JPH0558973A - N−(2−ヒドロキシアルキル)酸性アミノ酸モノ塩の製造方法 - Google Patents

N−(2−ヒドロキシアルキル)酸性アミノ酸モノ塩の製造方法

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JPH0558973A
JPH0558973A JP22302191A JP22302191A JPH0558973A JP H0558973 A JPH0558973 A JP H0558973A JP 22302191 A JP22302191 A JP 22302191A JP 22302191 A JP22302191 A JP 22302191A JP H0558973 A JPH0558973 A JP H0558973A
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JP
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acidic amino
salt
water
reaction
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JP22302191A
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Takasumi Kanekiyo
隆純 金清
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 皮膚にマイルドで、液体安定性に優れ、か
つ、気泡力、洗浄力の良好な液体洗浄剤の基材である、
N−(2−ヒドロキシアルキル)酸性アミノ酸モノ塩を
製造する。 【構成】 酸性アミノ酸ジトリアルキルアンモニウム塩
と、1,2−エポキシアルカンとを、低級アルコールと
水との混合溶媒中で反応させ、得られた反応混合物に酸
性アミノ酸ジトリアルキルアンモニウム塩の0.4〜
0.6倍モルのアルカリ金属水酸化物またはトリエタノ
ールアミンを添加し、低級アルコール、トリアルキルア
ミン及び水の一部を留去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体洗浄剤として好適
な、N−(2−ヒドロキシアルキル)酸性アミノ酸モノ
塩の製造方法に関する。本発明の製造方法により得られ
るアミノ酸誘導体は、皮膚にマイルドで、かつ保存安定
性に優れるので、シャンプー、ボディシャンプー、台所
用洗浄剤等として有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、シャンプー、ボディシャンプーや
台所用洗浄剤等の液体洗浄剤の基材としては、石鹸(長
鎖カルボン酸塩)、アルキル硫酸エステル塩、アルキル
エーテル硫酸塩が用いられてきた。しかし、石鹸は水溶
液のpHが10付近であり、また、アルキル硫酸塩およ
びアルキルエーテル硫酸塩はpHが中性であるものの、
皮膚の蛋白質を変性させたり、急性の皮膚炎を引き起こ
す等の問題があった。
【0003】近年、皮膚にマイルドな洗浄剤として、N
−アシルグルタミン酸塩やN−アシルザルコシン酸塩等
のアミノ酸系界面活性剤が用いられている。しかし、こ
れらの界面活性剤は、40℃以上になるとアシルアミド
基が加水分解し、泡立ちや耐硬水性が低下するという問
題があった。一方、耐加水分解性の良好な、N−(2−
ヒドロキシアルキル)酸性アミノ酸塩は、その製造方法
が特開昭48−22417号、同48−72118、同
49−18824号公報に開示されており、アルカリ金
属塩として、またはエステルの形でカルボキシル基を保
護したα−アミノ酸と、1,2−エポキシアルカンと
を、アルコール:水=100:0〜10:90(重量)
の混合溶媒中で反応させることによって製造されてい
る。しかしながら、これらの公報中で製造されているア
ミノ酸誘導体は全てジ塩であり、皮膚にマイルドな中性
のモノ塩を得る方法については、何ら記載がない。
【0004】上記公報の製造方法で得られるジ塩からモ
ノ塩を得るために、アミノ酸誘導体と当量の酸で中和し
て得られるモノ塩は、溶液中に当量の塩も共存するた
め、そのままでは界面活性能が低く、洗浄剤として用い
るには不適当である。ジ塩に2当量の酸を加えて酸とし
て析出させ、濾過等によって塩を分離した後、当量の塩
基を加えてモノ塩とすることにより、中和塩を含まない
高純度のモノ塩を得ることができるが、この方法では、
酸や塩基を大量に要し、また、塩を含む排水が増えるこ
