JPH0551748A - 有機金属化学気相成長法による酸化物超伝導薄膜の作製方法 - Google Patents
有機金属化学気相成長法による酸化物超伝導薄膜の作製方法Info
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- JPH0551748A JPH0551748A JP3230910A JP23091091A JPH0551748A JP H0551748 A JPH0551748 A JP H0551748A JP 3230910 A JP3230910 A JP 3230910A JP 23091091 A JP23091091 A JP 23091091A JP H0551748 A JPH0551748 A JP H0551748A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 有機金属化学気相成長法の改善で、基板上に
酸化物超伝導薄膜を形成する際、基板の加熱温度を低下
可能にして、良質な酸化物超伝導薄膜を得る。 【構成】 反応管5内に有機金属原料ガス4a、4b、
4cと酸化ガスG2を導入し、これにマイクロ波発生源
13によるプラズマを印加して、上記各ガスを分解する
ことで夫々の金属原子と酸素の遊離基を得る。次でこれ
ら遊離基の反応で得られた原料金属酸化物を、反応管5
内の下流側に設け、かつ所要加熱温度とした基板11に
流当させて酸化物超伝導薄膜の結晶化を行う。 【効果】 基板に必要な熱エネルギが、上記結晶化に入
用な分だけですみ、基板の加熱温度を低くできること
で、基板と酸化物超伝導薄膜間の相互拡散現象が生じな
くなり、特製良質の酸化物超伝導薄膜の作製が実現され
る。
酸化物超伝導薄膜を形成する際、基板の加熱温度を低下
可能にして、良質な酸化物超伝導薄膜を得る。 【構成】 反応管5内に有機金属原料ガス4a、4b、
4cと酸化ガスG2を導入し、これにマイクロ波発生源
13によるプラズマを印加して、上記各ガスを分解する
ことで夫々の金属原子と酸素の遊離基を得る。次でこれ
ら遊離基の反応で得られた原料金属酸化物を、反応管5
内の下流側に設け、かつ所要加熱温度とした基板11に
流当させて酸化物超伝導薄膜の結晶化を行う。 【効果】 基板に必要な熱エネルギが、上記結晶化に入
用な分だけですみ、基板の加熱温度を低くできること
で、基板と酸化物超伝導薄膜間の相互拡散現象が生じな
くなり、特製良質の酸化物超伝導薄膜の作製が実現され
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はSiやGaAsなどの半
導体、SrTiO3 等による所望基板上に、Y−Ba−
Cu−O系等の酸化物超伝導薄膜を、有機金属化学気相
成長法(MOCVD法)によって作製するための方法に
関する。
導体、SrTiO3 等による所望基板上に、Y−Ba−
Cu−O系等の酸化物超伝導薄膜を、有機金属化学気相
成長法(MOCVD法)によって作製するための方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】現用されているMOCVD法による酸化
物超伝導薄膜の作製は、既知の通り下流側において排気
されている反応管内に、その上流側からAr等によるキ
ャリアガスにより所要数種の有機金属原料ガスと、O2
やN2 O等による酸化ガスを流入し、これらのガスを反
応管の下流側に設けられたサセプタに載置され、かつ、
所望熱源により所要温度に加熱された基板に流当させ、
これにより酸化物超伝導薄膜の結晶化による成長を促す
ようにしている。
物超伝導薄膜の作製は、既知の通り下流側において排気
されている反応管内に、その上流側からAr等によるキ
ャリアガスにより所要数種の有機金属原料ガスと、O2
やN2 O等による酸化ガスを流入し、これらのガスを反
応管の下流側に設けられたサセプタに載置され、かつ、
所望熱源により所要温度に加熱された基板に流当させ、
これにより酸化物超伝導薄膜の結晶化による成長を促す
ようにしている。
【0003】しかし、上記のMOCVD法にあっては、
通常良質の酸化物超伝導薄膜を形成しようとすると、基
板を800℃以上の温度に加熱しておくことが必要条件
とされている。ところが、800℃以上の加熱下にあっ
ては、基板と酸化物超伝導薄膜との間に、相互拡散現
象、すなわち基板成分、当該超伝導薄膜の各成分が互い
に拡散し合うこととなり、このことが当該超伝導薄膜の
特性を悪化させることとなる。
通常良質の酸化物超伝導薄膜を形成しようとすると、基
