JPH0553343A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH0553343A
JPH0553343A JP21731091A JP21731091A JPH0553343A JP H0553343 A JPH0553343 A JP H0553343A JP 21731091 A JP21731091 A JP 21731091A JP 21731091 A JP21731091 A JP 21731091A JP H0553343 A JPH0553343 A JP H0553343A
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JP
Japan
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phenylenediamine
tetrakis
photosensitive layer
tolyl
bisazo pigment
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Withdrawn
Application number
JP21731091A
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English (en)
Inventor
Keisuke Sumita
圭介 住田
Nariaki Muto
成昭 武藤
Eiichi Miyamoto
栄一 宮本
Tsuneo Oki
恒生 沖
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繰り返し複写後の帯電量低下や感度低下を減
少し、安定した画像を得る電子写真感光体を提供する。 【構成】 導電性基体上に、電荷発生材料としてフルオ
レノン型ビスアゾ顔料を含有し、かつ下記式(I)で表
される酸化防止剤を含有する有機感光層が設けられる。
この酸化防止剤は、フルオレノン型ビスアゾ顔料の高感
度特性を阻害することなく、有機感光層の酸化を防止し
て感光体の繰り返し特性を向上させる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性基体上に有機感
光層が設けられている電子写真感光体に関し、詳しくは
電荷発生材料としてフルオレノン型ビスアゾ顔料を用い
た電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、いわゆるカールソンプロセスを利
用した複写機等の画像形成装置において、従来より種々
の材料よりなる電子写真感光体が提案され、使用されて
いる。その一つはセレンのような無機材料を感光層とし
て用いた無機感光体であり、他方は有機材料を感光層と
して用いた有機感光体である。有機感光体は無機感光体
に比べて安価でしかも生産性が高い上、無公害である等
多くの利点を有しているので、広範な研究が進められて
いる。
【0003】ところで、電荷発生材料としてビスアゾ顔
料を使用した有機感光体が提案されている。例えば、特
開昭57−100443号公報においては、導電性基体
上に電荷発生層、電荷輸送層が設けられてなる電子写真
感光体において、電荷発生層がビスアゾ顔料を含む層か
らなり、電荷輸送層がヒドラゾン化合物を含む層からな
る電子写真感光体が開示され、特開昭63−11346
6号公報においては、導電性基体上に電荷発生層、電荷
輸送層が設けられてなる電子写真感光体において、電荷
発生層がビスアゾ顔料を含む層からなり、電荷輸送層が
ベンジジン系化合物を含む層からなる電子写真感光体が
開示されている。これらの公報において、電荷発生材料
としてビスアゾ顔料を使用することにより、帯電特性が
優れ、感度が高い電子写真感光体を提供することができ
るとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
電荷発生材料としてビスアゾ顔料を使用して作成された
電子写真感光体において、帯電、露光、除電等の画像形
成プロセスを繰り返し行うと、表面電位が大きく低下す
る傾向が見られ、長期にわたる使用では画像濃度が安定
化しないという欠点があった。特に、有機感光層が単層
で形成されている電子写真感光体では、上記帯電、露
光、除電等のエージングによる表面電位の低下は著しい
ものであった。
【0005】本発明は、上記の点を解決しようとするも
ので、その目的は、繰り返し特性に優れた電子写真感光
体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の電子写真感光体
は、導電性基体上に、電荷発生材料としてフルオレノン
型ビスアゾ顔料を含む有機感光層が設けられている電子
写真感光体において、該有機感光層は、さらに下記式
(I)で表される酸化防止剤を含有することを特徴と
し、そのことにより上記目的が達成される。
【0007】
【化2】
【0008】次に本発明を詳しく説明する。
【0009】本発明の電子写真感光体は、導電性基体上
に、フルオレノン型ビスアゾ顔料を電荷発生材料として
含有し、さらに式(I)で表される酸化防止剤を含有す
る有機感光層を設けて構成されている。上記有機感光層
は、単層であってもよく、あるいは複数層(例えば、電
