JPH0547602B2 - - Google Patents
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- JPH0547602B2 JPH0547602B2 JP18141282A JP18141282A JPH0547602B2 JP H0547602 B2 JPH0547602 B2 JP H0547602B2 JP 18141282 A JP18141282 A JP 18141282A JP 18141282 A JP18141282 A JP 18141282A JP H0547602 B2 JPH0547602 B2 JP H0547602B2
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
- C21D8/02—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
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- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
本発明は厚肉強靭鋼の製造方法に関するもので
更に詳しくは板厚40mm以上で引張強さ100Kg/mm2
以上を有しかつ低温靭性のすぐれた厚肉強靭鋼の
低コスト製造方法に関するものである。 周知のようにブルドーザーなどで苛酷な耐衝撃
摩耗性が必要な場合高強度を有する厚鋼板が使用
されている。 近時これらの機器の大型化と寒冷地環境下での
使用という使用条件の一層の苛酷化が相俟つて低
コストで耐衝撃摩耗性のすぐれた厚肉でかつ高靭
性を有する強靭鋼の開発が強く求められている。 従来本発明で対象とする板厚40mm以上で引張強
さ100Kg/mm2以上を有する厚肉強靭鋼は焼入れ焼
戻し熱処理によつて製造することが通例である。
この理由は焼入れ熱処理のみで製造する場合板厚
40mm以上の厚肉材では板厚方向の機械的性質の差
が顕著になると共に、焼入れ状態ではほぼマルテ
ンサイト組織となつて良好な低温靭性が得られな
いからで焼戻し熱処理を加えることによつて低温
靭性の回復を図つていた。 このような焼入れ−焼戻しの熱処理を施すこと
を基本とするプロセスによる強靭鋼としては高圧
力容器用に合金元素を大量に添加したNi−Cr−
Mo鋼が知られているがこれはコスト的に高価す
ぎ特定の用途に限定される。他方0.4〜0.5%Cを
含有し比較的合金添加量の少ないNi−Cr−Mo鋼
が知られているが該鋼の場合には低温靭性が低い
こと、溶接が困難であることのほか焼割れ配慮か
ら急冷不可でありマスプロダクシヨンには不向き
という問題がある。 本発明はこのような問題点を有利に解決するた
め多数の実験と検討を行なつた結果なしたもので
あり、従来の常識とは異なり、適切な化学成分と
焼入れ処理のみの組合せにより低コストで大規模
製造が可能で100Kg/mm2以上の高強度を有し、か
つ高靭性、板厚方向均一性を有する板厚40mm以上
の厚肉強靭鋼の製造方法を発明したもので、その
要旨とするところは、 (1) 重量%にて、C:0.08〜0.25%、Si:1.0%以
下、Mn:0.4〜2.0%、Ni:2.0〜4.5%、Cr:
0.3〜2.5%、Mo:0.2〜1.0%、Al:0.002〜0.1
%、Mn/Cr:0.3以上を基本成分とし、残部
Feおよび不可避不純物からなる鋼を熱間加工
して40mm以上の所定の板厚としたのちAc3点以
上から急冷して焼入れ熱処理のみを施すことを
特徴とする厚肉強靭鋼の製造方法。 (2) 重量%にて、C:0.08〜0.25%、Si:1.0%以
下、Mn:0.4〜2.0%、Ni:2.0〜4.5%、Cr:
0.3〜2.5%、Mo:0.2〜1.0%、Al:0.002〜0.1
