JPH0559904A - 蒸気タービンの冷却方法および装置 - Google Patents

蒸気タービンの冷却方法および装置

Info

Publication number
JPH0559904A
JPH0559904A JP22274091A JP22274091A JPH0559904A JP H0559904 A JPH0559904 A JP H0559904A JP 22274091 A JP22274091 A JP 22274091A JP 22274091 A JP22274091 A JP 22274091A JP H0559904 A JPH0559904 A JP H0559904A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling medium
turbine
temperature
cooling
steam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP22274091A
Other languages
English (en)
Inventor
Akio Oiwa
明雄 大岩
Masahiko Sanada
政彦 真田
Shigeo Hosoi
茂雄 細井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOUDEN SEKKEI KK
Toshiba Corp
Original Assignee
TOUDEN SEKKEI KK
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOUDEN SEKKEI KK, Toshiba Corp filed Critical TOUDEN SEKKEI KK
Priority to JP22274091A priority Critical patent/JPH0559904A/ja
Publication of JPH0559904A publication Critical patent/JPH0559904A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)
  • Control Of Turbines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 蒸気タービンを構成する各部の金属(メタ
ル)等に歪みや亀裂を生じることなく、蒸気タービンを
急速に冷却することである。 【構成】 温度がタービンメタルの大きな歪みや亀裂を
生じない許容範囲内にある冷却媒体を、タービン内部に
流動させて、タービン1のメタル温度の差を縮小する。
メタル温度の差が最大許容温度差に近づいた後で、温度
が前記許容範囲内にあってしかもできるだけ低い冷却媒
体を、タービンの内部に流動させて、タービン内部を冷
却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蒸気タービンを運転停
止後急速に冷却する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】蒸気タービン、特に発電用蒸気タービン
は分解点検作業を定期的に行う必要がある。この分解点
検作業の際には先ず、蒸気タービンに連結された発電機
を電力系統から解列(遮断)し、そして蒸気タービンの
運転を停止する。その後、蒸気タービン各部の金属温度
が或る程度まで(例えば約150℃まで)低下するのを
待ってから分解(開放)作業を開始する。なぜなら、蒸
気タービンの温度がまだ高いうちに蒸気タービンを分解
すると、作業に危険や困難を伴うことになり、また蒸気
タービン各部が急激にかつ不均一に冷却されるため、蒸
気タービンを構成する各部の金属(タービンメタル)、
ケーシング(車室)等に歪みを生じたり、局部的に大き
な応力を生ずるからである。
【0003】従来は、蒸気タービンの運転停止後、冷却
を自然冷却によって行っていた。しかしながら、蒸気タ
ービン、特に大容量の蒸気タービンは、その構成部品で
あるケーシング、ロータ(回転体)および各種付属機器
等が厚肉の重量物であるため、質量が大きく、熱容量が
大であり、また、運転中の熱損失を少なくするよう、ケ
ーシングが石綿等の厚い保温材で被覆され、熱が放散し
にくくなっているので、従来のように自然冷却する場合
には、蒸気タービンの冷却速度が非常に緩慢であった。
例えば600MW機では、運転停止時の温度(約400
℃)から分解可能温度(150℃)まで冷却するのに約
