JPH0551300U - アイロンかけ台 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 衣類の特徴に応じて形状の異なる２枚のプレ
ス板を選択的に使用可能とすることで、今までになく作
業効率の良いアイロンかけ台を提供する。 【構成】 略同一な幅のプレス面２ａを有する板状部材
７ａと、一端から他端に向かって先細り形状のプレス面
３ａを有する板状部材７ｂと、これらを連結する連結保
持脚４からなり、しかも、プレス板２、３は適宜間隔で
互いに対面するように配置され、それぞれの一端を連結
保持脚４で連結し、他端に開口部５を形成する。この開
口部５より衣服の筒状に縫製された部分を挿通できるの
で、衣服の袖やスカート等のアイロンかけが容易に行え
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、アイロンかけ台に関し、特に衣服の袖やスカート等の筒状を呈する 縫製部分のアイロンかけに最適なアイロンかけ台に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来よりアイロンかけ台は、長方形のプレス板の裏面に折りたたみ可能な脚部 を設けたものが最も一般的に用いられている。しかし、従来のアイロンかけ台は 衣服の筒状に縫製された部分や細部、具体的にはシャツやブラウスの袖やスカー ト、そしてスカートのプリーツ部分のアイロンかけには適していない。このため 、このような部分のアイロンかけが容易に行えるようにするためにプレス板を略 同一な幅で細長形、或は先細り形の枕状にしたもの、或はこのような枕状のプレ ス板に適宜脚部を設けたもの等が提案されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記したような従来のアイロンかけ台は思ったほど作業性の向 上が見られず、以下の点において課題を有しているものである。 つまり、単にプレス板を枕状としただけでは、アイロンかけの最中においてプ レス板の下部面が衣類を圧迫するために皺ができ易い。従って、ともすれば一度 アイロンかけをしたところをもう一度かけ直さなくてはならないという、二度手 間の事態がしばしば発生するという課題を有している。

【０００４】 また、上述した従来例の共通の課題であるが、一般的にプレス板の幅は常に固 定的である。換言して云うならば、略同一な幅で細長形のプレス板はシャツやブ ラウスの袖の形状と一致しないため、これらのアイロンかけには不適であり、他 方、先細り形のプレス板はシャツやブラウスのアイロンかけには最適である反面 、プレス面の面積が狭いためにスカート、或はそのプリーツ部分のアイロンかけ には適していない。従って、効率の良いアイロンかけを行おうとするならば、上 記したような形状の異なるプレス板を各々購入する必要が生じることになり、結 果として一般消費者に経済的負担を強いることになる。

【０００５】 本考案はこのような課題を解決するために開発されたものであり、一台のアイ ロンかけ台に適宜間隔を設けて、それぞれ異なる形状の２面のプレス面を設け、 一方を載置台に、他方をプレス板として使用することで効率の良いアイロンかけ を行うことができ、しかも簡単な構造をもって安価に量産できるアイロンかけ台 を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記の目的を達成するため、一対の細長形状の板状部材を対向面の 一端部に設けた連結保持脚を介して連結し、各板状部材の外面にプレス面を配設 したことを特徴とする構成とした。 この場合、外面にプレス面を有する板状部材の一方を連結保持端から開口端に 向かって先細り形に形成し、他方の板状部材を略同一な幅に形成し、更に、略Ｕ 字状、または略コ字状等に形成した金属製連結保持脚に補強用凸条を形成し、こ の連結保持脚をボルトによって板状部材に固着する構成が好ましい。

【０００７】

【作用】

このように構成された本考案は、次のような作用を有する。 上側に先細り形のプレス面を有する板状部材を、下側に略同一な幅のプレス面 を有する板状部材を配置し、これらを連結保持脚で互いに固着したので、その正 面から見た外観は略Ｕ字状乃至略コ字状等を呈している。これにより、シャツや ブラウスの袖やスカート等、筒状に縫製された部分が何れかの板状部材を包囲す るように挿通される。具体的には、シャツやブラウスの袖にアイロンをかけると きは先細り形の板状部材を上側にし、この板状部材を袖先または肩側から挿通さ せるようにして用いる。また、スカート等の場合は逆に、略同一な幅の板状部材 を上側にして、この板状部材にスカート等を適宜挿通することでアイロンかけに 供される。この場合、プレス用の板状部材に対向した板状部材が載置台としてそ のまま利用できる。また、それぞれのプレス面にはアイロンによる押圧力がかか るが、金属製連結保持脚に形成された補強用凸条の作用により、２枚のプレス板 は常に一定の間隔が保たれる。