%、Mn/Cr:0.3以上を基本成分とし、さら
に、Cu:2.0%以下、V:0.1%以下、Nb:0.1
%以下およびB:0.01%以下の強度改善元素群
をこの範囲内で1種または2種以上を含有し、
残部Feおよび不可避不純物からなる鋼を熱間
加工して40mm以上の所定板厚としたのちAc3点
以上から急冷して焼入れ熱処理のみを施すこと
を特徴とする厚肉強靭鋼の製造方法。 (3) 重量%にて、C:0.08〜0.25%、Si:1.0%以
下、Mn:0.4〜2.0%、Ni:2.0〜4.5%、Cr:
0.3〜2.5%、Mo:0.2〜1.0%、Al:0.002〜0.1
%、Mn/Cr:0.3以上を基本成分とし、さら
に、Ca:0.1%以下をこの範囲内で含有し、残
部Feおよび不可避不純物からなる鋼を熱間加
工して40mm以上の所定板厚としたのちAc3点以
上から急冷して焼入れ熱処理のみを施すことを
特徴とする厚肉強靭鋼の製造方法。 (4) 重量%にて、C:0.08〜0.25%、Si:1.0%以
下、Mn:0.4〜2.0%、Ni:2.0〜4.5%、Cr:
0.3〜2.5%、Mo:0.2〜1.0%、Al:0.002〜0.1
%、Mn/Cr:0.3以上を基本成分とし、さら
に、Cu:2.0%以下、V:0.1%以下、Nb:0.1
%以下およびB:0.01%以下の強度改善元素群
をこの範囲内で1種または2種以上と、Ca:
0.1%以下をこの範囲内で含有し、残部Feおよ
び不可避不純物からなる鋼を熱間加工して40mm
以上の所定板厚としたのちAc3点以上から急冷
して焼入れ熱処理のみを施すことを特徴とする
厚肉強靭鋼の製造方法。 に関するものである。 すなわち、本発明は成分組成においてNi含有
量を4.5%以下に制限しているため低コストであ
り、かつC含有量を0.25%以下に制限しているた
め急冷しても焼割れの心配が全くない。 さらに一般に合金鋼においては溶接時ミクロ偏
析部層状組織に起因する溶接割れが生じ易いが、
本発明者等が種々実験の結果第1図に示すように
Mn/Cr:0.3以上を満足したものはミクロ偏析部
層状組織が著しく改善され均一な組織が得られそ
の結果溶接割れが生じ難いことを知見した。 本発明はこのような点を中心として適切に成分
組成を限定したことによつて従来の如き焼入れ−
焼戻しの熱処理を施す必要がなく焼入れ熱処理ま
まで優れた低温靭性が得られる製造法を提案する
ものである。 次に本発明において成分限定理由を述べる。 Cは、超高張力鋼を得るため0.08%以上は必要
でC含有量の増加と共に強度が上昇するが靭性、
溶接性が低下するとともに焼割れ感受性が高くな
り0.25%を超えるとこれらの特性劣化が著しいた
め0.08〜0.25%とした。 Siは通常脱酸元素として多少存在するほか強度
向上にも有用である。しかし1.0%を超える含有
は低温靭性の低下が著しいため上限を1.0%以下
とする。 Mnは安価に強度を向上できる元素であり高強
度を得るために0.4%以上の添加が必要である。
しかしながら2.5%を超える多量の添加は低温靭
性、溶接性を損うため0.4〜2.5%とした。 Niは鋼の低温靭性向上に有用な元素であるが
2%以下では効果がない。一方4.5%を超える添
加は鋼材のコストを著しく高め経済上好ましくな
いため2.0〜4.5%とした。 Crは焼入性を高めて強度向上に有用であり、
このような作用効果を得るには0.3%以上の添加
が必要である。しかしながら2.5%を超えると低
温靭性の劣化が生じ好ましくないため0.3〜2.5%
とする。 Moは強度、靭性の向上に有用で添加されるが
0.2未満では効果がない。一方1%を超えると強
度が上がりすぎ低温靭性の低下を招くため0.2〜
1.0%とする。 Alは鋼の脱酸するため0.002%は必要であるが
