JPH0558901A - 骨吸収抑制因子およびその製造方法 - Google Patents
骨吸収抑制因子およびその製造方法Info
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- JPH0558901A JPH0558901A JP3238735A JP23873591A JPH0558901A JP H0558901 A JPH0558901 A JP H0558901A JP 3238735 A JP3238735 A JP 3238735A JP 23873591 A JP23873591 A JP 23873591A JP H0558901 A JPH0558901 A JP H0558901A
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- JP
- Japan
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- bone
- estrogen
- osteoblasts
- bone resorption
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- Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】骨吸収が過剰となったときに骨形成とのバラン
スを回復させ得る新たな骨吸収抑制因子とその製造方
法、並びに新たな代謝性骨疾患治療剤を提供する。 【構成】本発明の骨吸収抑制因子は、エストロゲンの刺
激を受けた骨芽細胞が産生する生理活性物質および/ま
たはその塩からなる。また、その製造方法は、エストロ
ゲンの存在下に骨芽細胞を培養する工程と、前記工程で
骨芽細胞が産生した生理活性物質を培養系内から抽出す
る工程とを含むことを特徴とする。そして、本発明の治
療剤は、エストロゲンの刺激を受けた骨芽細胞が産生す
る骨吸収抑制因子を有効成分として含有する。
スを回復させ得る新たな骨吸収抑制因子とその製造方
法、並びに新たな代謝性骨疾患治療剤を提供する。 【構成】本発明の骨吸収抑制因子は、エストロゲンの刺
激を受けた骨芽細胞が産生する生理活性物質および/ま
たはその塩からなる。また、その製造方法は、エストロ
ゲンの存在下に骨芽細胞を培養する工程と、前記工程で
骨芽細胞が産生した生理活性物質を培養系内から抽出す
る工程とを含むことを特徴とする。そして、本発明の治
療剤は、エストロゲンの刺激を受けた骨芽細胞が産生す
る骨吸収抑制因子を有効成分として含有する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、骨芽細胞が産生する新
規な骨吸収抑制因子とその製造方法、および代謝性骨疾
患の治療剤に関する。
規な骨吸収抑制因子とその製造方法、および代謝性骨疾
患の治療剤に関する。
【0002】
【背景技術】ヒトを含む脊椎動物の骨は、姿勢を維持す
るうえで重要な働きをしている。小児期には、骨は加齢
と共に成長していくが、成人に達した後は、骨の成長は
停止する。しかし成人に達した後も、骨は骨形成(新し
い骨組織を形成すること)と骨吸収(破骨細胞が骨組織
を吸収することにより古い骨組織を破壊すること)とを
繰り返し、体液中のカルシウムとリンの濃度を一定に保
つ重要な役割を持っている。骨を構成する細胞には、骨
形成を担っている骨芽細胞、骨吸収に関与する破骨細
胞、および骨組織への栄養補給や体液との間でのミネラ
ルの出し入れを行っている骨細胞の3種の細胞が主とし
て認められ、これらの細胞は互いに連携しながら骨代謝
に関与していると考えられている。
るうえで重要な働きをしている。小児期には、骨は加齢
と共に成長していくが、成人に達した後は、骨の成長は
停止する。しかし成人に達した後も、骨は骨形成(新し
い骨組織を形成すること)と骨吸収(破骨細胞が骨組織
を吸収することにより古い骨組織を破壊すること)とを
繰り返し、体液中のカルシウムとリンの濃度を一定に保
つ重要な役割を持っている。骨を構成する細胞には、骨
形成を担っている骨芽細胞、骨吸収に関与する破骨細
胞、および骨組織への栄養補給や体液との間でのミネラ
ルの出し入れを行っている骨細胞の3種の細胞が主とし
