JPH0552062A - 雪の巻き垂れ防止用実験装置 - Google Patents
雪の巻き垂れ防止用実験装置Info
- Publication number
- JPH0552062A JPH0552062A JP23233691A JP23233691A JPH0552062A JP H0552062 A JPH0552062 A JP H0552062A JP 23233691 A JP23233691 A JP 23233691A JP 23233691 A JP23233691 A JP 23233691A JP H0552062 A JPH0552062 A JP H0552062A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- snow
- underframe
- preventing
- fence
- experimental device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
- Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 雪の巻き垂れを防止するための防止手段を現
実に建造物に設置する以前にこの防止手段がどの程度の
巻き垂れ防止効果を有しているかを予め正確に認識する
と共に、防止手段としてどのような構成のものが最適で
あるかを知得できるようにする。 【構成】 上面が積雪面とされて仮想屋根を構成する台
枠1と、この台枠1の上方における積雪面の端部に取付
けられた防止柵3とから実験装置1を構成する。そし
て、防止柵3としては、立設支柱6…6間に複数本のワ
イヤー7…7を横方向に張り渡したものを使用し、また
立設支柱6…6間に網状体8…8を張り渡したものを使
用し、更に立設支柱6…6間に間隔を開けてー対の横架
部材9,9を横方向に架設し且つこのー対の横架部材
9,9間に複数本の連結部材10…10を縦方向に張り
渡したものを使用する。
実に建造物に設置する以前にこの防止手段がどの程度の
巻き垂れ防止効果を有しているかを予め正確に認識する
と共に、防止手段としてどのような構成のものが最適で
あるかを知得できるようにする。 【構成】 上面が積雪面とされて仮想屋根を構成する台
枠1と、この台枠1の上方における積雪面の端部に取付
けられた防止柵3とから実験装置1を構成する。そし
て、防止柵3としては、立設支柱6…6間に複数本のワ
イヤー7…7を横方向に張り渡したものを使用し、また
立設支柱6…6間に網状体8…8を張り渡したものを使
用し、更に立設支柱6…6間に間隔を開けてー対の横架
部材9,9を横方向に架設し且つこのー対の横架部材
9,9間に複数本の連結部材10…10を縦方向に張り
渡したものを使用する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、雪の巻き垂れ防止用実
験装置に係り、詳しくは、積雪屋根の軒先部において主
として発生する雪の巻き垂れ現象の防止に寄与し得る実
験装置に関する。
験装置に係り、詳しくは、積雪屋根の軒先部において主
として発生する雪の巻き垂れ現象の防止に寄与し得る実
験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、多雪地における屋根の積
雪層に関しては、気温、湿度、日射、風速などの環境の
別異に応じて種々の現象が生じるものであり、その一種
として所謂巻き垂れと称せられる現象が生じることがあ
る。この巻き垂れは、図11に示すように、建造物の屋
根Aの上面における積雪層Bが、軒先端部A1で切断落
下することなくその先端に発生したつららB1を伴っ
て、建造物の縦壁面A2に向かって巻き込まれるように
曲成される現象である。このような現象は、図示のよう
に屋根Aが傾斜状の建造物に発生するにとどまらず、屋
根がフラットである建造物についても同様に発生するも
のである。
雪層に関しては、気温、湿度、日射、風速などの環境の
別異に応じて種々の現象が生じるものであり、その一種
として所謂巻き垂れと称せられる現象が生じることがあ
る。この巻き垂れは、図11に示すように、建造物の屋
根Aの上面における積雪層Bが、軒先端部A1で切断落
下することなくその先端に発生したつららB1を伴っ
て、建造物の縦壁面A2に向かって巻き込まれるように
