JPH0544729Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、建築や土木において、墨出し作業時
に使用される測量器械に付随して用いられるポイ
ント設定器に関する。

（従来の技術） 従来、地質調査や建築現場等での測量器械で測
量をして墨出し作業をする場合には、遠方にある
基準点をまず視認しなければならないが、地墨が
見づらく、この不便をなくすために基準点上に印
を設けたスケールや桟木を置き、これをポイント
目標としている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上述の方法では、測量を手元
（補助者）なしで行う場合、一旦基準点上にスケ
ール等のポイント目標を置いて測量器械に戻り測
定しようとすると、前記ポイント目標が動いたり
して誤つた測量を行うことになつたりして、測量
器械の照準を合わせるのに正確性が損なわれると
言つた欠点が存在した。

本考案は、上記の課題に鑑みてなされたもの
で、前記ポイント目標が若干移動しても測定に影
響のない測定用治具を提供することを目的とす
る。

（課題を解決するための手段） 本考案に係る測量用ポイント設定器の上記目的
を達成し、課題を解決するための要旨は、透明も
しくは半透明体からなり、その内部が中空であつ
て、本体の垂直な一側面を傾斜させてテーパ面と
し、該テーパ面にスケールを刻設した鏡面体を貼
着するとともに、下端に錘を取着した鉛直糸を前
記テーパ面上端部から懸吊し、前記本体内部に液
体を封入したことに存する。

（作用） このように、本考案に係る測量用ポイント設定
器によれば、前記鏡面体に写つた地墨を目標にト
ランシツトの照準を合わせればよく、この測量用
ポイント設定器が若干移動しても常に地墨が鏡面
体上に写つており測量を続行することができる。

また、前記鉛直糸が備えられているので、測量
用ポイント設定器が地墨に対して直角に置かれた
かどうかを知ることができる。

また、測量用ポイント設定器の中空内部に液体
を封入してあり、かつ本体が透明もしくは半透明
体からなるので、前記測量用ポイント設定器の置
かれた場所の水平傾きを知ることができる。

（実施例） 以下、添付図面に従つて、本考案の一実施例を
説明する。第１図は、本考案の測量用ポイント設
定器１の斜視図である。同じく第２図はその側面
図である。図示するように、測量用ポイント設定
器１は、合成樹脂製の透明もしくは半透明体から
なる直方体である。そして、その内部２が中空で
あつて、該内部２に水３が所要量封入されてい
る。また、本体４の垂直な一側面を傾斜させてテ
ーパ面５とし、該テーパ面５にスケール６を刻設
した鏡面体７が貼着されている。この鏡面体７は
ガラス製やプラスチツク製等の薄膜の鏡面体であ
る。また、テーパ面５の傾斜角度は第２図に示す
ように、α＝15°程度とした。これは、地墨に対
して測量用ポイント設定器１が直角になつていな
い場合の測定誤差を少なくするためである。

そして、下端に錘８を取着した鉛直糸９を前記
テーパ面５の上端部５ａから懸吊されて、この測
量用ポイント設定器１が形成されている。

このように、一実施例として測量用ポイント設
定器１を形成したが、これに限らず、種々設計偏
光出来るものは勿論であり、前記本体４を直方体
としたがテーパ面５を有して他は曲面体等でもよ
く特に限定するものではない。また、内部２に封
入した水を他の相当する液体にしてもよい。

次にこの測量用ポイント設定器１を使用する
と、第３図に示すように、トランシツト１０を設
置した後、地墨１１上に基準点１２に置いた測量
用ポイント設定器１を置く。このとき、なるべく
前記地墨１１に対して直角に設置する。

次に、トランシツト１０に戻り、その望遠鏡を
覗き視て、測量用ポイント設定器１の鏡面体７に
写つた前記地墨の像に照準を合わせる。この測量
用ポイント設定器１が地墨１１に対して直角でな
いときは鏡面体７に写つた像は斜めに傾くが、鏡
面体７が傾斜してるので誤差も少なく、この像の
最下部にトランシツト１０の照準を合わせればよ
い。

また、測量用ポイント設定器１に鉛直糸９が備
えられているので、測量用ポイント設定器１が地
墨１１に対して直角に置かれたどうかを知ること
ができる。

また、測量用ポイント設定器１の中空内部２に
水３を封入してあり、かつ本体４が透明もしくは
半透明体からなるので、前記測量用ポイント設定
器１の置かれた場所の水平傾きを知ることができ
る。このようにして、床等に基準墨を出すことが
できる。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案に係る測量用ポイ
ント設定器を透明もしくは半透明体からなり、そ
の内部が中空であつて、本体の垂直な一側面を傾
きさせてテーパ面とし、該テーパ面にスケールを
刻設した鏡面体を貼着するとともに、下端に錘を
取着した鉛直糸を前記テーパ面植端部から懸吊
し、前記本体内部に液体を封入したもので、地墨
が鏡面体上に写つてこれに測量機器の照準を合わ
せることにより正確に基準点に照準を合わせるこ
とができる。また、この測量においては手元を必
要としないので労力削減できてコスト低減にな
る。

さらに、基準点上の目標が移動したことを知ら
ないでそのまま測量をしてしまうというミスをな
くすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の測量用ポイント設定器の斜
視図、第２図は、同じくその右側面図、第３図
は、同じく使用状態を示す説明図である。 １……測量用ポイント設定器、２……本体の内
部、３……水等の液体、４……測量用ポイント設
定器の本体、５……テーパ面、５ａ……テーパ面
の上端部、６……スケール、７……鏡面体、８…
…錘、９……鉛直糸、１０……トランシツト等の
測量機器、１１……地墨、１２……基準点。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 測量を行う際に使用される治具で、透明もしく
   は半透明体からなり、その内部が中空であつて、
   本体の垂直な一側面を傾斜させてテーパ面とし、
   該テーパ面にスケールを刻設した鏡面体を貼着す
   るとともに、下端に錘を取着した鉛直糸を前記テ
   ーパ面上端部から懸吊し、前記本体内部に液体を
   封入したことを特徴としてなる測量用ポイント設
   定器。