【０００８】

【実施例】

これより本考案の一実施例について、図面を用いて詳細な説明を行う。 本実施例のアイロンかけ台１は図１または図２に示されるように、プレス面２ ａを有する板状部材７ａとプレス面３ａを有する板状部材７ｂ、断面が略Ｕ字形 の金属製連結保持脚４、そしてこれらを固着するボルト６の各部材より構成され ている。

【０００９】 ここで、プレス板２および３は、アイロンかけの際における押圧と高熱、アイ ロンから噴出するスチーム、或は未乾燥の衣類等の湿気に対して適宜の強度を有 する、例えば厚さ約１７ｍｍのベニヤ板等の木製の細長形に形成された板状部材 ７ａおよび７ｂを基に、この板状部材７ａおよび７ｂの少なくとも表面全面に亘 って厚さ約１０ｍｍ程度で緩衝部材８を配設し、この緩衝部材８を板状部材７ａ および７ｂに包被する被覆布９と、この被覆布９を固定する鋲１０によってプレ ス面２ａおよび３ａを形成している。 このとき、被覆布９と共に、ソーイングテープ１１を被覆布９の裁断部に沿っ て、即ち板状部材７ａおよび７ｂの外周に沿って配することで美観の向上が図ら れる。そして、この板状部材７ａおよび７ｂには特に、木材の繊維が縦方向と横 方向に直交するように貼り合わされたベニヤ板等の合板を用いることで、上記し たような苛酷な使用環境においても、反ったり割れたりすることを未然に防いで いる。

【００１０】 プレス面２ａおよび３ａを形成する緩衝部材８と被覆布９は、上記と同様に高 熱と湿気に更されることになるので、板状部材７ａおよび７ｂのように適宜の強 度を有する素材で、且つ衣類等の保護のためには柔軟性に富んだ素材を用いる必 要がある。本実施例では、例えば緩衝部材８にはフェルト状の綿素材、被覆布９ には木綿布を使用している。また、この被覆布９の外周線にゴム紐等の伸縮環を 縫設して、板状部材７ａおよび７ｂの外周囲を包着するようにしても良い。

【００１１】 このように、プレス板２および３は基本的に同じ構成としているが、アイロン かけの作業性を向上させるためにそれぞれが異なる形状をしている。つまり、図 １で示される通り、プレス板２の板状部材７ａは略同一な幅、例えば約１０ｃｍ の幅で約５０ｃｍの長さを有し両端が円みを帯びた形状をしているが、プレス板 ３の板状部材７ｂは両端が円みを帯びた形状をしているものの、連結保持脚４側 から開口部５の側に向かって先細り形状、例えば約１０ｃｍの幅が約５ｃｍまで 徐々に細くなるような形状に形成されている。

【００１２】 本実施例において連結保持脚４は、上記したように断面が略Ｕ字形の金属製部 材、例えば約３ｍｍ厚の鋼板からプレス形成したもので、更にこれを補強するた めに、例えば２本の約２ｍｍ厚の補強凸条４ａを一体に形成している。これによ って、実質的に厚鋼板と同等の強度が得られると共に、鋼板特有の弾性力も合わ せ持つことができる。 連結保持脚４の形状については様々なものが考えられるが、本実施例のアイロ ンかけ台１を使用する際に各プレス面２ａおよび３ａを最大限の長さで利用、つ まり長い袖等のアイロンかけも効率良く行おうとするならば、このように略Ｕ字 形または略コ字形等とすることが最も好ましい。このような形状は金属素材、例 えば鋼板からのプレス形成によって容易に得られ、部材単品としてのコストも安 価であるので、結果として製品の価格を抑えるのにも有効である。

