【発明の詳細な説明】
［産業上の利用分野］
本発明は、ポリフエニレンスルフイドフイルム
に関するものである。
［従来の技術］
従来、特開昭60−255978などに、２軸配向ポリ
フエニレンスルフイドフイルムにアルミニウムな
どを真空蒸着して金属化フイルムとすること、お
よびその金属化フイルムをコンデンサなどの用途
に用いることが開示されている。
［発明が解決しようとする課題］
しかし、従来の２軸配向ポリフエニレンスルフ
イドフイルムは、巻取式真空蒸着機で金属蒸着を
行なう時、蒸着機の冷却キヤン上でフイルムにし
わが生じやすく、蒸発金属の潜熱でしわが固定さ
れて、金属化フイルムにしわが残つて平面性が悪
くなる現象（以下「熱負け」ということがある）
が起こりやすいという欠点があつた。この「熱負
け」が発生した金属化フイルムを、切断してコン
デンサ用テープなどの製造しようと、寸法精度が
悪くなり、例えばマージン部（非蒸着部）の幅が
変動して、コンデンサの不良の原因となるなどの
悪影響がある。
本発明の目的は、上記の様な従来のポリフエニ
レンスルフイドフイルムの欠点を解消し、巻取式
真空蒸着機で金属蒸着を行なう時に「熱負け」を
生じ難いポリフエニレンスルフイドフイルムを提
供することにある。
［課題を解決するための手段］
本発明は、上記の目的を達成するため、フイル
ムの長手方向に、断面積１平方ミリメートル当た
り３Kgの張力を加えつつ、25℃から70℃まで10
℃／分の速さで昇温した時の、長手方向の伸びが
0.4％以下である２軸配向ポリフエニレンスルフ
イドフイルムとしたものである。
本発明において、ポリフエニレンスルフイドフ
イルム（以下、PPSフイルムと略称することがあ
る）とは、ポリ−ｐ−フエニレンスルフイドを主
成分とする樹脂組成物の二軸配向フイルムであ
る。該フイルムの厚さは、0.4〜25μｍの範囲であ
るが、0.4〜10μｍの範囲が効果が大きい。該フイ
ルムの平均表面粗さRaは巻回時の作業性および
巻回後の加熱プレス時の密着性の点から、0.03〜
0.10の範囲が好ましい。またＸ線回折法による結
晶化度25％〜45％の結晶化フイルムであることが
好ましい。さらに、広角Ｘ線回折で2θ＝20〜21℃
の結晶ピークについて求めた配向度OFがEnd方
向およびEdge方向で0.07〜0.5、Through方向で
0.6〜1.0の範囲である二軸配向フイルムであるこ
とが好ましい。
ここでポリ−ｐ−フエニレンスルフイドを主成
分とする樹脂組成物（以下、PPS系組成物と略称
することがある）とは、ポリ−ｐ−フエニレンス
ルフイドを70重量％以上含む組成物を言う。ポリ
−ｐ−フエニレンスルフイドの含有量が70重量％
未満では、組成物としての結晶性、熱転移温度等
が低くなり、該組成物からなるフイルムの特長で
ある耐熱性、寸法安定性、機械的特性等を損な
う。該組成物中の残りの30重量％未満はポリ−ｐ
−フエニレンスルフイド以外のポリマ、無機また
は有機のフイラー、滑剤、着色剤、紫外線吸収剤
などの添加物を含むことも差し支えない。該樹脂
組成物の溶融粘度は、温度300℃、せん断速度200
１／secのもとで、500〜12000ポイズ（より好ま
しくは700〜10000ポリズ）の範囲がフイルムの成
形性の点で好ましい。該樹脂組成物の溶融粘度
は、最終的に得られるポリフエニレンスルフイド
フイルムの、溶融粘度に等しい。
本発明においてポリ−ｐ−フエニレンスルフイ
ド（以下、PPSと略称することがある）とは、繰
り返し単位の70モル％以上（好ましく85モル％以
上）が構造式
で示される構成単位からなる重合体をいう。係る
成分が70モル％未満ではポリマの結晶性、熱転移
温度等が低くなりPPSを主成分とする樹脂組成物
からなるフイルムの特長である耐熱性、寸法安定
性、機械的特性等を損なう。
繰り返し単位の30モル％未満、好ましくは15モ
ル％未満であれば共重合可能なスルフイド結合を
有する単位が含まれていても差し支えない。
また本発明のフイルム中に、表面粗さを整える
目的などのために、無機の微粒子を含有すること
は好ましい。
本発明においては、フイルムの長手方向に断面
積１平方ミリメート当たり３Kgの張力を加えつつ
25℃から70℃まで10℃／分の速さで昇温した時
の、長手方向の伸びが0.4％以下である必要があ
る。係る伸びが0.4％を超えると、真空蒸着時に
上述の「熱負けが」が発生しやすくなり、本発明
の目的を達成し得ない。係る伸びの大きさは、
0.3％以下であることが好ましい。また同様の条
件で80℃まで昇温した時の伸びが0.4％以下であ
ればより好ましい。
本発明のフイルムを製造する方法としては、特
開昭55−111235等に記載された周知の方法でポリ
−ｐ−フエニレンスルフイドを主成分とする樹脂
組成物を、押出機などに供給して溶融し、Ｔダイ
から冷却ドラム上に押し出して無配向シートと
し、該シートを95〜115℃の温度で縦、横に同時、
もしくは逐次２軸延伸し、さらに200℃以上、溶
融以下の温度で熱処理、室温に冷却して、中間体