て認められ、これらの細胞は互いに連携しながら骨代謝
に関与していると考えられている。
【0003】これらの細胞のうちの骨芽細胞は、間葉系
の骨原性細胞由来のものであり、骨の有機基質主成分で
あるI型コラーゲンのほか、オステオカルシン、基質Gl
a タンパンク質(MGP)、オステオネクチン、オステ
オポンチン等の非コラーゲンタンパク質や、インスリン
様成長因子−I,II(IGF−I,II)、トランスフォ
ーミング・グロース・ファクター−β(TFG−β)、
インターロイキン−1(IL−1)、ディファレンシエ
ーション・インデューシング・ファクター(DIF)、
骨形成因子(BMP)等の各種の成長因子等も分泌す
る。また、近年、副甲状腺ホルモン(PTH)、活性型
ビタミンD3 、エストロゲン等の各種ホルモンに対する
受容体が骨芽細胞に存在することが報告されている[エ
ム・エフ・ローレアー(Rouleau,M.F )他、エンドクリ
ノロジー,123巻,187−191頁,1988年;
イー・エフ・エリクセン他,サイエンス,241巻,8
4−86頁,1988年;等参照)。
の骨原性細胞由来のものであり、骨の有機基質主成分で
あるI型コラーゲンのほか、オステオカルシン、基質Gl
a タンパンク質(MGP)、オステオネクチン、オステ
オポンチン等の非コラーゲンタンパク質や、インスリン
様成長因子−I,II(IGF−I,II)、トランスフォ
ーミング・グロース・ファクター−β(TFG−β)、
インターロイキン−1(IL−1)、ディファレンシエ
ーション・インデューシング・ファクター(DIF)、
骨形成因子(BMP)等の各種の成長因子等も分泌す
る。また、近年、副甲状腺ホルモン(PTH)、活性型
ビタミンD3 、エストロゲン等の各種ホルモンに対する
受容体が骨芽細胞に存在することが報告されている[エ
ム・エフ・ローレアー(Rouleau,M.F )他、エンドクリ
ノロジー,123巻,187−191頁,1988年;
イー・エフ・エリクセン他,サイエンス,241巻,8
4−86頁,1988年;等参照)。
【0004】ところで、上記骨芽細胞により担われる骨
形成と破骨細胞が関与している骨吸収とのバランスが崩
れると、骨粗鬆症に代表される代謝性骨疾患が生じる。
代謝性骨疾患のうちで骨粗鬆症は女性に特に多く、しか
も閉経をその出発点として、これ以後発症頻度が上昇し
ている。このことから、閉経後骨粗鬆症の治療にエスト
ロゲンの補充療法が有効であることが認められるように
なったが、その作用機序については未だ完全には解明さ
れていない。
形成と破骨細胞が関与している骨吸収とのバランスが崩
れると、骨粗鬆症に代表される代謝性骨疾患が生じる。
代謝性骨疾患のうちで骨粗鬆症は女性に特に多く、しか
も閉経をその出発点として、これ以後発症頻度が上昇し
ている。このことから、閉経後骨粗鬆症の治療にエスト
ロゲンの補充療法が有効であることが認められるように
なったが、その作用機序については未だ完全には解明さ
れていない。
【0005】
【発明の目的】本発明の目的は、骨吸収が過剰となった
ときに骨形成とのバランスを回復させ得る新たな骨吸収
抑制因子とその製造方法、並びに新たな代謝性骨疾患治
療剤を提供することにある。
ときに骨形成とのバランスを回復させ得る新たな骨吸収
抑制因子とその製造方法、並びに新たな代謝性骨疾患治
療剤を提供することにある。
【0006】
【目的を達成するための手段】本発明者らは、骨芽細胞
にエストロゲンの受容体が存在することに着目し、骨芽
細胞に及ぼすエストロゲンの影響について鋭意研究を重
ねた結果、エストロゲンの刺激を受けた骨芽細胞が骨吸
収抑制因子を産生することを見出だし、本発明を完成す
るに至った。
にエストロゲンの受容体が存在することに着目し、骨芽
細胞に及ぼすエストロゲンの影響について鋭意研究を重
ねた結果、エストロゲンの刺激を受けた骨芽細胞が骨吸
収抑制因子を産生することを見出だし、本発明を完成す
るに至った。
【0007】すなわち、上記目的を達成する本発明の骨
吸収抑制因子は、エストロゲンの刺激を受けた骨芽細胞
が産生する生理活性物質および/またはその塩からなる
ことを特徴とするものである。また、その製造方法は、
エストロゲンの存在下に骨芽細胞を培養する工程と、前
記工程で骨芽細胞が産生した生理活性物質を培養系内か
ら抽出する工程とを含むことを特徴とするものである。