【００１３】 しかし、鋼板は非常に錆び易いので、このままではアイロンかけの際に錆びに よって衣服を汚してしまうという課題が残る。従って、アイロンかけ台１は未乾 燥の衣類、アイロンのスチーム等の湿気、スプレー状洗濯糊等の化学薬品に更さ れることが多いことを考慮すると、金属製部材である連結保持脚４には何らかの 防錆対策を施す必要がある。防錆対策としては塗装を行う方法と鍍金処理を行う 方法が一般的であるが、塗装の場合はアイロンの熱による塗装皮膜の焦傷や剥離 が考えられるため、本実施例では比較的安価で耐腐食性に優れた亜鉛鍍金処理を 施している。なお、連結保持脚４は、強度と適度の弾性を有する合成樹脂性であ っても良い。

【００１４】 プレス板２の板状部材７ａの何れか端部近傍位置、およびプレス板３の板状部 材７ｂの幅広側の端部近傍位置には、連結保持脚４を固着するためのボルト孔７ ｃが、例えば２個づつ穿孔されている。そして、これら２枚のプレス板２および ３はその裏面が互いに対面するように配置され、これらを連結保持脚４に設けら れたタップ４ｂにボルト６を螺着することで各板状部材７ａおよび７ｂが固着さ れ、それぞれの間隔が、例えば６〜７ｃｍ程度の間隔で保持されると共に、プレ ス板３の先細り側の端部に開口部５が形成されることになる。

【００１５】 このアイロンかけ台１を使用する際には双方の板上部材７ａおよび７ｂには押 圧力が加わるため、各板状部材７ａおよび７ｂともに、少なくとも２本以上で適 宜の太さ、例えば５ｍｍ径のボルト６を用いて連結保持脚４に固着する。また、 ボルト６を連結保持脚４のタップ４ｂに螺着した際に、ボルト６の下端部が連結 保持脚４のタップ４ｂから突出すると、これに衣服をひっかけることになる。従 ってこれを防ぐためには、ボルト６の長さは最長でも板状部材７ａおよび７ｂの 厚さと、連結保持脚４の厚さを合わせた厚みと略同じ、例えば本実施例では約２ ０ｍｍの長さとしている。

【００１６】 次に、本実施例における作用の説明を行う。 このように構成された本実施例のアイロンかけ台１は図１および図２に示され るように、上側に先細り形の板状部材７ｂを、下側に略同一な幅の板状部材７ａ を配置し、これらを連結保持脚４で互いに固着したので、その正面から見た外観 は略Ｕ字状乃至略コ字状等を呈している。これにより、シャツやブラウスの袖や スカート等、筒状に縫製された部分がプレス板２または３を包囲するように挿通 される。具体的には、シャツやブラウスの袖にアイロンをかけるときはプレス板 ３を上側にし、このプレス板３を袖先または肩側から挿通させるようにして用い る。また、スカート等の場合は逆に、プレス板２を上側にしてこのプレス板２に スカート等を適宜挿通することでアイロンかけに供される。

【００１７】 このとき、板状部材７ａがプレスする側であれば、これに対向する板状部材７ ｂは載置台として機能し、逆に板状部材７ｂがプレスする側であれば、これに対 向する板状部材７ａは載置台として機能する。この場合、プレス面２ａまたは３ ａを力点として、また、連結保持脚４を支点として、板状部材７ａおよび７ｂに は押圧力がかかることになり、その結果アイロンかけ台１には相当の負担が掛か ることになる。 しかし本実施例では、連結保持脚４は前述したような形状とその弾性作用のた めに板状部材７ａおよび７ｂに加わる押圧力を相殺することができ、２枚の板状 部材７ａおよび７ｂは常に一定の間隔が保たれると共に、アイロンが衣服に接触 する際の衝撃を吸収するので衣服を保護することができる。さらに、連結保持脚 ４に形成した２本の補強用凸条４ａの作用により、通常の使用状態においてはこ の連結保持脚４は決して潰れることがないので、本実施例のアイロンかけ台１は 長期間の使用に亘っても損傷するおそれがなく、耐久性に優れている。

