JPH0557544U - 建築物の給水システム - Google Patents

建築物の給水システム

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JPH0557544U
JPH0557544U JP11283391U JP11283391U JPH0557544U JP H0557544 U JPH0557544 U JP H0557544U JP 11283391 U JP11283391 U JP 11283391U JP 11283391 U JP11283391 U JP 11283391U JP H0557544 U JPH0557544 U JP H0557544U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ビニール管やヘリューズ管のスッポ抜け等に
よる漏水事故が発生した際、直ちに給水管を閉塞して、
漏水事故による被害を最小限度に抑えることができる建
築物の給水システムを提供し、さらに、端末器の数に比
してバルブ数の少ない経済的な構成によって、漏水事故
の被害を最小限度に抑えることができるようにした建築
物の給水システムを提供する。 【構成】 第1考案では、給水管に接続された端末器へ
の配管途中に、当該端末器による最大使用量よりも大流
量の水が流れることによって自動的に遮断する緊急遮断
弁を介装する。第2考案では、給水管を複数系統に分岐
させ、各系統に、当該系統に接続された複数の端末器全
部による最大使用量よりも大流量の水が流れることによ
って自動的に遮断する緊急遮断弁を介装する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、例えば、事務所ビルや集合住宅等の建築物の給水システム(この明 細書において、給水システムとは、水や湯を系外へ取り出すカランのような端末 器に水や湯を供給するシステムの他、循環系に介装された空調用ファンコイルユ ニットのような抵抗の大きい端末器に冷水又は温水を供給するシステムを包含す る意味である。)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、事務所ビルや集合住宅等の建築物の給水システムにおいては、建物の 竣工後に、給水配管系におけるビニール管やヘリューズ管のスッポ抜け等による 漏水事故が発生すると、内装仕上げ材、室内に配置された家具類やOA機器等の 諸設備、商品、展示物等の多くが台無しになり、その被害は膨大なものとなる。
【0003】 このため、従来より、漏水事故を未然に防止する対策として、耐圧試験による 配管接続部における漏れの有無の確認、不良箇所の手直しや接続用袋ナットの増 し締め等々が行われているが、耐圧試験で正常であると判断されても、実際の給 水使用時には、バルブの開け閉めや水圧変動等に起因するウオーターハンマー現 象、あるいはその他の外部的な原因によって、接続不良の程度が進行することが あり、漏水事故を完全に防止することは実際上、不可能であると言っても過言で はない。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、上記の現状に鑑みてなされたものであって、その目的とするところ は、ビニール管やヘリューズ管のスッポ抜け等による漏水事故が発生した際、直 ちに給水管を閉塞して、漏水事故による被害を最小限度に抑えることができる建 築物の給水システムを提供することにある。
【0005】 本考案の他の目的は、給水管に接続された端末器の数に比してバルブ数の少な い経済的な構成によって、ビニール管やヘリューズ管のスッポ抜け等による漏水 事故が発生した際の被害を最小限度に抑えることができるようにした建築物の給 水システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本考案が講じた技術的手段は次の通りである。 即ち、第1考案による建築物の給水システムは、給水管に接続された端末器への 配管途中に、当該端末器による最大使用量よりも大流量の水(水道水、湯、空調 用の冷温水等)が流れることによって自動的に遮断するように構成された緊急遮 断弁を介装したことを特徴としている。
【0007】 第2考案による建築物の給水システムは、量水器よりも下流側において給水管 を複数の系統に分岐させ、各系統に夫々複数の端末器を接続し、各系統における 最上流の端末器よりも上流側の給水管部分に夫々、当該系統における全端末器に よる最大使用量よりも大流量の水が流れることによって自動的に遮断するように 構成された緊急遮断弁を介装したことを特徴としている。
【0008】
【作用】
第1考案の構成によれば、端末器に対する配管接続部等において、ビニール管 やヘリューズ管のスッポ抜け等による漏水事故が発生した場合、緊急遮断弁には 当該端末器による最大使用量よりも大流量の水が流れ、緊急遮断弁が自動的に遮 断して、それ以上の水の流出を阻止することになる。
【0009】 第2考案の構成によれば、各系統に接続されている複数の端末器のうち、何れ の端末器の配管接続部において、ビニール管やヘリューズ管のスッポ抜け等によ る漏水事故が発生した場合でも、その系統に介装された緊急遮断弁が自動的に遮 断して、それ以上の水の流出を阻止することになる。