を得、次に中間体を、30〜120℃で１秒〜10日間
熱処理する方法が挙げられるがこれに限定される
ものではない。該熱処理の時間は、温度によつて
適宜選定することができる。一般に低温では長時
間を要し、高温では短時間になる。該熱処理は、
フイルム製造ラインで中間体の製造と連続して行
なうこともできるし、いつたん巻取つてから、行
なうこともできる。後者では、フイルムを巻き出
しながら連続的に行なうこともできるし、ロール
状で熱風オーブン中などに入れて行なうこともで
きる。また、該熱処理を、異なる温度で二段階以
上にわたつて行なうこともできる。
該フイルムの真空蒸着は、連続巻取り式蒸着機
で、周知の条件で行なうことができる。
［特性の測定方法および評価方法］
(1) 伸びS70（もしくはS80）
本発明における、フイルムの長手方向に断面
積１平方ミリメートル当たり３Kgの張力を加え
つつ25℃から70℃（もしくは80℃）まで10℃／
分の速さで昇温した時の、長手方向の伸びを測
定するには、フイルム長手方向に長さ1100mm、
幅10mmの試験片を切り出し、該試験片の断面積
１平方mm当たり３Kgに相当する荷重を下端に付
けて、温度を25℃に保つた熱風オーブンの中に
吊し、約1000mmの間隔でフイルムの両端付近に
付けた標線の間隔L0を２台の光学式位置検出
機（ラインセンサー）で読み取り、熱風オーブ
ンの温度を10℃／分の速さで昇温して70℃（も
しくは80℃）に達した瞬間の標線の間隔Ｌを再
び読み取つて、100X（Ｌ−L0）／L0（単位％）
として、伸びS70（もしくはS80）を算出する。
(2) 蒸着時の「熱負け」の程度
日本真空技研(株)製の連続巻取り式片面蒸着機
を用いて、幅500mmのフイルム試料にアルミニ
ウムを蒸着した。この時、冷却キヤン前後のフ
イルム張力３Kg／mm2、冷却キヤン内循環の冷媒
温度−30℃とし、９mm幅の蒸着部と１mm幅の非
蒸着部が交互に繰り返されるストライプ状に蒸
着した。
蒸着後の金属化フイルムを観察し、次の基準
で「熱負け」の程度を判定した。
○：金属化フイルムの縦方向に走る十数本以下
のしわが見られるが、他の部分は平面性が良
好である。
△：金属化フイルムの縦方向に走る十数本以上
のしわに加え、全体にうねりが見られるが、
張力を加えている間しわが消える。
×：金属化フイルムの縦方向に走る十数本以下
のしわに加え、全体にうねりが見られ、３張
力を加えてもしわが残る。
［発明の効果］
本発明のフイルムは、上記の構成としたことに
より、従来の２軸配向ポリフエニレンスルフイド
フイルムの欠点であつた蒸着時の「熱負け」が起
こり難くなり、その結果、得られた金属化フイル
ムを切断してコンデンサ用テープとする時などに
寸法精度が向上し、コンデンサの不良率が小さく
なるなどの効果が得られる。また、いわゆるラツ
カーコーチングタイプの積層コンデンサを製造す
る目的などのために、得られた金属化フイルムに
コーチングを行なう場合にも、コーチングパター
ンとの寸法ずれが起こり難いという効果もある。
［作用］
本発明の２軸配向ポリフエニレンスルフイドフ
イルムが何故に蒸着時の「熱負け」を生じ難くな
るのか明確ではないが、本発明にいう伸びが大き
いと、蒸着時にフイルムが冷却キヤン上を通過す
る際に、フイルムにかかる張力でフイルムが伸び
てしわになり冷却キヤンとの接触が悪くなり、そ
のうえに金属蒸気が飛来した時にその凝縮潜熱を
キヤンに逃がすことができなくなり、熱によるフ
イルムの変形が生じるのに対し、本発明にいう伸
びが小さいと、このような現象が起こり難いため
と考えられる。
［実施例］
実施例 １
(1) 本発明に用いるPPS−BOの製造
オートクレーブに、硫化ナトリウム32.6Kg
（250モル、結晶水40wt％を含む）、水酸化ナト
リウム100ｇ、安息香酸ナトリウム36.1Kg（250
モル）、及びＮ−メチル−２−ピロリドン（以
下NMPと略称することがある）79.2Kgを仕込
み205℃で脱水したのち、１，４ジクロルベン
ゼン（ｐ−DCBと略称する）37.5Kg（255モ
ル）、及びNMP20.0Kgを加え、265℃で４時間
反応させた。反応生成物を水洗、乾燥して、ｐ
−フエニレンスルフイド100モル％からなり、
溶融粘度3100ポイズのポリ−ｐ−フエニレンス
ルフイド21.1Kg（収率78％）を得た。
この組成物に、平均粒子径0.7μｍのシリカ微
粉末0.1wt％、ステアリン酸カルシウム0.05wt
％を添加し、40mm径のエクストルーダによつて
310℃で溶融し、金属繊維を用いた95％カツト
孔径10μｍのフイルタでろ過したのち長さ400
mm、間〓1.5mmの直線状リツプを有するＴダイ
から押し出し、表面を25℃に保つた金属ドラム
上にキヤストして冷却固化し、厚さ約25μｍの
未延伸フイルムを得た。
このフイルムをロール群から成る縦延伸装置
によつて、フイルム温度100℃、延伸速度30000
％／分で3.6倍延伸し、続いてテンタを用いて、
温度100℃、延伸速度1000％／分で3.5倍延伸