7日を要していた。この期間が分解点検作業の待ち時間
となっており、分解点検作業の効率を非常に悪くし、発
電プラントの有効利用を阻害していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、蒸
気タービンのタービンメタル等に歪みや亀裂を生じるこ
となく、蒸気タービンを迅速に冷却することができる蒸
気タービンの冷却方法および装置を提供せんとするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題は、蒸気タービ
ンを運転停止後冷却するための方法の発明においては、
温度がタービンメタルの大きな歪みや亀裂を生じない許
容範囲内にある冷却媒体を、タービン内部に流動させ
て、タービンのメタル温度の差を縮小し、メタル温度の
差が最大許容温度差に近づいた後で、温度が前記許容範
囲内にあってしかもできるだけ低い冷却媒体を、タービ
ンの内部に流動させて、タービン内部を冷却することに
よって解決される。
【0006】更に、温度がタービンの蒸気入口側のメタ
ル温度よりも低く、蒸気出口側のメタル温度よりも高
く、しかもタービンメタルの大きな歪みや亀裂を生じな
い許容範囲内にある冷却媒体を、タービン内部に非常に
ゆっくり流動させて、蒸気出口側と蒸気入口側のメタル
温度の差を縮小し、蒸気入口側のメタル温度と蒸気出口
側のメタル温度との差が最大許容温度差のほぼ2倍にな
った後で、前記温度の冷却媒体をタービン内部に比較的
に速く流動させて、タービンのメタル温度の差を一層縮
小し、メタル温度の差が最大許容温度差に近づいた後
で、温度が前記許容範囲内にあってしかもできるだけ低
い冷却媒体を、タービンの内部に流動させて、タービン
内部を冷却することによっても、前記課題が解決され
る。
【0007】上記方法において、タービンのメタル温度
の差を縮小する際、温度がメタル温度のほぼ平均値であ
る冷却媒体を使用することが望ましい。更に、タービン
のメタル温度の差を縮小する際、メタル温度以下の温度
の冷却媒体を使用し、冷却媒体の流量を制御してその温
度を許容範囲内に保つことが望ましい。更に、冷却媒体
として、運転停止後蒸気タービン内に滞留している気体
を使用することが望ましい。更に、蒸気タービンを外部
から強制的に冷却することが望ましい。
【0008】前記課題は更に、蒸気タービンを運転停止
後冷却するための装置の発明においては、蒸気タービン
の蒸気出入口に接続した冷却媒体循環管または冷却媒体
供給管と、この冷却媒体循環管または冷却媒体供給管に
配置した送風機、冷却媒体用熱交換器および冷却媒体流
量制御弁と、冷却媒体入口温度、冷却媒体出口温度、蒸
気出口側メタル温度および蒸気入口側のメタル温度を測
定するセンサと、これらのセンサによって測定された温
度に基づいて、前記送風機、冷却媒体用熱交換器および
冷却媒体流量制御弁の少なくとも一つを制御する制御装
置を具備することによって解決される。
【0009】この装置において、冷却媒体通路を有する
ジャケットによって蒸気タービンのケーシングを取り囲
み、前記冷却媒体通路を冷却媒体供給装置に接続するこ
とが望ましい。更に、ジャケットが多数の冷却リングか
らなっていることが望ましい。
【0010】蒸気タービンの運転停止後、高温のタービ
ンメタルを冷却媒体で冷却する場合、タービンメタルと
冷却媒体の温度差が大きすぎると、タービンメタルが歪
みを生じたり、タービンメタルの表面に亀裂を生ずる恐
れがあるので、冷却媒体の温度をタービンのメタル温度
に対して許容される範囲内に保つ必要がある。本明細書
において、冷却媒体の温度のこのような範囲を許容範囲
と称する。なお、この許容範囲は、冷却媒体の温度がタ
ービンメタル温度よりも高い場合を含むものとする。更
に、このような許容範囲内の温度とタービンメタル温度
との差の最大値を、最大許容温度差(ΔTA)と称す
る。この最大許容温度差は蒸気タービンの種類によって
異なるが、一般的な発電用蒸気タービンでは一般的に5
0〜100℃である。
【0011】
【実施例】次に、図を参照して本発明の実施例を詳しく
説明する。
【0012】蒸気タービンを内部から急速に冷却する装
置を備えた高圧蒸気タービン1を図1に示す。図1にお
いて蒸気タービン1はその輪郭だけが示してあり、内部
構造は省略してある。蒸気タービン1の通常運転時に
は、タービン作動蒸気(主蒸気)は蒸気入口2より入
り、各段のノズルとロータに付けられた羽根(動翼)で
構成された蒸気通路を通り、蒸気出口3より出て、ボイ
ラ再熱器へ導かれる。この間に蒸気はロータを回転し、
動力を発生する。
【0013】蒸気タービン1の冷却装置は、蒸気タービ