そして、本発明の代謝性骨疾患治療剤は、エストロゲン
の刺激を受けた骨芽細胞が産生する骨吸収抑制因子を有
効成分として含有するものである。
吸収抑制因子は、エストロゲンの刺激を受けた骨芽細胞
が産生する生理活性物質および/またはその塩からなる
ことを特徴とするものである。また、その製造方法は、
エストロゲンの存在下に骨芽細胞を培養する工程と、前
記工程で骨芽細胞が産生した生理活性物質を培養系内か
ら抽出する工程とを含むことを特徴とするものである。
そして、本発明の代謝性骨疾患治療剤は、エストロゲン
の刺激を受けた骨芽細胞が産生する骨吸収抑制因子を有
効成分として含有するものである。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
骨吸収抑制因子は、上述したようにエストロゲンの刺激
を受けた骨芽細胞が産生する生理活性物質からなる。こ
こで、本発明でいう骨芽細胞とは、ヒトを含めた動物由
来の骨腫瘍細胞をクローニングして得られる株細胞と、
ヒトを含めた動物の骨から初代培養法で採取された骨芽
細胞との総称である。本発明でいう骨芽細胞の具体例と
しては、例えばラット骨肉腫由来のUMR106細胞や
ROS17/2.8細胞、ヒト骨肉腫由来のSaOS2
細胞やHOS細胞およびMG63細胞、マウス頭蓋骨由
来のMC3T3E1細胞等が挙げられる。
骨吸収抑制因子は、上述したようにエストロゲンの刺激
を受けた骨芽細胞が産生する生理活性物質からなる。こ
こで、本発明でいう骨芽細胞とは、ヒトを含めた動物由
来の骨腫瘍細胞をクローニングして得られる株細胞と、
ヒトを含めた動物の骨から初代培養法で採取された骨芽
細胞との総称である。本発明でいう骨芽細胞の具体例と
しては、例えばラット骨肉腫由来のUMR106細胞や
ROS17/2.8細胞、ヒト骨肉腫由来のSaOS2
細胞やHOS細胞およびMG63細胞、マウス頭蓋骨由
来のMC3T3E1細胞等が挙げられる。
【0009】本発明の骨吸収抑制因子は、エストロゲン
の存在下に骨芽細胞を培養する工程(以下、培養工程と
いうことがある)と、前記工程で骨芽細胞が産生した生
理活性物質を培養系内から抽出する工程(以下、抽出工
程ということがある)とを含む本発明の方法により製造
することができる。ここで、エストロゲンとしては生体
内の女性ホルモンの1種であるエストラジオールを用い
ることが特に好ましいが、エストロン、エストリオー
ル、スチルベステロール等を用いることも可能である。
の存在下に骨芽細胞を培養する工程(以下、培養工程と
いうことがある)と、前記工程で骨芽細胞が産生した生
理活性物質を培養系内から抽出する工程(以下、抽出工
程ということがある)とを含む本発明の方法により製造
することができる。ここで、エストロゲンとしては生体
内の女性ホルモンの1種であるエストラジオールを用い
ることが特に好ましいが、エストロン、エストリオー
ル、スチルベステロール等を用いることも可能である。
【0010】培養工程は、エストロゲンの濃度を10-8
〜10-11 モル程度とする以外は常法に従って行うこと
ができ、例えば、37℃前後の温度で数時間〜数日、好
ましくは24〜72時間培養することができる。また、
培養系のpHは中性付近が好ましく、骨芽細胞としてU
MR106細胞を用い、エストロゲンとしてエストラジ
オールを用いた場合には、pHを7.2〜7.4にして
培養することが好ましい。
〜10-11 モル程度とする以外は常法に従って行うこと
ができ、例えば、37℃前後の温度で数時間〜数日、好
ましくは24〜72時間培養することができる。また、
培養系のpHは中性付近が好ましく、骨芽細胞としてU
MR106細胞を用い、エストロゲンとしてエストラジ
オールを用いた場合には、pHを7.2〜7.4にして
培養することが好ましい。
【0011】本発明の方法は、上述の培養工程で骨芽細
胞が産生した生理活性物質を培養系内から抽出する抽出
工程を含む。この抽出工程としては、好ましくは塩抽出
が挙げられる。塩抽出は、例えば塩化ナトリウム、塩化
カリウム等の無機塩の水溶液に培養後の骨芽細胞を加え
て撹拌することにより行うことができ、骨芽細胞が産生
した生理活性物質(骨吸収抑制因子)は抽出液の上清中
に抽出される。抽出工程で使用する無機塩の水溶液の濃
