JPH0545692A - 半導体光機能素子 - Google Patents

半導体光機能素子

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JPH0545692A
JPH0545692A JP22849291A JP22849291A JPH0545692A JP H0545692 A JPH0545692 A JP H0545692A JP 22849291 A JP22849291 A JP 22849291A JP 22849291 A JP22849291 A JP 22849291A JP H0545692 A JPH0545692 A JP H0545692A
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勝之 宇高
Yuichi Matsushima
裕一 松島
Kazuo Sakai
和夫 堺
Yasuyuki Nagao
康之 長尾
Masashi Usami
正士 宇佐見
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Kokusai Denshin Denwa KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光の高速性を損なうことなく光出力を光信号
で制御する半導体光機能素子を提供することを目的とす
る。 【構成】 印加電圧を零より増加するにつれ、電流が増
加、減少、増加と順次変化する特性を有する共鳴トンネ
ルダイオードと、キャリアを注入することにより光学利
得が変化せしめられる活性層と、光吸収層とを少なくと
も積層してなり、光照射により該光吸収層において生成
されたキャリアに応じて前記共鳴トンネルダイオードの
バイアス電圧を制御することにより、前記活性層の光学
利得を変化せしめるように動作することを特徴とする半
導体光機能素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光交換、光情報処理の
分野において、高速な光信号処理に不可欠となる光で光
信号を制御する半導体光機能素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光信号処理に必要となると考えられる光
機能素子として、光スイッチ、光ゲート、光論理素子、
光メモリなどがあり、いずれも光の高速性を活かすべく
光で直接制御可能であることが望まれている。これら光
機能素子を実現する上で重要な要素技術の一つとして光
双安定が挙げられるが、ここでは本発明の特徴を明らか
にすべく、光双安定素子を例にとり、従来技術の問題点
に付いて述べる。
【0003】図13に従来技術による光駆動型光双安定
レーザを示す。100はn−InP基板、101は禁制
帯幅相当波長が例えば1.55μmのInGaAsP活
性層、102はp−InP層、103はp−InGaA
sPキャップ層である。該光駆動型光双安定レーザは、
可飽和吸収領域、利得領域A、利得領域Bの3領域から
なり、基本動作原理は以下の通りである。元々非励起領
域で損失が大きい可飽和吸収領域は、外部より波長が
1.55μmより短い波長のPiなる光が注入されるこ
とにより幾分励起される。これによりレーザ共振器内の
光子密度が上昇し、一層可飽和吸収領域が励起され、さ
らに光子密度が上昇するという正の帰還が生じる。その
結果、励起レベルが発振に必要な値にまで到達するとタ
ーンオン状に大きな光出力P0 が得られる。これは、可
飽和吸収領域の損失が、注入光強度Pi に対し非線形的
に減少するためで、逆に、注入光強度Pi が減少しても
損失はそれほど増加しないため、ある強度範囲で高い光
出力レベルを維持した後ターンオフ状に発振が停止す
る。この入出力特性は、図14のようにヒステリシス状
の特性を示し、同一の入力に対し双安定な2値の出力を
与えることから、光メモリとして適用することができ
る。すなわち、図14(a)に示すようにヒステリシス
の中央付近にPbなるバイアス光を入射し、全入力光強
度がヒステリシスの立ち上がり光強度より大きくなるP
i ’なる光パルスをバイアス光に重畳して入力すること
によりP0 ’なる光出力を得る。この時、入射パルス光
を切ってもヒステリシス特性のため、光出力P0 ’が維
持される。また、ヒステリシス幅は、可飽和吸収領域長
などの構造パラメータに依存し、その幅を極めて小さく
することも可能である。その場合は微分利得特性が得ら