荷発生層と電荷輸送層)から形成されていてもよい。上
記有機感光層が複数層の場合、フルオレノン型ビスアゾ
顔料と式(I)で表される酸化防止剤は同一の層に含ま
れていることが好ましい。さらに、上記有機感光層上に
保護層が設けられていてもよく、上記有機感光層と導電
性基体との間に中間層が設けられていてもよい。
【0010】本発明において、電荷発生材料として使用
されるフルオレノン型ビスアゾ顔料としては、従来公知
のものを使用することができるが、下記式(II)で表
される化合物を好適に使用することができる。
【0011】
【化3】
【0012】式(II)で表されるフルオレノン型ビス
アゾ顔料は、特開昭57−100443号公報に開示さ
れているものである。
【0013】さらに、上記有機感光層には電荷輸送材料
が含有されてもよい。このような電荷輸送材料として
は、例えば、m−フェニレンジアミン系化合物;テトラ
シアノエチレン;2,4,7,−トリニトロ−9−フル
オレノン等のフルオレノン系化合物;ジニトロアントラ
セン等のニトロ化化合物;無水コハク酸;無水マレイン
酸;ジブロモ無水マレイン酸;トリフェニルメタン系化
合物;2,5−ジ(4−ジメチルアミノフェニル)−
1,3,4,−オキサジアゾール等のオキサジアゾール
系化合物;9−(4−ジエチルアミノスチリル)アント
ラセン等のスチリル系化合物;ポリ−N−ビニルカルバ
ゾール等のカルバゾール系化合物;1−フェニル−3−
(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾ
リン系化合物;4,4’,4’’,−トリス(N,N−
ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のアミン誘導
体;1,1−ビス(4-ジエチルアミノフェニル)−4,
4−ジフェニル−1,3−ブタジエン等の共役不飽和化
合物;4−(N,N−ジエチルアミノ)ベンズアルデヒ
ド−N,N−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン系化
合物;インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イ
ソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジ
アゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール
系化合物、ピラゾリン系化合物、トリアゾール系化合物
等の含窒素環式化合物;縮合多環族化合物等があげられ
る。
【0014】上記m−フェニレンジアミン系化合物とし
ては、次のような化合物が例示される。N,N,N’,
N’−テトラフェニル−1,3−フェニレンジアミン、
N,N,N’,N’−テトラキス(3−トリル)−1,
3−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラ
フェニル−3,5−トリレンジアミン、N,N,N’,
N’−テトラキス(3−トリル)−3,5−トリレンジ
アミン、N,N,N’,N’−テトラキス(4−トリ
ル)−1,3−フェニレンジアミン、N,N,N’,
N’−テトラキス(4−トリル)−3,5−トリレンジ
アミン、N,N,N’,N’−テトラキス(3−エチル
フェニル)−1,3−フェニレンジアミン、N,N,
N’,N’−テトラキス(4−プロピルフェニル)−
1,3−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テ
トラフェニル−5−メトキシ−1,3−フェニレンジア
ミン、N,N−ビス(3−トリル)−N’,N’−ジフ
ェニル−1,3−フェニレンジアミン、N,N’−ビス
(4-トリル)−N,N’−ジフェニル−1,3−フェニ
レンジアミン、N,N’−ビス(4−トリル)−N,
N’−ビス(3−トリル)−1,3−フェニレンジアミ
ン、N,N’−ビス(4−トリル)−N,N’−ビス
(3−トリル)−3,5−トリレンジアミン、N,N’
−ビス(1−エチルフェニル)−N,N’−ビス(3−
エチルフェニル)−1,3−フェニレンジアミン、N,
N’−ビス(4−エチルフェニル)−N,N’−ビス
(3−エチルフェニル)−3,5−トリレンジアミン、
N,N,N’,N’−テトラキス(2,4,6,−トリ
メチルフェニル)−1,3−フェニレンジアミン、N,
N,N’,N’−テトラキス(2,4,6,−トリメチ
ルフェニル)−3,5−トリレンジアミン、N,N,
N’,N’−テトラキス(3,5−ジメチル)−1,3
−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキ
ス(3,5−ジメチル)−3,5−トリレンジアミン、
N,N,N’,N’−テトラキス(3,5−ジエチル)
−1,3−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−
テトラキス(3,5−ジメチル)−3,5−トリレンジ
アミン、N,N,N’,N’−テトラキス(3−クロロ
フェニル)−1,3−フェニレンジアミン、N,N,
N’,N’−テトラキス(3−ブロモフェニル)−1,
3−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラ
