JPH0552706A - クラツチの試験方法及びその試験装置 - Google Patents

クラツチの試験方法及びその試験装置

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JPH0552706A
JPH0552706A JP3217292A JP21729291A JPH0552706A JP H0552706 A JPH0552706 A JP H0552706A JP 3217292 A JP3217292 A JP 3217292A JP 21729291 A JP21729291 A JP 21729291A JP H0552706 A JPH0552706 A JP H0552706A
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clutch
input
speed
test
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JP3217292A
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Inventor
Taketora Sugiura
剛寅 杉浦
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Aisin Chemical Co Ltd
Original Assignee
Aisin Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 クラッチの入出力を共通の駆動源で駆動し
て、構造を簡易化するとともに、稼働コストを低減す
る。 【構成】 変速クラッチC1の入力側に接続された駆動
モータ4と、出力側に接続されたフライホイール82
と、前記変速クラッチC1を断接操作するクラッチ断接
油圧回路121と、前記クラッチ断接油圧回路121に
て変速クラッチC1を接続するとともに、前記駆動モー
タ4にて変速クラッチC1の入出力を第一設定回転数で
回転駆動し、変速クラッチC1を遮断して入力側を第二
設定回転数に変更し、前記変速クラッチC1を接続する
CPU141とを具備するため、変速クラッチC1の入
出力が、共通の駆動モータ4により任意の異なる回転数
で回転駆動され、しかも、その駆動モータ4は変速クラ
ッチC1の入力側に接続するだけでよいことから、試験
装置の構成が簡易化するとともに、駆動モータ4の消費
電力が低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はクラッチの試験方法と試
験装置に関するもので、例えば、車輌用自動変速機に内
装されたロックアップクラッチや変速クラッチ等を試験
するための試験方法と試験装置に関するものであり、乾
式または湿式クラッチの各種試験に使用できるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のクラッチの試験装置とし
て、図23に示す自動変速機のロックアップクラッチを
試験するための試験装置を挙げることができる。
【0003】図23はこの従来のクラッチの試験装置の
概略構成を示す正面図である。なお、公知のように、こ
のロックアップクラッチは、図示しない自動変速機のト
ルクコンバータ内に収容されて、そのトルクコンバータ
の滑りによる動力損失を防止するものである。詳述すれ
ば、トルクコンバータはその構造上、入出力間に滑りに
よる動力損失は回避できない問題であり、その動力損失
による燃費低下等の欠点がある。そこで、車両の定速走
行時等には、トルクコンバータの入力側(エンジン側)
と出力側(変速機側)とを直結して、トルクコンバータ
の滑りによる動力損失を防止するようにしたものがロッ
クアップクラッチである。つまり、このロックアップク
ラッチは、入出力が異なる回転数で回転している状態で
接続されるようになっている。
【0004】図に示すように、試験装置の基台201上
には入力側モータ202aが設置され、その入力側モー
タ202aに接続された入力側シャフト203aは、基
台201上に立設された入力側軸受204aに支持され
ている。入力側シャフト203aの先端は入力側軸受2
04aから突出して、ロックアップクラッチC2を収容
した治具ヘッド205が固定・支持され、前記入力側モ
ータ202aにて治具ヘッド205全体が回転駆動され
るようになっている。また、基台201上の入力側モー
タ202aの反対側には出力側モータ202bが設置さ
れ、その出力側モータ202bに接続された出力側シャ
フト203bは、基台201上に立設された出力側軸受
204bに支持されている。出力側シャフト203bの
先端は出力側軸受204bから突出して、前記治具ヘッ
ド205内でロックアップクラッチC2のクラッチディ
スク206に接続され、このクラッチディスク206が
回転駆動されるようになっている。なお、公知のよう
に、クラッチディスク206は、リング状の芯金206
bにフェーシング206aを貼着して構成され、このフ
ェーシング206aにより摩擦力を発生するようになっ
ている。
【0005】更に、図示はしないが、ロックアップクラ
ッチC2には油圧回路が接続され、その油圧回路から供
給されるオートマチック・トランスミッション・フルー
ド(以下、単に『ATF』という)により接続及び遮断
動作(以下、単に『断接動作』という)を行なうように
なっている。
【0006】次に、上記のように構成された従来のクラ
ッチの試験装置の動作を説明する。試験に際して、ま
ず、油圧回路にてロックアップクラッチC2を遮断し、
入力側モータ202aにて治具ヘッド205を特定方向
に3000rpmで、出力側モータ202bにてロックア
ップクラッチC2のクラッチディスク206を2500
rpm で回転駆動し、その回転数を保つ。したがって、ロ
ックアップクラッチC2の入出力には、実際の車載時と
同様に回転差が発生する。次いで、油圧回路にてロック
アップクラッチC2の接続を開始し、入出力の回転数が
相互に影響し合って接近し始める以前に、再びクラッチ
Cを遮断する。以後、同様にクラッチCの半接続と遮断
を繰り返し、その繰返回数が、例えば、15000回に
達すると、試験を終了する。
【0007】そして、試験中においては、ロックアップ
クラッチC2を接続する毎に、トルクメータにて伝達ト
ルクの推移(クラッチ接続開始から遮断までの間に、そ
の入力側と出力側との間で伝達されるトルクの推移)を
検出し、その伝達トルクの推移が試験の進行に伴ってど
のように変化するかのデータを採取している。また、試
験終了後においては、クラッチCのフェーシング206
aに生じた磨耗や剥離状態等を観察し、その観察結果や
前記した伝達トルクのデータに基づいて、フェーシング
206aの耐久性や材質の適正等を判定している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のクラッチの試験
装置は、上記のようにロックアップクラッチC2の入出
力を異なる回転数でそれぞれ回転駆動するために、2台
のモータ202a,202bを備える必要があり、試験
装置が複雑化して、必然的に製造コストと故障発生率が
アップしてしまう可能性があった。また、モータ202
a,202bの消費電力が無視できないため、稼動コス
トが高騰する可能性もあった。
【0009】その対策として、ロックアップクラッチC
2の入出力を共通のモータにより回転駆動することも考
えられるが、この場合、稼働コストは低減されるもの
の、クラッチC2の入出力は、異なる回転数で駆動する
必要がある上に、クラッチC2の仕様に応じてそれぞれ
の回転数や相互の回転比を任意に変更する必要があるた
め、動力伝達機構が複雑化し、ひいては、試験装置の構
造がより複雑になってしまう可能性があった。
【0010】そこで、本発明はクラッチの入出力を共通
の駆動源で駆動して、構造を簡易化するとともに、稼働
コストを低減することができるクラッチの試験方法及び