【0010】 尚、第1,第2考案において、緊急遮断弁の下流側に、人為的に開閉操作が可 能なゲート弁を設けておけば、漏水事故の発生や誤動作により遮断した緊急遮断 弁を元の開状態に復帰させることが容易に行えるものである。即ち、緊急遮断弁 が遮断動作した状態において、その下流側に設けられたゲート弁を人為操作によ り閉塞させると、緊急遮断弁の弁座に形成されているリーク用微小流路から小量 ずつリークする水のために、次第に弁体下流側の水圧が高まり、弁体の上流側と 下流側の水圧がバランスした時点で、緊急遮断弁に内蔵されているスプリングの 付勢力により、弁体が弁座の上流側へと移動して、元の開状態に復帰することに なる。
【0011】
【実施例】
図1は、後述する建築物の給水システムに好適に使用できるバルブAの一例を 示す。このバルブAは、緊急遮断弁(水ヒューズ)1と人為的に開閉操作が可能 なゲート弁2とを一体に構成した点に特徴がある。
【0012】 緊急遮断弁1の構成自体は既知のものである。即ち、緊急遮断弁1の内部には 、弁座3と当該弁座3の上流側に配置されたボール状の弁体4と当該弁体4を開 方向に付勢するスプリング5とが設けられており、弁座3には、弁体4と密着す る表面の一部に傷を付ける等してリーク用微小流路(図示せず)が形成されてい る。そして、弁体4と弁座3との間を流れる水の流量がスプリング5の付勢力に よって設定された流量以上になると、弁体4がスプリング5の付勢力に抗して閉 動し、流路を自動的に遮断するように構成されている。また、流路が遮断された 状態において、流路の下流側が閉塞されると、リーク用微小流路からリークする 水のために、次第に弁体4下流側の水圧が高まり、弁体4の上流側と下流側の水 圧がバランスした時点で、スプリング5の付勢力により弁体4が開動するように 構成されている。
【0013】 前記ゲート弁2の構成も既知のものであり、弁体6に回転のみ自在に連結され たねじ軸7にハンドル8が付設され、このハンドル8を回転操作することにより 、ケーシング9内面に形成された雌ねじとのねじ作用によってねじ軸7が軸芯方 向に移動し、弁体6を開閉動作させるように構成されている。 図示しないが、前記バルブAを構成するにあたっては、緊急遮断弁1とゲート 弁2のケーシングを一体物に製作してもよく、あるいは、図示の実施例のように 、緊急遮断弁1とゲート弁2とを別個に製作し、両者1,2をねじ込み連結して 一体化してもよい。
【0014】 図2および図3は、第1考案に係る建築物の給水システムの一実施例を示す。 この実施例は、内装壁面Wの内側に配管された給水管10に、端末器としての便器 洗浄用タンク11を接続するにあたり、前記給水管10に前記タンク11による最大使 用量よりも大流量の水が流れることによって自動的に遮断するように構成された 緊急遮断弁1をねじ込み接続し、当該緊急遮断弁1の下流側に、ゲート弁として の既知構造のアングル止水栓12をねじ込み接続し、このアングル止水栓12にヘリ ューズ管13を介して前記タンク11内のボールタップ(図示せず)を接続したもの である。
【0015】 この構成によれば、袋ナット14等の部位からヘリューズ管13がスッポ抜けた場 合、緊急遮断弁1には、ボールタップを経て流れる正常時の流量よりも大流量の 水が流れるので、緊急遮断弁1が自動的に流路を遮断し、それ以上の水の流出を 阻止することになる。 この状態で、アングル止水栓12を閉じると、緊急遮断弁1が元の開状態に復帰 することなる。図示しないが、緊急遮断弁1とアングル止水栓12を一体物に構成 してもよい。
【0016】 図4は第1考案の他の実施例を示す。この実施例は、給水管(この場合は、い わゆる冷温水管である)10に接続された端末器としての空調用ファンコイルユニ ット15への配管途中に、上述した構成よりなるバルブ(緊急遮断弁1と人為的に 開閉操作が可能なゲート弁2を上流よりこの順に設けたバルブ)Aを介装した点 に特徴がある。16は空調用ファンコイルユニット15からの戻り配管17中に介装し た止水栓である。図示しないが、空調用ファンコイルユニット15の接続部のスッ ポ抜け等により流路が破断した際、水圧によって戻り配管17から冷温水が逆流す る虞れがある場合には、戻り配管17の途中(例えば、止水栓16の上流側又は下流 側の近傍位置)に逆止弁(一方向弁)を設けて実施すればよい。
【0017】 図5は第1考案の他の実施例を示す。この実施例は、給水管10に接続された端 末器としての加湿器18への配管途中に、上記のバルブAを介装した点に特徴があ る。
【0018】 図6は、第2考案に係る建築物の給水システムの一実施例を示す。この給水シ ステムは、次のように構成されている。10は集合住宅における各住戸の給水管で あり、量水器19よりも下流側において複数の系統10A,10B,10Cに分岐させる ことより、全体としての給水使用量を確保しながらも、各々の系統10A,10B, 10Cの流量が小さくなるように構成されている。
【0019】 系統10Aには、端末器としての湯沸器20を介装すると共に、その下流側に端末 器としての洗面器21の給湯用カラン21aや浴室22の給湯用カラン22aや流し23の 給湯用カラン23aを接続し、系統10Bには、前記洗面器21の給水用カラン21bや 前記浴室22の給水用カラン22bを接続し、系統10Cには、前記流し23の給水用カ ラン23bや端末器としての水洗便所24の給水用カラン24bを接続してある。