曲成される現象である。このような現象は、図示のよう
に屋根Aが傾斜状の建造物に発生するにとどまらず、屋
根がフラットである建造物についても同様に発生するも
のである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に積雪層の巻き垂れが発生した場合には、軒の折れ、樋
の落下、縦壁の破損、ガラスの割れ、下屋の破損、人身
事故等の弊害を招くばかりでなく、図11に示すよう
に、屋根Aの軒先端部A1上面に氷堤Cが形成され且つ
その直上方に水貯留層Dが生成され、これが原因となっ
て所謂すがもれEの発生を招くこととなる。このため、
前記巻き垂れの発生を未然に防止することは、多雪地に
おける雪害を回避する上で必須不可欠なものとなるので
あるが、巻き垂れが発生するか否かは、気温、湿度、日
射、風速などの環境の別異に応じて決まるものである。
従って、建造物が存する地の環境条件下において巻き垂
れを防止できるか否かを予め認識しておく必要があり、
これを劣った場合には巻き垂れの発生に適切に対処でき
ないこととなる。
に積雪層の巻き垂れが発生した場合には、軒の折れ、樋
の落下、縦壁の破損、ガラスの割れ、下屋の破損、人身
事故等の弊害を招くばかりでなく、図11に示すよう
に、屋根Aの軒先端部A1上面に氷堤Cが形成され且つ
その直上方に水貯留層Dが生成され、これが原因となっ
て所謂すがもれEの発生を招くこととなる。このため、
前記巻き垂れの発生を未然に防止することは、多雪地に
おける雪害を回避する上で必須不可欠なものとなるので
あるが、巻き垂れが発生するか否かは、気温、湿度、日
射、風速などの環境の別異に応じて決まるものである。
従って、建造物が存する地の環境条件下において巻き垂
れを防止できるか否かを予め認識しておく必要があり、
これを劣った場合には巻き垂れの発生に適切に対処でき
ないこととなる。
【0004】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、巻き垂れの発生を防止できるか否か、更には巻き
垂れの発生を確実に防止できることを確認するための実
験装置を提供して、巻き垂れによる種々の弊害防止に寄
与し得るようにすることを技術的課題とするものであ
る。
あり、巻き垂れの発生を防止できるか否か、更には巻き
垂れの発生を確実に防止できることを確認するための実
験装置を提供して、巻き垂れによる種々の弊害防止に寄
与し得るようにすることを技術的課題とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
べくなされた本発明に係る実験装置は、上面が積雪面と
されて仮想屋根を構成する台枠と、該台枠の上方におけ
る積雪面の端部に取付けられた防止柵とを有するもので
ある。そして、前記防止柵の具体例は、台枠の上部に固
設された立設支柱間に複数本の張架条体を間隔を開けて
横方向に張り渡したものであってもよく、また立設支柱
間に網状体を張り渡したものであってもよく、更には立
設支柱間に上下に間隔を開けて少なくともー対の横架部
材を架設し且つ一対の横架部材間に複数本の連結部材を
縦方向に張り渡したものであってもよい。
べくなされた本発明に係る実験装置は、上面が積雪面と
されて仮想屋根を構成する台枠と、該台枠の上方におけ
る積雪面の端部に取付けられた防止柵とを有するもので
ある。そして、前記防止柵の具体例は、台枠の上部に固
設された立設支柱間に複数本の張架条体を間隔を開けて
横方向に張り渡したものであってもよく、また立設支柱
間に網状体を張り渡したものであってもよく、更には立
設支柱間に上下に間隔を開けて少なくともー対の横架部
材を架設し且つ一対の横架部材間に複数本の連結部材を
縦方向に張り渡したものであってもよい。
【0006】
【作用】上記の実験装置を多雪地の環境条件下に放置し
ておけば、仮想屋根を構成する台枠の上面に積雪層が形
成され、この積雪層が前記上面の端部より外方に向かっ
てせり出した場合には、せり出し部分の自重により防止
柵面に剪断力が生じ、これによりせり出し部分が切断さ
れて早期に落下する。また、防止柵自体は日射や気温等
の影響を受けて温度上昇するものであるため、積雪層の
防止柵との接触部分は溶かされることとなり、これによ
りせり出し部分の早期切断が助長する。従って、積雪層
の巻き垂れはその発生初期段階において消失することと
なる。この場合、防止柵が複数本の張架条体を横方向に
