JPH0550145U - ピン結合部の隙間調整装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 従来技術の隙間調整装置では、ピン結合部の
ボスとブラケットとの対面間隙間を調整するときブラケ
ットに取付けている複数個の押付けボルトをすべて一旦
取外し、複数個のスペーサのうち隙間調整装置量に相当
する厚さだけのスペーサを除いて再び取付けなければな
らなかった。この操作はわずらわしく、またかなり大な
る時間と労力を要していた。上記の問題点を解決する。 【構成】 ブラケット４′にそのピン穴と平行に複数個
の六角穴付ボルト１８を設け、その六角穴付ボルト１８
の締付操作して隙間調整作業が完了したときロックナッ
ト２０により六角穴付ボルト１８をブラケット４′に対
してロックするようにした。また、ブラケット４′に複
数個のシリンダ穴を形成し、油脂口よりシリンダ穴の給
脂室に給脂することにより、ピストンがブラケット
４′，４′に嵌挿したつば付ブッシュ８ａ，８ｂ，９
ａ，９ｂのつば部側面を押すようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主として油圧ショベルなど建設機械用作業アタッチメントにおける ピン結合部の隙間調整装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図７は、油圧ショベル（図示しない）用作業アタッチメント１先端部の要部側 面図である。図において、２はアーム、３はバケット、４はバケット３の背面に 立設したブラケット、５はアーム２先端部のボス６とブラケット４とを連結して いるピン結合部、７はピン結合部５における結合用のピンである。図８は、図７ のＡーＡより見た要部断面図である。図において、８ａ，８ｂはボス６の左右両 端部に嵌着したそれぞれつば付ブッシュ、９ａ，９ｂはブラケット４に嵌挿した ピン（７）支持用のそれぞれつば付ブッシュ、１０はブラケット４に設けた複数 個の押付けボルト、１１はピン７の抜け止めと回り止めとしているピン係止部で ある。図９は、図８のＢ部詳細図である。図において、１２はブラケット４に貫 通した押付けボルト（１０）螺合用のねじ穴、１３，１４はつば付ブッシュ８ａ ，８ｂのそれぞれつば部、１５は押付けボルト１０の首部に取付けている隙間調 整用の複数個のスペーサである。図１０は、図９のＣーＣより見た要部側面図で ある。

【０００３】 次に、従来技術の隙間調整装置を図７〜図１０について述べる。ピン結合部５ では、ブラケット４とボス６との対面間隙間、すなわちつば付ブッシュ９ａ，８ ａのそれぞれつば部１４と１３との対面間隙間を調整してピン結合部５のがたつ き音を低減し、また異物侵入防止用のＯリング（図９に示す符号イ）の破損を防 止するようにしている。上記隙間が所定の隙間より大きくなったときには、ブラ ケット４に取付けている複数個（通常３個又は４個）の押付けボルト１０を緩め て取外し、調整隙間寸法に応じたスペーサ１５を１個〜複数個だけ抜き外し、再 び残りのスペーサとともに押付けボルト１０を取付ける。この複数個の押付けボ ルト１０を締付けることにより、押付けボルト１０の先端がつば部１４の側面を 押すのでつば付ブッシュ９ａが内側が移動する。したがって、つば部１４と１３ との対面間隙間を所要の隙間に調整することができる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来技術のピン結合部の隙間調整装置では、大きい隙間を小さくするときにそ の隙間調整量に相当するスペーサの厚さ寸法を減じて、押付けボルトでつば付ブ ッシュのつば部側面を押さなければならない。そのためにブラケットに取付けて いる複数個の押付けボルトをすべて一旦取外し、複数個のスペーサのうち隙間調 整量に相当する厚さだけのスペーサを除いて、再び取付けなければならなかった 。この操作はわずらわしく、かつかなりの大なる時間と労力を要していた。また 多数のスペーサを用いるので、その予備のスペーサも準備しなければならないの で、部品管理上都合が悪かった。本考案は、上記の問題点を解決できる隙間調整 装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案のピン結合部の隙間調整装置では、ブラケットのピン穴と平行に貫設し た複数個のねじ穴に対してそれぞれ六角穴付ボルトを螺着し、その六角穴付ボル トのそれぞれ六角穴側のねじ端部にロックナットを螺着し、六角穴付ボルトの締 付操作をして隙間調整作業が完了したとき上記ロックナットにより六角穴付ボル トをブラケットに対してロックするようにした。またもう一つの手段として、ブ ラケットの内側端面部にピン穴と平行に複数個のシリンダ穴を形成し、そのそれ ぞれシリンダ穴にピストンを摺動可能に嵌合し、そのピストンのそれぞれ先端が ブラケットに嵌挿したつば付ブッシュのつば部側面に当接できるようにし、また 上記シリンダ穴におけるピストンの背後側に油脂室を設け、その油脂室に連通す るそれぞれ給脂口をブラケットの外側端面部に設け、その給脂口より給脂を行う ことによりピストンが上記つば付ブッシュのつば部側面を押すようにした。