ン1内部に冷却媒体を流動させることにより冷却を行
う。図1において、4は冷却媒体循環管、5は冷却媒体
を循環させるための送風機、6は冷却媒体の流量制御
弁、7は熱交換器(冷却器または放熱器)である。この
送風機5の代わりに、冷却媒体を供給する他の手段、例
えば吸引式の排風機や真空ポンプを使用してもよい。8
は冷却中に蒸気タービンを負圧にしないために送風機5
の吸い込み側を大気圧に保持する圧力制御弁である。タ
ービン冷却中、タービン内部が負圧になると、タービン
内部の温度と比べて非常に低い温度の大気がグランド部
よりタービン内部に流入し好ましくないので、この圧力
制御弁8を設置する必要がある。9は余剰冷却媒体の放
出弁、10はタービン内の冷却効果を均等化するための
冷却媒体の流量制御弁である。11,12,13,14
はそれぞれ、蒸気出口側(タービン低温側)のメタル
(蒸気タービンを構成する各部の金属)の温度(ML)
を測定するセンサ、蒸気入口側(タービン高温側)のメ
タル温度(MH)を測定するセンサ、冷却媒体入口温度
(CL)を測定するセンサ、冷却媒体出口温度(CH)
を測定するセンサである。更に、図示していない制御装
置が設けられている。この制御装置は、冷却媒体入口温
度(CL)、冷却媒体出口温度(CH)、蒸気出口側の
メタル温度(ML)および蒸気入口側のメタル温度(M
H)に基づいて、前記送風機5、冷却媒体用熱交換器7
および冷却媒体流量制御弁6の少なくとも一つを制御
し、冷却媒体の温度と流量を制御する。
【0014】次に、上記構造の冷却装置による蒸気ター
ビンの冷却方法の実施例について説明するが、その前
に、若干の仮定や前提について述べる。先ず、タービン
メタルの温度は蒸気入口2と蒸気出口3の間で直線的に
変化すると仮定する(図2のM1参照)。更に、冷却媒
体は蒸気出口3側からタービン内に送入され、蒸気入口
2側へ流動するとする(後述のように、冷却媒体を蒸気
入口2側からタービン内に送入し、蒸気出口3側へ流動
させることも可能である)。更に、冷却媒体を非常にゆ
っくり流す場合には、図2に示すように、冷却媒体の温
度C1は蒸気出口3と蒸気入口2の間でメタル温度M1
と近似してあるいは平行に上昇するが、比較的に速い速
度で流す場合には冷却媒体の温度C2の上昇ΔTCは約
10〜30℃である。冷却媒体を非常にゆっくり流す場
合には充分な冷却効果を期待できない。一方、比較的に
速い速度で流す場合には、大きな歪みや亀裂を生じない
ようにするために、蒸気入口側のメタル温度と冷却媒体
温度の差(MH−CH)と、蒸気出口側のメタル温度と
冷却媒体温度の差(ML−CL)が、最大許容温度差Δ
TA以下でなければならない。
【0015】更に、冷却媒体として、タービン停止時よ
りタービン系内に滞留している気体を使用する。蒸気タ
ービン内部には、蒸気通路部や、外部ケーシング1と内
部ケーシング(図示せず)等で囲まれた空間等があり、
タービンを停止して分解点検を実施する場合には、復水
器の真空を破壊したり、タービングランドのシールを止
めて大気に開放するので、タービンの内部には高温で大
気圧の気体が滞留している。本実施例による冷却方法で
は、この滞留した気体を冷却媒体として循環使用する
(しかし、後述のように、温度を調節した大気を冷却媒
体として使用してもよい)。ただし、タービン本体内に
滞留している気体の量はきわめて少ないので、タービン
に接続されている配管内に滞留している気体等(タービ
ン系の気体)も有効に使用する。
【0016】本実施例による蒸気タービンの冷却方法は
実質的に、メタル温度差の縮小を行う第1段階と、急速
冷却を行う第2段階とからなっている。
【0017】1.第1段階(メタル温度差の縮小):タ
ービンを冷却する場合本実施例では先ず最初に、タービ
ン内のメタル温度差を縮小する。すなわち、運転停止直
後蒸気タービンのメタル温度は蒸気入口2側と蒸気出口
3側で大きな差があるが、この温度差をできるだけ小さ
くする(例えば最大許容温度差ΔTAに近づける)。こ
れは次のようにして行う。
【0018】運転停止直後の蒸気入口2側と蒸気出口3
側の蒸気タービンのメタル温度の差が非常に大きい(温
度差が最大許容温度差ΔTAの2倍以上である)場合
に、温度の低い冷却媒体を流したり、冷却媒体を比較的
に速く流すと、タービン内のどこかでタービンメタルの
表面に大きな歪みや亀裂を生じる恐れがある。従って、
温度が蒸気入口2側のタービンのメタル温度(MH)よ
りも低く、蒸気出口3側のメタル温度(ML)よりも高
く、タービンメタルの大きな歪みや亀裂を生じない許容
範囲内にある冷却媒体を、タービン内部に非常にゆっく
