する。
【0058】既述したように、通常自動車のエンジンブ
レーキによる減速では、僅かな燃料消費は避けられず、
また、車体の持つ運動エネルギーの回生は全く不可能で
ある。これに対し、複合原動装置での電動機1での減速
では図10に示すようにエンジンブレーキによる負の制動
トルクに比較して、遙に大きな制動トルクを発生させる
ことができる。しかも該制動力も制御用マイクロコンピ
ューター11によって即座に、かつ、任意の大きさにコン
トロールすることができる。したがって、通常の摩擦式
ブレーキが併用されることはあっても、その頻度は極め
て低く抑えることができる。このため、該摩擦式ブレー
キの耐久寿命を著しく延長することができる。摩擦式ブ
レーキに用いられる石綿の発癌性が指摘されているおり
でもあり、摩擦式ブレーキの使用頻度が小さく、かつ耐
久力が優れることは安全面,メンテナンスの面からも望
ましいことであり、将来人手不足が予測される環境から
しても大きな特長といえる。また、制動力が発生できる
全域にわたって回生制動が可能であることはいうまでも
なく、該回生によって、従来ブレーキライニングの摩耗
と摩擦熱となって捨てられていたエネルギーが回収さ
れ、次の加速の時などに動力として使用することがで
き、燃費改善に最も大きく貢献する。
【0059】G.後退 補助エンジン2は停止され、電磁クラッチ3が切断され
ている状態で、後退の要求があると、制御用マイクロコ
ンピューター11の信号により、相順逆転器5の作動を切
り換えて、相順を入れ換えることにより電動機1の回転
が逆転し、後退させることができる。
【0060】後退運転は、極く短時間のモードであるた
め、燃費,排気汚染,騒音等の点では実質的に貢献する
程のものではないが、逆転するための操作,機構が通常
自動車に比較して極めて簡易である点に大きな特長があ
る。即ち、後退したいときには、従来は、ギアをリバー
スにシフトしておく必要があるのに対し、メカニカルな
シフトは必要がなく、リバースギアを取り除くことが可
能となり、コストダウンを図れる。尚、未熟な運転者が
リバースギアに入れる時に騒音を発生出すことがあり、
早朝などに気になることモあるので、これを解消するこ
とで騒音改善にも僅かながらの貢献をしているともいえ
る。
【0061】図11は、別実施例に係る複合原動装置図の
概略システム構成を示す。この装置では、2台の電動機
51,52を備え、補助エンジン2から離れた側の電動機51
は原動機として専用に使用され、補助エンジン2に電磁
クラッチ3を介して連結される電動機52は発電機として
使用される。但し、電動機52は補助エンジン2の出力軸
に直結してもよい。電動機51と電動機52とは電磁クラッ
チ (又は回転力調節装置) 53を介して連結されている。
また、発電機として機能する電動機52の出力端子は、電
動機51側のインバーター6とは別のインバーター54を介
して電流リミッター7に接続されている。その他の、ハ
ードウエアの構成は図1に示した実施例と同様であり、
同一符号を付してある。
【0062】電動機51のみを運転する場合は、電磁クラ
ッチ53を切断して適当な電力を供給しつつ電動機51のみ
を運転させればよく、補助エンジン2と併用して電動機
51を運転し、かつ、電動機52を発電機として作動させな
い場合には、電磁クラッチ3及び電磁クラッチ53は共に
接続するが、電動機52の界磁コイルを開放して無負荷運
転させる。これにより、第1の実施例と同一の形態での
運転は全て行え、本実施例では更に別の形態での運転が
行える。
【0063】即ち、電動機51による電力走行と電動機52
による充電機能とを独立して行えるため、補助エンジン
2の始動時のショックやその他の過渡的な制御の面で非
常に有利となる。補助エンジン2の始動の例では、セル
モーターを備えなくとも、始動の直前で電動機52による
発電機の負荷抵抗を補助エンジン2の始動時の抵抗分だ
け増大し、又は簡易には停止から作動に切り換えてお
き、同時に電動機51への供給電流を高めて電動機52の負
荷抵抗に見合ったトルク増大を行った上で、電磁クラッ
チ3の接続と同時に電動機52の負荷抵抗を減少されるこ
とで、接続の際のトルクショックを緩和することができ
るのである。但し、この場合は、電磁クラッチ3を要す
る。
【0064】図12は、更に別の実施例を示す。このもの
は自動車の車輪を直接駆動するのは電動機61に限られ、
図示のものは、車輪毎に独立して電動機61を複数個(4
輪の場合4個)設けているが、既述した各実施例のよう
に1個で賄ってもよい。一方、補助エンジン2の出力軸
には前記第2の実施例同様発電機としてのみ機能させる
電動機62を電磁クラッチ3を介して又は直接電動機62を
連結している。この実施例が前記他の実施例と大きく異
なるのは、電動機61と電動機62との間にメカニカル的に
は何らの関連性も有していないことである。即ち、補助
エンジン2は、発電機として機能する電動機61の駆動に
のみ使用される。したがって、運転機能の点では、通常
の電気自動車と変わりないが、前記第2の実施例と同様
に電力走行とは独立して補助エンジンを運転して電力を
蓄えられる利点を備える。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように第1及び第2の発明