試験装置の提供を課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
クラッチの試験方法は、クラッチを接続する工程と、前
記クラッチの一側にトルクを加えて、慣性体と共に一側
及び他側を第一設定回転数で回転駆動する工程と、前記
クラッチを遮断する工程と、前記クラッチの一側にトル
クを加えて第二設定回転数に変更する工程と、前記クラ
ッチを接続する工程とを設けたものである。
【0012】請求項2の発明にかかるクラッチの試験装
置は、クラッチの一側に接続された回転駆動手段と、他
側に接続された慣性体と、前記クラッチを断接操作する
断接駆動手段と、前記断接駆動手段にてクラッチを接続
するとともに、前記回転駆動手段にてクラッチの一側及
び他側を第一設定回転数で回転駆動し、クラッチを遮断
して一側の回転数を第二設定回転数に変更し、前記クラ
ッチを接続する試験制御手段とを設けたものである。
【0013】
【作用】請求項1の発明においては、クラッチの一側及
び他側が、その一側に加えられたトルクにより任意の異
なる回転数でそれぞれ回転駆動されるため、共通の駆動
源により駆動可能となって、この試験方法を用いた試験
装置の構造が簡易化されるとともに、稼働コストが低減
される。
【0014】請求項2の発明においては、クラッチの一
側及び他側が、共通の回転駆動手段により任意の異なる
回転数でそれぞれ回転駆動されるため、構造が簡易化さ
れるとともに、稼働コストが低減される。
【0015】
【実施例】
〈第一実施例〉以下、本発明の第一実施例のクラッチの
試験装置を説明する。
【0016】図2は本発明の第一実施例であるクラッチ
の試験装置の全体構成を示す正面図、図3は本発明の第
一実施例であるクラッチの試験装置の全体構成を示す平
面図である。なお、この実施例の試験装置は、車輌用の
自動変速機に内装された変速クラッチを試験するための
ものである。公知のように、この変速クラッチは湿式ク
ラッチであり、遊星歯車機構と共に自動変速機に内装さ
れ、その断接動作により遊星歯車機構の係合状態を切り
換えて、変速機を変速させるようになっている。
【0017】《全体構成》図に示すように、前記変速ク
ラッチC1は治具ヘッドHに内装された状態で試験装置
に設置され、試験装置は、その治具ヘッドHを中心とし
て、左方の入力側機構部1と右方の出力側機構部2に分
かれている。まず、入力側機構部1の概略的な構成を説
明すると、試験装置の基台3上の左端には回転駆動手段
としての駆動モータ4が設置され、その出力軸4aはカ
ップリング5を介してギアボックス6の入力軸6aに接
続されている。ギアボックス6の出力軸6bは、トルク
メータ8と入力側軸受9を介して前記治具ヘッドHの一
側に接続されている。一方、出力側機構部2の出力側軸
受18は基台3上の右端に設けられ、前記治具ヘッドH
の他側に接続されている。
【0018】《入力側機構部》以上が試験装置の全体構
成であり、次に、前記入力側機構部1におけるギアボッ
クス6の構成を詳述する。
【0019】〈ギアボックス〉図4は本発明の第一実施
例であるクラッチの試験装置のギアボックスの内部構造
を示す平断面図である。
【0020】図に示すように、前記ギアボックス6内に
は、前記入力軸6aと出力軸6bが相互に平行に配設さ
れ、両軸6a,6bはそれぞれベアリング19,20に
て回転可能に支持されている。そして、前記したよう
に、入力軸6aの左端は駆動モータ4に接続され、出力
軸6bの右端はトルクメータ8(図2に示す)に接続さ
れている。また、出力軸6bの左端はギアボックス6外
に突出して、回転ムラ防止用のフライホイール21が着
脱可能に固定されている。
【0021】前記入力軸6aには大径駆動歯車22と小
径駆動歯車23が固着され、両歯車19,20が駆動モ
ータ4にて回転駆動されるようになっている。また、前
記出力軸6bには小径被動歯車24と大径被動歯車25
がベアリング26,27にて回転可能、かつ軸心方向に
移動不能に支持され、小径被動歯車24は前記大径駆動
歯車22と噛合し、大径被動歯車25は前記小径駆動歯
車23と噛合している。そして、入力軸6aの回転に伴
い、両被動歯車24,25は出力軸6b上でそれぞれ空
転し、その小径被動歯車24の空転速度は入力軸6aの
回転数より増速され、大径被動歯車25の空転速度は入
力軸6aより減速されることになる。
【0022】前記出力軸6bの両被動歯車24,25間
にはスプライン28が形成され、このスプライン28の
箇所には噛合クラッチ29が相対回転不能、かつ軸心方
向に移動可能に嵌め込まれている。噛合クラッチ29に
は、ピン30を中心として回動可能な操作レバー31の
一端が連結され、この操作レバー31の他端は変速用シ
リンダ32のピストンロッド32aに連結されている。
そして、変速用シリンダ32のピストンロッド32aの
出没動作に応じて操作レバー31が回動すると、噛合ク
ラッチ29が出力軸6b上を移動して、両被動歯車2
4,25のいずれにも係合しない中立位置、左方に移動
して小径被動歯車24と係合する増速位置、及び右方に
移動して大径被動歯車25と係合する減速位置の3位置
間を切換動作する。
【0023】したがって、前記出力軸6bは、中立位置
においては駆動モータ4からの動力が遮断され、また、
増速位置においては駆動モータ4の回転数より増速回転
されて、トルクは逆に減少し、減速位置においては駆動
モータ4の回転数より減速回転されて、トルクは逆に増
大することになる。なお、実際の試験では、出力軸6b
の回転数を変更することより、そのトルクを加減して試
験内容に適合させるのを目的として切換操作を行なって
いる。また、操作レバー31の近接位置には一対のギア
位置検出センサ33が配置され、両検出センサ33は、
噛合クラッチ29が増速位置または減速位置にあるとき
に、操作レバー31にてオン操作されるようになってい
る。
【0024】〈トルクメータ、入力側軸受〉次いで、前
記入力側機構部1におけるトルクメータ8及び入力側軸
受9の構成を詳述する。
【0025】図5は本発明の第一実施例であるクラッチ
の試験装置のトルクメータ及び入力側軸受を示す正面
図、図6は本発明の第一実施例であるクラッチの試験装
置の治具ヘッドの支持構造を示す正面図である。
【0026】図に示すように、前記ギアボックス6の出
力軸6bには伝達シャフト35が連結され、その伝達シ
ャフト35に一体形成されたフランジ35aには、前記
トルクメータ8の入力フランジ8aがボルト36で連結
されている。このトルクメータ8は基台3に立設された
支持座37上に固定されている。トルクメータ8の出力
フランジ8bは、入力側シャフト38の左端に設けられ
た入力フランジ38aにボルト39で連結され、この入
力側シャフト38は前記入力側軸受9に多数のベアリン
グ41で回転可能に支持されている。入力側軸受9は支
持座40上に設置され、この支持座40は、基台3上に
着脱可能に固定された補助基台73上に設けられてい
る。
【0027】前記入力側軸受9の右側には、治具ヘッド
Hの左側部カバー42がボルト42aにて固定され、こ
の左側部カバー42は入力側軸受9と連続する筒状をな
し、その右端が鍔状に形成されている。また、前記入力
側シャフト38の右端には出力フランジ38bが一体形
成され、その出力フランジ38bには、アタッチメント
部材43がインロー嵌合して、図示しないボルトで固定
されている。このアタッチメント部材43の中央にはス
プライン孔43aが形成され、このスプライン孔43a
内には、スプラインが形成されたインプットシャフト4
4の先端が相対回転不能に嵌挿されている。前記左側部
カバー42の右側面にはオイルポンプカバー45が固定
され、そのオイルポンプカバー45の中央に形成された
回動孔45a内には前記インプットシャフト44の基端
が回転可能に保持されている。また、インプットシャフ
ト44の基端には右方に開口するクラッチドラム46が
固着され、そのクラッチドラム46内にはリング状のク
ラッチピストン47が軸心方向に移動可能に配設されて
いる。クラッチピストン47は戻りばね48にて常に左
