JPH0553618U - 排尿用具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 男性および女性の尿失禁患者、寝たきりの患
者あるいは身体障害者等の排尿のための陰部を包囲し、
包囲体内に尿を受ける排尿用具の包囲体内側の皮膚のか
ぶれ、ふやけを防止すること。 【構成】 陰部を包囲し、包囲体内に尿を受けるための
排尿用具において、アンモニア吸着物質が壁面に配置さ
れてなる排尿用具であり、尿を収集する尿バッグや、ガ
ラス製集尿容器と連結するための導尿チュ−ブと接続さ
れている。そして尿中のアンモニアをアンモニア吸着物
質で吸着することによって、皮膚のかぶれ、ふやけを防
止する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は男性および女性の尿失禁患者、寝たきりの患者あるいは身体障害者等 の排尿のための陰部を包囲し、包囲体内に尿を受ける排尿用具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来男性用排尿用具は陰部を包囲する可撓性材料からなる包囲体であり、身体 に取りつけられて排尿した尿を受けるものであり、尿を収集する尿バッグやガラ ス製集尿容器と連結するための導尿チュ−ブと接続されている。また女性用排尿 用具も原理的には前記男性用排尿用具と同じ陰部包囲形式か、あるいは尿道に挿 入された排尿管を経て排出されるもの、または両者の組合わせ形式が使用されて いる。

【０００４】 これらの排尿用具に排尿された尿は、いずれも導尿チュ−ブを経て集尿容器に 送られるので、導尿チュ−ブ内に空気が滞留したり、チュ−ブが折曲がったりす ると、尿が集尿容器へ送られず、逆に排尿用具側へ逆流したりすることがある。 かかる問題を解決した排尿用具として、導尿管アダプタ−にフイルタ−付空気口 を設けて排尿用具側が負圧になって尿が逆流しないようにしたり（特開昭51-147 92号公報）、集尿容器入口に逆止弁を設けて集尿容器の尿の排尿用具側への逆流 を防止したり（実公昭53-14072号公報）している。

【０００５】

【考案の解決しょうとする課題】

本出願人はかかる課題を解決した排尿用具として、壁面に疎水性フイルタ−を 配置した排尿用具を提案し、導尿チュ−ブ内に尿が滞留することによって排尿用 具側へ逆流したり、排尿用具からの漏尿を防止したり、また絶えず外部から包囲 体内側に新鮮空気を導入することによって包囲体内が湿潤状態になるのを防止し た考案をしている（実公昭61-33942号公報）。しかしながら、かかる排尿用具も 包囲体内側の皮膚がむれやすく、皮膚がふやけたり、かぶれを生じる問題があっ た。 本考案者等はこれらの問題を解決するために鋭意研究した結果、尿中のアンモ ニアが皮膚のかぶれ、ふやけの原因であることを見出し本考案に到達した。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

すなわち、本考案は陰部を包囲し、包囲体内に尿を受けるための排尿用具にア ンモニア吸着物質が壁面に配置されてなる排尿用具である。 また、本考案は前記排尿用具において、アンモニア吸着物質が通気可能な壁面 に設けられた通気性フイルタ−に内蔵されてなる排尿用具である。 更に、本考案は前記排尿用具において、通気性フイルタ−の内面側が疎水性フ イルタ−からなる排尿用具である。 更にまた、本考案は前記排尿用具において、アンモニア吸着物質が活性炭であ る排尿用具である。

【０００７】

【作用】

本考案排尿用具は、人体から排尿された尿が包囲体内に集められ、尿は導尿チ ュ−ブとの接続部２または13を経て導尿チュ−ブを通り集尿容器に集められる。 その際、尿中のアンモニアは壁面に配置されたアンモニア吸着物質に吸着される ために、包囲体内側の皮膚のかぶれ、ふやけが防止される。

【０００８】

【実施例】

本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。 図１は男性用排尿用具の側面図であり、図２は女性用排尿用具の一部切欠側面 図であり、図３は内側が疎水性フイルタ−からなる通気性フイルタ−の断面図で ある。図中、１はベロ−ズ、２および13は導尿チュ−ブとの接続部、３および15 は通気性フイルタ−、４および14はフランジ、11は陰部を包囲する開口部、12は 腔内挿入係止部、21は疎水性フイルタ−、22はアンモニア吸着物質、23は通気性 フイルタ−である。

【０００９】 図１は男性用排尿用具の一例を示す側面図であり、排尿用具を身体に装着する ための保持帯に設けられたフランジ４からなる基端部と、導尿チュ−ブ（図示せ ず）と接続するための接続部２からなる先端部と、該先端部と該基端部との間に 設けられ、先端部が縮径した可撓性あるいは弾性樹脂からなるチュ−ブ５とから なり、該チュ−ブ５は中間に陰茎の大きさにより長さを調節するためのベロ−ズ １があり、かつ壁面には通気性フイルタ−３が設置された構造をしている。通気 性フイルタ−３は排尿時に尿と直接接触しない壁面に配置されるのが好ましい。 図１は壁面に通気性フイルタ−３が設けられた構成からなっているが、壁面に通 気性フイルタ−がなくアンモニア吸着物質だけが壁面に設置されるものも本考案 に含まれる。また図１において通気性フイルタ−３の他の壁面にアンモニア吸着 物質が配置されていてもよい。

