JPH0552282A - 流体系の二つの部分を接続する装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】死空間が避けられ差圧が外側から内側に働く、
望ましくは無菌系である、流体系の二つの部分を接続す
るための装置を提供する。 【構成】一方の系統部分たるねじ付きアダプター２は、
他方の系統部分たるハウジング・アダプター５に向けて
半径方向外方に開放する溝２４の中にＯリング３を担持
し、他方の系統部分は、軸方向保持装置によってＯリン
グに押し付けられる。細菌が沈着するかもしれない死空
間を避けるために、Ｏリング、二つの系統部分および軸
方向保持装置によって形成される空間に、周囲への連通
が設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、流体系統、望ましくは
無菌系統の二つの部分を接続するための装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】二つのパイプ部分がユニオンナットによ
って接続される、Ｏリング付き無菌ねじ継手は公知であ
る（ＲＡ ２２８７ ドイツ ＳＵＤＭＯ−Ａｍａｔｕ
ｒｅｎｆａｂｒｉｋ ＧｍｂＨ 製作）。各パイプ部分
は四分円から半円の形状を有する内側円周溝を有し、二
つのパイプ部分がねじ結合状態にある時、二つの溝によ
って形成される空間にＯリングが圧入されるので、Ｏリ
ングの内径が二つのパイプ部分の内径と共にぴったり閉
合する。この無菌継手は、差圧が内側から外側に作用す
る、すなわちパイプ継手の内部の圧力が外側圧力よりも
大きい用途に適している。この無菌継手の密封領域にお
いて、長期間にわたって細菌が沈着するかも知れないよ
うな隙間または空間が存在しない。

【０００３】フィルター要素をパイプ部分に接続するた
めの、ポール社（Ｐａｌｌ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ）
の無菌アダプタも公知であり（二重Ｏリングアダプタ
ー、Ｃｏｄｅ ７、ポール社）、それによれば、フィル
ター要素の接続口が、それぞれ１個のＯリングを受承す
るのに適した２個の半径方向外方溝を口端に有すると共
に、短剣形閉鎖装置のための突起を有する。接続口に接
続されるパイプ部分は、閉鎖状態において接続口の二つ
の溝の開口部に対向して２個のＯリングを圧縮する部分
と共に、短剣形要素を有する。接続口の内径とパイプ部
分の内径はほぼ等しく、接続状態で二つの要素間に小さ
な隙間しか残らない構造になっている。この仕組みは、
差圧が外側から内側に作用する、すなわちアダプターの
内部の圧力が外側圧力よりも小さい用途に適している。
この仕組みの欠点は、空にする、つまり排液することの
できない隙間がＯリングの上方にあること、また殺菌蒸
気が到達できない閉鎖空間が２個のＯリングの間に生ず
ることである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、２個の管状
系統部分の気体または液体継手のための装置であって、
死空間が避けられ、差圧が外側から内側に作用する、装
置を与えることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、流体系
統の二つの部分を接続する装置が特許請求の項に定義さ
れるように与えられる。本発明によるアダプター装置は
無菌系統の系統部品の気体または液体継手に使用するこ
どが望ましい。死空間が無く、細菌から安全な密封を保
証するために、Ｏリングは常に圧縮されれ（殺菌処理の
間でも）、シールの両側への結露が流れ去るこどができ
ることが必要である。この関連において、死空間とは、
アダプター装置の通常の作動中に、流体、例えば結露、
が長時間残ることのできる空間である、と解釈するべき
である。そのような死空間は、細菌が堆積し、また殺菌
手順を受けつけない危険がある。

【０００６】本発明の装置は、外側圧力が装置内部の圧
力よりも高い時に使用されることが望ましい。Ｏリン
グ、系統の２部分および軸方向保持装置によって形成さ
れる空間を周囲に連通させることにより、殺菌の際にこ
の空間は近接可能となり、細菌がそこに溜まることがで
きなくなる。

【０００７】Ｏリングは半径方向に伸長自在であること
が望ましい。これは、例えば、系統部品を接続する時に
Ｏリングが外れたり、接続を行う時にＯリングが誤った
位置になることを防ぐ。

【０００８】いま一つの望ましい実施例において、系統
部分の一つは、系統の他の部分の縁部分または突出する
クラウン部分に対する接触表面として働く外方肩を有す
る。肩と縁またはうね部分とが相互に接触する時、Ｏリ
ングが理想的な弾性領域内に圧縮されるような、部品製
作公差であることが望ましい。