【０００６】

【実施例】 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図１は、本考案請求 項１の隙間調整装置１６をそなえたピン結合部５’の断面図である。図において 、従来技術と同一構成要素を使用するものに対しては同符号を付す。３’はバケ ット、４’はバケット３’のブラケット、７’はピン、１７はブラケット４’に 貫設したねじ穴、１８は六角穴付ボルト、１９は六角穴付ボルト１８の六角穴、 ２０はロックナットである。図２は、図１のＤ部詳細図である。図３は、図２の Ｅより見た要部側面図である。

【０００７】 次に、本考案請求項１の隙間調整装置１６の構成を図１〜図３について述べる 。ピン結合部５’の隙間調整装置１６では、ブラケット４’のピン穴と平行に貫 設した３個のねじ穴１７に対してそれぞれ六角穴付ボルト１８を、その六角穴１ ９が外側になるように螺着し、その六角穴１９側のねじ端部にロックナット２０ を螺着し、六角穴付ボルト１８の締付操作をして隙間調整作業が完了したとき上 記ロックナット２０により六角穴付ボルト１８をブラケット４’に対してロック するようにした。

【０００８】 次に、本考案請求項１の隙間調整装置１６の作用について述べる。ピン結合部 ５’におけるブラケット４’とボス６との対面間隙間、すなわちつば付ブッシュ ９ａ，８ａのそれぞれつば部１４と１３との対面間隙間が所定の隙間より大きく なったときには、まずシール用のＯリングイを矢印ロ（図２に示す）のように外 して、ボス６の外周部に引掛けておく。そして六角穴付ボルト１８の締付調整が できるように、ロックナット２０は３個とも一旦緩めておく。それから３個の六 角穴付ボルト１８を六角レンチ（図示しない）で、交互に順序よく締付けてゆく 。六角穴付ボルト１８先端が均等につば付１４の側面を押すので、つば付ブッシ ュ９ａはピン軸心の内側方向に移動する。そしてつば部１４と１３との対面間隙 間が所定の適正隙間になったときにその締付操作を止めて、ロックナット２０を 締付ける。ロックナット２０により六角穴付ボルト１８がブラケット４’に対し てロックされるので、上記Ｏリングイを元のシール位置に戻せば、隙間調整作業 は完了する。

【０００９】 次に図４は、本考案請求項２の隙間調整装置２１をそなえたピン結合部２２の 断面図である。図において、２３ａ，２３ｂはアーム２’先端部のボス２４に嵌 着した左右のブッシュ、２５ａ，２５ｂはブラケット２６に嵌挿したそれぞれつ ば付ブッシュ、２７はピン、２８は隙間調整装置２１のシリンダ部である。図５ は、図４のＦ部詳細図である。図において、２９はシリンダ部２８のシリンダ穴 、３０は油脂室、３１はピストン、３２はシール部材、３３は給脂口、３４はつ ば付ブッシュ２５ａのつば部である。図６は，図５のＧより見た要部側面図であ る。

【００１０】 次に、本考案請求項２の隙間調整装置２１の構成を図４〜図６について述べる 。ピン結合部２２の隙間調整装置２１では、ブラケット２６の内側端面部にピン 穴と平行に３個のシリンダ穴２９を形成し、そのそれぞれシリンダ穴２９にピス トン３１を摺動可能に嵌合し、そのピストン３１の先端がブラケット２６に嵌挿 したつば付ブッシュ２５ａのつば部３４側面に当接できるようにし、また上記シ リンダ穴２９におけるピストン３１の背後側に油脂室３０を設け、その油脂室３ ０に連通するそれぞれ給脂口３３をブラケット２６の外側端面部に設け、その給 脂口３３より給脂を行うことによりピストン３１が上記つば付ブッシュ２５ａの つば部３４側面を押すようにした。

【００１１】 次に、本考案請求項２の隙間調整装置２１の作用について述べる。ピン結合部 ２２におえるブラケット２６とボス２４との対面間隙間、すなわちつば付ブッシ ュ２５ａのつば部３４とボス２４との対面間隙間が所定の隙間より大きくなった ときには、まずシール用のＯリングハを矢印ニ（図５に示す）のように外して、 ボス２４の外周部に引掛けておく。それからグリースガン，グリースポンプなど の油脂圧入器にて、油脂を３個の給脂口３３より順序よく圧入する。そして上記 対面間隙間が所定の適正隙間になったとき、給油脂操作を止める。Ｏリングハを 元のシール位置に戻すことにより、隙間調整操作は完了する。