板を800℃以上の温度に加熱しておくことが必要条件
とされている。ところが、800℃以上の加熱下にあっ
ては、基板と酸化物超伝導薄膜との間に、相互拡散現
象、すなわち基板成分、当該超伝導薄膜の各成分が互い
に拡散し合うこととなり、このことが当該超伝導薄膜の
特性を悪化させることとなる。
【0004】上記の現象は、特にSiやGaAsなどの
半導体を基板として用いたときに顕著となっており、こ
の結果、良質な酸化物超伝導薄膜が得られさえすれば、
半導体エレクトロニクスに超伝導技術を組み込んだ新し
い応用が沢山考えられているにも拘らず、これが実現し
得ないという現況にある。
半導体を基板として用いたときに顕著となっており、こ
の結果、良質な酸化物超伝導薄膜が得られさえすれば、
半導体エレクトロニクスに超伝導技術を組み込んだ新し
い応用が沢山考えられているにも拘らず、これが実現し
得ないという現況にある。
【0005】そこで、既知のスパッタリング法やレーザ
ー蒸着法では、600℃〜650℃といった比較的低い
基板温度で良好な超伝導薄膜が得られているのに拘ら
ず、熱分解による上記MOCVD法では、良好な超伝導
薄膜を得るのに、前記の如く800℃といった基板温度
が何故必要なのかについて検討を加えた。
ー蒸着法では、600℃〜650℃といった比較的低い
基板温度で良好な超伝導薄膜が得られているのに拘ら
ず、熱分解による上記MOCVD法では、良好な超伝導
薄膜を得るのに、前記の如く800℃といった基板温度
が何故必要なのかについて検討を加えた。
【0006】その結果スパッタリング法やレーザー蒸発
法にあっては、周知の如くターゲットとして酸化物を用
いることが多く、従って、基板に流当する原料分子は酸
化物であるから、当該配化物の結晶化のために必要なエ
ネルギだけを、基板に対し熱エネルギとして与えてやれ
ばよいわけで、このような理由から、前記の如く600
℃〜650℃といった比較的低い基板温度で目的を達し
得ると考えられる。
法にあっては、周知の如くターゲットとして酸化物を用
いることが多く、従って、基板に流当する原料分子は酸
化物であるから、当該配化物の結晶化のために必要なエ
ネルギだけを、基板に対し熱エネルギとして与えてやれ
ばよいわけで、このような理由から、前記の如く600
℃〜650℃といった比較的低い基板温度で目的を達し
得ると考えられる。
【0007】これに対し、MOCVD法によるときは、
最終的に超伝導の結晶構造を成長させるため、どうして
も有機金属原料ガスを先ず分解してやらねばならず、次
に、これにより得られた金属元素は酸化しなければなら
ず、さらに、これにより得られた当該原料金属酸化物を
結晶化するといった3段階の工程を経なければならない
のであって、それだけに大きなエネルギを要することと
なるから、当然基板は800℃に加熱してやらねばなら
ないことになるのである。
最終的に超伝導の結晶構造を成長させるため、どうして
も有機金属原料ガスを先ず分解してやらねばならず、次
に、これにより得られた金属元素は酸化しなければなら
ず、さらに、これにより得られた当該原料金属酸化物を
結晶化するといった3段階の工程を経なければならない
のであって、それだけに大きなエネルギを要することと
なるから、当然基板は800℃に加熱してやらねばなら
ないことになるのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の如き問
題点につき検討の結果、800℃といった高温の加熱エ
ネルギを基板に与えてしまうことなく、基板に対しては
600℃程度の低い温度の加熱によって、原料金属酸化
物の結晶化に必要なだけの熱エネルギを与えるように
し、残余のエネルギである有機金属原料ガスの分解と、
これにより得られた金属原子の酸化に要するエネルギ
は、結晶化の前工程にあって、マイクロ波発生源を適所
に設置することで、当該マイクロ波によるプラズマによ
って賄うようにし、このことにより、基板の過度な加熱
による前記の相互拡散現象の発生を阻止し、良質な酸化
物超伝導薄膜の成長を可能としようとするのが、その応
用範囲を大きく拡げ得るようにするのが、その目的であ
る。
題点につき検討の結果、800℃といった高温の加熱エ
ネルギを基板に与えてしまうことなく、基板に対しては
600℃程度の低い温度の加熱によって、原料金属酸化
物の結晶化に必要なだけの熱エネルギを与えるように
し、残余のエネルギである有機金属原料ガスの分解と、
これにより得られた金属原子の酸化に要するエネルギ
は、結晶化の前工程にあって、マイクロ波発生源を適所
に設置することで、当該マイクロ波によるプラズマによ