とも問題である。また、このモノ塩は、耐硬水性が十分
でなく(表2)、スカムを生じる場合もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、皮膚
にマイルドで、液体安定性に優れ、かつ、起泡力、洗浄
力の良好な液体洗浄剤の基剤である、N−(2−ヒドロ
キシアルキル)酸性アミノ酸モノ塩の製造方法を提供す
ることである。
【0006】
【課題を解決する手段】本発明は、アルキル基の炭素数
が1〜3である酸性アミノ酸ジトリアルキルアンモニウ
ム塩と、炭素数10〜18の1,2−エポキシアルカン
とを、1:1〜1:0.8のモル比で、炭素数1〜3の
低級アルコールと水との1:2〜5:1の容量比の溶媒
中で反応させ、得られた反応混合物に酸性アミノ酸の
0.4〜0.6倍モルのアルカリ金属水酸化物またはト
リエタノールアミンを添加し、低級アルコール、トリア
ルキルアミン及び一部の水を留去することを特徴とす
る、N−(2−ヒドロキシアルキル)酸性アミノ酸モノ
塩の製造方法である。
【0007】本発明の製造方法では、酸性アミノ酸をト
リアルキルアミンのジ塩として反応させる。酸性アミノ
酸は、アスパラギン酸またはグルタミン酸であり、L
体、D体、DL体のいずれでもよい。トリアルキルアミ
ンのアルキル基としては、炭素数1〜3のものを用い、
具体的には、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ト
リ−n−プロピルアミン等が挙げられるが、塩基性度お
よび沸点の点で、トリエチルアミンが好ましい。
【0008】1,2−エポキシアルカンは、炭素数10
〜18であり、アルキル鎖は直鎖状でも分岐鎖を有して
いてもよい。具体例としては、1,2−エポキシデカ
ン、1,2−エポキシウンデカン、1,2−エポキシド
デカン、1,2−エポキシトリデカン、1,2−エポキ
シテトラデカン、1,2−エポキシペンタデカン、1,
2−エポキシヘキサデカン、1,2−エポキシヘプタデ
カン、1,2−エポキシオクタデカンが挙げられ、単一
組成でも2種以上の任意の割合の混合物でもよい。工業
的に入手可能な1,2−エポキシアルカンとしては、ダ
イセル社製AOEX24やAOEX68等が挙げられ
る。
【0009】酸性アミノ酸ジトリアルキルアミン塩と
1,2−エポキシアルカンとの量比は、1:1〜1:
0.8(モル比)、好ましくは1:0.95〜1:0.
85(モル比)である。本発明の製造方法では、反応溶
媒として、炭素数1〜3の低級アルコールと水との混合
溶媒を用いる。
【0010】低級アルコールとしては、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−
プロピルアルコールが挙げられる。これらは、単独また
は2種以上を混合して使用することができる。低級アル
コールと水との混合比は、酸性アミノ酸の種類およびト
リアルキルアミンのアルキル鎖長によって異なるが、容
量比で1:2〜5:1、好ましくは1:1〜2:1の範
囲である。アルコールの割合が低いと、1,2−エポキ
シアルカンの溶解度が低くなり、反応速度が著しく低下
する。
【0011】混合溶媒の使用量は、酸性アミノ酸ジトリ
アルキルアミン塩に対して1〜20重量倍、好ましく
は、3〜10重量倍である。本発明の製造方法は、酸性
アミノ酸ジトリアルキルアミン塩を、水/アルコール混
合溶媒中に溶解させ、そこに1,2−エポキシアルカン
を添加して加熱し反応を行う。
【0012】1,2−エポキシアルカンを添加する際に
は、酸性アミノ酸ジトリアルキルアミン塩溶液が、透明
均一であることが必要である。原料のアルキル鎖長や混
合溶媒の水/アルコール比等によって、酸性アミノ酸ジ
トリアルキルアミン塩溶液が透明均一でなく、乳白色に
濁っていると、反応速度が著しく低下し、また反応副生
物が多くなるので、好ましくない。
【0013】1,2−エポキシアルカンの添加の方法
は、反応開始前に一括に仕込んでも、反応混合物の昇温
時または還流開始後に分割添加または連続滴下でもよい
が、副生物の生成を抑制するためには還流開始後に連続
滴下するのが好ましい。反応温度は、混合溶媒の組成等
によっても異なるが、70〜100℃、好ましくは75
〜95℃の範囲であり、還流状態で反応を行うのが好ま
しい。
【0014】反応圧力は、0.5〜1.5気圧、好まし
くは0.9〜1.2気圧の範囲である。反応時間は、反
応温度、反応圧力その他の条件にもよるが、3〜10時
間程度である。反応の終点は、1,2−エポキシアルカ