り流動させる(図3参照)。例えば、MH=400℃、
ML=150℃、最大許容温度差(許容範囲内の温度と
タービンメタル温度との差の最大値)ΔTA=100℃
とすると、冷却媒体は蒸気出口3側の温度CLが150
〜250℃に設定され、しかも流量制御弁6を絞ること
によりタービン内を非常にゆっくり流動させられる。そ
の際、冷却媒体の温度は図2のC1と同様に、メタル温
度に近似しようとするので、図3において点線で示すよ
うに変化する。それによって、冷却媒体の温度がタービ
ン全体でメタル温度に対して許容される温度となり、メ
タルの歪みや亀裂の発生を防止できると共に、蒸気出口
側のタービンメタルが冷却媒体によって加熱され、蒸気
入口側のメタルが冷却され、蒸気出口側と蒸気入口側の
メタル温度の差が縮小する。この場合、冷却媒体の蒸気
出口3側の温度CLは、蒸気出口3側のメタル温度(M
L)に最大許容温度差ΔTAを加えた値に近い温度、す
なわち250℃に近い温度とすると、最も効果的であ
る。
【0019】このようにして蒸気出口側と蒸気入口側の
メタル温度の差が縮小し、最大許容温度差ΔTAのほぼ
2倍になると、続いて、流量制御弁6を充分に開いて、
冷却媒体を前記温度に保ちながら比較的に速く強制流動
させる(図4参照)。それによって、前記と同様に、蒸
気出口側のタービンメタルが冷却媒体によって加熱さ
れ、蒸気入口側のメタルが冷却され、蒸気出口側と蒸気
入口側のメタル温度の差が一層縮小する。この場合、送
入する冷却媒体の温度CLをほぼメタル温度の平均値
(MH−ML)/2とすると、メタル温度差の縮小を最
も迅速に行うことができる。
【0020】上記第1段階における冷却媒体としては、
タービン停止時にタービン系内に滞留している気体が使
用され、必要に応じて熱交換器7で温度が調節され、冷
却媒体流量制御弁6または送風機5によって流量が調節
される。
【0021】2.第2段階(急速冷却):タービンメタ
ル温度差(MH−ML)が最大許容温度差(ΔTA)に
近づくと、冷却媒体の温度を許容範囲内でメタル温度よ
りもできるだけ低くしかつ流速(流量)を速くし、充分
な強制冷却を行うことができる。この場合、冷却媒体の
温度上昇(CH−CL)は小さく、(CH−CL)<Δ
TAを満足するので、メタルと冷却媒体との温度差を許
容温度差(ΔTA)内にコントロールするためには、 (MH−ML)>(CH−CL)の場合、 (MH−CH)≦ΔTA (MH−ML)<(CH−CL)の場合、 (ML−CL)≦ΔTA を満足させるのみでよく、コントロールが容易である。
これらのコントロールは、タービンメタルの高温部、低
温部および冷却媒体の低温部、高温部の各温度を検出
し、簡単な論理回路により、冷却媒体のタービン入口温
度、流量(従って出口温度)をコントロールすることに
より達成される。
【0022】上記のように、本実施例では、冷却方法を
二つの段階に分け、先ず最初にメタル温度の差の縮小を
行い、その後冷却を行うようにしたので、タービンメタ
ル等に大きな歪みや亀裂を生じる恐れなしに、非常に速
く冷却を行うことができる。よって、冷却時間が大幅に
短縮され、例えば600MW機では約1〜2日で冷却を
行うことができる。
【0023】以上、蒸気タービンの冷却方法の実施例に
ついて説明したが、本発明はこの実施例に限定されるも
のでない。例えば、温度がタービンメタルの大きな歪み
や亀裂を生じない許容範囲内にある冷却媒体を、タービ
ン内部に流動させることにより、メタル温度の差の縮小
を行う第1段階において、いろいろな変形が可能であ
る。図6にこの変形の一例を示す。この場合、メタル温
度CL以下の温度の冷却媒体を使用し、冷却媒体の流量
(流速)を制御してその温度を許容範囲内に保つことに
より、メタル温度の差の縮小を行う。冷却媒体の流量の
制御は、メタル温度を監視しながら蒸気入口側の温度が
MH−CH<ΔTAとなるように行われる。
【0024】更に、第1段階において、メタル温度差の
縮小化を充分に行い、メタル温度をほぼ均一化する(ほ
ぼ同じにする)ことができる。
【0025】更に、前記実施例の第1段階では、先ず最
初に、冷却媒体を非常にゆっくり流動させてメタル温度
差を縮小するようにしたが、運転停止直後の蒸気入口2
側と蒸気出口3側の蒸気タービンのメタル温度の差が比
較的に小さく、最大許容温度差ΔTAのほぼ2倍以下で
ある場合には、この過程を省略し、運転停止後直ちに冷
却媒体を比較的に速い流速で流動させてメタル温度差を
縮小することができる。
【0026】更に、前記実施例では蒸気出口側から蒸気
入口側へ冷却媒体を流したが、冷却媒体の流れ方向を逆