張り渡したものである場合には、張架条体の配設ピッチ
を適宜変化させることにより、いかなる配設ピッチとす
れば巻き垂れ防止及び低コスト化を図るために最適であ
るかを知得することができ、また防止柵が網状体である
場合には、いかなる網目の大きさが最適であるかを知得
でき、更に防止柵が複数本の連結部材を縦方向に張り渡
したものである場合には、いかなる配設ピッチとするの
が最適であるかを知得できることとなる。
ておけば、仮想屋根を構成する台枠の上面に積雪層が形
成され、この積雪層が前記上面の端部より外方に向かっ
てせり出した場合には、せり出し部分の自重により防止
柵面に剪断力が生じ、これによりせり出し部分が切断さ
れて早期に落下する。また、防止柵自体は日射や気温等
の影響を受けて温度上昇するものであるため、積雪層の
防止柵との接触部分は溶かされることとなり、これによ
りせり出し部分の早期切断が助長する。従って、積雪層
の巻き垂れはその発生初期段階において消失することと
なる。この場合、防止柵が複数本の張架条体を横方向に
張り渡したものである場合には、張架条体の配設ピッチ
を適宜変化させることにより、いかなる配設ピッチとす
れば巻き垂れ防止及び低コスト化を図るために最適であ
るかを知得することができ、また防止柵が網状体である
場合には、いかなる網目の大きさが最適であるかを知得
でき、更に防止柵が複数本の連結部材を縦方向に張り渡
したものである場合には、いかなる配設ピッチとするの
が最適であるかを知得できることとなる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本発明に係る実験装置の大要は、図1乃至図3に
示すような台枠2の上方に、図4乃至図6に示すような
防止柵3を取付けたものである。図1は、台枠2の一例
を示すものであって、この台枠2は、鉄骨等の部材を組
み立ててなる組立枠体4の上方に、上面が積雪面とされ
た板材5,5をフラットな状態で載置固定したものであ
り、これにより仮想フラット屋根を構成したものであ
る。この場合、台枠2の高さLは、実験地の積雪量を考
慮して決定されるものであって、雪に埋もれない高さに
する必要がある。また、台枠2における組立枠体4の骨
材4a…4aは、積雪荷重に充分耐え得るものとする必
要があり、組立枠体4の脚材4b,4bは、強風等の影
響を受けても台枠2が倒れないようにするものである必
要があり、更に組立枠体4にブレース4c…4cを配置
して横力に対して充分な剛性を有するようにする必要が
ある。図2は、上記と同様の組立枠体4の上方に、上面
が積雪面とされた板材5,5を傾斜状に載置固定したも
のであり、これにより仮想切妻屋根を構成したものであ
る。この場合、板材5,5の外側両端を組立枠体4に回
動可能に連結して、図1に示す状態と図2に示す状態と
の相互変換を可能ならしめるようにしてもよい。図3
は、上記と同様の組立枠体4の上方に、四方より四枚の
板材5…5を傾斜状に載置固定したものであり、これに
より仮想寄せ棟屋根を構成したものである。
する。本発明に係る実験装置の大要は、図1乃至図3に
示すような台枠2の上方に、図4乃至図6に示すような
防止柵3を取付けたものである。図1は、台枠2の一例
を示すものであって、この台枠2は、鉄骨等の部材を組
み立ててなる組立枠体4の上方に、上面が積雪面とされ
た板材5,5をフラットな状態で載置固定したものであ
り、これにより仮想フラット屋根を構成したものであ
る。この場合、台枠2の高さLは、実験地の積雪量を考
慮して決定されるものであって、雪に埋もれない高さに
する必要がある。また、台枠2における組立枠体4の骨
材4a…4aは、積雪荷重に充分耐え得るものとする必
要があり、組立枠体4の脚材4b,4bは、強風等の影
響を受けても台枠2が倒れないようにするものである必
要があり、更に組立枠体4にブレース4c…4cを配置
して横力に対して充分な剛性を有するようにする必要が
ある。図2は、上記と同様の組立枠体4の上方に、上面
が積雪面とされた板材5,5を傾斜状に載置固定したも
のであり、これにより仮想切妻屋根を構成したものであ
る。この場合、板材5,5の外側両端を組立枠体4に回
動可能に連結して、図1に示す状態と図2に示す状態と
の相互変換を可能ならしめるようにしてもよい。図3
は、上記と同様の組立枠体4の上方に、四方より四枚の
板材5…5を傾斜状に載置固定したものであり、これに