【０００９】装置内部に有利な流れ状態を生ずるため
に、系統の一方の部分は、系統の他方の部分と、少なく
とも他方の部分に近接する領域において、等しい内径を
有することができる。系統の第一の部分の、第二の部分
に近接していない領域の内径は任意である。二つの領域
間の転移は徐々であるべきである。さらに、系統の２部
分間の隙間はできるだけ小さくして、内部の層流の乱れ
をできるだけ少なくすることができる。

【００１０】さらに一つの望ましい実施例において、系
統の一方の部分は他方の部分の上方にほぼ配置される。
そこで、存在する隙間または空間内の液体が重力によっ
て流れ去ることができるように、死空間を避ける装置が
設けられることが望ましい。よって上方系統部分はその
前縁の周囲回りにくぼみを有し、くぼみは系統部分の間
の内方空間からの排液を助け、装置内部の流れができる
だけ乱されないように構成される。これは例えば、みぞ
の断面が内側から外側に向けて、望ましくは双曲線また
は抛物線の形に、傾斜することによって達成される。上
方系統部分の肩に接触するように上方に突き出る下方系
統部分の縁部分には、ほぼＯリングの高さのところに半
径方向の孔が設けられるのが望ましく、この孔は二つの
系統部分とＯリングの間からの流出を可能にする。孔の
軸線もまた傾斜して、この機能をさらに促進することが
望ましい。

【００１１】軸方向保持装置は、のこ歯ねじの付いたユ
ニオンナットとして与えられることが望ましい。のこ歯
ねじは、のこ歯を設けられた要素が、例えば殺菌中の高
い温度で、密封特性、つまり系統部分の相関位置を変え
ることなく、半径方向に膨脹できるようにする。バネ座
金は、シールが損なわれるほどに系統部分が相互から離
れないように保証する。

【００１２】バネ座金は、凝縮流体が或る角度で下方に
流れるような形態を有することが望ましく、接触表面の
領域において、バネ座金の半径方向最外方端に、ユニオ
ンナットに孔が設けられているので、バネ座金を流れ去
る凝縮流体がユニオンナットと系統部分の間の空間から
流れ出ることができる。

【００１３】

【実施例】本発明の、他の利点、特徴および用途が、図
面と関連して、以下の実施例の説明の中で述べられる。

【００１４】図１は、フィルター要素１、系統の一方の
部分としてのねじ付きアダプター２、Ｏリング３、系統
の他方の部分としてのハウジング・アダプター５、バネ
座金７、およびユニオンナット８を示す。

【００１５】矢印Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄは次のように方向を定
義し、Ａは内側を、Ｂは外側を（図の右半分のみについ
て）指す。矢印Ｃ、Ｄは縦方向を示し、Ｃは上方を、Ｄ
は下方を示す。

【００１６】ねじ付きアダプター２は、溶接または接着
などにより、フィルター要素１に取付けられる。ねじ付
きアダプター２は、内径の大きな上方部分２６と内径の
小さな下方部分２７を有する。下方部分２７の内径は、
ハウジング・アダプター５の内径に相当する。上方部分
２６から下方部分２７への転移は徐々に行われる。

【００１７】ねじ付きアダプター２は、傾斜表面が下方
内側から上方外側に延びる、のこ歯形おねじを有する。
僅かに内側に配置されるおねじ２２の下方に、外側に露
出する肩２３が設けられる。肩２３とねじ付きアダプタ
ー２の下端との間に、Ｏリングを受承するための、外側
に半開きの溝２４が設けられる。溝２４の下方うね部分
２５には、その周囲をめぐって間隔を置いてくぼみ２１
が設けられ、くぼみは、例えばＶ形であることができ、
通常、ほぼＯリング３の高さまで上方に延在するが、Ｏ
リングには接触しない。くぼみ２１の内方長さは外方長
さよりも長いので、部分２７の内壁に流れの乱れを生ず
るかどが形成されることがないように、くぼみの形状が
決められる。溝２４の谷は、Ｏリング３の形に相当する
ように形成される、つまり円形の谷の半径はＯリング３
の半径に相当する。ねじ付きアダプター２の、Ｏリング
３の領域における外径は、Ｏリングがねじ付きアダプタ
ー２上に取付けられた時、張力を生ずるように、寸法を
決められている。張力は１〜５％、の範囲、望ましくは
約２％である。

