JPH0555385B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は合成樹脂製のキヤツプに関し、さらに
具体的にはピルフアープルーフ特性を有するキヤ
ツプに関するものである。

酒、飲料用瓶の如き各種瓶に使用する、内容物
の詰め替えなどの不正を防止する目的のピルフア
ープルーフ特性を有するキヤツプとしては、従来
アルミニウム板をしぼり加工、および切り込み加
工などを施したキヤツプが広く普及していたが、
材料費と製作コストに優れ、開栓時手に損傷をき
たす恐れのない合成樹脂材料から形成されるキヤ
ツプが広く実用化されるようになつた。

・ 以下、図面を参照しつつ詳述する。

このピルフアープルーフ特性を有する合成樹脂
製キヤツプは、一般に第１図で示すごとく、天面
１と該天面１の周縁から垂下する内周面に螺条５
を備えるスカート２を具備し、該スカート２下部
に周方向に延びる弱化ライン３を形成し、該弱化
ライン３の下方のピルフアープルーフ裾部４内周
面に、瓶口Ｂ外周面の螺条部６下方に設けたあご
部７の外周径より小径に形成した係止リング８を
設けた構造を有し、これを打栓するとき、瓶口Ｂ
外周面が具備する螺条部６にキヤツプＡのスカー
ト部２内周面が備えた螺条部５を螺合させると、
該係止リング８は該あご部７の外周径だけ拡がつ
て通過し、該あご部７下へ機械的に嵌合されるも
のなどが実用に付されている。

しかし、該キヤツプＡの係止リング８を瓶口Ｂ
のあご部７へ機械的に嵌合せしめるとき、該係止
リングは膨脹をしいられ、偏向されて該あご部７
上を通過するためキヤツプＡにかなり大きなトル
クを加えて打栓する必要があり、該係止リング８
と弱化ライン３を破壊することなく装着し、確実
に固定させ十分なピルフアープルーフ特性を働か
せるためには微妙で精密な寸法の調節を要求し、
往々にして打栓時に弱化ライン３をこわしてしま
う恐れがあり、かつ、その材質も復元力の大きい
弾性を必要とするなど複雑で面倒な調整を強いら
れる多くの欠点を有していた。

本発明はこの様な多くの重大な欠点を除去し嵌
着するための精密な寸法調整と複雑な構造とを必
要とせず、簡単に確実な固着を可能としたピルフ
アープルーフ特性を有するキヤツプを提供するも
のである。

本発明を図面に基づいて説明すると、第２図で
示すごとく本発明の合成樹脂製キヤツプは、合成
樹脂で成型された天面１と該天面１の周縁から垂
下する内周面に螺条が備わるスカート２を具備し
たキヤツプであつて；該スカート２内周面の螺条
を任意の箇所から上部螺条９と下部螺条１０とに
分断し、該下部螺条１０を有するスカート２下部
を、上方より押圧を加えれば所望寸法短縮するこ
とが可能な肉薄等の弱剛性構造とし、上部螺条９
に対し下部螺条１０を上部螺条ピツチＰ以上にず
らせたピツチP′に構成するか、または下部螺条１
０そのものを上部螺条９ピツチＰに対して整数で
ない位相づれさせた異ピツチP′に構成して配置
し、上部螺条９の下方から下部螺条部分１０を含
みスカート２下端部を小間隔余す位置までの軸方
向スリツト１１をスカート２周面に複数個設けた
合成樹脂製キヤツプＣである。一方瓶口Ｄの螺条
１２は該キヤツプＣの上部螺条９と同ピツチＰで
該上部螺条９のみと螺合する寸法であり、これら
の構造は次の様にピルフアープルーフ特性を簡
単、確実に発揮する。

