JPH0556480B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は放射性固体廃棄物の輸送用バスケツト
への格納方法とその輸送用バスケツトに関するも
のである。

従来の技術 原子炉（たとえばBWR型）で使用済となつた
第６図に示す制御棒１および第７図に示すチヤン
ネルボツクス２は廃棄物輸送容器（以下キヤスク
と称する）内に格納され、廃棄物貯蔵施設に搬入
され、キヤスクごと貯蔵されている。

従来では、制御棒１およびチヤンネルボツクス
２をそれぞれ専用のキヤスク内に格納して輸送し
ている。

発明が解決しようとする問題点 上記従来構成によれば、キヤスクがきわめて大
重量であり、かつ収納物質であるチヤンネルボツ
クスあるいは制御棒が放射能を有することから、
その輸送及び諸作業に手間と時間とがかかり、制
御棒１とチヤンネルボツクス２ととそれぞれ専用
キヤスクで何回も輸送することは経済性の面から
も不適当である。

本発明は上記問題点を解消した放射性固体廃棄
物の輸送用バスケツトへの格納方法とその輸送用
バスケツトを提供することを目的とする。

問題を解決するための手段 上記問題を解決するため、本発明の放射性固体
廃棄物の輸送用バスケツトへの格納方法は、輸送
用バスケツトの放射性固体廃棄物格納空間内に横
断面形状が十字状の制御棒の下部を挿入し、次に
制御棒を回してその制御棒を上記格納室内側面上
方適所に設けた上方位置決め体にあてがつて位置
決めし、次に制御棒を降下させて格納室内側面下
方適所に設けた下方位置決め体と上記上方位置決
め体との間に形成した狭い通路内にその制御棒の
板状部を挿入し、格納室の制御棒で区切られた適
当な格納空間内にチヤンネルボツクスを挿入する
ものである。

また本発明の放射性固体廃棄物の輸送用バスケ
ツトは、適当数の放射性固体廃棄物格納室を有
し、その格納室の内側面上方適所に横断面形状が
十字状の制御棒を位置決めするための上方位置決
め体を設け、格納室の内側面下方適所に上方位置
決め体とで制御棒が回らないように支持する下方
位置決め体を設け、格納室内の制御棒で区切られ
た適当な空間をチヤンネルボツクスの格納空間と
したものである。

実施例 以下、本発明の一実施例を第１図〜第５図に基
づいて説明する。４はキヤスク５内に挿入された
バスケツトであつて、先端部４Ａと本体部４Ｂと
からなり、先端部４Ａは大径円筒６により構成さ
れている。本体部４Ｂは次のものから構成されて
いる。すなわち７は本体部４Ｂの中央に設けられ
たチヤンネルボツクス専用格納部、８はその専用
格納部７の両側に２つずつ設けられた制御棒１と
チヤンネルボツクス２との兼用格納部である。上
記専用格納部７は、中央部が互いに一定間隔をお
いて平行する断面コの字形の中央仕切板９と、そ
の両仕切板９の底面に配設された底板１０と、両
仕切板９の内側面に一定間隔ごとに配設されて、
その両仕切板９間に複数（この実施例では５つ）
のチヤンネルボツクス格納空間１１を形成する仕
切桁１２とから構成されている。

前記各兼用格納部８は、各中央仕切板９の外側
面中央から本体部４Ａの半径方向に沿つてのびる
中央区画板１３と、各中央仕切板９の外側面両端
から中央区画板１３と平行してのびる端部区画板
１４と、各中央仕切板９と平行に配置されると共
にその中央部が中央区画板１３に固着された外側
区画板１５と、その各外側区画板１５の端と端部
区画板１４の端との間に配設された区画円弧板１
６と、底板１７と、各兼用格納部８の中央におい
て底板１７に固着された制御兼用受座１８と、底
板１７の近傍に設けられたチヤンネルボツクス用
受座２０と、各兼用格納部８の中央において中央
仕切板９および外側区画板１５に固着されたガイ
ドレール２１と、各ガイドレール２１にそれぞれ
２箇所形成された凹部２２にボルト２３止めされ
た板ばね製上下位置決め板２４，２５とから構成
されている。２６は補強リング、２７はリブ、２
８はガイド板、２９は先端部４Ａと本体部４Ｂと
を互いに連結する連結リングである。

上記上下位置決め板２４，２５は第５図に示す
ごとく、上方から見て互いに（α）の間隔をおい
て位置ずれしており、その両者２４，２５で狭い
通路を形成し、制御棒１の板状部１Ａを挾んで回
らないように支持するものである。また本体部４
Ｂを横断する方向に沿つて互いに対向する上方位
置決め板２４どうし、および下方位置決め板２５
どうしも位置ずれしている。