0.1%を超えると鋼の清浄性を阻害するため0.002
〜0.1%とする。 次にMn/Crを0.3以上としたのは、第1図に示
すように0.3以上の場合にはミクロ偏析部層状組
織が著しく改善され均一な組織が得られその結果
溶接割れが生じ難いという知見にもとずくもので
0.3未満ではミクロ偏析の改善が不十分となる。 本発明は以上の成分を必須の成分とするが要求
される鋼の特性に応じて以下の元素を1種または
2種以上含有させることができる。 Cu、V、NbおよびBは強度を改善するという
均等的作用を持つものであるが、それぞれ2.0%、
0.1%および0.01%を超えると低温靭性を損なう
のでこれを上限とする。 Caは製鋼時に添加して鋼の脱酸を良好にし介
在物を減少して低温靭性向上に有用であるが鋼中
に多量に残存すると有害な非金属介在物となり逆
に低温靭性を阻害するため0.1%以下とする。 次に不純物として不可避的に含有するP、Sに
ついては特に限定するものではないが、鋼の清浄
性を通じて材質を安定化するため少い程よく、こ
のような観点からPは0.015%以下、Sは0.010%
以下とすることが好ましい。 しかしてこのような成分組成の鋼の溶製に際し
ては従来高知の溶製法でよく、また熱間加工も公
知の熱間圧延もしくは熱間鍛造あるいは両者を併
用して40mm以上の所定の板厚とすれば良い。 次に焼入れ熱処理について述べる。 焼入れ熱処理は熱間加工によつて所定の板厚と
したのち一旦冷却し、次いでAc3点以上に再過熱
しAc3点以上から急冷する焼入れ熱処理を施こす
ものであるが、焼入れ熱処理を完全に行うため全
体均一なオーステナイトから急冷することが必要
であり、このため急冷前温度はAc3点以上とす
る。前記焼入れ熱処理は、Ac3点以上から室温ま
で急冷するか、もしくはAc3点以上から急冷し
450℃以下の所定の温度にて急冷を停止しその後
空冷するものである。 ここに、急冷途中で冷却停止を行つた場合には
室温まで急冷したものに比して良好な低温靭性が
得られ好ましい。急冷停止温度が450℃以上の高
温の場合には強度低下が大きくなるため急冷停止
温度は450℃以下とする。 このように本発明は熱処理として焼入れ熱処理
のみを施こすものであるが、前述した如く通常は
焼入れ−焼戻しを施こすことが常識であるとこ
ろ、Ac3点以上から室温まで急冷するかもしくは
Ac3点以上から急冷し450℃以下の所定の温度に
て急冷を停止し、その後空冷する焼入れ熱処理を
行うことにより、少ない成分で強度向上がはかれ
低コスト化が可能となると共に、C量の低減が図
られ低温靭性の向上と焼割れ感受性の低下及び溶
接性の向上が可能となる優れた効果を達成できる
ものである。 次に実施例を比較例とともに挙げる。 第1表に示す化学成分の鋼を転炉で溶製し、第
2表に示す板厚に熱間圧延して熱処理した後の機
械的性質とミクロ偏析部層状組織測定結果を併せ
て第2表に示す。
更に詳しくは板厚40mm以上で引張強さ100Kg/mm2
以上を有しかつ低温靭性のすぐれた厚肉強靭鋼の
低コスト製造方法に関するものである。 周知のようにブルドーザーなどで苛酷な耐衝撃
摩耗性が必要な場合高強度を有する厚鋼板が使用
されている。 近時これらの機器の大型化と寒冷地環境下での
使用という使用条件の一層の苛酷化が相俟つて低
コストで耐衝撃摩耗性のすぐれた厚肉でかつ高靭
性を有する強靭鋼の開発が強く求められている。 従来本発明で対象とする板厚40mm以上で引張強
さ100Kg/mm2以上を有する厚肉強靭鋼は焼入れ焼
戻し熱処理によつて製造することが通例である。
この理由は焼入れ熱処理のみで製造する場合板厚
40mm以上の厚肉材では板厚方向の機械的性質の差
が顕著になると共に、焼入れ状態ではほぼマルテ
ンサイト組織となつて良好な低温靭性が得られな
いからで焼戻し熱処理を加えることによつて低温