【００１２】

【考案の効果】

従来技術の隙間調整装置では、ピン結合部のボスとブラケットとの対面間隙間 を調整するときブラケットに取付けている複数個の押付けボルトをすべて一旦取 外し、複数個のスペーサのうち隙間調整量に相当する厚さだけのスペーサを除い て、再び取付けなければならなかった。この操作はわずらわしく、またかなり大 なる時間と労力を要していた。しかし本考案の隙間調整装置では、ブラケットに そのピン穴と平行に複数個の六角穴付ボルトを設け、その六角穴付ボルトの締付 操作をして隙間調整作業が完了したとき上記ロックナットにより六角穴付ボルト をブラケットに対してロックするようにした。あるいはまた、ブラケットに複数 個のシリンダ穴を形成し、給脂口よりシリンダ穴の油脂室に給脂することにより 、ピストンがブラケットに嵌挿したつば付ブッシュのつば部側面を押すようにし た。それにより従来技術における多数のスペーサは不要であり、したがって脱着 の手間も要らなくなった。本考案の隙間調整装置はその構造と操作が簡単である から、ピン結合部の隙間調整を短時間かつ容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案請求項１の隙間調整装置をそなえたピン
結合部の断面図である。

【図２】図１のＤ部詳細図である。

【図３】図２のＥより見た要部側面図である。

【図４】本考案請求項２の隙間調整装置をそなえたピン
結合部の断面図である。

【図５】図４のＦ部詳細図である。

【図６】図５のＧより見た要部側面図である。

【図７】油圧ショベル用作業アタッチメント先端部の要
部側面図である。

【図８】図７のＡーＡより見た要部断面図である。

【図９】図８のＢ部詳細図である。

【図１０】図９のＣーＣより見た要部側面図である。

【符号の説明】

２，２’ アーム ３，３’ バケット ４，４’，２６ ブラケット ５，５’，２２ ピン結合部 ６，２４ ボス ７，７’，２７ ピン ８ａ，８ｂ，９ａ，９ｂ，２５ａ，２５ｂ つば付ブッ
シュ １２，１７ ねじ穴 １３，１４，３４ つば部 １６，２１ 隙間調整装置 １８ 六角穴付ボルト ２０ ロックナット ２９ シリンダ穴 ３０ 油脂室 ３１ ピストン ３３ 給脂口

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボスとブラケットをピンを介して互いに
   回動自在に連結し、上記ブラケットに、そのブラケット
   のピン穴と平行に複数個のねじ穴を貫設し、そのねじ穴
   にそれぞれボルト部材を螺着し、そのボルト部材を締付
   操作してブラケットに嵌挿したつば付ブッシュのつば部
   側面を押すことにより、そのつばとボスの対面間隙間を
   調整するようにした隙間調整装置であって、ブラケット
   のピン穴と平行に貫設した複数個のねじ穴に対してそれ
   ぞれ六角穴付ボルトを螺着し、その六角穴付ボルトのそ
   れぞれ六角穴側のねじ端部にロックナットを螺着し、六
   角穴付ボルトの締付操作をして隙間調整作業が完了した
   とき上記ロックナットにより六角穴付ボルトをブラケッ
   トに対してロックするようにしたことを特徴とするピン
   結合部の隙間調整装置。
2. 【請求項２】 ボスとブラケットをピンを介して互いに
   回動自在に連結し、ブラケットに嵌挿したつば付ブッシ
   ュのつば部側面の複数箇所部位を押付け棒部材の押し操
   作により押圧することにより、ボスとブラケットとの対
   面間隙間を調整するようにした隙間調整装置であって、
   ブラケットの内側端面部にピン穴と平行に複数個のシリ
   ンダ穴を形成し、そのそれぞれシリンダ穴にピストンを
   摺動可能に嵌合し、そのピストンのそれぞれ先端がブラ
   ケットに嵌挿したつば付ブッシュのつば部側面に当接で
   きるようにし、また上記シリンダ穴におけるピストンの
   背後側に油脂室を設け、その油脂室に連通するそれぞれ
   給脂口をブラケットの外側端面部に設け、その給脂口よ
   り給脂を行うことによりピストンが上記つばブッシュの
   つば部側面を押すようにしたことを特徴とするピン結合
   部の隙間調整装置。