【００１０】 図２は女性用排尿用具の一例を示す側面図であり、陰部を包囲する開口部11と 腔内に挿入し係止するための突起状の腔内挿入係止部12とからなる基端部と、排 尿用具を身体に装着するための保持帯に設けられたフランジ14と、導尿チュ−ブ （図示せず）と接続するための接続部13からなる先端部と、該先端部と該基端部 との間の壁面に設けられた通気性フイルタ−15とからなる構造をしている。排尿 用具の壁面は可撓性あるいは弾性樹脂からなるのが好ましい。

【００１１】 通気性フイルタ−３または15は内部にアンモニア吸着物質を内蔵した構造をし ている。図３はその一例を示す断面図であり、排尿用具の内部側に疎水性フイル タ−21、外側に通気性フイルタ−23が設けられ、中間層にアンモニア吸着物質22 が内蔵された構成になっている。アンモニア吸着物質22は両端のフイルタ−を排 尿用具の壁面と熱溶着したり、接着剤で接着したりして内蔵される。疎水性フイ ルタ−21は気体は通過するが液体は遮断する性質を有する、たとえば弗素樹脂、 ポリエステルからなるフイルタ−である。そのために、たとえ排尿時、尿がフイ ルタ−に付着しても液体は遮断されるので、フイルタ−内部のアンモニア吸着物 質22の層に尿が侵入することはなく、アンモニア吸着物質の性能に悪影響を与え ることはない。図３では排尿用具の外側は通気性フイルタ−23からなっているが 、内部側と同様に疎水性フイルタ−からなっていてもよい。またフイルタ−は壁 面を構成するシ−トと熱溶着してもよいし、接着剤を介してシ−トと接着しても よい。フイルタ−としては編織物、不織布、焼結物質等が挙げられる。アンモニ ア吸着物質のみを壁面に設置する場合には、アンモニア吸着物質を編織物等で包 んで壁面のシ−トと熱溶着したり、接着剤で接着するとよい。

【００１２】 アンモニア吸着物質は通常粒子形状をしており、活性炭、シリカゲル、ゼオラ イト、酸化泥炭等の無機物質、酸化スズ、酸化珪素、ハロゲン化カルシウム、チ タン化合物、ジルコニウム化合物等の無機化合物、テトラフエニル硼酸塩、ジア ルデヒドデンプン、アクロレイン共重合体等の有機化合物、プラズマ処理活性炭 、イオン交換樹脂、これらの混合物、あるいは無機化合物にカチオン交換性能を 有する化合物を含浸させた物質が挙げられる。

【００１３】

【考案の効果】

本考案排尿用具は、壁面にアンモニア吸着物質を設置しているので、尿中のア ンモニアがアンモニア吸着物質に吸着されるために、包囲体内側の皮膚のかぶれ 、ふやけを防止することができる。

【提出日】平成４年２月１４日

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１２

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１２】 アンモニア吸着物質は粒子形状または繊維形状をしており、活性炭、シリカゲ ル、ゼオライト、酸化泥炭等の無機物質、酸化スズ、酸化珪素、ハロゲン化カル シウム、チタン化合物、ジルコニウム化合物等の無機化合物、テトラフエニル硼 酸塩、ジアルデヒドデンプン、アクロレイン共重合体等の有機化合物、プラズマ 処理活性炭、イオン交換樹脂、これらの混合物、あるいは無機化合物にカチオン 交換性能を有する化合物を含浸させた物質が挙げられる。

【図面の簡単な説明】

【図１】男性用排尿用具の側面図。

【図２】女性用排尿用具の一部切欠側面図。

【図３】内側が疎水性フイルタ−からなる通気性フイル
タ−の断面図。

【符号の説明】

１ ベロ−ズ ２、13 導尿チュ−ブとの接続部 ３、15 通気性フイルタ− ４、14 フランジ 11 陰部を包囲する開口部 12 腔内挿入係止部 21 疎水性フイルタ− 22 アンモニア吸着物質 23 通気性フイルタ−

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【手続補正書】

【提出日】平成４年２月１４日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項４

【補正方法】変更

【補正内容】

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 陰部を包囲し、包囲体内に尿を受けるた
   めの排尿用具において、アンモニア吸着物質が壁面に配
   置されてなる排尿用具。
2. 【請求項２】 アンモニア吸着物質が通気可能な壁面に
   設けられた通気性フイルタ−に内蔵されてなる請求項１
   記載の排尿用具。
3. 【請求項３】 通気性フイルタ−の内面側が疎水性フイ
   ルタ−からなる請求項１または２記載の排尿用具。
4. 【請求項４】 アンモニア吸着物質が活性炭である請求
   項１〜３記載の排尿用具。