靭性の回復を図つていた。 このような焼入れ−焼戻しの熱処理を施すこと
を基本とするプロセスによる強靭鋼としては高圧
力容器用に合金元素を大量に添加したNi−Cr−
Mo鋼が知られているがこれはコスト的に高価す
ぎ特定の用途に限定される。他方0.4〜0.5%Cを
含有し比較的合金添加量の少ないNi−Cr−Mo鋼
が知られているが該鋼の場合には低温靭性が低い
こと、溶接が困難であることのほか焼割れ配慮か
ら急冷不可でありマスプロダクシヨンには不向き
という問題がある。 本発明はこのような問題点を有利に解決するた
め多数の実験と検討を行なつた結果なしたもので
あり、従来の常識とは異なり、適切な化学成分と
焼入れ処理のみの組合せにより低コストで大規模
製造が可能で100Kg/mm2以上の高強度を有し、か
つ高靭性、板厚方向均一性を有する板厚40mm以上
の厚肉強靭鋼の製造方法を発明したもので、その
要旨とするところは、 (1) 重量%にて、C:0.08〜0.25%、Si:1.0%以
下、Mn:0.4〜2.0%、Ni:2.0〜4.5%、Cr:
0.3〜2.5%、Mo:0.2〜1.0%、Al:0.002〜0.1
%、Mn/Cr:0.3以上を基本成分とし、残部
Feおよび不可避不純物からなる鋼を熱間加工
して40mm以上の所定の板厚としたのちAc3点以
上から急冷して焼入れ熱処理のみを施すことを
特徴とする厚肉強靭鋼の製造方法。 (2) 重量%にて、C:0.08〜0.25%、Si:1.0%以
下、Mn:0.4〜2.0%、Ni:2.0〜4.5%、Cr:
0.3〜2.5%、Mo:0.2〜1.0%、Al:0.002〜0.1
%、Mn/Cr:0.3以上を基本成分とし、さら
に、Cu:2.0%以下、V:0.1%以下、Nb:0.1
%以下およびB:0.01%以下の強度改善元素群
をこの範囲内で1種または2種以上を含有し、
残部Feおよび不可避不純物からなる鋼を熱間
加工して40mm以上の所定板厚としたのちAc3点
以上から急冷して焼入れ熱処理のみを施すこと
を特徴とする厚肉強靭鋼の製造方法。 (3) 重量%にて、C:0.08〜0.25%、Si:1.0%以
下、Mn:0.4〜2.0%、Ni:2.0〜4.5%、Cr:
0.3〜2.5%、Mo:0.2〜1.0%、Al:0.002〜0.1
%、Mn/Cr:0.3以上を基本成分とし、さら
に、Ca:0.1%以下をこの範囲内で含有し、残
部Feおよび不可避不純物からなる鋼を熱間加
工して40mm以上の所定板厚としたのちAc3点以
上から急冷して焼入れ熱処理のみを施すことを
特徴とする厚肉強靭鋼の製造方法。 (4) 重量%にて、C:0.08〜0.25%、Si:1.0%以
下、Mn:0.4〜2.0%、Ni:2.0〜4.5%、Cr:
0.3〜2.5%、Mo:0.2〜1.0%、Al:0.002〜0.1
%、Mn/Cr:0.3以上を基本成分とし、さら
に、Cu:2.0%以下、V:0.1%以下、Nb:0.1
%以下およびB:0.01%以下の強度改善元素群
をこの範囲内で1種または2種以上と、Ca:
0.1%以下をこの範囲内で含有し、残部Feおよ
び不可避不純物からなる鋼を熱間加工して40mm
以上の所定板厚としたのちAc3点以上から急冷
して焼入れ熱処理のみを施すことを特徴とする
厚肉強靭鋼の製造方法。 に関するものである。 すなわち、本発明は成分組成においてNi含有
量を4.5%以下に制限しているため低コストであ
り、かつC含有量を0.25%以下に制限しているた
め急冷しても焼割れの心配が全くない。 さらに一般に合金鋼においては溶接時ミクロ偏
析部層状組織に起因する溶接割れが生じ易いが、
本発明者等が種々実験の結果第1図に示すように
Mn/Cr:0.3以上を満足したものはミクロ偏析部
層状組織が著しく改善され均一な組織が得られそ
の結果溶接割れが生じ難いことを知見した。 本発明はこのような点を中心として適切に成分