って賄うようにし、このことにより、基板の過度な加熱
による前記の相互拡散現象の発生を阻止し、良質な酸化
物超伝導薄膜の成長を可能としようとするのが、その応
用範囲を大きく拡げ得るようにするのが、その目的であ
る。
【0009】請求項2では、上記請求項1にあって基板
の温度を600℃程度以下とすることで、前記の基板と
酸化物超伝導薄膜間の相互拡散を絶滅し、よりよい特性
の超伝導薄膜を得ようとしている。
の温度を600℃程度以下とすることで、前記の基板と
酸化物超伝導薄膜間の相互拡散を絶滅し、よりよい特性
の超伝導薄膜を得ようとしている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため請求項1にあっては下流側において排気され
ている石英製等の反応管内に、その上流側における流入
口から、キャリアガスによる所要数種の有機金属原料ガ
スと、酸化ガスとを流入させ、当該反応管の上流側に臨
設したマイクロ波発生源によるプラズマによって、上記
の各有機金属原料ガスを分解して金属原子の遊離基を形
成すると共に、前記酸化ガスを活性化させることで、当
該金属原子による原料金属酸化物を得、これを、反応管
内の下流側に設けられているサセプタに設置され、所望
熱源により所要温度に加熱されている基板に流当させる
ことで、これに酸化物超伝導薄膜が成長されるようにし
たことを特徴とする有機金属化学気相成長法による酸化
物超伝導薄膜の作製方法を提供しようとしている。
成するため請求項1にあっては下流側において排気され
ている石英製等の反応管内に、その上流側における流入
口から、キャリアガスによる所要数種の有機金属原料ガ
スと、酸化ガスとを流入させ、当該反応管の上流側に臨
設したマイクロ波発生源によるプラズマによって、上記
の各有機金属原料ガスを分解して金属原子の遊離基を形
成すると共に、前記酸化ガスを活性化させることで、当
該金属原子による原料金属酸化物を得、これを、反応管
内の下流側に設けられているサセプタに設置され、所望
熱源により所要温度に加熱されている基板に流当させる
ことで、これに酸化物超伝導薄膜が成長されるようにし
たことを特徴とする有機金属化学気相成長法による酸化
物超伝導薄膜の作製方法を提供しようとしている。
【0011】さらに請求項2では上記の請求項1におけ
る作製方法にあって、反応管内における基板の温度が6
00℃程度以下となるよう加熱して、当該基板と成長す
る超伝導薄膜との間における相互拡散現象が実質的に生
じないようにしたことを、その内容としている。
る作製方法にあって、反応管内における基板の温度が6
00℃程度以下となるよう加熱して、当該基板と成長す
る超伝導薄膜との間における相互拡散現象が実質的に生
じないようにしたことを、その内容としている。
【0012】
【作用】反応管の上流側へ所要数種の有機金属原料ガス
と酸化ガスとが流入されると、マイクロ波発生源による
プラズマによって、上記の有機金属原料ガスは分解され
金属原子の遊離基が得られると共に、酸化ガスも上記プ
ラズマによるエネルギにより活性化されるので、反応管
内のサセプタに用意された基板に到達するまでには、金
属原子の酸化により原料金属酸化物が得られ、これが基
板に流当することとなる。
と酸化ガスとが流入されると、マイクロ波発生源による
プラズマによって、上記の有機金属原料ガスは分解され
金属原子の遊離基が得られると共に、酸化ガスも上記プ
ラズマによるエネルギにより活性化されるので、反応管
内のサセプタに用意された基板に到達するまでには、金
属原子の酸化により原料金属酸化物が得られ、これが基
板に流当することとなる。
【0013】従って、基板にあっては、原料金属酸化物
が結晶化して酸化物超伝導薄膜が形成されるに要する熱
エネルギだけが付与されればよいこととなり、基板の加
熱温度は、前記従来例である熱CVD装置の場合に比
し、格段に低温とすることが可能となり、従って、基板
と酸化物超伝導薄膜との間に生ずる相互拡散の問題を解
消することのできる有機金属化学気相成長法を提供する
ことが可能となる。
が結晶化して酸化物超伝導薄膜が形成されるに要する熱
エネルギだけが付与されればよいこととなり、基板の加
熱温度は、前記従来例である熱CVD装置の場合に比
し、格段に低温とすることが可能となり、従って、基板
と酸化物超伝導薄膜との間に生ずる相互拡散の問題を解
消することのできる有機金属化学気相成長法を提供する
ことが可能となる。
【0014】
【実施例】本発明に係る酸化物超伝導薄膜を成長させる
ため用いることのできる装置につき、先ず図面を参照し