し、さらに同一テンタ内に後続する熱処理室
で、270℃で10秒間緊張下に熱処理して、室温
に冷却後厚さ2μｍの中間体（中間体−１）を
得た。
該中間体を、ロール状に巻取り、該ロールを
60℃のオーブン中で24時間熱処理して、本発明
のフイルム（フイルム−１）を得た。該フイル
ムの評価結果を表−１に示す。表−１から、中
間体（従来のポリフエニレンスルフイドフイル
ムに相当）では蒸着時の「熱負け」が大きいの
に対し、本発明のフイルムは「熱負け」が起こ
り難い事がわかる。
実施例 ２
実施例１で得た中間体−１をロール状に巻取
り、熱処理の温度と時間を表−１に示すように適
当に変えて、実施例１と同様に熱処理して、本発
明にいうフイルムの長手方向に断面積１平方ミリ
メートル当たり３Kgの張力を加えつつ25℃から70
℃まで10℃／分の速さで昇温した時の、長手方向
の伸びの異なる５種類のフイルム（フイルム−２
〜フイルム−６）を得た。これらのフイルムの評
価結果を表−１に示す。表−１から、本発明にい
う伸びが0.4％以下になると、蒸着時の熱負けが
起こり難いことがわかる。
【表】DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION [Industrial Field of Application] The present invention relates to a polyphenylene sulfide film. [Prior art] Previously, in Japanese Patent Application Laid-Open No. 60-255978, it has been reported that a biaxially oriented polyphenylene sulfide film is vacuum-deposited with aluminum or the like to form a metallized film, and that the metallized film is used for capacitors, etc. It is disclosed that it can be used for. [Problems to be Solved by the Invention] However, when a conventional biaxially oriented polyphenylene sulfide film is subjected to metal vapor deposition using a winding vacuum vapor deposition machine, the film tends to wrinkle on the cooling can of the vapor deposition machine. A phenomenon in which wrinkles are fixed by the latent heat of the evaporated metal, leaving wrinkles on the metallized film and causing poor flatness (hereinafter sometimes referred to as "heat loss")
The disadvantage was that it was easy for this to occur. When this "heat loss" metallized film is cut to produce capacitor tapes, etc., the dimensional accuracy deteriorates, for example, the width of the margin part (non-evaporated part) fluctuates, which can lead to defects in the capacitor. There are negative effects such as causing The purpose of the present invention is to eliminate the above-mentioned drawbacks of conventional polyphenylene sulfide films, and to create a polyphenylene sulfide film that does not easily suffer from "heat loss" when metal evaporation is performed using a winding vacuum evaporation machine. It is about providing. [Means for Solving the Problems] In order to achieve the above-mentioned object, the present invention applies a tension of 3 kg per square millimeter of cross-sectional area in the longitudinal direction of the film, and heats the film from 25°C to 70°C for 10°C.
