JPH0553048U - 耐放射線・耐屈曲性ケーブル - Google Patents
耐放射線・耐屈曲性ケーブルInfo
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- JPH0553048U JPH0553048U JP1682192U JP1682192U JPH0553048U JP H0553048 U JPH0553048 U JP H0553048U JP 1682192 U JP1682192 U JP 1682192U JP 1682192 U JP1682192 U JP 1682192U JP H0553048 U JPH0553048 U JP H0553048U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 放射線環境下でも耐屈曲性が劣化せず、かつ
導体1の腐食がないものとするとともに、導体1の耐屈
曲性を向上させる。 【構成】 絶縁心線3の絶縁被覆2を熱可塑性ポリウレ
タンエラストマーで、シース6を、塩化ビニル樹脂10
0重量部に対し可塑剤50〜90重量部とした軟質ビニ
ルで構成するとともに、導体1を、芳香族ポリアミド繊
維糸の周りに次記の銅合金箔を横巻きした銅合金箔糸で
構成する。「スズ、鉛、アンチモンの2種の合計含有量
が0.02〜0.15重量%であって、その夫々の含有
量が0.006重量%以上、酸素含有量0.0001〜
0.005重量%の高力高導電性銅合金。」前記エラス
トマー及び前記組成の軟質ビニルは耐放射線性、耐屈曲
性において満足でき、エラストマーは放射線によって分
解しない。上記銅合金線は耐屈曲性が優れている。この
ため、この構成のケーブルPは耐放射線性、耐屈曲性が
優れ、かつ分解ガスによる導体の腐食もない。
導体1の腐食がないものとするとともに、導体1の耐屈
曲性を向上させる。 【構成】 絶縁心線3の絶縁被覆2を熱可塑性ポリウレ
タンエラストマーで、シース6を、塩化ビニル樹脂10
0重量部に対し可塑剤50〜90重量部とした軟質ビニ
ルで構成するとともに、導体1を、芳香族ポリアミド繊
維糸の周りに次記の銅合金箔を横巻きした銅合金箔糸で
構成する。「スズ、鉛、アンチモンの2種の合計含有量
が0.02〜0.15重量%であって、その夫々の含有
量が0.006重量%以上、酸素含有量0.0001〜
0.005重量%の高力高導電性銅合金。」前記エラス
トマー及び前記組成の軟質ビニルは耐放射線性、耐屈曲
性において満足でき、エラストマーは放射線によって分
解しない。上記銅合金線は耐屈曲性が優れている。この
ため、この構成のケーブルPは耐放射線性、耐屈曲性が
優れ、かつ分解ガスによる導体の腐食もない。
Description
【0001】
この考案は、原子力施設などの放射線環境下で使用されるロボット用ケーブル に関するものである。
【0002】
一般に、ロボット用ケーブルには耐屈曲性が要求され、その絶縁心線の絶縁被 覆材としては、ポリ塩化ビニル混和物、ふっ素樹脂、ポリエチレンが使用されて いる。
【0003】 しかし、この従来のケーブルが高放射線環境下で使用されると、絶縁被覆材が 放射線により分解し、その分解ガスにより導体表面が腐食したり、被覆材の機械 的強度が低下する。
【0004】 導体表面の腐食は導通不良の原因となり、不良となれば、ロボットの動作が不 安定になる。また、機械的強度の低下は耐屈曲性の低下となり、絶縁被覆が破損 し、回路の短絡や大地へのリークなどが生じ、ロボットの暴走などの予期せぬ事 態が生じるなど、極めて危険である。
【0005】 この考案は、以上の点に留意し、導体の耐屈曲性を向上させ、かつ、耐屈曲性 の低下を招くことなく、耐放射線性の絶縁被覆及びシースとすることを課題とす る。
【0006】