て以下これを説示する。アルゴン等によるキャリアガス
G1が、複数個だけ並設したマスフローコントローラ1
a、1b、1cを介して、固体である有機金属原料2
a、2b、2cを収納したステンレス等による容器3
a、3b、3c内に導入される。これにより有機金属原
料2a、2b、2cはキャリアガスG1内にガス化さ
れ、容器3a、3b、3c内に飽和蒸気圧に達した各有
機金属原料ガス4a、4b、4cが得られ、これらが石
英等による反応管5の上流側に設けられている一方の流
入口6aから流入する。
ため用いることのできる装置につき、先ず図面を参照し
て以下これを説示する。アルゴン等によるキャリアガス
G1が、複数個だけ並設したマスフローコントローラ1
a、1b、1cを介して、固体である有機金属原料2
a、2b、2cを収納したステンレス等による容器3
a、3b、3c内に導入される。これにより有機金属原
料2a、2b、2cはキャリアガスG1内にガス化さ
れ、容器3a、3b、3c内に飽和蒸気圧に達した各有
機金属原料ガス4a、4b、4cが得られ、これらが石
英等による反応管5の上流側に設けられている一方の流
入口6aから流入する。
【0015】上記反応管5における他の流入口6bから
は、O2 とかN2 Oなどの酸化ガスG2が、マスフロー
コントローラ7を介して流入されると共に、従来の熱C
VD装置と同じく上記反応管5の下流側からは、反応を
終えたガスを排気するためのロータリーポンプ8が連結
されている。
は、O2 とかN2 Oなどの酸化ガスG2が、マスフロー
コントローラ7を介して流入されると共に、従来の熱C
VD装置と同じく上記反応管5の下流側からは、反応を
終えたガスを排気するためのロータリーポンプ8が連結
されている。
【0016】さらに、反応管5内の下流側には、既知の
如く石英支持棒9によって支持されたサセプタ10が固
設され、これにはSiCコートカーボンが用いられ、当
該サセプタ10上にSrTiO3 等による基板11が載
置されるようになっており、これは反応管5に臨設され
た赤外線ランプ12とか、図示しない高周波誘導加熱装
置等による熱源により、上記の基板11が所要温度に加
熱されるようになっており、図中12aは反射鏡を示し
ている。
如く石英支持棒9によって支持されたサセプタ10が固
設され、これにはSiCコートカーボンが用いられ、当
該サセプタ10上にSrTiO3 等による基板11が載
置されるようになっており、これは反応管5に臨設され
た赤外線ランプ12とか、図示しない高周波誘導加熱装
置等による熱源により、上記の基板11が所要温度に加
熱されるようになっており、図中12aは反射鏡を示し
ている。
【0017】さらに、本発明に係る方法を実施するた
め、反応管5の上流側にあってマイクロ波発生源13が
臨設されており、図中13aはマグネトロン、13bは
無酸素銅製の導波管で、マグネトロン13aによるマイ
クロ波を反応管5内に伝え、13cはプランジャーであ
り、これによりマイクロ波の反射波ができるだけ小さく
なるよう調節される。
め、反応管5の上流側にあってマイクロ波発生源13が
臨設されており、図中13aはマグネトロン、13bは
無酸素銅製の導波管で、マグネトロン13aによるマイ
クロ波を反応管5内に伝え、13cはプランジャーであ
り、これによりマイクロ波の反射波ができるだけ小さく
なるよう調節される。
【0018】既知の通り、Y−Ba−Cu−O系超伝導
薄膜、Bi−Sr−Ca−Cu−O系超伝導薄膜、La
−Sr−Cu−O系超伝導薄膜等があり、また使用され
る有機金属原料としてもY(DPM)3 、Ba(DP
M)2 、Cu(DPM)2 、そしてY(HFA)3 、B
a(HFA)2 、Cu(HFA)2 等が知られている
が、今Y−Ba−Cu−O系超伝導薄膜を作製する場合
について、以下詳記する。
薄膜、Bi−Sr−Ca−Cu−O系超伝導薄膜、La
−Sr−Cu−O系超伝導薄膜等があり、また使用され
る有機金属原料としてもY(DPM)3 、Ba(DP
M)2 、Cu(DPM)2 、そしてY(HFA)3 、B
a(HFA)2 、Cu(HFA)2 等が知られている
が、今Y−Ba−Cu−O系超伝導薄膜を作製する場合
について、以下詳記する。
【0019】前掲図示の装置にあって、容器3a、3
b、3c内に有機金属原料2a、2b、2cとして、夫
々Y(DPM)3 、Ba(DPM)2 、Cu(DPM)
2 を収納し、これを図示しないヒータによって夫々12
0℃、250℃、120℃に加熱する。各マスフローコ
ントローラ1a、1b、1cによって、何れも100c