度は特に限定されるものではないが、この種の塩抽出に
通常使用される濃度、例えば1〜2モルの濃度が好適で
ある。また、塩抽出は緩衝液の存在下に行うことがで
き、使用できる緩衝液としては、例えばヘペス緩衝液、
トリス塩酸緩衝液等を挙げることができる。なお、骨芽
細胞が産生した生理活性物質(骨吸収抑制因子)は、骨
芽細胞にだけでなく培養上清中にも存在しているので、
本抽出工程においては、培養後の骨芽細胞だけでなく培
養上清をも使用することができる。
胞が産生した生理活性物質を培養系内から抽出する抽出
工程を含む。この抽出工程としては、好ましくは塩抽出
が挙げられる。塩抽出は、例えば塩化ナトリウム、塩化
カリウム等の無機塩の水溶液に培養後の骨芽細胞を加え
て撹拌することにより行うことができ、骨芽細胞が産生
した生理活性物質(骨吸収抑制因子)は抽出液の上清中
に抽出される。抽出工程で使用する無機塩の水溶液の濃
度は特に限定されるものではないが、この種の塩抽出に
通常使用される濃度、例えば1〜2モルの濃度が好適で
ある。また、塩抽出は緩衝液の存在下に行うことがで
き、使用できる緩衝液としては、例えばヘペス緩衝液、
トリス塩酸緩衝液等を挙げることができる。なお、骨芽
細胞が産生した生理活性物質(骨吸収抑制因子)は、骨
芽細胞にだけでなく培養上清中にも存在しているので、
本抽出工程においては、培養後の骨芽細胞だけでなく培
養上清をも使用することができる。
【0012】本抽出工程を経ることにより、目的とする
骨吸収抑制因子を含有する溶液が得られ、該溶液は、例
えば凍結乾燥することにより、白色ケーキ状の物質に換
えられる。なお、本抽出工程で得られた上清(抽出後の
抽出液の上清)は、必要に応じて、分離操作に付すこと
ができる。この分離操作は、この種の技術で通常使用さ
れる方法、例えばセップ・パックC18(ウオータース社
製)カラムを用いることにより行うことができる。この
ようにして得られる骨吸収抑制因子は、骨粗鬆症、骨ベ
ージェット病、骨形成不全症、悪性腫瘍による高カルシ
ウム血症等の代謝性骨疾患の治療に有用である。
骨吸収抑制因子を含有する溶液が得られ、該溶液は、例
えば凍結乾燥することにより、白色ケーキ状の物質に換
えられる。なお、本抽出工程で得られた上清(抽出後の
抽出液の上清)は、必要に応じて、分離操作に付すこと
ができる。この分離操作は、この種の技術で通常使用さ
れる方法、例えばセップ・パックC18(ウオータース社
製)カラムを用いることにより行うことができる。この
ようにして得られる骨吸収抑制因子は、骨粗鬆症、骨ベ
ージェット病、骨形成不全症、悪性腫瘍による高カルシ
ウム血症等の代謝性骨疾患の治療に有用である。
【0013】上述した骨吸収抑制因子を有効成分として
含有する本発明の治療剤は、固体形態(例えば錠剤、硬
カプセル剤、軟カプセル剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、丸
剤、トローチ剤等)、半固体形態(例えば坐剤、軟膏
等)または液体形態(注射剤、乳剤、懸濁液、ローショ
ン、スプレー等)のいずれかの製剤形態にすることがで
きる。製剤化は各種の無毒性添加物を使用して行うこと
ができ、この無毒性添加物としては、例えばでん粉、ゼ
ラチン、ブドウ糖、乳糖、果糖、マルトース、炭酸マグ
ネシウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、メチル
セルロース、カルボキシメチルセルロースまたはその
塩、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、p−ヒド
ロキシ安息香酸アルキルエステル、シロップ、エタノー
ル、プロピレングリコール、ワセリン、カーボワック
ス、グリセリン、塩化ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、
リン酸ナトリウム、クエン酸等が挙げられる。本発明の
治療剤はまた、治療学的に有用な他の成分を含有するこ
ともできる。
含有する本発明の治療剤は、固体形態(例えば錠剤、硬
カプセル剤、軟カプセル剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、丸
剤、トローチ剤等)、半固体形態(例えば坐剤、軟膏