上記課題を解決するために、この考案にあっては、複数本の絶縁心線を撚り合 わせ、この上にテープを巻回し押え巻きしてケーブルコアとし、その周りにシー スを設けた従来周知のケーブルにおいて、前記絶縁心線の導体を下記銅合金A乃 至Cの線とするとともに、絶縁心線の絶縁被覆を熱可塑性ポリウレタンエラスト マーで、シースを、塩化ビニル樹脂100重量部に対し、可塑剤50〜90重量 部とした軟質ビニルでそれぞれ構成することとしたのである。
【0007】 記 (A)鉛とスズの合計含有量が0.02〜0.15重量%であって且つ夫々の含 有量が0.006重量%以上、酸素含有量が0.0001〜0.005重量%、 残部が実質的に銅から成る銅合金。
【0008】 (B)スズとアンチモンの合計含有量が0.02〜0.15重量%であって且つ 夫々の含有量が0.006重量%以上、残部が実質的に銅から成る銅合金。
【0009】 (C)鉛とアンチモンの合計含有量が0.02〜0.15重量%であって且つ夫 々の含有量が0.006重量%以上、残部が実質的に銅から成る銅合金。
【0010】 上記(A)の組成の銅合金においては、鉛とスズの合計量が酸素含有量の3. 7倍以上であることが好ましく、(B)及び(C)の組成のものにおいても、酸 素含有量は0.0001〜0.005重量%とするとよい。 (特開昭61−23736号公報、特開昭61−23737号公報及び特開昭 61−23738号公報等参照)。
【0011】 上記絶縁心線の導体は、耐放射線性高抗張力繊維糸の周りに上記銅合金A乃至 Cの箔テープを横巻きした銅合金箔糸から成るものとすることができる。その耐 放射線性高抗張力繊維糸には、ケブラー(米国デュポン社:商品名)などの芳香 族ポリアミド繊維、イビウール(イビデン(株):商品名)などのセラミックフ ァイバー、その他の炭素繊維などを適宜に用いる。
【0012】 上記熱可塑性ポリウレタンエラストマーとしては、レザミンP−890(JI SA硬度:90、大日精化工業(株)商品名)、レザミンP−1098(JIS A硬度:95、大日精化工業(株)商品名)、クラミロンU9185(JISA 硬度:85、(株)クラレ商品名)等を挙げることができる。なお、レザミン− P890はポリカーボネート系、レザミンP−1098はポリエステル系、クラ ミロンU9185はポリエーテル系である。
【0013】 上記可塑剤の重量部を上記の範囲としたのは、表1から理解できるように、そ の範囲を出るとシースの耐屈曲性が著しく劣化するからである。可塑剤としては 、フタル酸エステル系、トリメリット酸エステル系、脂肪酸エステル系、リン酸 エステル系、ポリエステル系、塩素化パラフィン系のいずれでもよく、それらを 単独又は組み合わせて使用する。それらの製品として下記のものがある。
【0014】 記 フタル酸エステル系 :DINP(ジイソノニルフタレート) DIDP(ジイソデシルフタレート) トリメリット酸エステル系:TOTM(トリ2エチルヘキシル トリメリテート) 脂肪酸エステル系 :DOA(ジ2エチルヘキシルアジペート) リン酸エステル系 :TCP(トリクレジルホスヘート) ポリエステル系 :アジピン酸ポリエステル,W−360ELS (大日本インキ工業(株) 商品名) 塩素化パラフィン系 :塩パラK−50(味の素(株) 商品名)。
【0015】 また、充填剤、安定剤、難燃剤、滑剤、着色剤などを適宜に適量添加すること ができる。充填剤としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、水酸化 アルミニウム、ケイ酸アルミニウム(焼成クレー)、ケイ酸マグネシウム(タル ク)等を挙げることができ、安定剤としては、三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜りん 酸鉛、二塩基性フタル酸鉛等の鉛系のもの、Ba−Zn系、Cn−Zn系のもの などを挙げることができる。
【0016】