方に付勢され、このクラッチピストン47によりクラッ
チドラム46内には油圧室49が形成されている。
【0028】このインプットシャフト44、クラッチド
ラム46及びクラッチピストン47は、前記した変速ク
ラッチC1の入力側を構成するものであり、実際のクラ
ッチC1の部品が使用されている。そして、ギアボック
ス6が増速位置または減速位置にあるときに、駆動モー
タ4が回転すると、その回転力はギアボックス6の出力
軸6a、伝達シャフト35、トルクメータ8及び入力側
シャフト38を介してインプットシャフト44に伝達さ
れ、その結果、車載時と同様に、インプットシャフト4
4と共にクラッチドラム46、クラッチピストン47等
の部材が回転駆動される。
【0029】《出力側機構部》以上が入力側機構部1の
全体構成であり、次に、前記出力側機構部2の構成を詳
述する。
【0030】図7は本発明の第一実施例であるクラッチ
の試験装置の出力側軸受を示す正面図、図8は本発明の
第一実施例であるクラッチの試験装置の出力側軸受を示
す平面図である。
【0031】図6乃至図8に示すように、前記補助基台
73上にはスライドベース74が配設され、このスライ
ドベース74は図示しないガイドレールに案内されて左
右方向に移動し得るようになっている。スライドベース
74には左方に開口する一対のガイド溝75が形成さ
れ、両ガイド溝75内において、補助基台73からは一
対のガイドピン76がそれぞれ立設され、各ガイドピン
76はガイド溝75内より上方に突出して鍔部76aが
形成されている。このガイドピン76の鍔部76aとス
ライドベース74の上面との間には、エアの供給により
上下方向に伸縮可能なエアクランプ77と圧縮ばね78
が介装され、スライドベース74は圧縮ばね78の付勢
力により常に補助基台73に圧接されている。そして、
エアクランプ77の伸長時には、圧縮ばね78の付勢力
が高められてスライドベース74は補助基台73上で移
動不能に固定され、また、エアクランプ77の縮小時に
は、圧縮ばね78の付勢力が低められてスライドベース
74は補助基台73上で移動可能となる。
【0032】前記スライドベース74上には支持座79
が立設され、その支持座79上には前記出力側軸受18
が設置されている。出力側軸受18には出力側シャフト
80がベアリング81で回転可能に支持され、その出力
側シャフト80の右端は出力側軸受18外に突出して、
慣性体としてのフライホイール82が着脱可能に固定さ
れ、このフライホイール82は、変速クラッチC1の仕
様に応じて慣性重量の異なる別のフライホイールと交換
し得るようになっている。
【0033】図6に示すように、前記出力側軸受18の
左側には、治具ヘッドHの右側部カバー96がボルト9
6aにて固定され、この右側部カバー96は出力側軸受
18と連続する筒状をなし、その左端は鍔状に形成され
ている。右側部カバー96と前記左側部カバー42の鍔
状の箇所には筒状カバー97が外嵌され、これらのカバ
ー42,96,97により、内部に空間を有する治具ヘ
ッドHが構成されている。治具ヘッドH内において、前
記出力側シャフト80の左端には円盤状のアタッチメン
ト部材98を介してクラッチハブ99が嵌合・固定さ
れ、このクラッチハブ99の左側は前記インプットシャ
フト44の基端に相対回転可能に嵌入している。また、
このクラッチハブ99の外周は、多板構造のクラッチデ
ィスク100を介して前記クラッチドラム46の内周と
係合している。
【0034】このクラッチハブ99は前記した変速クラ
ッチC1の出力側を構成するものであり、クラッチディ
スク100と共に実際のクラッチC1の部品が使用され
ている。そして、この変速クラッチC1の出力側は、前
記出力側軸受18に支持されながら出力側シャフト80
及びフライホイール82と共に回転し得るようになって
いる。
【0035】また、この変速クラッチC1の断接状態
は、車載時と同様に前記油圧室49内の圧力に応じて切
り換えられる。即ち、油圧室49内の圧力が高められる
と、クラッチピストン47が右方に移動してクラッチデ
ィスク100を圧接し、変速クラッチC1が接続され、
また、油圧室49内の圧力が低められると、クラッチピ
ストン47が戻りばね48の付勢力で左方に移動してク
ラッチディスク100の圧接を解除し、変速クラッチC
1は遮断される。
【0036】一方、図7に示すように、前記補助基台7
3上の右端には軸受ブラケット86が立設され、その軸
受ブラケット86の左側面には軸受プレート87がボル
ト88で固定されている。軸受プレート87に内蔵され
たベアリング89には、送りねじ90の右端が回転可
能、かつ軸心方向に移動不能に支持され、その送りねじ
90の右端は、軸受ブラケット86に形成された貫通孔
86aを経て右方に突出し、ハンドル91が装着されて
いる。また、前記出力側軸受18を支持する支持座79
には、一対のリブ92,93が左右に配置され、その右
側のリブ92に設けられた螺合部材94内には、前記送
りねじ90の左端が螺入している。なお、95は送りね
じ90の左端との干渉を避けるために左側のリブ93に
形成された逃げ孔である。
【0037】そして、ハンドル91にて送りねじ90が
回転操作されると、その操作方向に応じてスライドベー
ス74と共に出力側軸受18が左右に移動し、前記入力
側軸受9との相対距離が変更される。したがって、試験
装置に全長の異なる治具ヘッドHを設置する際には、そ
の治具ヘッドHの全長に合わせて両軸受9,18間の相
対距離を調整するだけで設置可能となる。
【0038】《制御盤》次に、本実施例の試験装置に備
えられた制御盤の構成を詳述する。
【0039】図9は本発明の第一実施例であるクラッチ
の試験装置の制御盤を示す正面図である。
【0040】図に示すように、制御盤111には液晶表
示板112が設置され、その液晶表示板112の下側に
は、試験に先立ってその試験条件の設定を開始するため
の設定開始スイッチ113、その設定時において、試験
条件を順次指定するためのモード切換スイッチ114、
前記液晶表示板112の表示に基づいて各試験条件の設
定値を入力するためのテンキー115、試験を開始する
ための試験開始スイッチ116、及び試験の終了を表示
する終了ランプ117が設けられている。
【0041】《油圧回路》更に、本実施例のクラッチの
試験装置の油圧回路を説明する。
【0042】図1は本発明の第一実施例であるクラッチ
の試験装置の油圧回路図である。
【0043】図に示すように、この油圧回路は断接駆動
手段としてのクラッチ断接用油圧回路121と保温用油
圧回路122とから構成されている。クラッチ断接用油
圧回路121の油タンク123内にはATFが貯留され
るとともに、ヒータ124が設けられ、その油タンク1
23にはモータ125で駆動される油圧ポンプ126が
接続されている。油圧ポンプ126の吐出側には油温セ
ンサ127、逆止弁128、圧力調整弁129及び可変
絞り弁130を介してサーボ式の4ポート2位置切換弁
131が接続されている。切換弁131の吐出側の一方
のクラッチ断接用接続口131aは、前記治具ヘッドH
内に収容された変速クラッチC1に接続され、また、他
方のクラッチ断接用接続口131bは、この変速クラッ
チC1の試験では用いられていない。
【0044】そして、試験時においては、前記ヒータ1
24にて油タンク123内のATFが加温され、そのA
TFが切換弁131の切換動作に応じてクラッチ断接用
接続口131aから変速クラッチC1の油圧室49に供
給され、その結果、変速クラッチC1は、前記したよう
に断接動作を実行する。
【0045】また、保温用油圧回路122の油タンク1
33には、前記クラッチ断接用油圧回路121と同様に
ATFが貯留され、その油タンク133にはモータ13
4で駆動される油圧ポンプ135が接続されている。油
圧ポンプ135の吐出側には逆止弁136、圧力調整弁
137、可変絞り弁138及びヒータ139が接続さ
れ、このヒータ139の吐出側の保温用接続口139a
は前記治具ヘッドH内に接続されている。また、この治
具ヘッドH内には油温センサ140が配設されている。