れ、入力光のバイアスをヒステリシスの低入力側に設定
することにより、図14(b)に示すようにPthなる閾
値以上の強度を有する光が入射したときのみ光を出力す
る光スイッチング素子として機能する。
【0004】ところで、該光出力をリセットする方法で
あるが、マイナスの強度を有する光というものが存在し
ないため、通常同時に得られる電流入力に対する双安定
性を利用するか、バイアス光を減少する方法が採られて
いるのが一般的である。図14(a)に、電流でリセッ
トする例を破線で示す。電流I1 対光出力P0 特性のヒ
ステリシス中央にバイアスされた電流Ib に、これと逆
方向に電流パルスI1 ’を光パルスPi ’が入力された
T時間後に印加することにより出力光P0 ’はリセット
される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の光
双安定素子は、光入力でセットすることができるが、リ
セットは、入力信号とは別のバイアス光強度を減少させ
るか、電流で行われている。いずれも光で情報として伝
搬されてくるリセット信号を一旦電気に変換すると共
に、リセットのための回路を駆動するなどの付加的な処
理が必要となる。このため、光電変換に伴う遅延により
高速性が著しく損なわれるばかりでなく、余分な素子や
回路が加わるため装置が複雑になるという欠点があっ
た。
【0006】本発明は、光双安定素子に用いれば光入力
でリセットでき、また光論理素子に用いればXOR回路
やビットパターンマッチング回路を形成できるような光
の高速性を損なうことなく光出力を光信号で制御する半
導体光機能素子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、共鳴ト
ンネルダイオードのバイアス電圧を光入力信号強度で制
御することにより、積層して配置された活性層への注入
電流を制御し、その結果、該活性層の光学利得を前記光
入力信号の強度のみで制御することを可能としたことに
ある。さらに、該入力光強度を零から単調に増加したと
きに、該光学利得を増加から減少という特性を有する変
化を可能としたことにある。
【0008】図1、図2、図3、図4は、本発明による
半導体光機能素子の基本部分の断面構造のエネルギーダ
イヤグラムを示している。1はp−InP層、2は一方
の界面にPN接合を有し、キャリア及び光閉じ込めによ
り光を有効に発生し導波し得るInGaAsP活性層
(禁制帯幅波長λg ≒1.56μm)、3はn−InP
中間層、4は特定の波長の光を照射することによりこれ
を吸収し電子及び正孔のキャリアを生成し得るn−In
GaAsP吸収層(λg ≒1.58μm)、5はInA
lAsトンネル障壁層、6はInGaAlAs量子井戸
層、7はInAlAsトンネル障壁層、そして、8はn
−InGaAlAsエミッタ層であり、5、6及び7は
いわゆる共鳴トンネルダイオード(RTD)9を構成し
ている。
【0009】まず最初に共鳴トンネルダイオード(RT
D)について説明する。RTD9の基本部分は、禁制帯
エネルギー幅がより大きなトンネル障壁層5及び7に挟
まれた量子井戸層6からなる。トンネル障壁層5及び7
の層厚は約10Å以下と薄いため、トンネル障壁層7の
外側のエミッタ層8中の伝導帯の電子はトンネル効果に
より量子井戸層6内にしみ込むことが可能であるが、量
子井戸層6内で電子が通過し得るエネルギー準位は離散
的な量子エネルギー準位E1 に限られる。従って、トン
ネル障壁層5の外側のコレクタ層4に対し印加された正
極性のバイアス電圧が小さい場合には、エミッタ層8に
おいて電子が存在し得る伝導帯の底のエネルギーEc
対してEc <E1 であるため、エミッタ層8から電子は
殆ど流れない。ここで、徐々に電圧を増加するにつれE
1 とEc との差は減少するため電子は流れ始め、ある電
圧でEc ≒E1 となると、エミッタ層8と量子井戸層6
のエネルギー準位は一致するため、電子は共鳴的に流れ
る。他方、より電圧を印加すると今度はEc >E1 とな
るため、電子は量子井戸層6内で存在し難くなるため、
電子がトンネル障壁層5,7の上を乗り越えて流れるこ
とにより再度電子流が増加するまでかえって電子流は低
下する。このRTD9の電流−電圧特性は、図5の実線
のようにいわゆるN字形で示される。
【0010】本発明は、RTD9のかかるN字形特性を
有する特徴を、光の照射を用いることによって効果的に
利用するものである。次に本発明の作用の説明として、
