JPH0553310U - 車載用アンテナ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 天井照明灯をもつ車のほとんどに設置可能で
あり、かつ搭乗者の影響を少なくして、アンテナ特性を
十分に発揮させることができる車載用アンテナ装置を提
供することである。 【構成】 車体ルーフ１１に取り付けられた照明灯具Ａ
にアンテナ素子４ａ，４ｂを内蔵させて構成する。この
アンテナ素子４ａ，４ｂは板状逆Ｆ型ダイバーシティア
ンテナ用素子である。このアンテナ素子４ａ，４ｂは、
灯具の取付基板１の中央にある照明灯２の両側に配置
し、支柱５で支持させ、短絡板６で基板１に接地させ、
照明灯２との間に、アンテナ相互遮蔽を兼ねたランプ反
射板７を設けてある。８は同軸ケーブル、１０は照明カ
バーである。 【効果】 アンテナを車室内天井に位置づけることで、
搭乗者の影響を少なくし、かつ天井照明灯と共用でき
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車載用アンテナ装置に係るもので、特に車室内照明灯兼用アンテナ 装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

アンテナ素子を車両外周に装着あるいは埋め込むことは従来から利用されてい る方法である。しかし、近年、車両外観からアンテナを含む突起物を排除する動 向があり、更にアンテナを車両に取り付ける工事の簡易化が望まれてきている。 その一実施策として、車室内設置式アンテナが利用されている。しかし、従来の 車室内設置式アンテナでは、設置場所が車両のリアトレイにほぼ限定されること から、アンテナ周囲環境が水平面内において均一性が無く、水平面内指向特性に 偏差が大きく、また、実用的にはアンテナに搭乗者か接近することによるアンテ ナ放射の障害も、指向特性への偏差増加につながり、満足な通信ができない場合 が多々ある。

【０００３】 陸上移動通信においては、車両移動局と通信を行おうとする不特定方向の相手 局との方向・位置関係が不特定であることから、車載通信用アンテナは水平面内 において等方向性な指向特性を持っていることが望ましい。

【０００４】 水平面内指向特性において、等方向性を得るためには、普通乗用車やバン、ワ ゴン車等では、車体外天井面の中央が構造の周囲均一性と、高所であることから 好ましい設置場所であり、ホイップ系アンテナにおいては、図７の水平面内指向 特性図に示すような比較的偏差の少ない指向特性を得ることができる。

【０００５】 図８に、ホイップ系アンテナのリアトレイ設置時の水平面内指向特性の一例を 示す。同図中、破線は、搭乗者有り（運転者、後部座席２名）の場合であり、実 線の搭乗者無しに比べ更に大きな偏差を生ずる。更に搭乗者人数、体形、乗車方 法等の要因により、指向特性も大きく変化すると考えられる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

上述したように、従来の車室内設置アンテナでは、水平面内指向特性の大きな 偏差に問題があり、その解決策が強く望まれている。

【０００７】

【考案の目的】

本考案は、従来の車室内設置アンテナにおける水平面内指向特性の偏差を改善 し、しかも簡易的取付が可能な車載用アンテナ装置を提供することを目的とする 。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記問題について種々研究を重ねた結果、車体構造物と搭乗者の影 響を受け難い車室内天井に着目し、その着目に基づいて本考案を完成したもので ある。 即ち、本考案は、車室内天井照明灯の灯具にアンテナ素子を内蔵させた構成を 要旨としている。

【０００９】

【作用】

上記構成のアンテナ装置においては、アンテナ素子が車室内天井側に位置づけ されるので、搭乗者の有無によるアンテナの水平面内指向特性の偏差は少なく、 安定した低偏差が維持される。

【００１０】

【実施例】

図１〜図５に、本考案の一実施例を示す。図１は車室内天井照明灯兼用のアン テナ装置の側面図、図２は底面図、図３は端面図、図４は装置の内部構造斜視図 、図５は内部構造側面図である。

【００１１】 本実施例は、車室内天井の照明灯具内に板状逆Ｆ字型ダイバーシティアンテナ を内蔵させた例を示している。

【００１２】 同図において、Ａは灯具、１は灯具を構成しているアース兼用の取付基板であ り、この基板１の中央部位の基板部分に照明灯２が台板３を介して取り付けられ ている。この照明灯を挾む両側の基板部分には板状アンテナ素子４ａ，４ｂが設 けられている。これらアンテナ素子のうち、一方のアンテナ素子４ａは受信専用 素子であり、他方のアンテナ素子は送受信兼用素子である。各アンテナ素子４ａ ，４ｂは誘電体を兼ねた支柱５を介して基板１に支持され、短絡板６により基板 １に設置されている。照明灯２とアンテナ素子４ａ，４ｂの間には、アンテナ素 子相互の遮蔽を兼ねたランプ反射板７が立設されている。８は同軸ケーブル、９ は同軸コネクタ、１０は照明カバーである。１１は灯具が取り付けられる車体ル ーフである。

【００１３】 なお、上記実施例では、灯具に板状逆Ｆ字型ダイバーシティアンテナを内蔵さ せた例を示しているが、ここで使用するアンテナ素子は周波数や使用システムに 制限はなく、またアンテナ素子は１つでもよい。

【００１４】 図６に、上記アンテナ装置の設置時の水平面内指向特性を示す。測定周波数９ ００ＭHzで、各データは最大値で正規化して表示している。実線は搭乗者無し、 破線は搭乗者有りの場合である。

【００１５】 上記特性図に示すように、本考案のアンテナ装置にあっては、従来のリアトレ イ設置アンテナの水平面内指向特性偏差に比べ、搭乗無し時においても偏差は少 なく、また搭乗者有りにおいても搭乗者無しの特性と大きく変化せず、安定した 低偏差を維持することが認められた。

【００１６】

【考案の効果】

以上に述べたように、本考案によれば、車室内天井の照明灯具にアンテナを内 蔵して構成したので、下記効果が得られる。 （１）搭乗者の影響を受け難い車室内天井にアンテナを位置づけしているので、 搭乗者の有無によるアンテナの水平面内指向特性の偏差を少なくし、アンテナ性 能を十分に発揮させることができる。 （２）アンテナを天井照明灯の灯具に内蔵させた構成によれば、車両外観からア ンテナを含む突起物を排除できると共に、アンテナとしての存在感をなくし、車 体と一体化させることができる。 （３）従来の天井照明灯をもつ車のほとんどに、交換取り付け可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す車載用アンテナ装置の
側面図である。

【図２】図１の装置の底面図である。

【図３】図１の装置の端面図である。

【図４】図１の装置の内部構造斜視図である。

【図５】図１の装置の内部構造側面図である。

【図６】本考案の車載用アンテナ装置の水平面内指向特
性を示す図である。

【図７】車体外天井に設置したホイップ系アンテナの水
平面内指向特性を示す図である。

【図８】車室内リアトレイに設置したホイップ系アンテ
ナの水平面内指向特性を示す図である。

【符号の説明】

Ａ 照明灯の灯具 １ 基板 ２ 照明灯 ３ 台板 ４ａ，４ｂ 板状アンテナ素子 ５ 支柱 ６ 短絡板 ７ ランプ反射板 ８ 同軸ケーブル ９ 同軸コネクタ １０ 照明カバー １１ 車体ルーフ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車室内天井に設置される照明灯の灯具に
   アンテナ素子が内蔵されていることを特徴とする車載用
   アンテナ装置。