【0046】そして、試験時においては、油タンク13
3のATFがヒータ139にて加温された後に治具ヘッ
ドH内に導入され、そのATFにて内部の変速クラッチ
C1が実際に車両に搭載されているときの温度に保持さ
れる。なお、このときのヒータ139は前記油温センサ
140の検出に基づいて制御される。
【0047】《電気回路》次に、本実施例のクラッチの
試験装置の電気的構成を説明する。
【0048】図10及び図11は本発明の第一実施例で
あるクラッチの試験装置の電気的構成を示すブロック図
である。
【0049】図に示すように、前記制御盤111に内装
された試験制御手段としての中央処理装置141(以
下、単に『CPU』という)の入力側には、前記入力側
機構部1のギア位置検出センサ33(1つのみ図示)が
接続されるとともに、前記駆動モータ4の回転数を検出
する回転数センサ142が接続されている。また、CP
U141の入力側には、前記制御盤111の設定開始ス
イッチ113、モード切換スイッチ114、テンキー1
15及び試験開始スイッチ116が接続されるととも
に、前記クラッチ断接用油圧回路121と保温用油圧回
路122の油温センサ127,140が接続されてい
る。
【0050】一方、CPU141の出力側には、前記入
力側機構部1の駆動モータ4と前記変速用シリンダ32
を制御する変速用シリンダ制御弁143とが駆動回路1
45,146を介して接続されている。また、CPU1
41の出力側には、前記制御盤111の液晶表示板11
2と終了ランプ117が駆動回路147,148を介し
て接続されるとともに、前記クラッチ断接用油圧回路1
21のヒータ124、モータ125及び切換弁131
と、保温用油圧回路122のモータ134及びヒータ1
39とが駆動回路149〜153を介して接続されてい
る。
【0051】更に、CPU141にはリードオンリメモ
リ160(以下、単に『ROM』という)及びランダム
アクセスメモリ161(以下、単に『RAM』という)
が接続され、ROM160にはこの試験装置に一連の試
験動作を実行させるためのプログラムや前記液晶表示板
112に表示動作を行なわせるためのプログラム等の各
種プログラムが記憶され、CPU141はこれらのプロ
グラムに従って動作するようになっている。また、RA
M161はCPU141が実行する処理データを一時的
に記憶するようになっている。
【0052】次に、上記のように構成された本実施例の
クラッチの試験装置の動作を説明する。
【0053】《メインルーチン》図12は本発明の第一
実施例であるクラッチの試験装置におけるCPUが実行
するメインルーチンを示すフローチャートである。
【0054】まず、試験の概要を説明すると、治具ヘッ
ドHの変速クラッチC1は、入力側を回転駆動されると
ともに、出力側を異なる回転数で同一方向に回転駆動さ
れ、その状態で完全に接続される。そして、この一連の
動作を所定サイクル繰り返した後に、試験が終了する。
【0055】ここで、試験のための諸条件を説明する
と、試験中における前記クラッチ断接用油圧回路121
のヒータ124の設定温度をTe1 とし、同じく、前記
保温用油圧回路122のヒータ139の設定温度をTe
2 とする。また、クラッチ接続前の入力側の回転数を第
二設定回転数Re1 、同じく、クラッチ接続前の出力側
の回転数を第一設定回転数Re2 とする。更に、クラッ
チC1の入出力を第一設定回転数Re2 まで増速する初
期増速時間をTm0 、クラッチC1の接続を開始する接
続開始時間をTm1、接続後に制動を開始する制動開始
時間をTm2 、最終的な1サイクルに要する所要時間を
Tm3 とし、試験中に繰り返されるサイクル数をNとす
る。
【0056】図12のメインルーチンは、図示しない電
源スイッチの投入と同時に動作する。
【0057】今、設定開始スイッチ113及び試験開始
スイッチ116が共に操作されていないとき、CPU1
41はステップS1で初期化し、全フラグ及び使用する
メモリをクリアし、ステップS2で設定開始スイッチ1
13が操作されていないことからステップS3に移行
し、このステップS3で試験開始スイッチ116が操作
されていないことから、前記ステップS2に戻る。した
がって、この場合には、設定完了フラグがクリア状態に
保持されるとともに、試験や試験条件の設定処理は実施
されないことになる。
【0058】また、前述した状態から試験開始スイッチ
116が操作されると、ステップS3からステップS4
に移行し、このステップS4で設定完了フラグがセット
されていないことから、前記ステップS2に戻る。即
ち、この時点では、未だ試験条件の設定が行なわれてい
ないため、試験開始スイッチ116が操作されても、試
験は実施されないことになる。
【0059】更に、前述した状態から設定開始スイッチ
113が操作されると、ステップS2からステップS5
に移行して試験条件を設定し、ステップS6で設定完了
フラグをセットして前記ステップS2に戻る。そして、
その後に試験開始スイッチ116が操作されると、ステ
ップS3からステップS4に移行し、すでに設定完了フ
ラグがセットされている、つまり試験条件が設定されて
いることから、ステップS7に移行して試験を実行す
る。そして、試験を終了した後、ステップS8で前記終
了ランプ117を点灯させて試験終了を作業者に報知
し、前記ステップS2に戻り、繰返しこのルーチンを実
行する。
【0060】《設定処理》次に、前述したメインルーチ
ンのステップS5で実行される試験条件の設定処理の詳
細を説明する。
【0061】図13及び図14は本発明の第一実施例で
あるクラッチの試験装置におけるCPUが実行する設定
処理ルーチンの詳細を示すフローチャート、図15は本
発明の第一実施例であるクラッチの試験装置における液
晶表示板の表示を示す説明図である。
【0062】試験条件の設定処理ルーチンがコールされ
ると、CPU141はステップS11で、図9に示すよ
うに、液晶表示板112に「ヒータ設定温度Te1 を入
力して下さい」とのメッセージを表示する。作業者はそ
のメッセージに応答して、ステップS12でテンキー1
15で設定温度Te1 を入力し、ステップS13でモー
ド切換スイッチ114を押圧操作する。そして、CPU
141はステップS14に移行し、図15に示すよう
に、液晶表示板112に「ヒータ設定温度Te2を入力
して下さい」とのメッセージを表示し、それに応答して
ステップS15で作業者にて設定温度Te2 が入力さ
れ、ステップS16でモード切換スイッチ114が押圧
操作されると、ステップS17に移行する。
【0063】次いで、ステップS17で液晶表示板11
2に「第二設定回転数Re1 を入力して下さい」とのメ
ッセージを表示し、それに応答してステップS18で作
業者にて第二設定回転数Re1 が入力され、ステップS
19でモード切換スイッチ114が押圧操作されると、
ステップS20に移行する。更に、ステップS20で液
晶表示板112に「第一設定回転数Re2 を入力して下
さい」とのメッセージを表示し、それに応答してステッ
プS21で作業者にて第一設定回転数Re2 が入力さ
れ、ステップS22でモード切換スイッチ114が押圧
操作されると、ステップS23に移行する。ここで、ヒ
ータ設定温度Te1 ,Te2 として共に120℃が入力
され、第二設定回転数Re1 として3000rpm が、第
一設定回転数Re2 として2500rpm が入力されたも
のとする。
【0064】そして、ステップS23で液晶表示板11
2に「初期増速時間Tm0 を入力して下さい」とのメッ
セージを表示し、それに応答してステップS24で作業
者にて初期増速時間Tm0 が入力され、ステップS25
でモード切換スイッチ114が押圧操作されると、ステ
ップS26に移行する。更に、ステップS26で液晶表
示板112に「接続開始時間Tm1 を入力して下さい」
とのメッセージを表示し、それに応答してステップS2
7で作業者にて接続開始時間Tm1 が入力され、ステッ
プS28でモード切換スイッチ114が押圧操作される
と、ステップS29に移行する。