【００１８】下方から上方に見て、ハウジング・アダプ
ター５は、先ず、部分２７の内径に等しい内径の内側表
面をもつ平滑部分を有する。次に内側に向かって開いた
肩５４が有り、その横方向への延在部は、ねじ付きアダ
プター２のうね部分２５よりも幾らか広い。短い縦方向
部分の後に、内側に向かって半開の溝５２が続く。溝５
２の谷領域は、溝２４の谷と同様に、Ｏリング３の半径
に相当する。外方うね５３は、ハウジング・アダプター
５の上端を形成し、縦方向に、肩２３まで延在する。肩
２３は、ハウジング・アダプター５のための接触面また
は停止面を形成する。うね５３には、横方向に配置さ
れ、または上方（外側から内側に見て）に傾斜した孔５
１が設けられ、孔の最低部分はＯリング３の上半分の高
さ、望ましくはＯリング３の中心近くにあって、媒体
（流体）の流出路を与える。装置の中心軸線に垂直な当
たり面５５がハウジング・アダプター５の外側表面に設
けられる。

【００１９】ユニオン８は、ねじ付きアダプター２のお
ねじ２２に対応するのこ歯形めねじ８１と、バネ座金７
が当たり面５５と接触表面８３の間に係合するように配
置された横方向内方接触面８３とを有し、その外周に、
ナット８を回転させるための適当な工具をあてがうこと
のできる縦方向溝８４が設けられる。これは、利用空間
が限られている時、また幾つかの要素が絡んでいる時
に、ナット８を締め付けることができるので、６角ナッ
トよりも有利である。のこ歯ねじ８１の下方のユニオン
８の内周は、ハウジング・アダプター５に接触しないよ
うな形態を有するので、ねじの領域を排液することがで
きる。ユニオンナット８の端末部８５には、幾つかの軸
方向流出口８２が設けられ、それらはバネ座金７を避け
て配置され、ユニオンナット８、バネ座金７、ねじ付き
アダプター２、およびハウジング・アダプター５の間に
形成された空間と周囲との間の連通を与える。

【００２０】２部分から成る無菌系統を組立てる場合、
先ずＯリング３を、前記のように半径方向張力をかけ
て、溝２４に取付ける。半径方向張力は、Ｏリング３
が、例えば重力によってねじ付きアダプター２から滑り
落ちるのを防止する。次に、ハウジング・アダプター５
をユニオンナット８およびバネ座金７と共に下からねじ
付きアダプター２に取付け、ねじ結合する。肩２３とう
ね５３が接触されるまで、ユニオンナットを締め付け
る。ナットが接触するまで締められた時に、１０〜２５
％の理想的弾性領域でＯリング３が動作するような精度
に、構成部品が加工される。このねじ結合は、シールが
ぴったり締まっていない程度までアダプター要素２およ
び５が緩むことがないことを保証する。バネ座金７は、
それに圧縮を与えるねじ結合が緩まない、という事実に
大いに貢献する。のこ歯形輪郭をもつねじを設けること
は、通常合成材で作られるねじ付きアダプター２が、例
えば殺菌中の温度上昇により半径方向に膨脹する時でさ
えも、一定の密封特性を維持するようにする。のこ歯輪
郭の傾斜部分ではなく、横方向部分が軸方向引張り効果
を受け持つことは明らかである。

【００２１】アダプター装置の内部の死空間の減少また
は除去は、内部の流体流れにできるだけ乱れを生じては
ならない、という条件にかかっている。この目的のた
め、ねじ付きアダプター２は、その下方部分２７の内径
がハウジング・アダプター５の内径に相当する形態を有
し、アダプター装置の締め付け状態（接触または停止面
まで下りた状態）では、二つのアダプター要素２および
５の間に小さな隙間しか残らない。それにも拘らず、死
空間をさらに避けるために、ねじ付きアダプター２は、
うね部分２５の周囲をめぐってＶ形くぼみ２１を設けら
れる。うねまたは縁部分２５と肩５４の間のＯリング３
の領域に形成される結露は、従ってくぼみ２１を介して
流れ去ることができる。くぼみは流出を生ずるように形
成され、くぼみの内側の縦方向長さは外側よりも長く、
その間は緩やかに転移する。