にしてもよい。この場合、第1段階においてメタル温度
をほぼ均一化し、第2段階において許容範囲内のできる
だけ低い温度の冷却媒体でタービン内部を冷却すること
が望ましい。
【0027】更に、冷却媒体として、温度を調節した大
気を使用してもよい。この場合、循環させてもよいし、
循環させなくてもよい。循環させない場合には、前記の
冷却媒体循環管4の代わりに、大気に開放した冷却媒体
供給管が用いられる。
【0028】更に、第1段階および第2段階を通じてタ
ービン内部を均一に冷却し、冷却効果を確実にするた
め、タービンロータをこの期間中低速回転(ターニン
グ)するのが好ましい。
【0029】更に、前記実施例では、冷却方法を高圧蒸
気タービンに適用したが、他の蒸気タービン、例えば中
圧蒸気タービンにも適用できる。
【0030】次に、図7乃至図10を参照して本発明の
他の実施例による上記タービンの冷却方法と装置を説明
する。この実施例は、図1乃至図6に示した前記実施例
による内部冷却式のものと異なり、蒸気タービン1を外
部から強制冷却するものである。この方法と装置は前記
の内部冷却方法および装置と組み合わせて実施すること
もできるし、また単独で実施することもできる。
【0031】図7と図8において、蒸気タービン1はケ
ーシング(車室)20と蒸気入口管2だけが示してあ
り、他は省略してある。ケーシング20の周囲には、多
数の冷却リング22からなる冷却ジャケットがケーシン
グを取り囲むように配置されている。この冷却リング2
2は図8に示すように、リング本体23と、このリング
本体に接続され半径方向外側へ延びる冷却媒体の入口管
24および出口管25とからなっている。リング本体2
4の断面形状は図示例では矩形であるが、他の形状、例
えば円形でもよい。冷却リング22は図10に示すよう
に、その入口管24と出口管25が冷却媒体入口ヘッダ
ー26と冷却媒体出口ヘッダー27に接続されている。
冷却リングの接続方法は図10に示す例に限定されるも
のではなく、冷却媒体の量、速度、圧力損失等を考慮し
て並列または直列のどちらの方法でもよい。
【0032】冷却ジャケットとケーシング20の間には
熱を伝導しやすい隙間充填材28が充填されている。こ
の隙間充填材としては銅、鉄等の金属粉末が好ましい。
更に、冷却ジャケット、隙間充填材28およびケーシン
グ20は、けい酸カルシウム等の保温材29によって覆
われている。
【0033】本実施例は上記の部品のほかに、図示して
いない冷却媒体入口弁、熱交換器、冷却媒体輸送装置、
冷却媒体流量制御弁等からなる冷却媒体供給装置を備え
ている。冷却媒体としては、気体(例えば空気)または
液体(例えば水や油等)を使用する。
【0034】上記構造の冷却装置を備えた蒸気タービン
は、運転停止後、ジャケットの冷却リング22内に冷却
媒体を流すことにより、外部から強制冷却される。この
外部冷却は単独で行ってもよいが、前記の内部冷却と組
み合わせて行ってもよい。組み合わせて行う場合には、
蒸気タービンの内部と外部近くとの温度差を非常に小さ
くして、一層急速な冷却を行うことができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、メタル温
度を均一化またはメタル温度差を縮小し、その後急速冷
却するようにしたので、蒸気タービンのタービンメタル
等に歪みや亀裂を生じることなく、蒸気タービンを迅速
に冷却することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による蒸気タービンの冷却
装置を示す図である。
【図2】タービンメタル温度と冷却媒体温度の一般的な
変化を示すグラフである。
【図3】運転停止後タービンメタル温度の差が非常に大
きいときのタービンメタル温度の差を縮小する方法段階
における、タービンメタル温度と冷却媒体温度の関係を
示すグラフである。
【図4】タービンメタル温度の差が比較的に小さいとき
のタービンメタル温度の差を縮小する方法段階におけ
る、タービンメタル温度と冷却媒体温度の関係を示すグ
ラフである。
【図5】メタル温度を急速冷却する方法段階における、
タービンメタル温度と冷却媒体温度の関係を示すグラフ
である。
【図6】メタル温度の差を縮小する方法段階の変形例を
示すグラフである。
【図7】本発明の第2実施例による冷却装置を備えた蒸
気タービンの、図8のVI−VI線に沿った断面図であ
る。
【図8】図7の蒸気タービンの横断面図である。
【図9】ジャケットを構成する冷却リングの斜視図であ
る。
【図10】冷却リングを接続するヘッダーを示す斜視図
である。