【0065】次いで、ステップS29で液晶表示板11
2に「制動開始時間Tm2 を入力して下さい」とのメッ
セージを表示し、それに応答してステップS30で作業
者にて制動開始時間Tm2 が入力され、ステップS31
でモード切換スイッチ114が押圧操作されると、ステ
ップS32に移行する。そして、ステップS32で液晶
表示板112に「所要時間Tm3 を入力して下さい」と
のメッセージを表示し、それに応答してステップS33
で作業者にて所要時間Tm3 が入力され、ステップS3
4でモード切換スイッチ114が押圧操作されると、ス
テップS35に移行する。ここで、初期増速時間Tm0
として10sec が、接続開始時間Tm1として15sec
が、制動開始時間Tm2 として20sec が、所要時間T
m3 として80sec が入力されたものとする。
【0066】そして、ステップS35で液晶表示板11
2に「サイクル数Nを入力して下さい」とのメッセージ
を表示し、それに応答してステップS36で作業者にて
サイクル数Nが入力され、ステップS37でモード切換
スイッチ114が押圧操作されると、前記ステップS1
1に戻る。ここで、サイクル数Nとして15000回が
入力されたものとする。なお、以上の入力データは全て
前記RAM161に格納される。
【0067】《試験実行処理》次に、前述したメインル
ーチンのステップS7で実行される試験の実行処理の詳
細を説明する。
【0068】図16及び図17は本発明の第一実施例で
あるクラッチの試験装置におけるCPUが実行する試験
実行処理ルーチンの詳細を示すフローチャート、図18
は本発明の第一実施例であるクラッチの試験装置におけ
るCPUが実行する油温制御ルーチンの詳細を示すフロ
ーチャート、図19は本発明の第一実施例であるクラッ
チの試験装置の試験時のタイムチャートである。
【0069】図16及び図17に示すように、前記ステ
ップS7で試験実行処理ルーチンがコールされると、C
PU34はステップS41でカウンタnをクリアし、ス
テップS42でクラッチ断接用油圧回路121の油温制
御を実行し、ステップS43で保温用油圧回路122の
油温制御を実行する。
【0070】前記ステップS42で油温制御ルーチンが
コールされると、図18に示すように、ステップS71
で実際のクラッチ断接用油圧回路121の油温センサ1
27にて検出されたATFの温度が、前記ステップS1
2で設定温度Te1 として設定された120℃以上であ
るか否かを判定し、120℃以上であるときにはステッ
プS72でヒータ124をオフ状態に保ち、120℃未
満であるときにはステップS73でヒータ124をオン
状態に保つ。したがって、このルーチンのステップS7
1乃至ステップS73の処理によりヒータ124がオン
・オフ制御されて、クラッチ断接用油圧回路121のA
TFの温度が設定温度Te1 である120℃程度に保持
されることになる。また、詳細は説明しないが、前記ス
テップS43の油温制御ルーチンも同様の制御内容であ
り、保温用油圧回路122のATFの温度が設定温度T
e2 である120℃程度に保持されることになる。
【0071】その結果、試験中の変速クラッチC1は、
保温用油圧回路122から治具ヘッドH内に供給される
ATF、及びクラッチ断接時にクラッチ断接用油圧回路
121から供給されるATFにより常時120℃程度、
つまり実際の車載時と同様の温度に保温される。
【0072】その後、図16及び図17に示すように、
ステップS44でカウンタnが前記ステップS36でサ
イクル数Nとして設定された15000に達したか否か
を判定し、未だ達していないためステップS45に移行
する。そして、このステップS45で前記クラッチ断接
用油圧回路121の切換弁131を切換動作させ、油圧
ポンプ126からのATFを変速クラッチC1に供給す
る。その結果、油圧室49内の圧力が上昇し、クラッチ
ピストン47が右方に移動してクラッチディスク100
を圧接し、図19に示すように、変速クラッチC1が接
続状態に切り換えられる。
【0073】次いで、ステップS46で前記変速用シリ
ンダ制御弁143にて変速用シリンダ32を切換動作さ
せて、ギアボックス6を増速位置に切り換え、ステップ
S47で前記ギア位置検出センサ33からの検出値に基
づいて増速位置への切換が完了したと判定すると、ステ
ップS48に移行する。更に、ステップS48で前記駆
動モータ4を特定方向に回転駆動すると、変速クラッチ
C1の入力側にトルクが加えられて、その入力側及び出
力側はそれぞれのフライホイール21,82と共に回転
を開始する(図19のポイントa)。
【0074】そして、ステップS49で前記回転数セン
サ142の検出値に基づいて、変速クラッチC1の入力
側及び出力側の回転数が前記ステップS21で第一設定
回転数Re2 として設定された2500rpm に達したか
否かを判定する。なお、前記したように、駆動モータ4
の回転はギアボックス6にて増速されているため、CP
U141は出力側ギアボックス6の増速比により回転数
センサ142の検出値を補正して、実際の変速クラッチ
C1の回転数を演算している。
【0075】前記ステップS49で変速クラッチC1の
回転数が2500rpm に到達したと判定すると(図19
のポイントb)、ステップS50でこの2500rpm を
目標回転数として駆動モータ4の回転数を定速度制御す
る。そして、ステップS51で、駆動モータ4の回転を
開始してから前記ステップS24で初期増速時間Tm0
として設定された10sec が経過したと判定すると(図
19のポイントc)、ステップS52で前記クラッチ断
接用油圧回路121の切換弁131を切換動作させ、油
圧ポンプ126から変速クラッチC1へのATFの供給
を中止する。その結果、変速クラッチC1の油圧室49
内の圧力が低下し、クラッチピストン47が戻りばね4
8の付勢力で左方に移動して、クラッチディスク100
の圧接を解除する。したがって、図19に示すように、
変速クラッチC1が遮断状態に切り換えられ、その入力
側は駆動モータ4により継続して回転駆動され、出力側
はフライホイール82と共に惰性回転する。
【0076】なお、前記したように、回転増加中の変速
クラッチC1をステップS50で一旦定速回転させるの
は、回転増加中のクラッチC1を遮断した場合にクラッ
チディスク100に生じる滑りを防止するためである。
そして、この処理により、変速クラッチC1は滑りによ
る磨耗等を発生することなく遮断され、後述するステッ
プS57のクラッチ接続時の負荷、つまり、この試験の
本来の目的である負荷のみが変速クラッチC1に加えら
れることになる。
【0077】次いで、ステップS53で前記駆動モータ
4を増速させると、変速クラッチC1の入力側にトルク
が加えられ、前記したように変速クラッチC1が遮断さ
れていることから、その入力側のみがフライホイール2
1と共に増速される。そして、ステップS54で変速ク
ラッチC1の入力側の回転数が前記ステップS18で第
二設定回転数Re1 として設定された3000rpm に達
したか否かを判定し、その3000rpm に到達したと判
定すると(図19のポイントd)、ステップS55でこ
の3000rpm を目標回転数として駆動モータ4の回転
数を定速度制御する。この時点で、変速クラッチC1の
出力側は、フライホイール82の大きな慣性重量によ
り、ほとんど回転低下せず約2500rpm を保っている
ため、変速クラッチC1の入出力間には、500rpm 程
度の回転差が生じたことになる。
【0078】このように本実施例の試験装置では、変速
クラッチC1の入力側及び出力側が、共通の駆動モータ
4により異なる回転数で回転駆動される。そして、その
入出力のそれぞれの回転数や相互の回転比は、第二設定
回転数Re1 と第一設定回転数Re2 の設定を変えるだ
けで、変速クラッチC1の仕様に応じて任意に変更可能
である。
【0079】一方、ステップS56で、駆動モータ4の
回転を開始してから前記ステップS27で接続開始時間
Tm1 として設定された15sec が経過したと判定する