The elongation in the longitudinal direction when the temperature is raised at a rate of °C/min is
It is a biaxially oriented polyphenylene sulfide film with a content of 0.4% or less. In the present invention, a polyphenylene sulfide film (hereinafter sometimes abbreviated as PPS film) is a biaxially oriented film of a resin composition containing poly-p-phenylene sulfide as a main component. The thickness of the film is in the range of 0.4 to 25 μm, but a range of 0.4 to 10 μm is most effective. The average surface roughness Ra of the film is 0.03 to 0.03 from the viewpoint of workability during winding and adhesion during hot pressing after winding.
A range of 0.10 is preferred. Further, it is preferable that the crystallized film has a crystallinity of 25% to 45% as measured by X-ray diffraction. Furthermore, wide-angle X-ray diffraction showed that 2θ=20~21°C.
The orientation degree OF obtained for the crystal peak is 0.07 to 0.5 in the End direction and Edge direction, and is 0.07 to 0.5 in the Through direction.
Preferably, it is a biaxially oriented film ranging from 0.6 to 1.0. Here, a resin composition containing poly-p-phenylene sulfide as a main component (hereinafter sometimes abbreviated as PPS-based composition) refers to a resin composition containing poly-p-phenylene sulfide in an amount of 70% by weight or more. refers to a composition containing Poly-p-phenylene sulfide content is 70% by weight
If it is less than this, the crystallinity, thermal transition temperature, etc. of the composition will be low, and the characteristics of the film made of the composition, such as heat resistance, dimensional stability, and mechanical properties, will be impaired. The remaining less than 30% by weight of the composition is poly-p.
-Additives such as polymers other than phenylene sulfide, inorganic or organic fillers, lubricants, colorants, and ultraviolet absorbers may be included. The melt viscosity of the resin composition is at a temperature of 300°C and a shear rate of 200°C.