光の照射によるRTD9のN字形特性の利用について述
べる。図2に示すように、通常、本発明の半導体光機能
素子の両端には、活性層2の界面のPN接合のエネルギ
ーギャプを補償する程度の順バイアスV0 を印加する。
【0011】図3に示すように、この状態で、外部より
1 なる強度で波長1.57μmの制御光Pc を照射
し、吸収層4で吸収させる。これにより、吸収層4には
キャリアが誘起され、電子は中間層3を介して活性層2
へ輸送され、他方、正孔はポテンシャルの低い吸収層4
にトラップされたままになるため、RTD9を一層バイ
アスすることになる。その結果、RTD9中の量子準位
とエミッタ層8の伝導帯の底のエネルギーEc とのエネ
ルギー差が小さくなり、吸収層4に向け電子が流入する
ようになる。ここで、制御光Pc の強度を、該エネルギ
ー差がほぼ0となるようなP1 を選ぶことにより、エミ
ッタ層8から吸収層4の方向に流れる電子の数であるR
TD9の透過電子数は最大となり、これらのキャリアが
中間層3を通り、活性層2に注入し、活性層2の光学利
得を負から正へと変化させることができる。即ち、図に
示されていないが、活性層2に例えば波長1.55μm
の信号光Piが注入されていれば、元々活性層2の損失
が大きく出力されなかったものが、制御光Pc により損
失が補償もしくは利得をも与えられて、他端から出力さ
れるようになる。また、外部からの信号光Pi が無い場
合でも、活性層2内のキャリア注入により発光が得ら
れ、さらに共振器を活性層2に設けることによりレーザ
発振も可能である。
【0012】一方、さらに制御光Pc の強度を増加して
いくと、一層吸収層4での誘起キャリアが増加し、益々
RTD9をバイアスすることになる。これにより、RT
D9中の量子準位E1 はエミッタ層8の伝導帯の底のエ
ネルギーEc より下がり、不一致となるため、RTD9
の透過電子数は減少する。そして、図4に示すように、
熱励起によりトンネル障壁層7を乗り越えて再び電子が
流れ出す程度の高バイアス状態に至るまでの適度な制御
光Pc の強度P2 を選ぶことにより、流れる電子数が極
小となり、従って、活性層2へのキャリア注入も極めて
少なくなり、光学利得は再び負となる。即ち、活性層2
からの発光、発振は抑圧されると共に、外部からの信号
光Pi も透過されない。
【0013】上述の素子の動作を図5に示す電圧ー電流
特性を用いて説明する。実線のN字形の特性、及び破線
の左上がりの2本の特性は、各々RTD9及び3種類の
動作状態における活性層2のPN接合の電圧ー電流特性
を示している。尚、V0 は素子の両端に印加した電圧で
あり、RTD9、吸収層4、活性層2の両端の電圧を各
々V1 ,V2 ,V3 とするとV1 +V2 +V3 =V0
関係が成り立つ。図2に示したように、制御光Pc が無
い場合は吸収層4の電圧はV2 >0であり、RTD9と
活性層2にかかる電圧の和はV1 +V3 =V0 −V2
1’となる。従って、RTD9と活性層2の各々の電
圧ー電流特性の交点で与えられる動作点は○印で示した
位置となり、素子には低いレベルの電流I0しか流れな
い。即ち、活性層2にもほとんど電流注入が行われない
ため、その光学損失は大きく、発光もほとんど無い。こ
こで適度な強度の制御光Pc=P1 を入射すると、前述
のように吸収層4で吸収され生成した正孔により吸収層
4の電圧を低下させることができる。すなわち、V2
0となったとするとV1 +V3 =V0 =V2 ’となり、
動作点は△印で示したようにRTD9の電圧ー電流特性
のピークに設けることができる。すなわち、これはRT
D9の量子準位E1がエミッタ層8の伝導帯の底のエネ
ルギーEc にほぼ一致する程度にバイアスされたことに
対応し、高いレベルの電流I1 が活性層2に注入され、
その光学利得を上昇させたり、また、発光させたりする
ことができる。他方、さらに制御光Pc の強度を増加し
てPc =P2 とすると、吸収層4のポテンシャルは一層
正にバイアスされるためV1 は増大し、と同時に活性層
2の電圧も低下させることができる。即ち、動作点は□
印となり、電流は再度低いレベルI2 となり、活性層2
の光学利得は低下し、発光もほとんど無くすことができ
る。
【0014】(実施例1)図6に本発明の第1の実施例
を示す。本実施例は、光論理素子として用いた半導体光
機能素子である。本実施例では、波長1μm帯で動作す
るInGaAsP/InGaAlAs系半導体を用いて
いる。1はp−InP層、2は一方の界面にPN接合を