【0020】 各系統10A,10B,10Cにおける分岐箇所の近傍部には、夫々、上述した構成 よりなるバルブA(緊急遮断弁1と人為的に開閉操作が可能なゲート弁2を上流 よりこの順に設けたバルブ)が介装されている。
【0021】 各系統10A,10B,10Cに介装されたバルブAの緊急遮断弁1は、当該系統10 A,10B,10Cにおける全端末器による最大使用量よりも大流量の水が流れるこ とによって、自動的に遮断するように構成されている。即ち、系統10Aに介装さ れた緊急遮断弁1は、給湯用カラン21a,22a,23aを同時に全開したときの流 量よりも大流量の水が流れることによって遮断動作するように設定され、系統10 Bに介装された緊急遮断弁1は、給水用カラン21b,22bを同時に全開したとき の流量よりも大流量の水が流れることによって遮断動作するように設定され、系 統10Cに介装された緊急遮断弁1は、給水用カラン23b,24bを同時に全開した ときの流量よりも大流量の水が流れることによって遮断動作するように設定され ている。図中の25は止水栓である。
【0022】 上記の構成によれば、各系統10A,10B,10Cに接続されている給湯用カラン 21a,22a,23aや給水用カラン21b,22b,23b,24bのうち、何れのカラン の配管接続部において、ヘリューズ管のスッポ抜け等による漏水事故が発生した 場合でも、その系統に介装された緊急遮断弁1が自動的に遮断して、それ以上の 水の流出を阻止することになる。
【0023】 尚、各カランは、全開した状態において、必要とする量以上の水が出ないように 、カラン直前に定流量弁を設けたり、止水栓25によってカランによる最大流量を 絞ったり、あるいは、カランの内部に絞りを設ける等して、緊急遮断弁1が遮断 動作する流量との差をできるだけ大きくするように構成することが望ましい。
【0024】
【考案の効果】
請求項1によれば、ビニール管やヘリューズ管のスッポ抜け等による漏水事故 が発生した際、直ちに給水管を閉塞して、漏水事故による被害を最小限度に抑え ることができる。
【0025】 請求項2によれば、端末器ごとに緊急遮断弁を設けるのではなく、分岐された 系統ごとに、当該系統における全端末器による最大使用量よりも大流量の水が流 れることによって自動的に遮断する緊急遮断弁を設けるので、給水管に接続され た端末器の数に比してバルブ数の少ない経済的な構成によって、ビニール管やヘ リューズ管のスッポ抜け等による漏水事故が発生した際の被害を最小限度に抑え ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】緊急遮断弁とゲート弁を一体化したバルブの断
面図である。
【図2】第1考案に係る建築物の給水システムの一実施
例を示す斜視図である。
【図3】上記給水システムの要部断面図である。
【図4】空調用ファンコイルユニットに冷温水を供給す
る循環系に第1考案に係る建築物の給水システムを適用
した場合の実施例を示す概略配管図である。
【図5】第1考案に係る建築物の給水システムの他の実
施例を示す概略配管図である。
【図6】第2考案に係る建築物の給水システムの一実施
例を示す概略配管図である。
【符号の説明】
1…緊急遮断弁、2…ゲート弁、10…給水管、10A,10
B,10C…系統、11…便器洗浄用タンク(端末器)、12
…アングル止水栓、15…ファンコイルユニット(端末
器)、18…加湿器(端末器)、19…量水器、21a,22
a,23a…給湯用カラン(端末器)、21b,22b,23
b,24b…給水用カラン(端末器)。

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給水管に接続された端末器への配管途中
    に、当該端末器による最大使用量よりも大流量の水が流
    れることによって自動的に遮断するように構成された緊
    急遮断弁を介装してあることを特徴とする建築物の給水
    システム。
  2. 【請求項2】 量水器よりも下流側において給水管を複
    数の系統に分岐させ、各系統に夫々複数の端末器を接続
    し、各系統における最上流の端末器よりも上流側の給水
    管部分に夫々、当該系統における全端末器による最大使
    用量よりも大流量の水が流れることによって自動的に遮
    断するように構成された緊急遮断弁を介装してあること
    を特徴とする建築物の給水システム。
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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5835060U (ja) * 1981-08-31 1983-03-07 石川島播磨重工業株式会社 強制開弁機構付過流量逆止弁

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5835060U (ja) * 1981-08-31 1983-03-07 石川島播磨重工業株式会社 強制開弁機構付過流量逆止弁

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