1/sec, a range of 500 to 12,000 poise (more preferably 700 to 10,000 poise) is preferred from the viewpoint of film formability. The melt viscosity of the resin composition is equal to the melt viscosity of the polyphenylene sulfide film finally obtained. In the present invention, poly-p-phenylene sulfide (hereinafter sometimes abbreviated as PPS) means that 70 mol% or more (preferably 85 mol% or more) of repeating units have the structural formula Refers to a polymer consisting of the structural units shown below. If the content of such components is less than 70 mol%, the crystallinity, thermal transition temperature, etc. of the polymer will be low, impairing the heat resistance, dimensional stability, mechanical properties, etc., which are the characteristics of a film made of a resin composition containing PPS as a main component. A unit having a copolymerizable sulfide bond may be included as long as it is less than 30 mol%, preferably less than 15 mol% of the repeating units. Further, it is preferable that the film of the present invention contains inorganic fine particles for the purpose of adjusting the surface roughness. In the present invention, while applying a tension of 3 kg per square millimeter of cross-sectional area in the longitudinal direction of the film,
When the temperature is increased from 25℃ to 70℃ at a rate of 10℃/min, the elongation in the longitudinal direction must be 0.4% or less. If the elongation exceeds 0.4%, the above-mentioned "heat loss" is likely to occur during vacuum deposition, making it impossible to achieve the object of the present invention. The magnitude of such elongation is
It is preferably 0.3% or less. Further, it is more preferable that the elongation when heated to 80° C. under the same conditions is 0.4% or less. The method for producing the film of the present invention is to supply a resin composition containing poly-p-phenylene sulfide as a main component to an extruder or the like using the well-known method described in JP-A-55-111235. It is melted and extruded from a T-die onto a cooling drum to form a non-oriented sheet, and the sheet is simultaneously heated vertically and horizontally at a temperature of 95 to 115°C.
Alternatively, there is a method of sequential biaxial stretching, further heat treatment at a temperature of 200°C or higher and below melting temperature, cooling to room temperature to obtain an intermediate, and then heat treating the intermediate at 30 to 120°C for 1 second to 10 days. These include, but are not limited to. The time for the heat treatment can be appropriately selected depending on the temperature. In general, it takes a long time at low temperatures and a short time at high temperatures. The heat treatment is
It can be carried out continuously with the production of intermediates on a film production line, or it can be carried out immediately after winding. In the latter case, it can be carried out continuously while unwinding the film, or it can be carried out in a rolled form in a hot air oven or the like. Further, the heat treatment can be performed in two or more stages at different temperatures. Vacuum deposition of the film can be carried out using a continuous winding type deposition machine under known conditions. [Methods for measuring and evaluating properties] (1) Elongation S 70 (or S 80 ) In the present invention, the film is heated from 25°C to 70°C (or 80°C) while applying a tension of 3 kg per square millimeter of cross-sectional area in the longitudinal direction of the film. ) up to 10℃/
To measure the elongation in the longitudinal direction when the temperature is raised at a rate of
A test piece with a width of 10 mm was cut out, a load equivalent to 3 kg per 1 square mm of cross-sectional area of the test piece was attached to the lower end, and the film was suspended in a hot air oven kept at a temperature of 25°C, and film was placed at intervals of about 1000 mm. Two optical position detectors (line sensors) read the interval L 0 between the marked lines near both ends of Read the distance L between the gauge lines again at the moment when the temperature reaches 100X (L-L 0 )/L 0 (unit: %)
, calculate the elongation S 70 (or S 80 ). (2) Degree of "heat loss" during vapor deposition Aluminum was vapor-deposited on a film sample with a width of 500 mm using a continuous winding single-sided vapor deposition machine manufactured by Nippon Shinku Giken Co., Ltd. At this time, the film tension before and after the cooling can was 3 Kg/mm 2 , the temperature of the coolant circulating in the cooling can was -30° C., and the film was deposited in a stripe shape in which 9 mm wide deposited areas and 1 mm wide non-deposited areas were alternately repeated. The metallized film after vapor deposition was observed, and the degree of "heat loss" was determined based on the following criteria. Good: Ten or more wrinkles running in the longitudinal direction of the metallized film are observed, but the other parts have good flatness. △: In addition to more than a dozen wrinkles running in the vertical direction of the metallized film, undulations can be seen throughout the film.