有し、キャリア及び光閉じ込めにより光を有効に発生し
導波し得るInGaAsP活性層(禁制帯幅波長λg
1.56μm)、3はn−InP中間層、4は特定の波
長の光を照射することによりこれを吸収し電子及び正孔
のキャリアを生成し得るn−InGaAsP吸収層(λ
g 〜1.58μm)、5はInAlAsトンネル障壁
層、6はInGaAlAs量子井戸層、7はInAlA
sトンネル障壁層、8はn−InGaAlAsエミッタ
層であり、5、6及び7はいわゆる共鳴トンネルダイオ
ード(RTD)9を構成している。10及び10’はI
nGaAsP低損失導波路層(λg 〜1.3μm)、1
1、12及び13は電極である。電極12は、エミッタ
層8の上部を部分的に覆う形状となっている。従って制
御光Pc は、電極12の側から電極に覆われていない部
分からエミッタ層に照射される。活性層2の延長線上に
低損失導波路層10及び10’が直接結合方式で接続さ
れている。電極11、12間に活性層2の界面のPN接
合のエネルギーギャプを補償する程度の順バイアス電圧
0 を印加する。 本実施例は、適度な強度の制御光P
c が入射した時のみ活性層2の光学利得が大きく、発光
もしくはレーザ発振をも得ることができるオン状態と
し、他方、制御光Pc が無いかもしくは過大な強度の場
合には光学損失が大きく、発光もほとんど無いオフ状態
となる。
【0015】本実施例の動作について説明する。上部よ
り制御光Pc を入射し、その入射強度を増加する。制御
光Pc は吸収層4で吸収され、その際の生成キャリアに
応じてRTD9を通過する電子の数が変調を受け、通過
電子は活性層2に注入される。これにより、活性層2の
損失は減少し、低損失導波路層10への入射する信号光
i の透過率は上昇し、従って導波路10’の他端より
出射される出力光P0 も上昇する。他方、Pc がP1
り大きくなると、前述のようにRTD9の電子の透過率
はかえって減少し、従って、出力光P0 も減少する。こ
の際の光入出力特性を図7に実線で示す。
【0017】また、導波路10及び10’の端面にファ
ブリ・ペロ共振器を設け、そのレーザしきい値を適度に
設定することにより、図7に破線で示したようにPc
1 の場合のみ活性層2及び導波路10及び10’を含
むレーザ共振器を発振させることができ、従って、導波
路への入力光Pi が無くても制御光Pc で変調されたレ
ーザ光P0 を得ることができる。尚、活性層2がレーザ
共振器に含まれていなくても,LED状態で同様の変調
された出力光P0 が得られることは言うまでも無い。こ
の場合の光入出力特性は実線で示したようになる。
【0018】上述では制御光Pc として1入力の場合に
ついて示したが、重要なのは制御光Pc の全強度であっ
て、入力数が幾つであっても問題ではない。ハーフミラ
ー、カップラー等を用いてPc1,Pc2なる2入力を合体
して1入力Pc を構成したとする。ここで、Pc1=Pc2
とし、各光強度を図7に示した光出力P0 がピークとな
る入力光強度P1 で規格化した値を用いて、入力光の関
係を真理値表で表すと表1のようになる。すなわち、2
入力光Pc1,Pc2に対し排他的論理和(XOR)に従っ
た出力光P0が得られる光論理素子として機能させるこ
とができる。
【0019】
【表1】
【0020】他方、応答特性であるが、本素子に制御光
が入射し終われば、吸収層4に蓄積した正孔は数nsと
いう短いライフタイムで自然消滅し、次の新たな動作が
可能であるが、一層の高速動作を得るためには、図8に
示すように、適当なタイムクロックで吸収層4にキャリ
ア排斥用バイアス電圧Vr を印加し、正孔を強制的に排
斥してやれば良い。すなわち、図6に示した各実施例に
おいては電極13と12の間にVr を印加すれば良い。
尚、以下に示す実施例2及び3においても同様である。
【0021】(実施例2)図9に本発明の第2の実施例
を示す。本実施例は、光双安定素子として用いた半導体
光機能素子である。本実施例では、波長1μm帯で動作
するInGaAsP/InGaAlAs系半導体を用い
ている。1はp−InP層、2は一方の界面にPN接合
を有し、キャリア及び光閉じ込めにより光を有効に発生
し導波し得るInGaAsP活性層(禁制帯幅波長λg
〜1.56μm)、3はn−InP中間層、4は特定の
波長の光を照射することによりこれを吸収し電子及び正
孔のキャリアを生成し得るn−InGaAsP吸収層
(λg 〜1.58μm)、5はInAlAsトンネル障
壁層、6はInGaAlAs量子井戸層、7はInAl