c/minとなるよう流量制御されたAr等のキャリア
ガスG1を、容器3a、3b、3c内に流入させると、
当該キャリアガスG1により、当該各容器内で飽和蒸気
圧に達した各有機金属原料ガス4a、4b、4cが、流
入口6aから反応管5内へ流入する。
b、3c内に有機金属原料2a、2b、2cとして、夫
々Y(DPM)3 、Ba(DPM)2 、Cu(DPM)
2 を収納し、これを図示しないヒータによって夫々12
0℃、250℃、120℃に加熱する。各マスフローコ
ントローラ1a、1b、1cによって、何れも100c
c/minとなるよう流量制御されたAr等のキャリア
ガスG1を、容器3a、3b、3c内に流入させると、
当該キャリアガスG1により、当該各容器内で飽和蒸気
圧に達した各有機金属原料ガス4a、4b、4cが、流
入口6aから反応管5内へ流入する。
【0020】一方、酸化ガスG2をマスフローコントロ
ーラ7により200cc/minに流量制御すること
で、流入口6bから反応管5内に導入するが、この際、
反応を終えたガスはロータリーポンプ8の稼働により排
気され、当該反応管5内は3Torrに保持する。
ーラ7により200cc/minに流量制御すること
で、流入口6bから反応管5内に導入するが、この際、
反応を終えたガスはロータリーポンプ8の稼働により排
気され、当該反応管5内は3Torrに保持する。
【0021】上記の如くして反応管5の上流側に流入し
た有機金属原料ガス4a、4b、4cと酸化ガスG2
は、マイクロ波発生源13によるマイクロ波プラズマに
よって、下流側に配置されている基板11まで到達する
以前に分解され、これによりY・、Ba・、Cu・なる
金属原子の遊離基とO・が得られ、Y・、Ba・、Cu
・の酸化はO・によって容易に行われることとなり、か
くして得られた原料金属酸化物を、基板11の表面に流
当させることとなる。この際基板11の加熱温度は、従
来の熱CVD装置の場合における800℃といった高温
でなくとも、当該原料金属酸化物の基板上における結晶
化のための熱エネルギだけで充分となり、従って、60
0℃以下で酸化物超伝導薄膜を形成することができる。
た有機金属原料ガス4a、4b、4cと酸化ガスG2
は、マイクロ波発生源13によるマイクロ波プラズマに
よって、下流側に配置されている基板11まで到達する
以前に分解され、これによりY・、Ba・、Cu・なる
金属原子の遊離基とO・が得られ、Y・、Ba・、Cu
・の酸化はO・によって容易に行われることとなり、か
くして得られた原料金属酸化物を、基板11の表面に流
当させることとなる。この際基板11の加熱温度は、従
来の熱CVD装置の場合における800℃といった高温
でなくとも、当該原料金属酸化物の基板上における結晶
化のための熱エネルギだけで充分となり、従って、60
0℃以下で酸化物超伝導薄膜を形成することができる。
【0022】上記実施例にあっては、基板11に(10
0)SrTiO3を用い、これを赤外線ランプ12によ
って600℃に加熱したところ、Y−Ba−Cu−O系
超伝導薄膜が1時間に0.3μm厚だけ成長し、かくし
て得られた酸化物超伝導薄膜につき超伝導転移温度を測
定したところ、80Kでゼロ抵抗であることが確認され
た。これは従来の熱CVD装置による場合であると基板
を800℃に加熱しなければ得られない値である。
0)SrTiO3を用い、これを赤外線ランプ12によ
って600℃に加熱したところ、Y−Ba−Cu−O系
超伝導薄膜が1時間に0.3μm厚だけ成長し、かくし
て得られた酸化物超伝導薄膜につき超伝導転移温度を測
定したところ、80Kでゼロ抵抗であることが確認され
た。これは従来の熱CVD装置による場合であると基板
を800℃に加熱しなければ得られない値である。
【0023】
【発明の効果】本発明は上記のようにマイクロ波発生源
によるプラズマを有効に活用することで、有機金属化学
気相成長法にあっても、基板の加熱温度を200℃程度
以上も低下させることが可能となり、このように基板温
度の低温下により、半導体基板上に、相互拡散が実質的
にない酸化物超伝導薄膜の形成が実現可能となった。こ
の結果、半導体と超伝導体の接合特性を利用した新しい
デバイスを得ることも、また既に提案されている超伝導
ベース型トランジスタなどの素子としての応用や、現在
アルミニウムで行っているLSIの配線に超伝導体を用
いて、消費電力を低減したり、素子の微細化などへの応
用を期待し得ることになり、基板の加熱温度を600℃
以下とすることで、相互拡散をより完全に絶滅すること
が可能となる。
によるプラズマを有効に活用することで、有機金属化学