組成を限定したことによつて従来の如き焼入れ−
焼戻しの熱処理を施す必要がなく焼入れ熱処理ま
まで優れた低温靭性が得られる製造法を提案する
ものである。 次に本発明において成分限定理由を述べる。 Cは、超高張力鋼を得るため0.08%以上は必要
でC含有量の増加と共に強度が上昇するが靭性、
溶接性が低下するとともに焼割れ感受性が高くな
り0.25%を超えるとこれらの特性劣化が著しいた
め0.08〜0.25%とした。 Siは通常脱酸元素として多少存在するほか強度
向上にも有用である。しかし1.0%を超える含有
は低温靭性の低下が著しいため上限を1.0%以下
とする。 Mnは安価に強度を向上できる元素であり高強
度を得るために0.4%以上の添加が必要である。
しかしながら2.5%を超える多量の添加は低温靭
性、溶接性を損うため0.4〜2.5%とした。 Niは鋼の低温靭性向上に有用な元素であるが
2%以下では効果がない。一方4.5%を超える添
加は鋼材のコストを著しく高め経済上好ましくな
いため2.0〜4.5%とした。 Crは焼入性を高めて強度向上に有用であり、
このような作用効果を得るには0.3%以上の添加
が必要である。しかしながら2.5%を超えると低
温靭性の劣化が生じ好ましくないため0.3〜2.5%
とする。 Moは強度、靭性の向上に有用で添加されるが
0.2未満では効果がない。一方1%を超えると強
度が上がりすぎ低温靭性の低下を招くため0.2〜
1.0%とする。 Alは鋼の脱酸するため0.002%は必要であるが
0.1%を超えると鋼の清浄性を阻害するため0.002
〜0.1%とする。 次にMn/Crを0.3以上としたのは、第1図に示
すように0.3以上の場合にはミクロ偏析部層状組
織が著しく改善され均一な組織が得られその結果
溶接割れが生じ難いという知見にもとずくもので
0.3未満ではミクロ偏析の改善が不十分となる。 本発明は以上の成分を必須の成分とするが要求
される鋼の特性に応じて以下の元素を1種または
2種以上含有させることができる。 Cu、V、NbおよびBは強度を改善するという
均等的作用を持つものであるが、それぞれ2.0%、
0.1%および0.01%を超えると低温靭性を損なう
のでこれを上限とする。 Caは製鋼時に添加して鋼の脱酸を良好にし介
在物を減少して低温靭性向上に有用であるが鋼中
に多量に残存すると有害な非金属介在物となり逆
に低温靭性を阻害するため0.1%以下とする。 次に不純物として不可避的に含有するP、Sに
ついては特に限定するものではないが、鋼の清浄
性を通じて材質を安定化するため少い程よく、こ
のような観点からPは0.015%以下、Sは0.010%
以下とすることが好ましい。 しかしてこのような成分組成の鋼の溶製に際し
ては従来高知の溶製法でよく、また熱間加工も公
知の熱間圧延もしくは熱間鍛造あるいは両者を併
用して40mm以上の所定の板厚とすれば良い。 次に焼入れ熱処理について述べる。 焼入れ熱処理は熱間加工によつて所定の板厚と
したのち一旦冷却し、次いでAc3点以上に再過熱
しAc3点以上から急冷する焼入れ熱処理を施こす
ものであるが、焼入れ熱処理を完全に行うため全
体均一なオーステナイトから急冷することが必要
であり、このため急冷前温度はAc3点以上とす
る。前記焼入れ熱処理は、Ac3点以上から室温ま
で急冷するか、もしくはAc3点以上から急冷し
450℃以下の所定の温度にて急冷を停止しその後
空冷するものである。 ここに、急冷途中で冷却停止を行つた場合には
室温まで急冷したものに比して良好な低温靭性が
得られ好ましい。急冷停止温度が450℃以上の高
温の場合には強度低下が大きくなるため急冷停止
温度は450℃以下とする。 このように本発明は熱処理として焼入れ熱処理
のみを施こすものであるが、前述した如く通常は