Asトンネル障壁層、8はn−InGaAlAsエミッ
タ層であり、5、6及び7はいわゆる共鳴トンネルダイ
オード(RTD)9を構成している。14はλ/4シフ
ト回折格子であり、λ/4シフト回折格子14は活性層
2に沿って設けられDFBレーザ構造を形成している。
15は窓構造を重ねたInP埋め込み層である。11、
12及び13は電極である。電極12は、エミッタ層8
の上部を部分的に覆う形状となっている。従って制御光
c は、電極12の側から電極に覆われていない部分を
通してエミッタ層に照射される。電極11、12間に活
性層2の界面のPN接合のエネルギーギャプを補償する
程度の順バイアス電圧V0 を印加する。さらに活性層2
及び吸収層4の組成を、禁制帯幅波長が共に1.57μ
mとほぼ同じにし、また活性層2からの発光が効果的に
吸収層4に吸収される1〜2μm程度と比較的近接させ
て配置させている。
【0022】実施例2の光双安定素子と実施例1の論理
素子に比較しての構成上の基本的な違いは、活性層2に
共振器が設けられレーザが構成されていることと、活性
層2及び吸収層4の組成をほぼ同程度とし、また比較的
近接されて配置したことである。実施例2では、λ/4
シフト回折格子14が活性層2の共振器の役割を果たし
ている。この他に、活性層2の両端にミラーを設けた
り、活性層の両端に回折格子を設けるなどして共振器を
形成すれば、本願発明を実施できる。
【0023】実施例1においては光入出力特性では単安
定な動作しか示さなかったが、実施例2では、活性層2
からの発光が吸収層4で吸収される光学的に正帰還の状
態を実現することができ、光双安定などの非線形な動作
が得られる。
【0024】本実施例の動作について説明する。制御光
c の強度を上昇すると前述の本発明の動作原理により
RTD9の電子の透過率が上昇し、活性層2に電子が注
入される。これにより活性層2は光学利得が生じ発光が
増加する。いま活性層2と吸収層4の組成がほぼ等し
く、かつ比較的接近して配置してあれば、該活性層2か
らの発光の一部Pf は吸収層4で吸収され、さらにRT
D9をバイアスし、より電子が透過し、活性層2に注入
され発光に共されるという正帰還が生じるようになる。
このような光学的な正帰還が生じる構造とするととも
に、更に活性層2に回折格子を用いた分布帰還(DF
B)型の共振器を形成し、その発振閾値Ithを図5の高
電流レベルI1 より小さくなるように共振器の損失を設
定することにより、ある入力光強度においてジャンプ状
に発振状態に到らしめることができる。一旦発振状態に
なると、該正帰還のために入力光Pc を低下させても発
振が維持され、一定の出力光P0 が得られる。そして、
一定の低い入力レベルにおいて、ジャンプ状に発振が停
止する。すなわち、出力光P0 は、入力光Pc に対しヒ
ステリシス特性を描く。この様子を図10に示す。ヒス
テリシスループ内に電圧Vb もしくは光Pcbによりバイ
アスし、これにPs なる強度の光パルスを入力すること
により、活性層2は○印で示した発振状態へスイッチ
し、出力光P0 が得られる。
【0025】他方、入力光強度をある値以上にすると、
RTD9の電子の透過率は減少し、活性層2への注入電
流Iはしきい値以下となり、発振は停止し、△印で示し
たように出力光はほぼ0となる。すなわち、Pr (>P
s )なる入力光パルスにより出力光をリセットすること
ができる。以上より、光の正帰還を積極的に利用するこ
とにより、光パルスにより出力光をセット、リセットさ
れる光メモリを実現することができる。
【0026】(実施例3)本発明による光機能素子を複
数個用い、ビットパターンマッチング素子として適用し
た実施例を図11に示す。1はp−InP層、16はI
nGaAsP活性層(禁制帯幅波長λg 〜1.56μ
m)、4はn−InGaAsP吸収層(λg 〜1.58
μm)、8はn−InGaAlAsエミッタ層、9は共
鳴トンネルダイオード(RTD),11、12及び13
は電極、14はλ/4シフト回折格子、15はInP埋
め込み層、17はInGaAsP出力用導波路層、18
は合波器、19は出力用端面、20は光照射用ファイバ
である。本実施例では5素子が同一基板上に集積化され
ており、各々5ビットから成る2つの光パルス列の間の
ビットパターンの相関を取る構成について述べる。
【0027】各素子は、基本的には図9に示した活性層
に沿ってλ/4シフト回折格子が設けられたDFBレー
ザ型であるが、本実施例では活性層16のみならず、出