キス(3−ヨードフェニル)−1,3−フェニレンジア
ミン、N,N,N’,N’−テトラキス(3−フルオロ
フェニル)−1,3−フェニレンジアミン、N,N,
N’,N’−テトラキス(2−トリル)−1,3−フェ
ニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2
−メトキシフェニル)−5−メチル−1,3−フェニレ
ンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ク
ロロフェニル)−1,3−フェニレンジアミン、N,
N,N’,N’−テトラキス(2−アミノフェニル)−
5−メチル−1,3−フェニレンジアミン、N,N,
N’,N’−テトラキス(3−トリル)−5−メチル−
1,3−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−ヘ
キサキス(4−トリル)−1,3,5,−ベンゼントリ
アミン、N,N,N’,N’−テトラキス(3−トリ
ル)−5−メトキシ−1,3−フェニレンジアミン、
N,N,N’,N’−テトラキス(3−トリル)−1,
3,5,−ベンゼントリアミン、N,N,N’,N’−
テトラキス(3−トリル)−5−アリル−1,3−フェ
ニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(3
−トリル)−5−フェニル−1,3−フェニレンジアミ
ン、N,N,N’,N’−テトラキス(3−トリル)−
5−クロロ−1,3−フェニレンジアミン、N,N,
N’,N’−テトラキス(3−トリル)−5−ニトロ−
1,3−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テ
トラキス(3−トリル)−5−スルホ−1,3−フェニ
レンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(3−
トリル)−5−シアノ−1,3−フェニレンジアミン、
N,N,N’,N’−テトラキス(3−トリル)−5−
ホルミル−1,3−フェニレンジアミン、N,N,
N’,N’−テトラキス(3−トリル)−5−アセチル
−1,3−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−
テトラキス(3−トリル)−5−カルボキシ−1,3−
フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス
(3−トリル)−5−エトキシカルボニル−1,3−フ
ェニレンジアミン、N,N’−ビス(3−トリル)−
N,N’−ビス(2,4,6,−トリメチルフェニル)
−1,3−フェニレンジアミン。
【0015】上記有機感光層に含まれる結着樹脂として
は従来より感光体塗布液に使用されている全てのものが
使用可能であり、例えば、熱硬化性シリコーン樹脂、エ
ポキシ樹脂、ウレタン樹脂、硬化性アクリル樹脂、アク
リル変性ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹
脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、
スチレン系重合体、アクリル系重合体、スチレン−アク
リル系重合体、ポリエチレン、エチレンー酢酸ビニル系
重合体、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオ
ノマー等のオレフィン系重合体;ポリ塩化ビニル;塩化
ビニルー酢酸ビニル共重合体;ポリ酢酸ビニル;飽和ポ
リエステル;ポリアミド;熱可塑性ウレタン樹脂;ビス
フェノールA型、ビスフェノールZ型等のポリカーボネ
ート;ポリアリレート;ポリスルホン;ケトン樹脂;ポ
リビニルブチラール樹脂;ポリエーテル樹脂等があげら
れる。有機感光層が複数層で形成される場合には、上記
結着樹脂は各層を形成するために使用することができ
る。
【0016】有機感光層が単層で形成される場合は、有
機感光層の膜厚は10〜50μmが好ましく、さらに好
ましくは15〜30μmである。
【0017】有機感光層が単層で形成される場合、フル
オレノン型ビスアゾ顔料は有機感光層の結着樹脂100
重量部に対して0.5〜15重量部の範囲で含有される
のが好ましく、さらに好ましくは1〜10重量部であ
る。フルオレノン型ビスアゾ顔料の含有量が0.5重量
部未満の場合、感光体の感度が低下する。逆にフルオレ
ノン型ビスアゾ顔料の含有量が15重量部を超える場
合、電子写真感光体の耐摩耗性が低下するおそれがあ
る。
【0018】また式(I)で表される酸化防止剤は結着
樹脂100重量部に対して0.1〜30重量部の範囲で
含有されるのが好ましく、さらに好ましくは5〜20重
量部である。上記酸化防止剤の含有量が0.1重量部未
満の場合、得られる感光体の繰り返し特性が劣化する傾
向にあり、逆に上記酸化防止剤の含有量が30重量部を
超える場合、得られる感光体の初期感度が低下するおそ
れがある。
【0019】有機感光層が電荷発生層と電荷輸送層とか
ら形成される場合は、電荷発生層の膜厚は0.01〜3
μmが好ましく、さらに好ましくは0.1〜2μmであ
る。電荷輸送層の膜厚は2〜100μmが好ましく、さ
らに好ましくは5〜30μmである。
【0020】有機感光層が電荷発生層と電荷輸送層とか