と(図19のポイントe及びポイントf)、ステップS
57で前記クラッチ断接用油圧回路121の切換弁13
1を切換動作させて、図19に示すように、変速クラッ
チC1を接続する。その結果、変速クラッチC1の入出
力は、スリップを伴いながら相互に影響を及ぼし合い、
出力側の回転数がフライホイール82と共に引き上げら
れるとともに、入力側の回転数がフライホイール21と
共に引き下げられて、次第に接近する。つまり、このと
きの変速クラッチC1は、入出力のフライホイール2
1,82の慣性力を消費しながら接続され、その慣性力
が負荷として加えられる。そして、クラッチC1が完全
に接続されると、入力側と出力側は同一回転数となり
(図19のポイントg)、その後、定速度制御された駆
動モータ4の駆動力により、入出力の回転数は次第に増
加して3000rpm に保持される(図19のポイント
h)。
【0080】更に、CPU141はステップS58で、
駆動モータ4の回転を開始してから前記ステップS30
で制動開始時間Tm2 として設定された20sec が経過
したと判定すると(図19のポイントi)、ステップS
59で駆動モータ4のトルクを負側に転じて制動を実行
する。したがって、変速クラッチC1の入出力の回転数
は急激に減少して最終的に0となり(図19のポイント
j)、ステップS60で、駆動モータ4の回転を開始し
てから前記ステップS33で所要時間Tm3 として設定
された80sec が経過したと判定すると、ステップS6
1でカウンタnを「+1」インクリメントして、前記ス
テップS42に戻る。
【0081】以上の処理により1サイクルが終了し、変
速クラッチC1は、入力側と出力側を異なる回転数で回
転駆動された状態で、フライホイール21,82の慣性
力を消費しながら接続されたことになる。そして、接続
時において、変速クラッチC1の入力側から出力側に伝
達されるトルクは、図19に示すように推移し、その伝
達トルクは前記トルクメータ8にて検出されて、ディス
プレイ表示やプリントアウト等の種々の形態で採取され
る。
【0082】一方、CPU141は前記ステップS42
及びステップS43で油温制御を実行し、ステップS4
4でカウンタnが未だ1であり、サイクル数Nとして設
定された15000に達していないため、再びステップ
S45以降の処理を繰り返す。そして、この一連のサイ
クルを15000回繰り返し、ステップS45でカウン
タnがサイクル数Nに達すると、試験が終了したとし
て、図12に示すステップS8で終了ランプ117を点
灯させてステップS2に戻る。
【0083】なお、前記した試験では、ヒータ設定温度
Te1 ,Te2として120℃が、第二設定回転数Re1
として3000rpm が、第一設定回転数Re2 として
2500rpm がそれぞれ設定され、初期増速時間Tm0
として10sec が、接続開始時間Tm1 として15sec
が、制動開始時間Tm2 として20sec が、所要時間T
m3 として80sec が、サイクル数Nとして15000
回がそれぞれ設定されたが、これらの各設定値は変速ク
ラッチC1の仕様に応じて任意に設定可能である。
【0084】また、前記した試験では、駆動源である駆
動モータ4を変速クラッチC1の入力側に連結し、ま
ず、入出力を共に第一設定回転数Re2 で回転させ、次
いで、クラッチC1を遮断して入力側のみを第二設定回
転数Re1まで増速するようにしたが、逆に、駆動モー
タ4を変速クラッチC1の出力側に連結して、まず、入
出力を第二設定回転数Re1 で回転させ、次いで、クラ
ッチC1を遮断して出力側のみを第一設定回転数Re2
まで減速するようにしてもよい。このような手順で試験
を実施したときでも、前記した場合と同じく、入力側は
第二設定回転数Re1 に、出力側は第一設定回転数Re
2 に調整される。
【0085】更に、前記した試験では、接続時の変速ク
ラッチC1に負荷を加えるために、その入出力に共にフ
ライホイール21,82を設けたが、駆動モータ4の駆
動力が加えられる入力側には、必ずしもフライホイール
21を設ける必要がなく、このフライホイール21を省
略した場合でも、出力側のフライホイール82により接
続時のクラッチC1に負荷を加えることができる。
【0086】このように上記実施例のクラッチの試験方
法を用いた試験装置は、変速クラッチC1の入力側に接
続された駆動モータ4と、前記変速クラッチC1の出力
側に接続されたフライホイール82と、前記変速クラッ
チC1を断接操作するクラッチ断接用油圧回路121
と、前記クラッチ断接用油圧回路121にて変速クラッ
チC1を接続するとともに、前記駆動モータ4にて変速
クラッチC1の入力側及び出力側を予め設定した第一設
定回転数Re2 で回転駆動し、前記クラッチ断接用油圧
回路121にて変速クラッチC1を遮断して前記フライ
ホイール82と共に変速クラッチC1の出力側を惰性回
転させ、前記駆動モータ4にて変速クラッチC1の入力
側の回転数を前記第一設定回転数Re2 より高回転の第
二設定回転数Re1 まで増速し、前記変速クラッチC1
を接続して入力側及び出力側の回転差を吸収させるCP
U141とを具備している。
【0087】また、この試験装置にて実施されるクラッ
チの試験方法は、変速クラッチC1を接続する工程と、
前記変速クラッチC1の入力側にトルクを加えて、出力
側に接続されたフライホイール82と共に、変速クラッ
チC1の入力側及び出力側を予め設定した第一設定回転
数Re2 で回転駆動する工程と、前記変速クラッチC1
を遮断して、前記フライホイール82と共に変速クラッ
チC1の出力側を惰性回転させる工程と、前記変速クラ
ッチC1の入力側にトルクを加えて、入力側の回転数を
前記第一設定回転数Re2 より高回転の第二設定回転数
Re1 まで増速する工程と、前記変速クラッチC1を接
続して、入力側及び出力側の回転差を吸収させる工程と
を具備している。
【0088】したがって、まず、フライホイール82と
共に変速クラッチC1の入出力が第一設定回転数Re2
で回転され、その後、変速クラッチC1が遮断されて、
変速クラッチC1の入力側のみが第二設定回転数Re1
に変更され、このように、変速クラッチC1の入力側及
び出力側は、共通の駆動モータ4により回転駆動され
る。
【0089】その結果、試験装置には駆動源として1台
の駆動モータ4を設けるだけでよく、しかも、その駆動
モータ4は、単にギアボックス6を介して変速クラッチ
C1の入力側に連結するだけの非常に簡単な設置構造で
ある。故に、試験装置の構成が簡易化され、製造コスト
と故障発生率を大幅に低減することができる。
【0090】また、試験時には1台の駆動モータ4を稼
働させるだけでよく、2台の駆動モータ4を稼働させて
いた従来の試験装置に比較して、消費電力が半減し、試
験装置の稼働コストを大幅に低減することができる。
【0091】〈第二実施例〉次に、本発明の第二実施例
のクラッチの試験装置を説明する。
【0092】図20及び図21は本発明の第二実施例で
あるクラッチの試験装置におけるCPUが実行する試験
実行処理ルーチンの詳細を示すフローチャート、図22
は本発明の第二実施例であるクラッチの試験装置の試験
時のタイムチャートである。
【0093】なお、このクラッチの試験装置は、前記第
一実施例の試験装置と同一構成であり、相違点はCPU
141の試験実行処理にある。そこで、特に、図20乃
至図22に基づいて試験時の動作を重点的に説明する。
ここで、試験中に適用される各設定値Te1 ,Te2 ,
Re1 ,Re2 ,Tm0 〜Tm3 ,Nは、第一実施例と
同様の値が設定されたものとする。
【0094】図12のステップS7で試験実行処理ルー
チンがコールされると、前記第一実施例と同様に、CP
U34は図16のステップS41でカウンタnをクリア
し、ステップS42でクラッチ断接用油圧回路121の
油温制御を実行し、ステップS43で保温用油圧回路1
22の油温制御を実行する。そして、ステップS44で
カウンタnがサイクル数Nである15000に達してい
ないため図20及び図21のステップS101に移行す