力用導波路17も埋め込み構造について示してあり、各
素子からの出力は合波器18で合波され、端面19より
0 として出力される。次に、本実施例の動作について
説明する。各素子には、ファイバカプラ付きの2入力フ
ァイバ20から、a,Aなる2種類のビットパターンが
各々入力する。この際、通常ビット列aは時系列で入力
されるため、図12に示したような、例えばファイバ遅
延線を用いたシリアルーパラレル変換器により、同一時
刻に各ビットが空間的に分離されるようにし、各出力を
各々P1a,P2a,P3a,P4a,P5aに入力する。一方、
該ビットパターンは、別にP1A,P2A,P3A,P4A,P
5Aに各々パラレルに入力された他のビットパターンAと
ファイバカプラで合波され、各素子に入射される。ここ
で各素子においては、合波された制御光は吸収層4で吸
収され、RTD9をバイアスする。この際、前述のよう
に制御光パターンに応じてRTD9を通過し、活性層1
6に注入される電子の数が変化し、2つのビットの内一
方のみが”1”で他方が”0”の時のみ活性層16は大
きな利得を有し、λ/4シフト回折格子14により発振
し、その出力光は端面19より出力される。他方、2つ
のビットが”0”と”0”、もしくは”1”と”1”の
場合は活性層16に注入されず、従って、端面19から
は出力されない。すなわち、本素子は,aおよびAの2
つのビット列がすべて一致した時のみ端面19からの出
力はP0 =0となり、1つのビットでも不一致が生じれ
ばP0 ≠0なる出力が得られ、端面19からの出力の有
無によりビットパターンの一致、不一致が判断できる。
【0028】また、各DFBレーザの出力波長は、λ/
4シフト回折格子14の周期に依存するため、各素子の
回折格子の周期を変えておくことにより出力の波長をモ
ニタし、どのビットが不一致を起こしたかを判別するこ
とができる。
【0029】また、上述の実施例1、2、3では共鳴ト
ンネルダイオードの量子準位として1つの例しか示さな
かったが、量子準位は複数あってもかまわず、この場合
は各量子準位でこれまでに説明した光機能動作が得られ
る。さらに、材料としてInGaAlAs系、InGa
AsP系を用いて説明したが、これに限らずAlGaA
sなどや、非格子整合系からなる半導体材料においても
適用することができる。また、活性層をレーザ発振させ
るための共振器として分布帰還(DFB)型について示
したが、ファブリーペロー型や分布反射(DBR)型で
もかまわない。
【0030】
【発明の効果】本発明により、共鳴トンネルダイオード
(RTD)と活性層が光吸収層を介して積層され、該吸
収層への制御光が所定の強度の場合に活性層から出力光
が得られ、他方、該制御光強度が所定の値以外の場合は
光が出力されないという特性を有する光機能素子が実現
される。これを2入力とすることによりXORの光論理
素子、光帰還を組み込むことにより光セット、リセット
が可能な光双安定素子、さらに複数の素子を用いること
により極めて高速な光パルス列のビットパターンマッチ
ング素子などの種々の光機能素子が実現でき、光信号の
セルフルーティング回路を用いた広帯域通信網の構築が
可能となり、その効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体光機能素子の基本部分の種々の
条件で動作させたときのエネルギーダイアグラムであ
る。
【図2】本発明の半導体光機能素子の基本部分の種々の
条件で動作させたときのエネルギーダイアグラムであ
る。
【図3】本発明の半導体光機能素子の基本部分の種々の
条件で動作させたときのエネルギーダイアグラムであ
る。
【図4】本発明の半導体光機能素子の基本部分の種々の
条件で動作させたときのエネルギーダイアグラムであ
る。
【図5】本発明の半導体光機能素子の電圧対電流特性で
ある。
【図6】本発明の半導体光機能素子の第1の実施例を示
す縦断面図である。
【図7】第1の実施例の光入出力特性図である。
【図8】キャリア排斥用バイアス電圧を印加したときの
エネルギーダイアグラムである。
【図9】本発明による半導体光機能素子の第2の実施例
を示す縦断面図である。
【図10】第2の実施例の光入出力特性である。
【図11】本発明による半導体光機能素子をビットパタ
ーンマッチング素子に応用した実施例である。
【図12】図11の実施例に用いるシリアル・パラレル
変換器の1例を示す図である。
【図13】従来の半導体光機能素子の1例を示す断面図
である。
