JPH0559373B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、主としてエネルギースペクトルを測
定する場合に使用される測定データ処理装置に関
する。

(ロ) 従来の技術 たとえば、発光分光分析装置においては、波長
走査に伴う光信号の強度変化を検出することによ
り、試料に含まれる元素の定性、定量分析等を行
う。

このようなエネルギースペクトルを測定する場
合には、従来、第３図に示すようなデータ処理装
置が使用されている。このデータ処理装置ａで
は、たとえば、図外の光電子増倍管からの検出電
流が電流／電圧変換器で電圧値に変換された後、
Ｖ／Ｆ変換器ｂに入力される。そして、このＶ／
Ｆ変換器ｂで入力電圧に対応する周波数をもつパ
ルス信号に変換される。続いて、このパルス信号
が次段のカウンタｃに与えられてカウントされ
る。カウンタｃには、コントローラｄから所定の
サンプリング周期でリセツト信号が出力されるの
で、これにより、サンプリング周期ごとにカウン
トされたカウント値Ｉがバツフアｅを介してメモ
リｆに時系列的に取り込まれる。したがつて、メ
モリｆには、第４図に示すように、横軸を時間
ｔ、縦軸をカウント値（信号強度）Ｉとしたピー
クプロフアイルが記憶されることになる。

(ハ) 発明が解決しようとする課題 しかしながら、第３図に示した従来構成のもの
では、次のようは不都合がある。すなわち、従来
装置のデータ転送動作をさらに詳述すると、第５
図のタイミングチヤートに示すように、コントロ
ーラｄからカウンタｃにリセツト信号が出力され
ると（同図ｄ参照）、これに応答してカウンタｃ
はカウント動作を開始し、所定時間Δtが経過し
た後（同図ｄ参照）、コントローラｄからバツフ
アｅにカウント値の読み出し信号が出力される
（同図ｃ参照）。そして、カウント値のバツフアｅ
への転送が終了すると、これに応答して、コント
ロールｄからカウントｃに再度リセツト信号が出
力される。したがつて、カウンタｃが一つのカウ
ント動作を終了した後、次のカウント動作を開始
するまでの間、一定のタイムラグt₀が生じること
になる。このタイムラグt₀の期間に、同図ａに示
すようなピークプロフアイルが存在した場合に
は、カウンタｃでカウントされないので、測定デ
ータが完全に欠落する。特に、そのピークプロフ
アイルが物質同定等において重要な意味をもつ場
合には、精度良い測定結果が得られなくなる。

本発明は、このような事情に鑑みてなされたも
のであつて、測定データの欠落をなくし、常に精
度良い測定結果が得られるようにすることを目的
とする。

(ニ) 課題を解決するための手段 本発明は、上記の目的を達成するために、検出
器からの検出電圧はこれに対応する周波数に変換
するＶ／Ｆ変換器と、このＶ／Ｆ変換器の出力を
カウントするカウンタとを備えた測定データ処理
装置において、次の構成を採る。

すなわち、本発明の測定データ処理装置では、
カウンタのカウント値を積算する積算器と、この
積算器の積算値を所定の時間間隔でサンプリンす
るサンプリングクロツクを発生するクロツク発生
器と、前記サンプリングクロツクによりサンプリ
ングされた積層値を時系列的に記憶するメモリ
と、このメモリに記憶された積算値を時間微分す
る演算器とを備えている。

(ホ) 作用 上記構成において、Ｖ／Ｆ変換器で検出電圧に
対応する周波数に変換されたパルス信号はカウン
タにカウントされる。このカウンタのカウント値
は次段と積算器で測定が終了するまで順次継続し
て積算される。したがつて、測定データの欠落を
生じることがない。

そして、この積算器の積算値は、クロツク発生
器からのサンプリングロツクにより所定の時間間
隔でサンプリンされ、そのサンプリングされた積
算値がメモリに時系列的に記憶される。メモリに
記憶された積算値は演算器で時間微分されて、各
瞬時値としてのデータが復元されて出力される。