【００２２】Ｏリング３、ねじ付きアダプター２、およ
びハウジング・アダプター５の間の領域に死空間を有す
ることの危険性は、ハウジング・アダプター５のうね５
３に流出孔、つまり排液孔５１が設けられ、該孔は、例
えば凝縮水が前記領域から流れ出ることができる、とい
う事実によって排除される。図から判るように、この領
域におけるアダプター構成要素の仕組みは、結露が単純
に重力によって流れ去るような垂直配置（ねじ付きアダ
プターがハウジング・アダプターの上方に配置）になる
ように与えられている。

【００２３】ねじ付きアダプター２、ハウジング・アダ
プター５、バネ座金７、およびユニオンナット８の間に
形成される空間において、流出孔８２とユニオンナット
８とによって死空間が避けられる。すなわち、この領域
の全てのアダプター構成要素もまた、空間内の任意の流
体が単純に重力によって流れ去ることができるように設
計されている。例えば、バネ座金７は流体が流れ去るよ
うに傾斜態様に形成される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のアダプターの実施例の部分断面図であ
る。

【符号の説明】

１ フィルター要素 ２ ねじ付きアダプター ３ Ｏリング ５ ハウジング・アダプター ７ バネ座金 ２１ くぼみ ２２ のこ歯形おねじ ２３ 肩 ２４ 溝 ２５ うね ２６ 上方部分 ２７ 下方部分 ５１ 排液孔 ５２ 溝 ５３ うね ５４ 肩 ５５ 当たり面 ５６ 内面 ８１ のこ歯形めねじ ８２ 流出孔 ８３ 接触面 ８４ 縦方向溝 ８５ 端末部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ホルスト・ランドハーン ドイツ連邦共和国ヴエー−6100 ダルムシ ユタツト−エベルシユタツト，フランケン シユタイナー・シユトラーセ（番地なし） (72)発明者 ウルリヒ・オツト ドイツ連邦共和国ヴエー−6052 ミユール ハイム，レシングシユトラーセ 67

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 望ましくは無菌系である流体系の二つの
   部分（２、５）を接続する装置であって、第一の系統部
   分（２）は、第二の系統部分（５）に向けて半径方向外
   方に開放する溝（２４）の中にＯリング（３）を担持
   し、該第二の系統部品（５）は軸方向保持装置（２２、
   ７、８）によって該Ｏリング（３）に押し付けられ、該
   Ｏリング（３）、二つの系統部品（２、５）および軸方
   向保持装置（２２、７、８）の間に、周囲に対して開放
   する空間が設けられる、装置。
2. 【請求項２】 該Ｏリング（３）は、１〜５％、望まし
   くは約２％の量だけ弾性的に伸長される、請求項１の装
   置。
3. 【請求項３】 該第二の系統部分（５）は、該第一の系
   統部分（２）に向けて半径方向内方に開放して該Ｏリン
   グ（３）を受承する溝（５２）を含み、該溝（５２）の
   外方うね部分（５３）は該Ｏリング（３）の直径よりも
   長く、該第一の系統部分（２）は、該外方うね部分（５
   ３）のための停止面として働く外方半径方向肩（２３）
   を含み、該Ｏリング（３）は理想的弾性領域内で圧縮さ
   れる、請求項１または２の装置。
4. 【請求項４】 該溝（２４）の内方うね部分（２５）の
   内面（２７）は該第二の系統部分（５）の内面（５６）
   と面一（つらいち）である、請求項１ないし３の任意の
   項の装置。
5. 【請求項５】 該第一の系統部分（２）は該第二の系統
   部分（５）の上方にあり、該内方うね部分（２５）は少
   なくとも１個のくぼみ（２１）を含み、該外方うね部分
   （５３）は少なくとも１個のほぼ半径方向の孔（５１）
   を含む、請求項４の装置。
6. 【請求項６】 該軸方向保持装置（２２、７、８）は、
   該第一の系統部分（２）上ののこ歯形おねじ（２２）
   と、のこ歯形めねじ（８１）をもつユニオンナット
   （８）と、接触面（８３）および該第二の系統部分
   （５）の当たり面（５５）に係合するバネ座金（５５）
   と、を含む、請求項１ないし５の任意の項の装置。
7. 【請求項７】 該ユニオンナット（８）は、該接触面
   （８３）の領域に、少なくとも１個のほぼ軸方向の孔
   （８２）を含む、請求項６の装置。