ら形成される場合、フルオレノン型ビスアゾ顔料は電荷
発生層の結着樹脂100重量部に対して20〜300重
量部の範囲で含有されるのが好ましく、さらに好ましく
は50〜200重量部である。フルオレノン型ビスアゾ
顔料の含有量が20重量部未満の場合、電荷発生能が小
さく、逆にフルオレノン型ビスアゾ顔料の含有量が30
0重量部を超える場合、有機感光層の機械的強度が低下
するおそれがある。
【0021】また式(I)で表される酸化防止剤は結着
樹脂100重量部に対して0.1〜30重量部の範囲で
含有されるのが好ましく、さらに好ましくは5〜20重
量部である。上記酸化防止剤の含有量が0.1重量部未
満の場合、得られる感光体の繰り返し特性が劣化する傾
向にあり、逆に上記酸化防止剤の含有量が30重量部を
超える場合、得られる感光体の初期感度が低下するおそ
れがある。
【0022】また有機感光層にはクエンチャー等の各種
添加剤が含有されていてもよい。
【0023】また、上記酸化防止剤とは異なる酸化防止
剤が併用されてもよい。このような酸化防止剤として
は、(III)〜(X)で表される酸化防止剤が挙げられる。
【0024】
【化4】
【0025】
【化5】
【0026】
【化6】
【0027】
【化7】
【0028】
【化8】
【0029】
【化9】
【0030】
【化10】
【0031】
【化11】
【0032】本発明に使用される導電性基体は電子写真
感光体が組み込まれる画像形成装置の機構、構造に対応
してシート状あるいはドラム状等適宜形状に形成され
る。導電性基体としては、その全体を金属等の導電性材
料で形成してもよく、あるいは基材は導電性を有してい
ない材料で形成し、その表面に導電性を有する材料を設
けてもよい。上記導電性材料としては、例えば、表面が
アルマイト処理された、または未処理のアルミニウム、
銅、スズ、白金、金、銀、バナジウム、モリブデン、ク
ロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、イ
ンジウム、ステンレス鋼、真鍮等があげられ、特に硫酸
アルマイト法による陽極酸化を行い、酢酸ニッケルで封
止処理したアルミニウムが好ましく用いられる。導電性
を有していない材料からなる基材の表面に導電性材料を
設けて形成される導電性基体の場合には、合成樹脂製基
材やガラス基材の表面に、上記例示の金属やヨウ化アル
ミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の導電性材料か
らなる薄膜が、真空蒸着法、湿式メッキ法等公知の膜形
成方法によって形成されたもの、上記基材の表面に上記
金属材料等のフィルムがラミネートされたもの、上記基
材の表面に導電性を付与する物質が注入されたもの等を
採用することができる。導電性基材は、必要に応じてシ
ランカップリング剤やチタンカップリング剤等の表面処
理剤で表面処理を施し、有機感光層との密着性を高めて
もよい。
【0033】本発明の電子写真感光体は、少なくとも結
着樹脂とフルオレノン型ビスアゾ顔料、式(I)で表さ
れる酸化防止剤とを溶媒または分散媒としてのテトラヒ
ドロフラン等に分散させた塗布液を、スプレーコーティ
ング法、ディッピング法、フローコーティング法等の通
常の塗布方法によって導電性基体上に塗布して有機感光
層を形成することにより作成することができる。有機感
光層中に含まれるテトラヒドロフランの残存量を低減す
るために熱処理するのが好ましく、例えば、上記塗布液
が塗布された導電性基体を120℃以上の温度で30分
以上加熱処理することが好ましい。熱処理温度が上記条
件を下回る場合にはテトラヒドロフランの残存量を充分
低減することができないおそれがある。
【0034】なお、上記塗布液に使用する溶媒または分
散媒としては、テトラヒドロフランの他に他の溶媒また
は分散媒を単独でまたはテトラヒドロフランと併用する
ことができる。
【0035】そのような溶媒または分散媒としては、例
えば、次のものがあげられる。n−ヘキサン、オクタ
ン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、キ
シレン、トルエン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタ
ン、四塩化炭素、クロロベンゼン、塩化メチレン等のハ
ロゲン化炭化水素;メチルアルコール、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、アリルアルコール、シク
ロペンタノール、ベンジルアルコール、フルフリルアル
コール、ジアセトンアルコール等のアルコール類;ジメ
チルエーテル、ジエチルエーテル、エチレングリコール
ジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテ
ル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;ジメチル
ホルムアミド;ジメチルスルホキシド等。
【0036】塗布液は、従来公知の方法、例えば、ミキ
サー、ボールミル、ペイントシェーカー、サンドミル、
アトライター、超音波分散機等を用いて調製することが
できる。上記塗布液を調製する際には、分散性、塗工性
等を向上させるために、界面活性剤やレベリング剤等を