(ヘ) 実施例 第１図は測定データ処理装置のブロツク図であ
る。同図において、符号１は測定データ処理装置
の全体を示し、２は図外の光電子増倍管等の検出
器からの検出電圧をこれに対応する周波数に変換
するＶ／Ｆ変換器、４はＶ／Ｆ変換器２の出力を
カウントするカウンタ、６はカウンタ４のカウン
ト値を積算する積算器、８は積算器の積算値を所
定の時間間隔でサンプリングするサンプリングク
ロツクを発生するクロツク発生器、１０は上記の
サンプリングクロツクによりサンプリングされた
積算値を時系列的に記憶するメモリ、１２はメモ
リ１０に記憶された積算値を時間微分する演算
器、１４はカウンタ４にリセツト信号を出力する
とともに、クロツク発生器８、メモリ１０ならび
に演算器１２の動作を制御するコントローラであ
る。

次に、上記構成の測定データ処理装置１のデー
タ処理動作について説明する。

図外の光電子増倍管等の検出器からの検出電流
は電流／電圧変換器（図示省略）で電圧値に変換
された後、Ｖ／Ｆ変換器２に入力される。そし
て、このＶ／Ｆ変換器２で入力電圧に対応する周
波数をもつパルス信号に変換される。続いて、こ
のパルス信号が次段のカンンタ４に与えられてカ
ウンタされる。コントローラ１４からは、カウン
タ４に対して測定開始から測定終了までの間はリ
セツト信号が出力されないので、カウンタ４のカ
ウント値は次段の積算器６で測定が終了するまで
順次継続して積算される。したがつて、測定デー
タの欠落を生じることがない。

一方、クロツク発生器８からは所定のサンプリ
ング周波数をもつサンプリングクロツクが発生さ
れ、このサンプリングクロツクが積算器６ならび
にメモリ１０にそれぞれ与えられる。これによ
り、積算器６の積算値がこのサンプリングクロツ
クに同期して所定の時間間隔Δtでサンプリング
され、そのサンプリングされた積算値Σが次段の
メモリ１０に時系列的に記憶される。したがつ
て、メモリ１０には、第２図ａに示すように、時
間経過に伴つてカウント値Σが増大する変化曲線
のデータが記憶されることになる。そして、メモ
リ１０に記憶された積算値Σのデータは、コント
ローラ１４により所定のタイミングで読み出され
て次段の演算器１２に与えられる。演算器１２
は、この積算値Σを時間微分する。すなわち、サ
ンプリング周期Δtごとに積算値Σの変化量Δcを
算出する。これにより、演算器１２からは、第２
図ｂに示すように、従来からピークアプロフアイ
ルを示す瞬時値に復元されたデータが出力され
る。

(ト) 効果 本発明によれば、カウンタとカウント値は次段
の積算器で測定が終了するまで順次継続して積算
されるため、測定データの欠落を生じることがな
い。そして、積算器の積算値が演算器で微分され
て瞬時値のデータとして復元されるので、常に精
度良い測定結果が得られるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明の実施例を示すも
ので、第１図は測定データ処理装置のブロツク
図、第２図は積算器の出力と演算器の出力とを示
す説明図である。また、第３図ないし第５図は従
来例を示すもので、第３図は測定データ処理装置
のブロツク図、第４図はメモリに記憶されたデー
タ内容を示す説明図、第５図は第３図の装置のデ
ータ転送のタイミングチヤートである。 １……測定データ処置装置、２……Ｖ／Ｆ変換
器、４……カウンタ、６……積算器、８……クロ
ツク発生器、１０……メモリ、１２……演算器、
１４……コントローラ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 検出器からの検出電圧をこれに対応する周波
   数に変換するＶ／Ｆ変換器と、このＶ／Ｆ変換器
   の出力をカウントするカウンタとを備えた測定デ
   ータ処理装置において、 前記カウンタのカウント値を積算する積算器
   と、 この積算器の積算値を所定の時間間隔でサンプ
   リンするサンプリングクロツクを発生するクロツ
   ク発生器と、 前記サンプリングクロツクによりサンプリング
   された積算値を時系列的に記憶するメモリと、 このメモリに記憶された積算値を時間微分する
   演算器と、 を備えることを特徴とする測定データ処理装置。