【００１８】 なお、本実施例におけるアイロンかけ台１の連結保持脚４は断面Ｕ字状の金属 製部材、板状部材７ａおよび７ｂはベニヤ板等の木板、緩衝部材８はフェルト状 綿素材、被覆布９は木綿布をそれぞれ使用しているが、これらは単に一例であり 様々な素材のもので構成するが可能である。例えば、連結保持脚４はプレス板２ および３が適宜間隔を保持できる形状で、且つ十分な強度を有する素材、板状部 材７ａおよび７ｂはアルミニウム等の各種軽金属や耐熱性の合成樹脂、緩衝部材 ８は耐熱性を有する柔軟な素材、被覆布９は麻布や耐熱性樹脂をコーティングし た各種布等を用いることができる。

【００１９】 本実施例では図面でも明らかな通り、プレス板２、プレス板３、連結保持脚４ がそれぞれ分割されて構成されているが、これらの固着手段もボルトとナットに よる固着、リベット、溶着、接着等様々な手段を用いることができる。このよう な構成以外にも、例えば板状部材７ａおよび７ｂと連結保持脚４を略Ｕ字状乃至 略コ字状等に一体に形成し、これに上述したように緩衝部材８と被覆布９を配設 するようにしてもよいし、更には、連結保持脚４を折りたたみ自在、或は着脱自 在に設けて、使用しないときは折りたたんで、或は分解して保管しやすく構成す ることもできる。

【００２０】 また、本実施例では一例として、プレス板２に略同一な幅の板状部材７ａと、 プレス板３に先細り形の板状部材７ｂを用いたが、勿論これらの形状に限定する ことなく他の形状でも実施することができる。つまり、双方の板状部材を先細り 形にしたり、双方とも略同一な幅の板状部材でそれぞれ異なる幅にしたり、或は 板状部材を適宜径の円弧状に形成する等、アイロンかけをしようとする衣服の形 状に最も適した形状、大きさで実施することができるものである。

【００２１】

【考案の効果】

以上の説明で明らかな通り、本考案は次に挙げるような優れた効果を有するも のである。つまり、２枚の板状部材の間には常に適宜の間隔が保たれるので、従 来のように衣服の筒状に縫製された部分がプレス板に押圧されて皺ができること がなくなり、非常に効率よくアイロンかけ作業が行えるようになった。また、１ 台のアイロンかけ台に、それぞれ形状の異なる２種類のプレス面を有する板状部 材を設けたので、シャツやブラウスの袖のような部分と、スカートとそのプリー ツ部分のように、アイロンかけをしようとする衣類の特徴に応じて、双方のプレ ス面が選択的に使用可能となり、一方の板状部材をプレス用に使用すると共に、 他方は載置台として利用できる。しかも、本考案の構成は簡単であるであるから 、安価に、且つ量産することができる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す斜視図である。

【図２】図１の正面縦断面図である。

【符号の説明】

１ アイロンかけ台 ２、３ プレス板 ２ａ、３ａ プレス面 ４ 連結保持脚 ５ 開口部 ６ ボルト ７ａ、７ｂ 板状部材 ８ 緩衝部材 ９ 被覆布 １０ 鋲 １１ ソーイングテープ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一対の細長形状の板状部材を対向面の一
   端部に設けた連結保持脚を介して連結し、各板状部材の
   外面にプレス面を配設したことを特徴とするアイロンか
   け台。
2. 【請求項２】 外面にプレス面を有する板状部材の一方
   を連結保持端から開口端に向かって先細り形に形成し、
   他方の板状部材を略同一な幅に形成したことを特徴とす
   る請求項１に記載のアイロンかけ台。
3. 【請求項３】 略Ｕ字状、または略コ字状等に形成した
   金属製連結保持脚に補強用凸条を形成し、この連結保持
   脚をボルトによって板状部材に固着したことを特徴とす
   る請求項１または２に記載のアイロンかけ台。