【作用】 このように構成するこの考案に係るケーブルは、まず、導体をなす上記組成A 乃至Cからなる銅合金の線が、上記特開昭61−23736号公報等に記載のご とく、耐屈曲性に優れ、導電性においても、純銅に比べて遜色がない。例えば、 疲労特性において、曲げ歪0.306%の条件では、上記銅合金線の破断屈曲回 数が16.1万回に対し、純銅線のそれは約4.3万回と約4分の1であり、曲 げ歪0.22%の条件では、上記銅合金線:3150万回以上、純銅線:約11 .93万回と約260分の1以下、曲げ歪0.18%の条件では、上記銅合金線 :6200万回以上、純銅線:約21.8万回と約280分の1以下である。
【0017】 また、絶縁被覆をなす熱可塑性ポリウレタンエラストマー及びシースをなす上 記組成の軟質ビニルが耐屈曲性のみならず耐放射線性も高いものである。このた め、ケーブルとしても耐屈曲性の劣化もなく耐放射線性が高いものとなる。
【0018】 さらに、絶縁心線の導体を銅合金箔糸より形成すれば、それを形成する銅合金 箔テープが長さ方向にも径方向にも伸び縮みし、かつ高抗張力繊維糸の特性と相 俟って十分な耐屈曲性を保持する。このため、ケーブル全体の耐屈曲性がさらに 向上する。
【0019】
まず、図1に示すように、40本/0.08mmの上記組成Aの銅合金線集合撚 線1の上にレザミンP−890(実施例1、2)又はレザミンP−1098(実 施例3)を押出成形して(絶縁被覆2)、0.2mm2 の絶縁心線3を得た。
【0020】 また、図2に示すように、ケブラー糸11の周りに銅合金Aの箔テープ12( 厚さ:0.027mm、幅:0.32mm)を横巻きにした銅合金箔糸13を製作し 、これを、図3に示すように7本撚りして導体1とし、実施例3と同様に、その 上にレザミンP−1098を押出成形して(絶縁被覆2)、0.2mm2 の絶縁心 線3を得た(実施例4)。
【0021】 つぎに、各絶縁心線3の6本を介在4とともに集合撚りしてコアaとし、この 上にテープ5を巻回して押え巻きし、その押え巻き層5の周りに、表1で示す可 塑剤の重量部(PHR)の軟質ビニルを押出成形してシース6を設けて、この考 案に係るケーブルPを得た。このとき、各軟質ビニルには重質炭酸カルシウムを 50重量部、その他、安定剤等を適量添加した。
【0022】 一方、比較例1〜6として、絶縁被覆2に、ポリ塩化ビニル(PVC、比較例 1)、四ふっ化エチレン・エチレン共重合樹脂(ETFE、比較例2)及びレザ ミンP−890(比較例3〜5)を使用し、また、シース6に、可塑剤の重量部 が上記範囲を外れた軟質ビニル(比較例3、4)及びペルプレンP−30B(J ISA硬度:71、東洋紡績(株)商品名 熱可塑性ポリエステル系エラストマ ー、比較例5)を使用し、さらに、導体1に純銅(比較例6)を使用し、他は実 施例と同一構成としたケーブルPも製作した。
【0023】 その実施例1〜4及び比較例1〜6のケーブルPを、下記の条件下で、図4に 示す屈曲試験を行った結果を表1に示す。 記 曲げ角度 :±90度 曲げ半径R :12.5mm 荷重W :1kg 曲げ速度 :40回/分(左右をそれぞれ一回と数えて) γ線照射 :線源:Co−60、線量率、0.85MR/hr で4MGY照射。
【0024】
【表1】
【0025】 この結果から、各実施例は、放射線照射によって、導体(撚線)1の腐食がな く、かつ耐屈曲性の劣化もないことが理解できる。
【0026】 なお、上記実施例において、導体1又は箔テープ12に、組成(A)に代えて 、(B)、(C)のものを使用したところ、同様な結果を得ることができた。
【0027】
この考案は、以上のように構成したので、耐放射線性及び耐屈曲性の優れたケ ーブルを得ることができる。
【図1】一実施例の断面図
【図2】銅合金箔糸の正面図
【図3】絶縁心線の導体の正面図
【図4】屈曲試験説明図
P ケーブル a ケーブルコア 1 導体(集合撚線) 2 絶縁被覆 3 絶縁心線 4 介在 5 押え巻き層(押え巻きテープ) 6 シース 11 耐放射線性高抗張力繊維糸(ケブラー) 12 銅合金箔テープ 13 銅合金箔糸
フロントページの続き (72)考案者 木原 正昭 東大阪市岩田町2丁目3番1号 タツタ電 線株式会社内 (72)考案者 江原 修 東大阪市岩田町2丁目3番1号 タツタ電 線株式会社内 (72)考案者 原田 憲治 東大阪市岩田町2丁目3番1号 タツタ電 線株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 下記の銅合金の線からなる導体を熱可塑