より仮想寄せ棟屋根を構成したものである。
【0008】そして、これらの台枠2の上方に防止柵3
を取付けることにより、図4乃至図6に示すような実験
装置1を製作するのであるが、ここでは便宜上、図1に
示す台枠2の上方に防止柵3を取付けた実験装置1のみ
を図示することとし、図2及び図3に示す台枠2を有す
る実験装置についても同様の構成であるので、その図示
を省略する。図4に示す実験装置1の防止柵3は、台枠
2の上方における四隅部に立設支柱6…6を固定し、こ
れらの立設支柱6…6間に複数本のワイヤー(張架条
体)7…7を所定ピッチで横方向に張り渡したものであ
る。従って、積雪層が形成される板材5,5の上方空間
は、所定高さ位置までワイヤー7…7で取り囲まれた状
態となっている。尚、立設支柱6…6の配設箇所は、台
枠2上方の四隅部に限られるものではなく、四隅部に加
えてこれらの中間部に固定するようにしてもよい(以下
に示すものについても同様)。図5に示す実験装置1の
防止柵3は、上記と同様に台枠2の上方四隅部に固定し
た立設支柱6…6間に、所定の大きさの網目を有する網
状体8…8を張り渡したものである。従って、この場合
においても、積雪層が形成される板材5,5の上方空間
は、所定高さ位置まで網状体8…8で取り囲まれた状態
となっている。図6に示す実験装置1の防止柵3は、台
枠2の上方四隅部に固定した立設支柱6…6間の上下両
端に横方向に延びる横架部材9,9を架設し且つこの横
架部材9,9間に縦方向に延びる複数本の連結部材10
…10を張り渡したものである。従って、この場合にお
いても、積雪層が形成される板材5,5の上方空間は、
所定高さ位置まで複数本の連結部材10…10で取り囲
まれた状態となっている。
を取付けることにより、図4乃至図6に示すような実験
装置1を製作するのであるが、ここでは便宜上、図1に
示す台枠2の上方に防止柵3を取付けた実験装置1のみ
を図示することとし、図2及び図3に示す台枠2を有す
る実験装置についても同様の構成であるので、その図示
を省略する。図4に示す実験装置1の防止柵3は、台枠
2の上方における四隅部に立設支柱6…6を固定し、こ
れらの立設支柱6…6間に複数本のワイヤー(張架条
体)7…7を所定ピッチで横方向に張り渡したものであ
る。従って、積雪層が形成される板材5,5の上方空間
は、所定高さ位置までワイヤー7…7で取り囲まれた状
態となっている。尚、立設支柱6…6の配設箇所は、台
枠2上方の四隅部に限られるものではなく、四隅部に加
えてこれらの中間部に固定するようにしてもよい(以下
に示すものについても同様)。図5に示す実験装置1の
防止柵3は、上記と同様に台枠2の上方四隅部に固定し
た立設支柱6…6間に、所定の大きさの網目を有する網
状体8…8を張り渡したものである。従って、この場合
においても、積雪層が形成される板材5,5の上方空間
は、所定高さ位置まで網状体8…8で取り囲まれた状態
となっている。図6に示す実験装置1の防止柵3は、台
枠2の上方四隅部に固定した立設支柱6…6間の上下両
端に横方向に延びる横架部材9,9を架設し且つこの横
架部材9,9間に縦方向に延びる複数本の連結部材10
…10を張り渡したものである。従って、この場合にお
いても、積雪層が形成される板材5,5の上方空間は、
所定高さ位置まで複数本の連結部材10…10で取り囲
まれた状態となっている。
【0009】次に、上記実施例の作用について説明す
る。先ず図4に示す実験装置1を多雪地における環境条
件下に放置した場合には、台枠2の板材5,5上方に雪
が積もり積雪層が形成されるが、この積雪層は、自重に
よる影響或いは風の影響などを受けて時間経過に伴って
水平方向に成長する。そして、図7に示すように、積雪
層Xが防止柵3のワイヤー7…7より外方へせり出すこ
とになるが、この場合、積雪層Xのせり出し部分X1の
自重により、ワイヤー7…7の配設位置である仮想線Z
で示す部分に剪断力が生じ、これに起因してせり出し部
分X1が図8に示すように下方に落下する。これは、積
雪層Xの特性が剪断力に対して充分な強度を有していな
いという理由によるものであって、主として雪が柔かく
而も脆いという特性を有していることによるものであ
る。また、ワイヤー7…7は日射や気温等の影響を受け
て温度上昇するものであるため、積雪層Xにおけるワイ
ヤー7…7との接触部分は溶かされることとなり、これ