る。
【0095】更に、図20及び図21に示すように、ス
テップS101で増速完了フラグがセットされているか
否かを判定し、この増速完了フラグが未だセットされて
いないため、ステップS102で前記クラッチ断接用油
圧回路121の切換弁131を切換動作させて、変速ク
ラッチC1を接続する。その後、ステップS103で前
記変速用シリンダ32にてギアボックス6を増速位置に
切り換え、ステップS104で切換が完了したと判定す
ると、ステップS105で前記駆動モータ4の駆動を開
始して、変速クラッチC1の入力側にトルクを加える。
したがって、変速クラッチC1の入力側及び出力側はそ
れぞれのフライホイール21,82と共に回転を開始す
る(図22のポイントa)。
【0096】そして、ステップS106で変速クラッチ
C1の入力側及び出力側の回転数が第一設定回転数Re
2 である2500rpm に到達すると(図22のポイント
b)、ステップS107でこの2500rpm を目標回転
数として駆動モータ4の回転数を定速度制御する。次い
で、ステップS108で、駆動モータ4の回転を開始し
てから初期増速時間Tm0 である10sec が経過すると
(図22のポイントc)、ステップS109で前記増速
完了フラグをセットしてステップS110に移行する。
【0097】次いで、ステップS110で前記クラッチ
断接用油圧回路121にて変速クラッチC1を遮断する
と、その入力側は駆動モータ4により継続して回転駆動
され、出力側はフライホイール82と共に惰性回転す
る。更に、ステップS111で前記駆動モータ4を増速
させて、変速クラッチC1の入力側にトルクを加える
と、その入力側のみがフライホイール21と共に増速
し、ステップS112で入力側の回転数が第二設定回転
数Re1 である3000rpm に到達すると(図22のポ
イントd)、ステップS113でこの3000rpm を目
標回転数として駆動モータ4の回転数を定速度制御す
る。したがって、変速クラッチC1の入出力間には、5
00rpm 程度の回転差が生じたことになる。
【0098】このように本実施例の試験装置では、第一
実施例の試験装置と同様に、変速クラッチC1の入力側
及び出力側が、共通の駆動モータ4により異なる回転数
で回転駆動される。そして、その入出力の回転数は、第
二設定回転数Re1 と第一設定回転数Re2 の設定を変
えるだけで、変速クラッチC1の仕様に応じて任意に変
更可能である。
【0099】一方、ステップS114で、前記初期増速
時間Tm0 の経過後(図22のポイントcから)、接続
開始時間Tm1 である15secが経過すると(図22の
ポイントe及びポイントf)、ステップS115で前記
クラッチ断接用油圧回路121にて変速クラッチC1を
接続する。その結果、変速クラッチC1は、フライホイ
ール21,82の慣性力を消費しながら完全に接続さ
れ、その入力側と出力側は同一回転数となる(図22の
ポイントg)。そして、その後、定速度制御された駆動
モータ4の駆動力により、変速クラッチC1の入出力の
回転数は次第に増加して3000rpm に保持される(図
22のポイントh)。
【0100】更に、CPU141はステップS116
で、初期増速時間Tm0の経過後、制動開始時間Tm2
である20sec が経過すると(図22のポイントi)、
ステップS117で駆動モータ4のトルクを負側に転じ
て制動を実行する。したがって、変速クラッチC1の入
出力の回転数は急激に減少し、ステップS118でその
回転数が第一設定回転数Re2 である2500rpm まで
低下すると(図22のポイントj)、ステップS119
でこの2500rpm を目標回転数として駆動モータ4の
回転数を定速度制御する。そして、ステップS120
で、初期増速時間Tm0 の経過後、所要時間Tm3 であ
る80sec が経過すると、ステップS121でカウンタ
nを「+1」インクリメントして、前記ステップS42
に戻る。
【0101】以上の処理により、初期増速の過程と1サ
イクルとが終了し、変速クラッチC1は、入力側と出力
側を異なる回転数で回転駆動された状態で、フライホイ
ール21,82の慣性力を消費しながら接続されたこと
になる。そして、接続時において、変速クラッチC1の
入力側から出力側に伝達されるトルクは、図22に示す
ように推移し、その伝達トルクは前記トルクメータ8に
て検出されて、ディスプレイ表示やプリントアウト等の
種々の形態で採取される。
【0102】一方、CPU141は前記ステップS42
及びステップS43で油温制御を実行し、ステップS4
4でカウンタnが未だ1であり、サイクル数Nとして設
定された15000に達していないため、再びステップ
S101に移行する。そして、このステップS101で
すでに増速完了フラグがセットされているため、ステッ
プS110に移行して変速クラッチC1を遮断し、ステ
ップS111及びステップS112で、そのクラッチC
1の入出力の回転数を第二設定回転数Re1 まで増速し
(図22のポイントd)、その後、前記した場合と同様
に、ステップS113乃至ステップS121の処理(図
22のポイントdからポイントc)を再度実行して2サ
イクル目を終了する。以降は同様に、ステップS110
乃至ステップS121の処理が反復して行なわれ、この
一連のサイクルが15000回繰り返されて、ステップ
S44でカウンタnがサイクル数Nに達すると、試験が
終了したとして、図12に示すステップS8で終了ラン
プ117を点灯させてステップS2に戻る。
【0103】したがって、各サイクルの終了時に、変速
クラッチC1の入出力は停止されずに第一設定回転数R
e2 に保たれ(図22のポイントjからポイントc)、
次回のサイクルでは、その第一設定回転数Re2 から第
二設定回転数Re1 まで増速するだけである(図22の
ポイントcからポイントd)。その結果、第一実施例の
ように、入出力を完全に停止させた後に第二設定回転数
Re1 まで増速させる場合に比較して、必要な仕事量が
減少するとともに、制動・増速に要する時間が短縮され
る。
【0104】このように上記実施例のクラッチの試験装
置、及びその試験装置にて実施される試験方法は、前記
第一実施例と同様に、変速クラッチC1の入力側及び出
力側を共通の駆動モータ4により回転駆動することがで
きるため、試験装置の構成を簡易化して、製造コストと
故障発生率を大幅に低減することができ、かつ、消費電
力を半減して、試験装置の稼働コストを大幅に低減する
ことができる。
【0105】加えて、前記したように、変速クラッチC
1の入出力は、各サイクルの終了時に第一設定回転数R
e2 に保たれるため、次回のサイクルの増速時の仕事量
が大幅に減少し、第一実施例の試験装置に比較して、駆
動モータ4の消費電力を減少させて、試験装置の稼働コ
ストをより一層低減することができるとともに、制動・
増速に要する時間を短縮して、ひいては、一般に長期に
わたる試験時間を大幅に短縮化することができる。
【0106】ところで、上記実施例は、車輌用自動変速
機の湿式の変速クラッチC1を試験する試験装置として
具体化したが、本発明を実施する場合には、これに限定
されるものではなく、クラッチの試験を行なう試験装置
であれば、クラッチの種別は限定されない。したがっ
て、例えば、自動変速機のロックアップクラッチや手動
変速機の乾式クラッチ、或いは工業用のクラッチ等の試
験を行なう試験装置に具体化することも可能である。な
お、公知のように、トルクコンバータに内装された状態
のロックアップクラッチは、遮断時でもトルクコンバー
タの作用で僅かなトルク伝達がなされるため、前記した
ように、入力側を第二設定回転数Re1 まで増速させる
際に、出力側が第一設定回転数Re2 に保たれずに増速
されてしまう可能性がある。したがって、このロックア
ップクラッチを試験する場合には、トルクコンバータ内
から取り出してクラッチ単体で試験を行なう必要があ
る。
【0107】また、上記実施例の回転駆動手段は、駆動
モータ4として構成されているが、本発明を実施する場
合には、これに限定されるものではなく、変速クラッチ