焼入れ−焼戻しを施こすことが常識であるとこ
ろ、Ac3点以上から室温まで急冷するかもしくは
Ac3点以上から急冷し450℃以下の所定の温度に
て急冷を停止し、その後空冷する焼入れ熱処理を
行うことにより、少ない成分で強度向上がはかれ
低コスト化が可能となると共に、C量の低減が図
られ低温靭性の向上と焼割れ感受性の低下及び溶
接性の向上が可能となる優れた効果を達成できる
ものである。 次に実施例を比較例とともに挙げる。 第1表に示す化学成分の鋼を転炉で溶製し、第
2表に示す板厚に熱間圧延して熱処理した後の機
械的性質とミクロ偏析部層状組織測定結果を併せ
て第2表に示す。
【表】
【表】
ミクロ偏析 少い:均一組織を示す。
多い:層状不均一組織を示
す。
表から明白な如く本発明によるA鋼は本発明の
基本成分のみによる例、B鋼、C鋼、D鋼、E鋼
及びH鋼、I鋼、J鋼、K鋼、L鋼、M鋼、N鋼
はそれぞれ基本成分に加えてCu、Nb、V、Bの
強度改善元素を1種又は2種以上、または低温靭
性を向上させるCaを単独にまたは複合してを添
加した例であるがいずれもC含有量が十分低くか
つMn/Cr0.3以上を満足しているため焼入れ熱処
理のみによつて十分な強度と低温靭性を備えてい
る。同時にB鋼、C鋼で冷却停止の例を示すが、
本発明の条件では一層の低温靭性向上が認められ
る。更に、A鋼のミクロ偏析を第2図イに示す
が、ミクロ偏析が少なく極めて均一な組織となつ
ており溶接性も良好である。 これに対し比較例のF鋼は個々の成分含有量こ
そ本発明を満足して十分な強度と低温靭性を具備
しているが、Mn/Crが0.20と低いため、第2図
ロに示すようにミクロ偏析が多く不均一な組織を
呈し溶接性の悪い鋼板となつた。 またG鋼はC含有量が本発明範囲外の鋼を用い
て焼入れ焼戻しの熱処理を加えたもので焼割れが
発生した。
多い:層状不均一組織を示
す。
表から明白な如く本発明によるA鋼は本発明の
基本成分のみによる例、B鋼、C鋼、D鋼、E鋼
及びH鋼、I鋼、J鋼、K鋼、L鋼、M鋼、N鋼
はそれぞれ基本成分に加えてCu、Nb、V、Bの
強度改善元素を1種又は2種以上、または低温靭
性を向上させるCaを単独にまたは複合してを添
加した例であるがいずれもC含有量が十分低くか
つMn/Cr0.3以上を満足しているため焼入れ熱処
理のみによつて十分な強度と低温靭性を備えてい
る。同時にB鋼、C鋼で冷却停止の例を示すが、
本発明の条件では一層の低温靭性向上が認められ
る。更に、A鋼のミクロ偏析を第2図イに示す
が、ミクロ偏析が少なく極めて均一な組織となつ
ており溶接性も良好である。 これに対し比較例のF鋼は個々の成分含有量こ
そ本発明を満足して十分な強度と低温靭性を具備
しているが、Mn/Crが0.20と低いため、第2図
ロに示すようにミクロ偏析が多く不均一な組織を
呈し溶接性の悪い鋼板となつた。 またG鋼はC含有量が本発明範囲外の鋼を用い
て焼入れ焼戻しの熱処理を加えたもので焼割れが
発生した。
第1図はMn/Crと、ミクロ偏析部層状組織占
積率の関係を示す説明図、第2図イ,ロは実施例
及び比較例のミクロ偏析を示す組織写真である。
積率の関係を示す説明図、第2図イ,ロは実施例
及び比較例のミクロ偏析を示す組織写真である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量%にて、C:0.08〜0.25%、Si:1.0%以
下、Mn:0.4〜2.0%、Ni:2.0〜4.5%、Cr:0.3
〜2.5%、Mo:0.2〜1.0%、Al:0.002〜0.1%、
Mn/Cr:0.3以上を基本成分とし、残部Feおよ
び不可避不純物からなる鋼を熱間加工して40mm以
上の所定の板厚としたのちAc3点以上から急冷し
て焼入れ熱処理のみを施すことを特徴とする厚肉