添加してもよい。
【0037】
【作用】式(I)で表される酸化防止剤は、フルオレノ
ン型ビスアゾ顔料が有する高感度特性を阻害することな
く、感光体に繰り返し特性を付与することができる。つ
まり、フルオレノン型ビスアゾ顔料を含有し、この酸化
防止剤を含有しない有機感光層を有する感光体は、初期
での感度は優れているが、繰り返し使用することにより
表面電位が低下する。これは、露光時等で有機感光層中
の顔料が酸化されるためと推測される。そこで、有機感
光層に式(I)で表される酸化防止剤が含有されている
と、エージング時の酸化を有効に防止し、フルオレノン
型ビスアゾ顔料の高感度特性を維持する。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例を挙げて
説明する。
【0039】実施例1および比較例2〜5 表1に示される酸化防止剤を各5重量部、式(II)で
表されるフルオレノン型ビスアゾ顔料を4重量部、N,
N,N’,N’−テトラキス(3−トリル)−1,3−
フェニレンジアミンを100重量部、ポリカーボネート
樹脂100重量部および所定量のテトラヒドロフラン
を、ボールミルで24時間以上分散して、単層型感光層
用塗布液を調製した。この塗布液をアルマイトシート上
にワイヤーバーにて厚み約24±2μmに塗布し、約1
00℃で1時間熱処理加工することにより、電子写真感
光体を作成した。
【0040】比較例1 実施例1において、式(I)で表される酸化防止剤を使
用しなかった以外は、実施例1と同様にして電子写真感
光体を作成した。
【0041】上記実施例1および比較例1〜5で得られ
た電子写真感光体の帯電特性、感光特性を以下の方法に
従って評価し、その結果を表1に示した。
【0042】1)初期表面電位V1spの測定 単層型電子写真感光体を、静電複写試験装置(川口電機
社製、EPA−8100)に装填し、その表面電位を正
に帯電させて、表面電位V1sp(V)を測定した。
【0043】2)半減露光量E1/2および残留電位Vrpの
測定 上記帯電状態の感光体を、静電複写試験装置の露光光源
であるハロゲンランプを用いて、帯電開始から1秒後、
露光強度50luxで1/15秒間露光させ、初期表面
電位V1spが1/2となるまでの時間を求め、半減露光
量E1/2(lux・sec)を算出した。また、露光後
0.2秒経過後の表面電位を測定して残留電位Vrp
(V)とした。
【0044】3)静電複写試験装置での繰り返し特性△V
spの測定 上記静電複写試験装置にて初期表面電位V1sp、半減露
光量E1/2、残留電位Vrpを測定した後、上記試験装置
の除電光光源であハロゲンランプを用いて、露光強度2
00luxで1秒間除電した。300回繰り返し使用後
の表面電位V2sp(V)を測定し、上記表面電位V1sp
(V)と表面電位V2sp(V))との差を、表面電位変化
値△Vspとして算出した。
【0045】実施例2 式(I)で示される酸化防止剤を5重量部、式(II)
で示されるフルオレノン型ビスアゾ顔料を4重量部、
N,N,N’,N’−テトラキス(4−トリル)−3,
3’−ジメチルベンジジンを100重量部、N−エチル
カルバゾール−3−アルデヒド−ジフェニルヒドラゾン
を24重量部、フルオレンジフェニルヒドラゾンを20
重量部およびポリカーボネート樹脂を100重量部を用
いて、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成し
た。
【0046】比較例6 実施例2において、酸化防止剤を使用しなかった以外
は、実施例2と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0047】実施例2及び比較例6で得られた電子写真
感光体の300回繰り返し使用後の△Vspを実施例1
と同様にして測定した。その結果を表2に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】表1、2より、実施例1〜2の電子写真感
光体が繰り返し特性に優れていることがわかる。
【0051】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、有機感光層に特定の酸化防止剤を含有している
ため、繰り返し使用しても感度が良好である電子写真感
光体を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沖 恒生 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工 業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基体上に、電荷発生材料としてフル
    オレノン型ビスアゾ顔料を含む有機感光層が設けられて
    いる電子写真感光体において、該有機感光層は、さらに
    下記式(I)で表される酸化防止剤を含有することを特
    徴とする電子写真感光体。 【化1】
JP21731091A 1991-08-28 1991-08-28 電子写真感光体 Withdrawn JPH0553343A (ja)

Priority Applications (1)

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