等)または液体形態(注射剤、乳剤、懸濁液、ローショ
ン、スプレー等)のいずれかの製剤形態にすることがで
きる。製剤化は各種の無毒性添加物を使用して行うこと
ができ、この無毒性添加物としては、例えばでん粉、ゼ
ラチン、ブドウ糖、乳糖、果糖、マルトース、炭酸マグ
ネシウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、メチル
セルロース、カルボキシメチルセルロースまたはその
塩、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、p−ヒド
ロキシ安息香酸アルキルエステル、シロップ、エタノー
ル、プロピレングリコール、ワセリン、カーボワック
ス、グリセリン、塩化ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、
リン酸ナトリウム、クエン酸等が挙げられる。本発明の
治療剤はまた、治療学的に有用な他の成分を含有するこ
ともできる。
【0014】本発明の治療剤中における骨吸収抑制因子
の含有量は、一般に0.0001〜10重量%であるこ
とが望ましい。本発明の治療剤の投与量は、人間をはじ
めとする投与対象の温血動物の種類、投与経路、症状の
軽重、代謝性骨疾患の種類、医者の診断等により広範囲
に変えることができ、この種の薬剤に用いられる適当量
を投与することができる。
の含有量は、一般に0.0001〜10重量%であるこ
とが望ましい。本発明の治療剤の投与量は、人間をはじ
めとする投与対象の温血動物の種類、投与経路、症状の
軽重、代謝性骨疾患の種類、医者の診断等により広範囲
に変えることができ、この種の薬剤に用いられる適当量
を投与することができる。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明す
る。 実施例1 UMR106細胞をサイトデックス3(ファルマシア社
製)を用いてフェノールレッドを含有していない培地で
培養後、エストラジオールを10-8Mの濃度で含有する
培地で、37℃で24時間培養した。培養液を、エスト
ラジオールを含まない培地に交換し、さらに24時間培
養した。培養後、上清を除去し、得られた細胞に2M塩
化ナトリウム水溶液と100mMヘペス緩衝液とを添加
し、細胞含有溶液を撹拌して塩抽出を行った後、抽出液
の上清を採取した。採取した上清をセップ・パックC18
カラムに通し、80%アセトニトリルで溶出した後、溶
出液を凍結乾燥して、白色ケーキ状の物質を得た。
る。 実施例1 UMR106細胞をサイトデックス3(ファルマシア社
製)を用いてフェノールレッドを含有していない培地で
培養後、エストラジオールを10-8Mの濃度で含有する
培地で、37℃で24時間培養した。培養液を、エスト
ラジオールを含まない培地に交換し、さらに24時間培
養した。培養後、上清を除去し、得られた細胞に2M塩
化ナトリウム水溶液と100mMヘペス緩衝液とを添加
し、細胞含有溶液を撹拌して塩抽出を行った後、抽出液
の上清を採取した。採取した上清をセップ・パックC18
カラムに通し、80%アセトニトリルで溶出した後、溶
出液を凍結乾燥して、白色ケーキ状の物質を得た。
【0016】この物質の骨吸収抑制作用の測定を、以下
のようにして行った。すなわち、高田らの方法[日本骨
代謝学会誌,8巻3号,110頁(1990年)]に従
って、マウス大腿骨より採取した破骨細胞による象牙片
上の吸収窩の形成数を指標として、本実施例の骨吸収抑
制因子が破骨細胞の活性に及ぼす抑制の度合いを調べた
(後記の図1では、エストラジオール群と表記する)。
なお対照群では、エストラジオールを培地中に含有させ
なかった以外は本実施例1と同様にして培養したUMR
106細胞に本実施例1と同様の処理を施して得た凍結
乾燥物を用いた。この結果を図1に示す。この図1か
ら、本発明の骨吸収抑制因子は、対照群に比べて破骨細
胞の活性を明らかに抑制していることがわかる。
のようにして行った。すなわち、高田らの方法[日本骨
代謝学会誌,8巻3号,110頁(1990年)]に従
って、マウス大腿骨より採取した破骨細胞による象牙片
上の吸収窩の形成数を指標として、本実施例の骨吸収抑
制因子が破骨細胞の活性に及ぼす抑制の度合いを調べた
(後記の図1では、エストラジオール群と表記する)。