C1の入力側または出力側を回転駆動可能なものであれ
ばよい。したがって、例えば、この回転駆動手段を油圧
モータとして構成してもよい。
【0108】更に、上記実施例の断接駆動手段は、変速
クラッチC1が備えている既存のクラッチピストン47
を利用し、ATFの供給によりそのクラッチピストン4
7を作動させてクラッチC1の断接操作を行なうクラッ
チ断接用油圧回路121として構成されているが、本発
明を実施する場合には、これに限定されるものではな
く、クラッチC1を断接操作可能なものであればよい。
したがって、例えば、この断接駆動手段を油圧アクチュ
エータや電動モータとして構成し、クラッチピストン4
7を利用することなく変速クラッチC1を断接操作する
ようにしてもよい。
【0109】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明のクラッ
チの試験方法は、クラッチを接続する工程と、前記クラ
ッチの一側にトルクを加えて、慣性体と共に一側及び他
側を第一設定回転数で回転駆動する工程と、前記クラッ
チを遮断する工程と、前記クラッチの一側にトルクを加
えて第二設定回転数に変更する工程と、前記クラッチを
接続する工程とを具備するため、クラッチの一側及び他
側が、その一側に加えられたトルクにより任意の異なる
回転数でそれぞれ回転駆動されることから、共通の駆動
源により駆動可能となり、しかも、その駆動源はクラッ
チの一側に接続するだけでよいため、この試験方法が用
いた試験装置の構成を簡易化して、製造コストと故障発
生率を大幅に低減することができ、また、駆動源の稼働
コストを低減して、ひいては、試験装置の稼働コストを
大幅に低減することができる。
【0110】請求項2の発明のクラッチの試験装置は、
クラッチの一側に接続された回転駆動手段と、他側に接
続された慣性体と、前記クラッチを断接操作する断接駆
動手段と、前記断接駆動手段にてクラッチを接続すると
ともに、前記回転駆動手段にてクラッチの一側及び他側
を第一設定回転数で回転駆動し、クラッチを遮断して一
側の回転数を第二設定回転数に変更し、前記クラッチを
接続する試験制御手段とを具備するため、クラッチの一
側及び他側が、共通の回転駆動手段により任意の異なる
回転数でそれぞれ回転駆動され、しかも、その回転駆動
手段はクラッチの一側に接続するだけでよいことから、
試験装置の構成を簡易化して、製造コストと故障発生率
を大幅に低減することができ、また、駆動源の稼働コス
トを低減して、ひいては、試験装置の稼働コストを大幅
に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第一実施例であるクラッチの試
験装置の油圧回路図である。
【図2】図2は本発明の第一実施例であるクラッチの試
験装置の全体構成を示す正面図ある。
【図3】図3は本発明の第一実施例であるクラッチの試
験装置の全体構成を示す平面図である。
【図4】図4は本発明の第一実施例であるクラッチの試
験装置のギアボックスの内部構造を示す平断面図であ
る。
【図5】図5は本発明の第一実施例であるクラッチの試
験装置のトルクメータ及び入力側軸受を示す正面図であ
る。
【図6】図6は本発明の第一実施例であるクラッチの試
験装置の治具ヘッドの支持構造を示す正面図である。
【図7】図7は本発明の第一実施例であるクラッチの試
験装置の出力側軸受を示す正面図である。
【図8】図8は本発明の第一実施例であるクラッチの試
験装置の出力側軸受を示す平面図である。
【図9】図9は本発明の第一実施例であるクラッチの試
験装置の制御盤を示す正面図である。
【図10】図10は本発明の第一実施例であるクラッチ
の試験装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図11】図11は本発明の第一実施例であるクラッチ
の試験装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図12】図12は本発明の第一実施例であるクラッチ
の試験装置におけるCPUが実行するメインルーチンを
示すフローチャートである。
【図13】図13は本発明の第一実施例であるクラッチ
の試験装置におけるCPUが実行する設定処理ルーチン
の詳細を示すフローチャートである。
【図14】図14は本発明の第一実施例であるクラッチ
の試験装置におけるCPUが実行する設定処理ルーチン
の詳細を示すフローチャートである。
【図15】図15は本発明の第一実施例であるクラッチ
の試験装置における液晶表示板の表示を示す説明図であ
る。
【図16】図16は本発明の第一実施例であるクラッチ
の試験装置におけるCPUが実行する試験実行処理ルー
チンの詳細を示すフローチャートである。
【図17】図17は本発明の第一実施例であるクラッチ
の試験装置におけるCPUが実行する試験実行処理ルー
チンの詳細を示すフローチャートである。
【図18】図18は本発明の第一実施例であるクラッチ
の試験装置におけるCPUが実行する油温制御ルーチン
の詳細を示すフローチャートである。
【図19】図19は本発明の第一実施例であるクラッチ
の試験装置の試験時のタイムチャートである。
【図20】図20は本発明の第二実施例であるクラッチ
の試験装置におけるCPUが実行する試験実行処理ルー
チンの詳細を示すフローチャートである。
【図21】図21は本発明の第二実施例であるクラッチ
の試験装置におけるCPUが実行する試験実行処理ルー
チンの詳細を示すフローチャートである。
【図22】図22は本発明の第二実施例であるクラッチ
の試験装置の試験時のタイムチャートである。
【図23】図23は従来のクラッチの試験装置の概略構
成を示す正面図である。
【符号の説明】
4 駆動モータ(回転駆動手段) 82 フライホイール(慣性体) 121 クラッチ断接用油圧回路(断接駆動手段) 141 CPU(試験制御手段) C1 変速クラッチ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クラッチを接続する工程と、 前記クラッチの一側にトルクを加えて、他側に接続され
    た慣性体と共に、クラッチの一側及び他側を予め設定し
    た第一設定回転数で回転駆動する工程と、 前記クラッチを遮断して、前記慣性体と共にクラッチの
    他側を惰性回転させる工程と、 前記クラッチの一側にトルクを加えて、一側の回転数を
    前記第一設定回転数とは異なる第二設定回転数に変更す
    る工程と、 前記クラッチを接続して、一側及び他側の回転差を吸収
    させる工程とを具備することを特徴とするクラッチの試
    験方法。
  2. 【請求項2】 クラッチの一側に接続された回転駆動手
    段と、 前記クラッチの他側に接続された慣性体と、 前記クラッチを断接操作する断接駆動手段と、 前記断接駆動手段にてクラッチを接続するとともに、前
    記回転駆動手段にてクラッチの一側及び他側を予め設定
    した第一設定回転数で回転駆動し、前記断接駆動手段に
    てクラッチを遮断して前記慣性体と共にクラッチの他側
    を惰性回転させ、前記回転駆動手段にてクラッチの一側
    の回転数を前記第一設定回転数とは異なる第二設定回転
    数に変更し、前記クラッチを接続して一側及び他側の回
    転差を吸収させる試験制御手段とを具備することを特徴
    とするクラッチの試験装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006075250A (ja) * 2004-09-07 2006-03-23 Juki Corp ミシンおよびその針駆動力調整方法
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CN113419171A (zh) * 2021-06-15 2021-09-21 金华卓远实业有限公司 一种中置电机耐久测试机

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