【符号の説明】
1 蒸気タービン 2 蒸気入口 3 蒸気出口 4 冷却媒体循環管 5 送風機 6 冷却媒体流量制御弁 7 熱交換器 11,12,13,14 温度センサ 20 ケーシング 22 冷却リング
フロントページの続き (72)発明者 細井 茂雄 横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会 社東芝京浜事業所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸気タービンを運転停止後冷却するため
    の方法において、 温度がタービンメタルの大きな歪みや亀裂を生じない許
    容範囲内にある冷却媒体を、タービン内部に流動させ
    て、タービンのメタル温度の差を縮小し、 メタル温度の差が最大許容温度差に近づいた後で、温度
    が前記許容範囲内にあってしかもできるだけ低い冷却媒
    体を、タービンの内部に流動させて、タービン内部を冷
    却することを特徴とする蒸気タービンの冷却方法。
  2. 【請求項2】 蒸気タービンを運転停止後冷却するため
    の方法において、 温度がタービンの蒸気入口側のメタル温度よりも低く、
    蒸気出口側のメタル温度よりも高く、しかもタービンメ
    タルの大きな歪みや亀裂を生じない許容範囲内にある冷
    却媒体を、タービン内部に非常にゆっくり流動させて、
    蒸気出口側と蒸気入口側のメタル温度の差を縮小し、 蒸気入口側のメタル温度と蒸気出口側のメタル温度との
    差が最大許容温度差のほぼ2倍になった後で、前記温度
    の冷却媒体をタービン内部に比較的に速く流動させて、
    タービンのメタル温度の差を一層縮小し、 メタル温度の差が最大許容温度差に近づいた後で、温度
    が前記許容範囲内にあってしかもできるだけ低い冷却媒
    体を、タービンの内部に流動させて、タービン内部を冷
    却することを特徴とする蒸気タービンの冷却方法。
  3. 【請求項3】 タービンのメタル温度の差を縮小する
    際、温度がメタル温度のほぼ平均値である冷却媒体を使
    用することを特徴とする請求項1または2の蒸気タービ
    ンの冷却方法。
  4. 【請求項4】 タービンのメタル温度の差を縮小する
    際、メタル温度以下の温度の冷却媒体を使用し、冷却媒
    体の流量を制御してその温度を許容範囲内に保つことを
    特徴とする請求項1の蒸気タービンの冷却方法。
  5. 【請求項5】 冷却媒体として、運転停止後蒸気タービ
    ン内に滞留している気体を使用することを特徴とする請
    求項1から4までのいずれか一つの蒸気タービンの冷却
    方法。
  6. 【請求項6】 蒸気タービンを外部から強制的に冷却す
    ることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つの蒸
    気タービンの冷却方法。
  7. 【請求項7】 蒸気タービンの蒸気出入口に接続した冷
    却媒体循環管または冷却媒体供給管と、この冷却媒体循
    環管または冷却媒体供給管に配置した送風機、冷却媒体
    用熱交換器および冷却媒体流量制御弁と、冷却媒体入口
    温度、冷却媒体出口温度、蒸気出口側メタル温度および
    蒸気入口側のメタル温度を測定するセンサと、これらの
    センサによって測定された温度に基づいて、前記送風
    機、冷却媒体用熱交換器および冷却媒体流量制御弁の少
    なくとも一つを制御する制御装置を具備することを特徴
    とする蒸気タービンの冷却装置。
  8. 【請求項8】 冷却媒体通路を有するジャケットによっ
    て蒸気タービンのケーシングを取り囲み、前記冷却媒体
    通路を冷却媒体供給装置に接続したことを特徴とする請
    求項7の蒸気タービンの冷却装置。
  9. 【請求項9】 ジャケットが多数の冷却リングからなっ
    ていることを特徴とする請求項8の蒸気タービンの冷却
    装置。
JP22274091A 1991-09-03 1991-09-03 蒸気タービンの冷却方法および装置 Withdrawn JPH0559904A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22274091A JPH0559904A (ja) 1991-09-03 1991-09-03 蒸気タービンの冷却方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22274091A JPH0559904A (ja) 1991-09-03 1991-09-03 蒸気タービンの冷却方法および装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0559904A true JPH0559904A (ja) 1993-03-09