強靭鋼の製造方法。 2 重量%にて、C:0.08〜0.25%、Si:1.0%以
下、Mn:0.4〜2.0%、Ni:2.0〜4.5%、Cr:0.3
〜2.5%、Mo:0.2〜1.0%、Al:0.002〜0.1%、
Mn/Cr:0.3以上を基本成分とし、さらに、
Cu:2.0%以下、V:0.1%以下、Nb:0.1%以下
およびB:0.01%以下の強度改善元素群をこの範
囲内で1種または2種以上を含有し、残部Feお
よび不可避不純物からなる鋼を熱間加工して40mm
以上の所定板厚としたのちAc3点以上から急冷し
て焼入れ熱処理のみを施すことを特徴とする厚肉
強靭鋼の製造方法。 3 重量%にて、C:0.08〜0.25%、Si:1.0%以
下、Mn:0.4〜2.0%、Ni:2.0〜4.5%、Cr:0.3
〜2.5%、Mo:0.2〜1.0%、Al:0.002〜0.1%、
Mn/Cr:0.3以上を基本成分とし、さらに、
Ca:0.1%以下をこの範囲内で含有し、残部Feお
よび不可避不純物からなる鋼を熱間加工して40mm
以上の所定板厚としたのちAc3点以上から急冷し
て焼入れ熱処理のみを施すことを特徴とする厚肉
強靭鋼の製造方法。 4 重量%にて、C:0.08〜0.25%、Si:1.0%以
下、Mn:0.4〜2.0%、Ni:2.0〜4.5%、Cr:0.3
〜2.5%、Mo:0.2〜1.0%、Al:0.002〜0.1%、
Mn/Cr:0.3以上を基本成分とし、さらに、
Cu:2.0%以下、V:0.1%以下、Nb:0.1%以下
およびB:0.01%以下の強度改善元素群をこの範
囲内で1種または2種以上と、Ca:0.1%以下を
この範囲内で含有し、残部Feおよび不可避不純
物からなる鋼を熱間加工して40mm以上の所定板厚
としたのちAc3点以上から急冷して焼入れ熱処理
のみを施すことを特徴とする厚肉強靭鋼の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18141282A JPS5970721A (ja) | 1982-10-18 | 1982-10-18 | 厚肉強靭鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18141282A JPS5970721A (ja) | 1982-10-18 | 1982-10-18 | 厚肉強靭鋼の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5970721A JPS5970721A (ja) | 1984-04-21 |
JPH0547602B2 true JPH0547602B2 (ja) | 1993-07-19 |
Family
ID=16100307
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18141282A Granted JPS5970721A (ja) | 1982-10-18 | 1982-10-18 | 厚肉強靭鋼の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5970721A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2024015532A (ja) | 2020-07-28 | 2024-02-06 | 日本製鉄株式会社 | 耐摩耗鋼 |
-
1982
- 1982-10-18 JP JP18141282A patent/JPS5970721A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5970721A (ja) | 1984-04-21 |
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