ンが無くなったところであり、ガスクロマトグラフィー
等によって確認する。
【0015】反応終了後、アルカリ金属水酸化物または
エタノールアミンを添加し、脂肪族アルコール、トリア
ルキルアミン及び一部の水を留去する。添加する塩基の
種類は、目的とする界面活性剤に要求される物性によっ
て選ばれる。例えば、固形または粉体状とする場合は、
水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、液体とする場合
は、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン等を用いる。
【0016】アルカリ金属水酸化物またはエタノールア
ミンの添加量は、製品のpH設定値によるが、製品の皮
膚刺激性の点から、酸性アミノ酸の0.4〜0.6倍モ
ルが好ましい。また、アルカリ金属を添加する場合は、
10〜60重量%程度の濃厚溶液にして行うのが好まし
い。アルカリ金属水酸化物またはエタノールアミンを添
加した後、通常の蒸留操作によって、低級アルコール、
トリアルキルアミン、水が、順に留去される。水の留出
量を調節することによって、生成物水溶液の濃度が調整
される。
【0017】本発明の製造方法によれば、N−(2−ヒ
ドロキシアルキル)酸性アミノ酸モノ塩は、5〜50重
量%の水溶液として得られるので、そのまま、または必
要に応じて濃縮・希釈若しくは精製して、液体洗浄剤と
して使用することができる。また、更に濃縮することに
より、固体または粉体状の洗浄剤として使用することも
できる。
【0018】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、皮膚にマイ
ルドであり、液体安定性に優れ、且つ洗浄力と起泡力の
良好な液体洗浄剤の基剤であるN−(2−ヒドロキシア
ルキル)酸性アミノ酸モノ塩を、簡単な操作で、効率よ
く製造することができる。
【0019】
【実施例】以下に、実施例により、本発明を更に具体的
に説明する。 <実施例1>トリメチルアミン23.6g(0.4モ
ル)を、水140mlに溶解し、そこへL−アスパラギ
ン酸26.6g(0.2モル)を加えて溶解させ、さら
にエチルアルコール180mlを加えた。この溶液は、
無色透明であった。
【0020】この溶液を、還流冷却管を付けた2lの四
ツ口フラスコに仕込み、加熱して、80℃付近で還流が
始まったところで、1,2−エポキシドデカン36.8
g(0.2モル)をエチルアルコール20mlに溶解し
た溶液を、1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに
4時間還流を続けた。反応の終了は、ガスクロマトグラ
フィーにより、1,2−エポキシドデカンのピークの消
失により確認した。
【0021】その後、反応混合物に40%水酸化ナトリ
ウム20g(水酸化ナトリウムモル)を加えて蒸留し、
留出量が250gになったところで、フラスコ内の溶液
のpHが8になったので蒸留を停止した。その結果、N
−(2−ヒドロキシドデシル)−L−アスパラギン酸モ
ノナトリウム45%水溶液152gを得た。この水溶液
の起泡力の評価結果を表1及び表2に示す。 <実施例2>トリメチルアミンの代わりにトリエチルア
ミン40.4g(0.4モル)を用い、1,2−エポキ
シドデカンの代わりに1,2−エポキシ(C12/C1
4)混合アルカン(C12:C14=56:44)35
gを用いた以外は、実施例1と同様に反応を行った。
【0022】その結果、N−(2−ヒドロキシ(C12
/C14)混合アルキル)−L−アスパラギン酸モノナ
トリウム37%水溶液172gを得た。この水溶液の起
泡力の評価結果を表1及び表2に示す。 <実施例3>トリ−n−プロピルアミン57.2g
(0.4モル)を、水220mlに溶解し、そこへL−
アスパラギン酸26.6g(0.2モル)を加えて溶解
させ、さらにイソプロピルアルコール400mlを加え
た。この溶液は、無色透明であった。
【0023】この溶液を、還流冷却管を付けた2lの四
ツ口フラスコに仕込み、加熱して、92℃付近で還流が
始まったところで、1,2−エポキシドデカン36.8
g(0.2モル)をイソプロピルアルコール50mlに
溶解した溶液を、1時間かけて滴下した。滴下終了後、
さらに4時間還流を続けた。反応の終了は、ガスクロマ
トグラフィーにより、1,2−エポキシドデカンのピー
クの消失により確認した。
【0024】その後、反応混合物に40%水酸化ナトリ
ウム20gを加えて蒸留し、留出量が500gになった