【図14】図13の従来例の動作を説明するためのエネ
ルギーダイアグラムである。
【符号の説明】
1 p−InP層 2,16 InGaAsP活性層 3 n−InP中間層 4 n−InGaAsP吸収層 5,7 InAlAsトンネル障壁層 6 InGaAlAs量子井戸層 8 n−InGaAlAsエミッタ層 9 共鳴トンネルダイオード 10,10’,17 InGaAsP導波路層 11,12,13 電極 14 λ/4シフト回折格子 15 InP埋め込み層 18 合波器 19 出力用端面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01S 3/02 3/18 9170−4M (72)発明者 長尾 康之 東京都新宿区西新宿二丁目3番2号 国際 電信電話株式会社内 (72)発明者 宇佐見 正士 東京都新宿区西新宿二丁目3番2号 国際 電信電話株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印加電圧を零より増加するにつれ、電流
    が増加、減少、増加と順次変化する特性を有する共鳴ト
    ンネルダイオードと、キャリアを注入することにより光
    学利得が変化せしめられる活性層と、光吸収層とを少な
    くとも積層してなり、 光照射により該光吸収層において生成されたキャリアに
    応じて前記共鳴トンネルダイオードのバイアス電圧を制
    御したとき、前記活性層の光学利得が変化するように構
    成された半導体光機能素子。
  2. 【請求項2】 第1のトンネル障壁層と量子井戸層と第
    2のトンネル障壁層が積層された共鳴トンネルダイオー
    ドと、吸収層と、活性層と、該活性層の延長線上に位置
    するように該活性層の両側に配置された低損失導波路層
    と、前記共鳴トンネルダイオード側からの制御光が前記
    吸収層に照射されるように前記共鳴トンネルダイオード
    側に配置された第1の電極と、前記活性層の側に配置さ
    れた第2の電極とが少なくとも積層された半導体光機能
    素子。
  3. 【請求項3】 第1のトンネル障壁層と量子井戸層と第
    2のトンネル障壁層が積層された共鳴トンネルダイオー
    ドと、吸収層と、共振器を含んでレーザ構造を形成した
    活性層と、前記共鳴トンネルダイオード側からの制御光
    が前記吸収層に照射されるように前記共鳴トンネルダイ
    オード側に配置された第1の電極と、前記活性層の側に
    配置された第2の電極とが少なくとも積層された半導体
    機能素子。
  4. 【請求項4】 第1のトンネル障壁層と量子井戸層と第
    2のトンネル障壁層が積層された共鳴トンネルダイオー
    ドと、吸収層と、共振器を含んでレーザ構造を形成した
    活性層と、前記共鳴トンネルダイオード側からの制御光
    が前記吸収層に照射されるように前記共鳴トンネルダイ
    オード側に配置された第1の電極と、前記活性層の側に
    配置された第2の電極とが少なくとも積層され、 前記活性層と前記吸収層の組成はそれぞれの禁制帯幅波
    長がほぼ同一になるように定められ、該活性層からの発
    光が該吸収層で効果的に吸収されるように配置された半
    導体光機能素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5805327A (en) * 1995-05-24 1998-09-08 Kokusai Denshin Denwa Kabushiki Kaisha Reshaping device for optical short pulses
WO2000072383A1 (en) * 1999-05-25 2000-11-30 The University Court Of The University Of Glasgow Improved optoelectronic device

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US5805327A (en) * 1995-05-24 1998-09-08 Kokusai Denshin Denwa Kabushiki Kaisha Reshaping device for optical short pulses
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