JPH0555192B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はエアレス静電塗装ガンに関する。さら
に詳しくは、自動車などの塗装に用いられるエア
レス静電塗装ガンに関する。

［従来の技術］ エアレス静電塗装ガンは静電塗装技術の発達に
伴つて自動車工業などで盛んに用いられている。

そのエアレス静電塗装ガンの先端部はたとえば
第２図に示すように構成されている。１はガン先
端の塗料供給ノズル、２はキヤツプ、３は塗料粒
子に電荷を与えるための電極棒であり、前記キヤ
ツプ２は円筒状の部材で塗料供給ノズル１と同心
状に設けられ、そのキヤツプ２には電極棒３が１
個だけ取りつけられている。この電極棒３は直流
高電圧を受けて、コロナ放電を起こし、接地され
ている自動車ボデーなどの被塗装物との間にイオ
ン流を生じさせ、塗料粒子を進行させるものであ
る。

［発明が解決しようとする問題点］ 従来のエアレス静電塗装ガンでは、キヤツプ２
の開口部２ａ内面、とくに電極棒３が取りつけら
れていない向い側の開口部２ａ内面に塗料ｃが付
着して汚れるという問題がある。この汚れは色ブ
ツなどの原因ともなり、汚れが頻繁に生ずると塗
装工程の効率も損われる。

本発明は、叙上の事情に鑑み、キヤツプの内面
が汚れにくいようにしたエアレス静電塗装ガンを
提供することを目的とする。

［問題点を解消するための手段］ 本発明のエアレス静電塗装ガンは、ガン先端の
塗料供給ノズルの周囲に円筒状のキヤツプが同心
状に配置されており、そのキヤツプの内側には、
塗料粒子に電荷を与えるための電極棒が前記塗料
供給ノズルに対して対称的に少なくとも２個配置
され、該電極棒が、その先端がたがいに離間しか
つそれぞれ塗料供給ノズルの軸心に向けて大きく
変位するとともに、キヤツプの先端開口近傍にま
で延長するように屈曲していることを特徴として
いる。

［作用］ エアレス静電塗装ガンの電極棒は、それによつ
て塗料粒子に高電圧をかけ、負の電荷を帯電させ
る。帯電された塗料粒子はたがいに反発しあつて
微粒化し、生成されるイオン流に乗つて被塗装物
に引き寄せられ塗着される。

本発明のエアレス静電塗装ガンでは、２個以上
の電極棒によつて塗料供給ノズルから噴出される
塗料粒子に対し多方向から高電圧をかけることが
できるので、塗料粒子の微粒化が広範囲で同時進
行し、かつ塗料粒子を被塗装物に向け進行させる
イオン流も塗料供給ノズルを中心に対称的に２本
以上生成するので、ガン先端付近に塗料粒子が浮
遊しにくくなる。しかも、電極棒の先端が供給ノ
ズルの軸心およびキヤツプ先端の開口に向けて屈
曲されているため、より効果的に塗料粒子に帯電
させやすくなつている。

そのためキヤツプなどに塗料が滴下して付着す
ることが少なくなる。

［実施例］ 本発明の実施例を図面を参照しながら説明す
る。

第１図は本発明の一実施例にかかわるエアレス
静電塗装ガンの先端部を示す断面図である。

第１図において、１は塗料供給ノズル、２はキ
ヤツプ、３および４は電極棒である。塗料供給ノ
ズル１は塗装ガン本体（図示されていない）の先
端に配置されており、塗装ガン本体内を通つて送
られてきた塗料が先端の細孔１ａを通つて空中に
噴出されるようになつている。キヤツプ２は開口
部２ａを有する円筒状の部材であつて、前記塗料
供給ノズル１の周囲に同心状に配置されている。
電極棒３，４は前記塗料供給ノズル１に対し対称
的に配置されるよう、キヤツプ２の胴部に埋め込
まれており、その先端部は開口部２ａの内周面よ
り中心に向けて突出されている。

この実施例において、塗料供給ノズル１から噴
出された塗料は、噴出と同時に体積が膨張して微
粒化するが、電極棒３，４に印加されている高電
圧によつて負電荷が帯電されるので、たがいに反
発しあつてさらに微粒化が促進される。しかもこ
の塗料の微粒化は、電極棒３の位置する方向から
と電極棒４の位置する方向からの双方から行なわ
れるので、キヤツプ２の開口部２ａ付近において
同時的に進行し、その微粒化の程度はきわめて高
くなる。そのため充分に微粒化されないままの塗
料が滴下するような現象はほとんど起らなくな
る。さらに二つの電極棒３，４によつて被塗装物
との間に２本のイオン流が生成されるので、塗料
粒子を被塗装物の吸引する力が強くなり、開口部
２ａ付近に塗料粒子が浮遊状態で残ることが起り
にくくなる。

したがつて本実施例では、キヤツプ２前面付近
での浮遊塗料粒子が滴下して開口部２ａ内面など
に付着することにより汚れはほとんど起らなくな
る。

以上に本発明の一実施例を説明したが、塗料ガ
ンのパターン形状に合わせて電極棒を３個あるい
は４個以上を対称的に配置するようにしてもよ
い。

このように電極棒の数を増やした実施例におい
てはそれに応じて塗料粒子の微粒化が促進され被
塗装物への吸引力も強くなるので、塗料の付着に
よる汚れが飛躍的に減少する。

［発明の効果］ 本発明のエアレス静電塗装ガンでは、塗料粒子
の微粒化が多方向から同時に進行し、被塗装物へ
の吸引力も強くなるので、キヤツプの内面が非常
に汚れにくくなり、それによつて、塗装品質が良
好になり塗装工程の効率も向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例にかかわるエアレス
静電塗装ガンの先端部の断面図、第２図は従来の
エアレス静電塗装ガンの先端部の断面図である。 （図面の主要符号）、１：塗料供給ノズル、
２：キヤツプ、３，４：電極棒。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ガン先端の塗料供給ノズルの周囲に円筒状の
   キヤツプを同心状に配置したエアレス静電塗装ガ
   ンであつて、前記キヤツプの内側に、塗料粒子に
   電荷を与える電極棒を、前記塗料供給ノズルに対
   して対称的に少なくとも２個配置し、該電極棒
   を、その先端がたがいに離間しかつそれぞれ塗料
   供給ノズルの軸心に向けて大きく変位するととも
   に、キヤツプの先端開口近傍にまで延長するよう
   に屈曲させたことを特徴とするエアレス静電塗装
   ガン。