ところで、フラスコ内の溶液のpHが8になったので蒸
留を停止した。その結果、N−(2−ヒドロキシドデシ
ル)−L−アスパラギン酸モノナトリウム29%水溶液
230gを得た。この水溶液の起泡力の評価結果を表1
及び表2に示す。 <実施例4>L−アスパラギン酸の代わりに、DL−ア
スパラギン酸を用いる以外は、実施例2と同様に反応を
行った。
【0025】その結果、N−(2−ヒドロキシ(C12
/C14)混合アルキル)−DL−アスパラギン酸モノ
ナトリウム37%水溶液172gを得た。この水溶液の
起泡力の評価結果を表1及び表2に示す。 <実施例5>1,2−エポキシアルカンとして、1,2
−エポキシ(C16/C18)混合アルカン(C16:
C18=57:43)40gを用いた以外は、実施例2
と同様に反応を行った。
【0026】その結果、N−(2−ヒドロキシ(C16
/C18)混合アルキル)−L−アスパラギン酸モノナ
トリウム37%水溶液177gを得た。この水溶液の起
泡力の評価結果を表1及び表2に示す。 <実施例6>実施例1において、40%水酸化ナトリウ
ムの代わりに、トリエタノールアミン29.8gを用い
る以外は、実施例1と同様に反応を行った。
【0027】その結果、N−(2−ヒドロキシドデシ
ル)−L−アスパラギン酸モノトリエタノールアミン5
7%水溶液162gを得た。この水溶液の起泡力の評価
結果を表1及び表2に示す。 <実施例7>L−アスパラギン酸の代わりに、L−グル
タミン酸29.4g(0.2モル)を用いる以外は、実
施例2と同様に反応を行った。
【0028】その結果、N−(2−ヒドロキシ(C12
/C14)混合アルキル)−L−グルタミン酸モノナト
リウム33%水溶液175gを得た。この水溶液の起泡
力の評価結果を表1及び表2に示す。 <比較例1〜7>実施例1〜7において、酸性アミノ酸
を溶解するトリアルキルアミンの代わりに水酸化ナトリ
ウム16g(0.4モル)を用いる以外は、実施例1〜
7と同様に反応を行った。
【0029】反応後、反応混合液に塩酸を加えてpHを
3〜2.5とし、ロータリーエバポレーターで溶媒を留
去し、残渣をアセトン300ml、n−ヘキサン300
mlで洗浄し、乾燥させた。その結果、対応するN−
(2−ヒドロキシアルキル)酸性アミノ酸を得、それぞ
れ対応するアルカリ金属およびトリエタノールアミンで
N−(2−ヒドロキシアルキル)酸性アミノ酸モノ塩の
水溶液を得た。これらの水溶液の起泡力の評価結果を表
1及び表2に示す。
【0030】尚、実施例中の評価方法は以下の通りであ
る。 (濃度依存性)/表1 界面活性剤の濃度が0.1、0.2、0.5、1.0重
量%の水溶液について、40℃における起泡力(5分
値)を、ロス・マイルス法(JIS K3362)によ
って測定した。
【0031】(硬度依存性)/表2 界面活性剤の濃度が0.2重量%となるように、純水、
および3DH、5DH、10DHの人工硬水で希釈した
水溶液について、40℃における起泡力(5分値)を、
ロス・マイルス法(JIS K3362)によって測定
した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【図面の簡単な説明】
図1は、実施例1と比較例1で製造された化合物につい
て、濃度依存性の評価結果を表すグラフである。 図2は、実施例1と比較例1で製造された化合物につい
て、硬度依存性の評価結果を表すグラフである。
【図1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキル基の炭素数が1〜3である酸性
    アミノ酸ジトリアルキルアンモニウム塩と、炭素数10
    〜18の1,2−エポキシアルカンとを、1:1〜1:
    0.8のモル比で、炭素数1〜3の低級アルコールと水
    との1:2〜5:1の容量比の溶媒中で反応させ、得ら
    れた反応混合物に酸性アミノ酸ジトリアルキルアンモニ
    ウム塩の0.4〜0.6倍モルのアルカリ金属水酸化物
    またはトリエタノールアミンを添加し、低級アルコー
    ル、トリアルキルアミン及び一部の水を留去することを
    特徴とする、N−(2−ヒドロキシアルキル)酸性アミ
    ノ酸モノ塩の製造方法。
JP22302191A 1991-09-03 1991-09-03 N−(2−ヒドロキシアルキル)酸性アミノ酸モノ塩の製造方法 Pending JPH0558973A (ja)

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