Family

ID=16787163

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22274091A Withdrawn JPH0559904A (ja) 1991-09-03 1991-09-03 蒸気タービンの冷却方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0559904A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015508472A (ja) * 2012-01-25 2015-03-19 シーメンス アクティエンゲゼルシャフト タービンコンポーネントの冷却プロセスの制御方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015508472A (ja) * 2012-01-25 2015-03-19 シーメンス アクティエンゲゼルシャフト タービンコンポーネントの冷却プロセスの制御方法
US9422832B2 (en) 2012-01-25 2016-08-23 Siemens Aktiengesellschaft Method for controlling a cooling process of turbine components

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6478534B2 (en) Turbine casing
JP3631500B2 (ja) ガスタービン用の一体化蒸気/空気冷却装置及びガスタービン用の冷却装置を動作する方法
JP2954797B2 (ja) 蒸気タ−ビンの強制冷却装置
JP3768271B2 (ja) 軸流ガスタービンの排気側での軸シール並びに冷却のための方法と装置
KR101327101B1 (ko) 능동형 블레이드 팁 간극 조절 시스템, 터빈 밀봉 공기시스템과 능동형 간극 조절 시스템의 통합 시스템 및블레이드 팁 간극 조절 방법
JP4728493B2 (ja) タービンエンジンに冷却用空気を供給する方法及び装置
JPH0468449B2 (ja)
GB2103718A (en) Gas turbine plant
US8029865B2 (en) Method for coating or heat treatment of blisks for aircraft gas turbines
EP2871329A1 (en) Steam turbine forced air cooling system, equipment, and steam turbine equipped with it
US4498286A (en) Gas turbine plant with a fluidized bed combustion chamber
US5967743A (en) Blade carrier for a compressor
US4157013A (en) Water cooled automotive gas turbine engine
JP2007051636A (ja) 低温適用用のターボ機械
JPH0559904A (ja) 蒸気タービンの冷却方法および装置
JPH03294605A (ja) 蒸気タービンの急速冷却装置
JPH0425415B2 (ja)
JPH08218811A (ja) 蒸気タービンの冷却方法及びその装置
CN105822363B (zh) 空冷系统以及用于空冷系统的控制方法
JPH0650106A (ja) 蒸気タービンの冷却加熱装置
JPH0219613A (ja) ガスタービン装置
JPH05106406A (ja) 蒸気タービンの冷却方法
JPH06146924A (ja) ガスタービン
US20060010877A1 (en) Method for the prevention of deposits in steam systems
JPH0281905A (ja) 蒸気タービンの強制冷却方法、及び同冷却装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19981203