性ポリウレタンエラストマーで被覆して絶縁心線とし、
その絶縁心線の複数本を撚り合わせ、この上にテープを
巻回し押え巻きしてケーブルコアとし、その周りに、塩
化ビニル樹脂100重量部に対し、可塑剤50〜90重
量部とした軟質ビニルでシースを設けたことを特徴とす
る耐放射線・耐屈曲性ケーブル。 記 鉛とスズの合計含有量が0.02〜0.15重量%であ
って且つ夫々の含有量が0.006重量%以上、酸素含
有量が0.0001〜0.005重量%、残部が実質的
に銅から成る高力高導電性銅合金。 - 【請求項2】 上記導体が下記の銅合金の線からなるこ
とを特徴とする請求項1記載の耐放射線・耐屈曲性ケー
ブル。 記 スズとアンチモンの合計含有量が0.02〜0.15重
量%であって且つ夫々の含有量が0.006重量%以
上、残部が実質的に銅から成る高力高導電性銅合金。 - 【請求項3】 上記導体が下記の銅合金の線からなるこ
とを特徴とする請求項1記載の耐放射線・耐屈曲性ケー
ブル。 記 鉛とアンチモンの合計含有量が0.02〜0.15重量
%であって且つ夫々の含有量が0.006重量%以上、
残部が実質的に銅から成る高力高導電性銅合金。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の
耐放射線・耐屈曲性ケーブルにおいて、上記絶縁心線の
導体が、耐放射線性高抗張力繊維糸の周りに、当該請求
項記載の銅合金の箔テープを横巻きした銅合金箔糸から
成ることを特徴とする耐放射線・耐屈曲性ケーブル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1682192U JPH0553048U (ja) | 1991-10-21 | 1992-03-27 | 耐放射線・耐屈曲性ケーブル |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3-85519 | 1991-10-21 | ||
JP8551991 | 1991-10-21 | ||
JP1682192U JPH0553048U (ja) | 1991-10-21 | 1992-03-27 | 耐放射線・耐屈曲性ケーブル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0553048U true JPH0553048U (ja) | 1993-07-13 |
Family
ID=26353239
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1682192U Pending JPH0553048U (ja) | 1991-10-21 | 1992-03-27 | 耐放射線・耐屈曲性ケーブル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0553048U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101046215B1 (ko) * | 2002-04-23 | 2011-07-04 | 씨티씨 케이블 코포레이션 | 알루미늄 전도체 복합 코어 강화 케이블 및 그 제조 방법 |
-
1992
- 1992-03-27 JP JP1682192U patent/JPH0553048U/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101046215B1 (ko) * | 2002-04-23 | 2011-07-04 | 씨티씨 케이블 코포레이션 | 알루미늄 전도체 복합 코어 강화 케이블 및 그 제조 방법 |
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