以下、上記構成における作用について説明す
る。まずキヤスク５を起立させた状態で、吊上げ
た制御棒１を第２図仮想線で示すごとく適当な兼
用格納部８の上方にもたらす。次にその制御棒１
を降下させていく。すると制御棒１の下端円板部
１Ｂが上方位置決め板２４に当たるが、この上方
位置決め板２４が板ばね製であることから、簡単
に変形し、下端円板部１Ｂの通過を許容する。次
に下端円板部１Ｂが上下位置決め板２４，２５の
間にきたところで制御棒１の降下を一旦停止し、
制御棒１を矢印Ａ方向へ回転させる。すると板状
部１Ａが上方位置決め板２４に当たり、位置決め
される（第３図仮想線状態）。また制御棒１のロ
ーラ１Ｃがガイドレール２１に当接する。次に制
御棒１を再び降下させていくと、板状部１Ａが下
方位置決め板２５の横を通つて降下していき、上
下位置決め板２４，２５で板状部１Ａが挾持さ
れ、制御棒１が回らなくなる。次に制御棒１がほ
とんど挿入されると、その下面のピボツト１Ｄが
受座１８の穴に入り位置決めされ、載置される。

次に同様にして各兼用格納部８内に制御棒１を
挿入した後、チヤンネルボツクス２を各兼用格納
部８の制御棒１で区切られた格納空間内に挿入
し、受座２０上に載置する。また各チヤンネルボ
ツクス格納空間１１にチヤンネルボツクス２を挿
入する（第３図仮想線状態）。

次にキヤスク５に蓋をし、廃棄物貯蔵施設まで
輸送すればよい。

発明の効果 以上述べたごとく本発明の放射性固体廃棄物の
輸送用バスケツトへの格納方法によれば、制御棒
を放射性固体廃棄物格納空間内に容易に回らない
ようにして位置決めすることができ、しかもその
制御棒で区切られた適当な格納空間内にチヤンネ
ルボツクスを挿入することができるものであつ
て、制御棒とチヤンネルボツクスとをコンパクト
に格納することができるものである。

また本発明の放射性固体廃棄物の輸送用バスケ
ツトによれば、制御棒とチヤンネルボツクスとが
互いに干渉しあわないようにしてコンパクトに格
納することができるものである。

通常、制御棒の放射能（１本当り）は、チヤン
ネルボツクス（１体当り）の数十倍程度あり、ま
たその放射線のエネルギーも高いため、キヤスク
に制御棒を単独で複数個同キヤスクに収納した時
のキヤスク外部線量率は、チヤンネルボツクスを
複数個同キヤスクに収納した時に比べて1000倍程
度高くなる。このため同キヤスタに複数個の制御
棒と複数個のチヤンネルボツクスを同時に収納し
た場合、チヤンネルボツクスのキヤスク外部線量
率に与える影響は無視し得る程度である。

本発明においては、制御棒とチヤンネルボツク
スを複数個同時に収納するのでチヤンネルボツク
スは線源としてキヤスク外部線量率に寄与するよ
り、むしろそのもの自体が制御棒の放射線に対す
るしやへい体の役割をする。つまり、チヤンネル
ボツクスを収納することにより、線量率が増加す
るより制御棒の放射線に対するしやへい効果の方
が勝り、キヤスクの外部線量率を低減できる。言
い替えれば、キヤスク自身のしやへい厚さを薄く
することができ、キヤスクの製作費の低減に寄与
する。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本発明の一実施例を示し、第
１図は一部切欠き正面図、第２図は第１図の−
矢視図、第３図は第１図の−矢視図、第４
図は第１図の−矢視図、第５図は第１図の
−矢視図である。第６図は制御棒の斜視図、第
７図はチヤンネルボツクスの斜視図である。 １……制御棒、２……チヤンネルボツクス、４
……バスケツト、５……キヤスク、８……兼用格
納部、２４……上方位置決め板、２５……下方位
置決め板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 輸送用バスケツトの放射性固体廃棄物格納空
   間内に横断面形状が十字状の制御棒の下部を挿入
   し、次に制御棒を回してその制御棒を上記格納室
   内側面上方適所に設けた上方位置決め体にあてが
   つて位置決めし、次に制御棒を降下させて格納室
   内側面下方適所に設けた下方位置決め体と上記上
   方位置決め体との間に形成した狭い通路内にその
   制御棒の板状部を挿入し、格納室の制御棒で区切
   られた適当な格納空間内にチヤンネルボツクスを
   挿入すること特徴とする放射性固体廃棄物の輸送
   用バスケツトへの格納方法。 ２ 適当数の放射性固体廃棄物格納室を有し、そ
   の格納室の内側面上方適所に横断面形状が十字状
   の制御棒を位置決めするための上方位置決め体を
   設け、格納室の内側面下方適所に上方位置決め体
   とで制御棒が回らないように支持する下方位置決
   め体を設け、格納室内の制御棒で区切られた適当
   な空間をチヤンネルボツクスの格納空間としたこ
   とを特徴とする放射性固体廃棄物の輸送用バスケ
   ツト。