Wrinkles disappear while applying tension. ×: In addition to less than ten wrinkles running in the longitudinal direction of the metallized film, undulations were observed throughout the film, and wrinkles remained even after applying 3 tensions. [Effects of the Invention] By having the above structure, the film of the present invention is less susceptible to "heat loss" during vapor deposition, which was a drawback of conventional biaxially oriented polyphenylene sulfide films, and as a result, When the obtained metallized film is cut into tape for capacitors, the dimensional accuracy is improved and the defective rate of capacitors is reduced. Further, even when the obtained metallized film is coated for the purpose of manufacturing a so-called lacquer coating type multilayer capacitor, there is also the effect that dimensional deviation from the coating pattern is less likely to occur. [Function] It is not clear why the biaxially oriented polyphenylene sulfide film of the present invention is less susceptible to "heat loss" during vapor deposition, but if the elongation as described in the present invention is large, the film will be difficult to cool down during vapor deposition. When passing over the top, the film stretches and wrinkles due to the tension applied to it, making contact with the cooling can poor. Furthermore, when metal vapor comes flying in, the latent heat of condensation cannot be released to the can, and the film is damaged by heat. This is thought to be because, whereas deformation occurs, when the elongation as defined in the present invention is small, such a phenomenon is difficult to occur. [Example] Example 1 (1) Production of PPS-BO used in the present invention 32.6 kg of sodium sulfide was placed in an autoclave.
(250 mol, including 40 wt% crystallization water), 100 g of sodium hydroxide, 36.1 kg of sodium benzoate (250
After charging 79.2 kg of N-methyl-2-pyrrolidone (sometimes abbreviated as NMP) and dehydrating it at 205°C, 37.5 kg of 1,4 dichlorobenzene (p-DCB) was prepared. mol) and 20.0 kg of NMP were added and reacted at 265°C for 4 hours. The reaction product was washed with water, dried, and
- consists of 100 mol% of phenylene sulfide,
21.1 kg (yield 78%) of poly-p-phenylene sulfide having a melt viscosity of 3100 poise was obtained. In this composition, 0.1wt% of silica fine powder with an average particle size of 0.7μm and 0.05wt% of calcium stearate were added.
% and by 40mm diameter extruder
After melting at 310℃ and filtering through a 95% cut filter using metal fibers with a pore size of 10μm, the length is 400mm.
The film was extruded from a T-die having a linear lip with a width of 1.5 mm, and cast onto a metal drum whose surface was kept at 25° C., and cooled and solidified to obtain an unstretched film with a thickness of about 25 μm. This film was stretched by a longitudinal stretching device consisting of a group of rolls at a film temperature of 100°C and a stretching speed of 30,000.
Stretched 3.6 times at %/min, then using a tenter,
The intermediate was stretched 3.5 times at a temperature of 100°C and a stretching speed of 1000%/min, then heat-treated under tension at 270°C for 10 seconds in a subsequent heat treatment chamber in the same tenter, and after cooling to room temperature, the intermediate with a thickness of 2 μm ( Intermediate-1) was obtained. The intermediate body is wound up into a roll, and the roll is
A film of the present invention (film-1) was obtained by heat treatment in an oven at 60°C for 24 hours. The evaluation results of the film are shown in Table-1. From Table 1, it can be seen that while the intermediate material (corresponding to conventional polyphenylene sulfide film) suffers from large "heat loss" during vapor deposition, the film of the present invention is less likely to suffer from "heat loss." Example 2 Intermediate-1 obtained in Example 1 was wound up into a roll and heat-treated in the same manner as in Example 1, changing the heat treatment temperature and time appropriately as shown in Table-1, to obtain the present invention. From 25℃ to 70℃ while applying a tension of 3kg per square millimeter of cross-sectional area in the longitudinal direction of the film.
Five types of films with different longitudinal elongations (Film-2
~Film-6) was obtained. The evaluation results of these films are shown in Table-1. From Table 1, it can be seen that when the elongation as defined in the present invention is 0.4% or less, heat loss during vapor deposition is less likely to occur. 【table】