によりせり出し部分X1の早期切断が助長される。従っ
て、積雪層Xがワイヤー7…7より外方に向かって成長
しようとしても、この成長には限界があり、僅かなせり
出し部分X1が生成された時点で、ワイヤー7…7の切
断作用によりせり出し部分X1が落下し、既述の図11
に示すような巻き垂れの発生に至るまで成長することは
ない。そして、上記のせり出し部分X1がいかなる程度
まで成長した時点で切断落下するかは、ワイヤー7…7
の太さや配設ピッチによるところが大きく、従って、こ
れらの要素を可変設定して実験を行うことにより、経済
面をも考慮して最適なものを見い出すことが可能であ
る。
る。先ず図4に示す実験装置1を多雪地における環境条
件下に放置した場合には、台枠2の板材5,5上方に雪
が積もり積雪層が形成されるが、この積雪層は、自重に
よる影響或いは風の影響などを受けて時間経過に伴って
水平方向に成長する。そして、図7に示すように、積雪
層Xが防止柵3のワイヤー7…7より外方へせり出すこ
とになるが、この場合、積雪層Xのせり出し部分X1の
自重により、ワイヤー7…7の配設位置である仮想線Z
で示す部分に剪断力が生じ、これに起因してせり出し部
分X1が図8に示すように下方に落下する。これは、積
雪層Xの特性が剪断力に対して充分な強度を有していな
いという理由によるものであって、主として雪が柔かく
而も脆いという特性を有していることによるものであ
る。また、ワイヤー7…7は日射や気温等の影響を受け
て温度上昇するものであるため、積雪層Xにおけるワイ
ヤー7…7との接触部分は溶かされることとなり、これ
によりせり出し部分X1の早期切断が助長される。従っ
て、積雪層Xがワイヤー7…7より外方に向かって成長
しようとしても、この成長には限界があり、僅かなせり
出し部分X1が生成された時点で、ワイヤー7…7の切
断作用によりせり出し部分X1が落下し、既述の図11
に示すような巻き垂れの発生に至るまで成長することは
ない。そして、上記のせり出し部分X1がいかなる程度
まで成長した時点で切断落下するかは、ワイヤー7…7
の太さや配設ピッチによるところが大きく、従って、こ
れらの要素を可変設定して実験を行うことにより、経済
面をも考慮して最適なものを見い出すことが可能であ
る。
【0010】一方、図5に示す実験装置1による場合に
は、防止柵3が網状体8…8であるため、上記ワイヤー
7…7によるものよりも、せり出し部分X1の成長を早
期に消失できるものであることが判明しているが、その
一方において、吹き溜り効果による積雪量の増加やコス
ト高等を招くものであるため、総合的に考慮した上で要
望に応じてワイヤーによるものとの選択を行えばよいこ
ととなる。また、この場合においても、網状体8のピッ
チ(網目の大きさ)がせり出し部分X1の切断作用に影
響を与えるものであるため、このピッチを可変設定して
実験を行っておく必要がある。
は、防止柵3が網状体8…8であるため、上記ワイヤー
7…7によるものよりも、せり出し部分X1の成長を早
期に消失できるものであることが判明しているが、その
一方において、吹き溜り効果による積雪量の増加やコス
ト高等を招くものであるため、総合的に考慮した上で要
望に応じてワイヤーによるものとの選択を行えばよいこ
ととなる。また、この場合においても、網状体8のピッ
チ(網目の大きさ)がせり出し部分X1の切断作用に影
響を与えるものであるため、このピッチを可変設定して
実験を行っておく必要がある。
【0011】また、図6に示す実験装置1による場合に
は、せり出し部分X1の成長を早期に消失させるという
点においては上記二例よりも劣るものであるが、防止柵
3が頑丈であるために長期使用に耐え得るという利点を
有しており、総合的な検討を行った上で要望に応じて上
記二例との選択を行えばよいこととなる。
は、せり出し部分X1の成長を早期に消失させるという
点においては上記二例よりも劣るものであるが、防止柵
3が頑丈であるために長期使用に耐え得るという利点を
有しており、総合的な検討を行った上で要望に応じて上
記二例との選択を行えばよいこととなる。
【0012】尚、図9及び図10に示すように、台枠2
上部の板材5が傾斜状となっている場合にも、上記と同
様にして積雪層Xのせり出し部分X1が適度な成長段階
で切断落下することとなり、同様の作用効果が得られる
ことは言うまでもない。
上部の板材5が傾斜状となっている場合にも、上記と同