すなわち、第３図に示すごとく、瓶口Ｄに該キ
ヤツプＣを嵌合させる際、スカート２下端周縁を
上方に向けて圧縮しスカート２下部を所望寸法縮
めると、異ピツチP′に配置した下部螺条１０、ま
たは上部螺条９と下部螺条１０間の異ピツチ部
P′が上部螺条１０、及び瓶口Ｄ螺条１２と同ピツ
チＰになり簡単に螺合できる。次に嵌合されると
圧縮を解除するが、このとき、第４図に示すごと
く、瓶口螺条１２は上部螺条９のみを螺合できる
寸法であり、下部螺条１０上端部が瓶口螺条１２
下端部を通過して外れると同時に該キヤツプＣは
嵌合されて停止し該外れた下部螺条１０上端部を
自由とするため、基材である合成樹脂の復元弾力
特性により元のピツチ寸法P′に復元し瓶口螺条１
２下端部と下部螺条１０上端部とを密接させて嵌
着状態となる。

なお、嵌着状態となる該各端部をお互いが係合
する形状とすれば最大の係止トルクを発するので
好ましい。

次に開栓においては、嵌合された回転方向とは
逆の方向に回動せしめるが、下部螺条１０の上部
先端は、前述した様に嵌着状態であつて回動を拒
んでいるためスリツト１１間の下部螺条１０部分
を横方向に移動させて変形する。この変形によつ
て他のスリツト１１間の下部螺条１０部分とは位
置差が生じ小間隔スカート下端部１３を破壊する
に至る。

この作用は他のスリツト１１間の下部螺条１０
部分も同様に次々と破壊して回動するため該キヤ
ツプＣは開栓される。

この様に該合成樹脂製キヤツプＣは、瓶口螺条
１２と下部螺条１０とで開栓回転を防止する嵌着
状態を構成し、スリツト１１下端の小間隔スカー
ト下端部１３を破壊しない限り開栓を不可能とし
た不正開栓を防止するには理想的な構造を有して
いる。

以上の説明の様に本発明は、瓶口螺条１２とキ
ヤツプＣの各螺条９，１０とで確実にピルフアー
プルーフ特性を働かせ、従来のキヤツプの係止に
用いられているあご部等の付属部品を不要として
瓶口の製造を安価になさしめる理想的な合成樹脂
製キヤツプである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の合成樹脂製キヤツプの一部を切
欠いた側面図である。第２図は本発明の合成樹脂
製キヤツプの断面図である。第３図は本発明の合
成樹脂製キヤツプを瓶口に装着する状態を示した
部分断面図である。第４図は本発明の合成樹脂製
キヤツプが瓶口に嵌合された状態を示す部分透視
断面図である。 Ａ……従来の合成樹脂製キヤツプ、Ｂ……従来
の瓶口、Ｃ……本発明の合成樹脂製キヤツプ、Ｄ
……瓶口、Ｐ……螺条ピツチ、P′……異ピツチ、
１……天面、２……スカート、９……上部螺条、
１０……下部螺条、１１……スリツト、１２……
瓶口螺条、１３……小間隔スカート下端部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 天面と該天面の周縁から垂下する内周面に螺
   条部を備えたスカートを具備する合成樹脂製キヤ
   ツプにおいて；該スカート内周面の螺条は上部螺
   条と下部螺条とに区画分断され、該分断された下
   部螺条を備えるスカート下方部を圧縮により所望
   寸法短縮の可能な肉薄等の弱構造体とし、該下部
   螺条は上部螺条ピツチ以上に増して異ピツチに構
   成するか、あるいは下部螺条を上部螺条に対し整
   数でない位相づれさせ、上部螺条の下方から下部
   螺条部分を含みスカート下端部を小間隔残す位置
   まで軸方向のスリツトをスカート周面に複数個設
   けたことを特徴とするピルフアープルーフ特性を
   有する合成樹脂製キヤツプ。 ２ 瓶口螺条は前記した上部螺条のみを螺合可能
   な寸法であつて、下部螺条が瓶口螺条を通過して
   外れると同時に該合成樹脂製キヤツプは嵌合され
   停止する螺条配置としたことを特徴とする特許請
   求の範囲第１項記載のピルフアープルーフ特性を
   有する合成樹脂製キヤツプ。