に係る複合原動装置では、高頻度で電動機のみにより運
転することで排気汚染や騒音を抑制した上で高出力が要
求される条件では内燃機関を補助的に併用し、又は、内
燃機関のみの運転に切り換えることで従来の電気自動車
では満たせなかった運転要求を満たすことができる。
【0066】また、内燃機関で電動機を発電機として駆
動し、又は発電機を直接駆動して発電電流を蓄電池に充
電させることにより、充電のために停車する必要はな
く、従来の燃料補給の社会システム (ガソリンスタン
ド) をそのまま利用して走行可能であり、走行中も電力
を確保できる。しかも、発電機の負荷抵抗で減速運転を
行うことで車体の運動エネルギーを電力に変換して蓄え
たり、高出力時に内燃機関を可及的に最適領域で運転し
て余剰電力を蓄えたりして、回生することができるので
燃費を大幅に改善できる。
【0067】また、太陽電池や燃料電池等の電力供給源
を備えたり、商用電力等の外部電力供給源からの電力供
給を可能に構成することにより、電動機への電力供給を
より安定して行える。また、第3の発明に係る複合原動
装置では、内燃機関が発電機を駆動して蓄電池に充電さ
せる機能を専有するため、電動機の駆動電力を安定して
確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の概略システム構成を示
す図
【図2】同上実施例の電動機制御部の構成を示す図
【図3】同上実施例の補助エンジン制御部の構成を示す
【図4】同上実施例の電源制御部の構成を示す図
【図5】同上実施例の操作信号入力部の構成を示す図
【図6】同上実施例の強度加速モードにおける回転速度
−トルク特性マップ
【図7】同上実施例の高速巡航モードにおける回転速度
−トルク特性マップ
【図8】同上実施例の普通加速モードにおける回転速度
−トルク特性マップ
【図9】同上実施例の普通巡航モードにおける回転速度
−トルク特性マップ
【図10】同上実施例の減速モードにおける回転速度−ト
ルク特性マップ
【図11】本発明の第2の実施例の概略システム構成を示
す図
【図12】本発明の第3の実施例の概略システム構成を示
す図
【図13】一般自動車の走行性能図
【符号の説明】
1 電動機 2 補助エンジン 3 電磁クラッチ 5 相順逆転器 6 インバーター 7 電流リミッター 8 蓄電池 11 制御用マイクロコンピューター 21 回転センサー 22 アクセルセンサー 51 電動機 52 電動機 (発電機) 53 電磁クラッチ 61 電動機 62 発電機

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電動機と、内燃機関と、該電動機と該内燃
    機関との回転軸相互の回転力の伝達を制御する伝達制御
    装置と、前記電動機に電気的に接続された蓄電池と、該
    蓄電池から前記電動機への電力供給量を制御する電力制
    御装置と、これらを運転者の運転要求に適合するように
    総合的に制御する運転制御装置と、を含んで構成したこ
    とを特徴とする自動車用複合原動装置。
  2. 【請求項2】前記運転制御装置は、要求出力が所定以下
    のときには前記電動機のみを運転し又は該電動機及び前
    記内燃機関の運転を停止し、それ以外では該電動機と該
    内燃機関とを併用して運転し又は該内燃機関のみを運転
    させる制御機能を含んでなる請求項1に記載の自動車用
    複合原動装置。
  3. 【請求項3】前記内燃機関は、所定の条件で前記電動機
    を発電機として駆動し、それによって発電した電流を前
    記蓄電池に充電させる電力供給源としての機能を含んで
    なる請求項1又は2に記載の自動車用複合原動装置。
  4. 【請求項4】前記内燃機関以外の電力供給源を備え、又
    は、外部電力供給源からの電力供給を可能に構成したこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の自
    動車用複合原動装置。
  5. 【請求項5】内燃機関と、該内燃機関に直結またはクラ
    ッチを介して連結された発電機と、電動機と、該電動機
    と前記発電機との回転軸相互の回転力の伝達を制御する
    伝達制御装置と、前記電動機及び発電機に電気的に接続
    された蓄電池と、該蓄電池から前記電動機への電力供給
    量を制御する電力制御装置と、これらを運転者の運転要
    求に適合するように総合的に制御する運転制御装置と、
    を含んで構成したことを特徴とする自動車用複合原動装
    置。
  6. 【請求項6】内燃機関と、該内燃機関によって駆動され
    る発電機と、該発電機からの発電電力を充電する蓄電池
    と、該蓄電池から電力を供給されて駆動される電動機
    と、前記蓄電池から前記電動機への電力供給量を制御す
    る電力制御装置と、これらを運転者の運転要求に応じて
    総合的に制御し、前記電動機のみを原動機として運転さ
    せる運転制御装置と、を含んで構成したことを特徴とす
    る自動車用複合原動装置。
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