様にして積雪層Xのせり出し部分X1が適度な成長段階
で切断落下することとなり、同様の作用効果が得られる
ことは言うまでもない。
【0013】以上の実施例で示した実験装置1によれ
ば、実際に住宅を対象とした実験を行う前に、積雪層に
関する種々の傾向が把握できると共に、装置1自体が安
価であるので、種々の設定に対する実験を容易に行える
こととなる。更に、装置1の部材構成が単純であるの
で、一つの装置1で種々の組替えができると共に、装置
1の移動及び解体が簡便に行えることとなる。
ば、実際に住宅を対象とした実験を行う前に、積雪層に
関する種々の傾向が把握できると共に、装置1自体が安
価であるので、種々の設定に対する実験を容易に行える
こととなる。更に、装置1の部材構成が単純であるの
で、一つの装置1で種々の組替えができると共に、装置
1の移動及び解体が簡便に行えることとなる。
【0014】また、以上の実施例における防止柵3の構
成要素であるワイヤー7等としては、単なる金属線や樹
脂線或いはガラス繊維線等を使用するに限らず、電熱線
等を使用して積雪層Xを加熱切断或いは融雪するように
してもよく、またワイヤー7等に振動を与える手段を付
加して積雪層Xのせり出し部分X1をより早期に切断落
下させるようにしてもよい。
成要素であるワイヤー7等としては、単なる金属線や樹
脂線或いはガラス繊維線等を使用するに限らず、電熱線
等を使用して積雪層Xを加熱切断或いは融雪するように
してもよく、またワイヤー7等に振動を与える手段を付
加して積雪層Xのせり出し部分X1をより早期に切断落
下させるようにしてもよい。
【0015】
【発明の効果】以上のように本発明に係る雪の巻き垂れ
防止用実験装置によれば、台枠の上面に形成された積雪
層が防止柵より外方にせり出した場合には、防止柵の作
用によりせり出し部分が切断落下し、このせり出し部分
が巻き垂れの発生に至るまで成長しなくなると共に、環
境条件の別異に応じてどの程度の巻き垂れ防止効果が得
られるかを予め正確に認識できるばかりでなく、防止柵
としてどのような構成のものが最適であるかを知得でき
ることとなり、更には実際に住宅を対象とした実験を行
う前に巻き垂れを防止し得る傾向を把握できることとな
る。
防止用実験装置によれば、台枠の上面に形成された積雪
層が防止柵より外方にせり出した場合には、防止柵の作
用によりせり出し部分が切断落下し、このせり出し部分
が巻き垂れの発生に至るまで成長しなくなると共に、環
境条件の別異に応じてどの程度の巻き垂れ防止効果が得
られるかを予め正確に認識できるばかりでなく、防止柵
としてどのような構成のものが最適であるかを知得でき
ることとなり、更には実際に住宅を対象とした実験を行
う前に巻き垂れを防止し得る傾向を把握できることとな
る。
【図1】台枠の第1の例を示す斜視図である。
【図2】台枠の第2の例を示す斜視図である。
【図3】台枠の第3の例を示す斜視図である。
【図4】実験装置の第1の例を示す斜視図である。
【図5】実験装置の第2の例を示す斜視図である。
【図6】実験装置の第3の例を示す斜視図である。
【図7】実験装置に積雪層が形成された状態を示す要部
拡大縦断正面図である。
拡大縦断正面図である。
【図8】実験装置の作用を示す要部拡大縦断正面図であ
る。
る。
【図9】実験装置に積雪層が形成された状態を示す要部
拡大縦断正面図である。
拡大縦断正面図である。
【図10】実験装置の作用を示す要部拡大縦断正面図で
ある。
ある。
【図11】従来の問題点を示す要部縦断正面図である。
1 実験装置 2 台枠 3 防止柵 5 積雪面を有する板材 6 立設支柱 7 張架条体(ワイヤー) 8 網状体 9 横架部材 10 連結部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中込 忠男 長野県長野市花咲町1237
Claims (4)
- 【請求項1】 上面が積雪面とされて仮想屋根を構成す
る台枠と、該台枠の上方における積雪面の端部に取付け
られた防止柵とを有することを特徴とする雪の巻き垂れ
防止用実験装置。 - 【請求項2】 防止柵が、台枠の上部に固設された立設
支柱間に複数本の張架条体を間隔を開けて横方向に張り
渡したものであることを特徴とする請求項1に記載の雪
の巻き垂れ防止用実験装置。 - 【請求項3】 防止柵が、台枠の上部に固設された立設