なお対照群では、エストラジオールを培地中に含有させ
なかった以外は本実施例1と同様にして培養したUMR
106細胞に本実施例1と同様の処理を施して得た凍結
乾燥物を用いた。この結果を図1に示す。この図1か
ら、本発明の骨吸収抑制因子は、対照群に比べて破骨細
胞の活性を明らかに抑制していることがわかる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
新たな骨吸収抑制因子とその製造方法、および新たな代
謝性骨疾患治療剤が提供される。
新たな骨吸収抑制因子とその製造方法、および新たな代
謝性骨疾患治療剤が提供される。
【図1】は、本発明の骨吸収抑制因子が破骨細胞の活性
に及ぼす抑制の度合いを示すグラフである。
に及ぼす抑制の度合いを示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C12N 5/08
Claims (5)
- 【請求項1】エストロゲンの刺激を受けた骨芽細胞が産
生する生理活性物質および/またはその塩からなること
を特徴とする骨吸収抑制因子。 - 【請求項2】エストロゲンの存在下に骨芽細胞を培養す
る工程と、前記工程で骨芽細胞が産生した生理活性物質
を培養系内から抽出する工程とを含むことを特徴とする
骨吸収抑制因子の製造方法。 - 【請求項3】骨芽細胞が産生した生理活性物質を培養系
内から抽出する工程が塩抽出である、請求項2に記載の
骨吸収抑制因子の製造方法。 - 【請求項4】エストロゲンの刺激を受けた骨芽細胞が産
生する骨吸収抑制因子を有効成分として含有する代謝性
骨疾患の治療剤。 - 【請求項5】代謝性骨疾患が骨粗鬆症である請求項4に
記載の治療剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3238735A JPH0558901A (ja) | 1991-08-26 | 1991-08-26 | 骨吸収抑制因子およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3238735A JPH0558901A (ja) | 1991-08-26 | 1991-08-26 | 骨吸収抑制因子およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0558901A true JPH0558901A (ja) | 1993-03-09 |
Family
ID=17034482
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3238735A Withdrawn JPH0558901A (ja) | 1991-08-26 | 1991-08-26 | 骨吸収抑制因子およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0558901A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004087181A3 (de) * | 2003-04-02 | 2005-04-21 | Bioplanta Arzneimittel Gmbh | WIRKSTOFFKOMBINATION VON ω3-FETTSÄUREHALTIGEN ÖLEN MIT POLYPHENOLHALTIGEN PFLANZENEXTRAKTEN UND DEREN VERWENDUNG |
-
1991
- 1991-08-26 JP JP3238735A patent/JPH0558901A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004087181A3 (de) * | 2003-04-02 | 2005-04-21 | Bioplanta Arzneimittel Gmbh | WIRKSTOFFKOMBINATION VON ω3-FETTSÄUREHALTIGEN ÖLEN MIT POLYPHENOLHALTIGEN PFLANZENEXTRAKTEN UND DEREN VERWENDUNG |
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