気相成長法にあっても、基板の加熱温度を200℃程度
以上も低下させることが可能となり、このように基板温
度の低温下により、半導体基板上に、相互拡散が実質的
にない酸化物超伝導薄膜の形成が実現可能となった。こ
の結果、半導体と超伝導体の接合特性を利用した新しい
デバイスを得ることも、また既に提案されている超伝導
ベース型トランジスタなどの素子としての応用や、現在
アルミニウムで行っているLSIの配線に超伝導体を用
いて、消費電力を低減したり、素子の微細化などへの応
用を期待し得ることになり、基板の加熱温度を600℃
以下とすることで、相互拡散をより完全に絶滅すること
が可能となる。
【図1】本発明に係る酸化物超伝導薄膜の作製方法を実
施することのできる一装置例を示した全体構成説明図で
ある。
施することのできる一装置例を示した全体構成説明図で
ある。
4a 有機金属原料ガス 4b 有機金属原料ガス 4c 有機金属原料ガス 5 反応管 6a 流入口 6b 流入口 10 サセプタ 11 基板 13 マイクロ波発生源 G1 キャリアガス G2 酸化ガス
Claims (2)
- 【請求項1】 下流側において排気されている石英製等
の反応管内に、その上流側における流入口から、キャリ
アガスによる所要数種の有機金属原料ガスと、酸化ガス
とを流入させ、当該反応管の上流側に臨設したマイクロ
波発生源によるプラズマによって、上記の各有機金属原
料ガスを分解して金属原子の遊離基を形成すると共に、
前記酸化ガスを活性化させることで、当該金属原子によ
る原料金属酸化物を得、これを、反応管内の下流側に設
けられているサセプタに設置され、所望熱源により所要
温度に加熱されている基板に流当させることで、これに
酸化物超伝導薄膜が成長されるようにしたことを特徴と
する有機金属化学気相成長法による酸化物超伝導薄膜の
作製方法。 - 【請求項2】 反応管内における基板の温度が600℃
程度以下となるよう加熱して、当該基板とこれに成長す
る酸化物超伝導薄膜との間における相互拡散現象が実質
的に生じないようにした請求項1記載の有機金属化学気
相成長法による酸化物超伝導薄膜の作製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3230910A JPH0551748A (ja) | 1991-08-19 | 1991-08-19 | 有機金属化学気相成長法による酸化物超伝導薄膜の作製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3230910A JPH0551748A (ja) | 1991-08-19 | 1991-08-19 | 有機金属化学気相成長法による酸化物超伝導薄膜の作製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0551748A true JPH0551748A (ja) | 1993-03-02 |
Family
ID=16915203
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3230910A Withdrawn JPH0551748A (ja) | 1991-08-19 | 1991-08-19 | 有機金属化学気相成長法による酸化物超伝導薄膜の作製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0551748A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8512798B2 (en) * | 2003-06-05 | 2013-08-20 | Superpower, Inc. | Plasma assisted metalorganic chemical vapor deposition (MOCVD) system |
-
1991
- 1991-08-19 JP JP3230910A patent/JPH0551748A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8512798B2 (en) * | 2003-06-05 | 2013-08-20 | Superpower, Inc. | Plasma assisted metalorganic chemical vapor deposition (MOCVD) system |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19981112 |