支柱間に網状体を張り渡したものであることを特徴とす
る請求項1に記載の雪の巻き垂れ防止用実験装置。 - 【請求項4】 防止柵が、台枠の上部に固設された立設
支柱間に上下に間隔を開けて少なくともー対の横架部材
を横方向に架設し且つ一対の横架部材間に複数本の連結
部材を縦方向に張り渡したものであることを特徴とする
請求項1に記載の雪の巻き垂れ防止用実験装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03232336A JP3131700B2 (ja) | 1991-08-19 | 1991-08-19 | 雪の巻き垂れ防止用実験装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03232336A JP3131700B2 (ja) | 1991-08-19 | 1991-08-19 | 雪の巻き垂れ防止用実験装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0552062A true JPH0552062A (ja) | 1993-03-02 |
JP3131700B2 JP3131700B2 (ja) | 2001-02-05 |
Family
ID=16937606
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03232336A Expired - Fee Related JP3131700B2 (ja) | 1991-08-19 | 1991-08-19 | 雪の巻き垂れ防止用実験装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3131700B2 (ja) |
-
1991
- 1991-08-19 JP JP03232336A patent/JP3131700B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3131700B2 (ja) | 2001-02-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8281524B2 (en) | Stackable flat-roof/ground framework for solar panels | |
JP2006515392A (ja) | 特に融雪又は融氷のための樋を被覆する防護材又は網状材への熱の利用 | |
JP2015226413A (ja) | 太陽光発電用の反射装置、太陽光発電設備、太陽光発電設備の改良方法、太陽光発電方法 | |
US4065103A (en) | Fence attachment | |
JPH0552062A (ja) | 雪の巻き垂れ防止用実験装置 | |
JPH0552063A (ja) | 雪の巻き垂れ防止方法 | |
JPH09279782A (ja) | 湾曲網目体を有する雨樋 | |
JP3182488B2 (ja) | 太陽電池パネルを備えた屋根構造 | |
JP2566487Y2 (ja) | 雪留め用屋根構造 | |
JP2566488Y2 (ja) | 通路側方の雪留め及び巻き垂れ防止構造 | |
JP4295155B2 (ja) | 防雪柵 | |
JPH041210Y2 (ja) | ||
JPH0517027U (ja) | 雪の巻き垂れ防止用屋根構造 | |
JP4928225B2 (ja) | 屋上の防水構造 | |
JP7517059B2 (ja) | 防雪換気棟構造及び防雪換気棟構造の施工方法 | |
JP2975976B2 (ja) | 雪の巻き垂れ防止方法 | |
JPH0473309B2 (ja) | ||
JP2002235413A (ja) | 落雪防止屋根構造 | |
CN208028851U (zh) | 一种屋面光伏电站逆变器固定支架结构 | |
JPH0543021B2 (ja) | ||
JP3166109U (ja) | 雪庇防止構造体 | |
JP6688067B2 (ja) | ケラバ化粧材 | |
JPS6123050Y2 (ja) | ||
JP2514045Y2 (ja) | パ―ゴラ | |
JP3939411B2 (ja) | 屋根 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |