JPH0544349A - 人工スキー場の可動天井 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 短時間で造雪することができ、外部から侵入
する輻射熱による融雪を防止することができる人工スキ
ー場の可動天井を提供する。 【構成】 人工スキー場におけるゲレンデ２上部に構築
した屋根１の下面に、可撓性の断熱シート４の表面にア
ルミニウム箔５が層着された天井材３を昇降自在に懸吊
した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は室内に高吸水性樹脂を利
用して人工雪を作る人工スキー場における可動天井に係
るものである。

【０００２】

【従来の技術】前記室内人工スキー場においては、高吸
水性樹脂に水を含浸させてゲレンデ上に敷設された冷却
用配管上に散布し、更に凍結させて人工雪を作ってい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら室温が高
いと凍結のために多くの時間を要する。気温が高いとき
に造雪するためカバーで覆うことは特公平２−２７５８
４号公報において提案されているが、同カバーの敷設撤
去の方法については開示されていない。また通年利用す
る場合には、外部より進入してくる輻射熱が多くなる夏
期においてはこの熱によって雪を溶かしてしまうことが
予想される。

【０００４】本発明はこのような問題点に鑑みて提案さ
れたもので、その目的とする処は、短時間で造雪するこ
とができ、また外部から進入する輻射熱による融雪を防
止することができる人工スキー場の可動天井を提供する
点にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明に係る人工スキー場の可動天井は、人工スキ
ー場のゲレンデ上部に構築した屋根の下面に昇降自在に
懸吊された可撓性の断熱シートよりなる天井材と、同天
井材の昇降装置とより構成されている。請求項２の発明
は前記天井材を可撓性断熱シート表面にアルミニウム箔
を層着して構成されている。

【０００６】

【作用】本発明に係る人工スキー場の可動天井は前記し
たように構成されているので、前記天井材の昇降装置を
作動して、ゲレンデ上部に構築した屋根に懸吊された可
撓性断熱シートより構成された天井材を昇降するもので
あって、室温の高い場合、あるいは外部からの輻射熱の
進入が多くなる夏期に前記天井材を降下すると、可撓性
断熱シートよりなる同天井材はゲレンデ全体をその起伏
に馴染むように被覆し、造雪時間を短縮し、また輻射熱
の進入を防止する。

【０００７】請求項２の発明は前記天井材が可撓性断熱
シートの表面にアルミニウム箔を層着して構成されてい
るので、同アルミニウム箔によって天井からの輻射熱を
遮断し、雪面からの冷輻射を有効に利用するとともに、
雪面に前記天井材が雪面に接触した場合、雪が天井材に
付着し難い。

【０００８】

【実施例】以下本発明を図示の実施例について説明す
る。図１及び図２において、１は人工スキー場における
ゲレンデ２の上部に構築された屋根、３は天井材で、可
撓性の断熱シート４の表面にアルミニウム箔５を層着し
て構成され、前記屋根１に所定間隔毎に配設された滑車
６及び昇降索７を介して昇降自在に懸吊されている。

【０００９】図示の実施例は前記したように構成されて
いるので、人工スキー場の使用時においては前記昇降索
７を一斉に同じ速度で上昇して天井材３を実線に示す位
置に吊り上げる。また前記複数の昇降索７を一斉に同じ
速度で下降すると、天井材３は３Ａに示すようにゲレン
デ２の全面を、その起状に馴染むように被覆する。なお
図中３Ｂ、３Ｃは天井材３の移動状態の位置を示すもの
である。

【００１０】この際、前記天井材３の可撓性断熱シート
４の表面に重層されたアルミニウム箔５は天井部からの
輻射熱を遮断し、雪面８に天井材３が接触した場合で
も、雪が天井材に付着し難くする。なお前記天井材３の
上下動には電動チエーンブロツクを使用し、複数の昇降
索７をすべて手元で操作する。チエーンブロツクは余計
な制御が不要で、本発明には好適である。

【００１１】図４乃至図６は本発明の他の実施例を示
し、可撓性断熱シートにアルミニウム箔が層着された連
続した天井材３に、適当な間隔で鉄骨フレーム９を天井
材３の幅方向に取付け、同各フレーム９毎に滑車６及び
昇降索７を介して屋根１より懸吊するものである。前記
実施例によれば、天井材３の吊り点を減少することがで
き、また隣接する吊り上げ装置間で動作に多少のずれが
あっても支障なく上下させることができ、更にまた複雑
なゲレンデにも対応できる。

【００１２】図７乃至図１１は本発明の更に他の実施例
を示し、天井材３をゲレンデ２に対して複数のエレメン
トに分割し、各エレメントの四隅をフレーム１０に固定
し、同フレーム１０をゲレンデ２と屋根１との間に架設
されたガイドレール１１によって隣接エレメントと接触
することなく昇降せしめるようにしたものである。本実
施例によれば個々のエレメントが独立しているので制御
が容易であり、断熱性能を改善して造雪期間をかなり短
縮することができる。

【００１３】

【発明の効果】本発明によれば前記したように、人工ス
キー場のゲレンデ上部に構築した屋根の下面に、可撓性
断熱シートよりなる天井材を昇降装置を介して昇降自在
に懸吊したことにより、夏期でも最高のゲレンデコンデ
イシヨンを作り、更に同コンデイシヨンを維持すること
が可能となる。また可撓性断熱シートよりなる天井材を
吊り上げた状態では輻射熱対策シートとして機能し、ま
た屋根面と天井材の間の空気層が断熱層として働くの
で、建物の外壁、屋根面の断熱や空調設備を軽微にで
き、更に初期造雪や追加造雪する時間を短縮できる。

【００１４】また造雪時に、室全体を低い温度に冷却す
るためのエネルギーが不要で、広大なゲレンデでも余り
手間がかからずに、断熱性天井材の設置が可能で、同天
井材の収納スペースが必要でなくなる。更にまた夜間な
どスキーをしないときで湿度が高い状態になった場合に
は、前記天井材を床面に設置することによって防湿対策
としての使用が可能となる。

【００１５】請求項２の発明は前記天井材の可撓性シー
トの表面にアルミニウム箔を層着したことによって、天
井からの輻射熱を遮断し、雪面に前記天井材が雪面に接
触した場合、雪が天井材に付着し難くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る人工スキー場の可動天井の一実施
例を示す縦断正面図である。

【図２】図２の縦断側面図である。

【図３】天井材の縦断面図である。

【図４】本発明の他の実施例を示す縦断正面図である。

【図５】図４の縦断側面図である。

【図６】天井材の部分斜視図である。

【図７】本発明の更に他の実施例を示す縦断正面図であ
る。

【図８】図７の縦断側面図である。

【図９】図７の部分イの拡大縦断正面図である。

【図１０】図９の平面図である。

【図１１】図７の部分イの斜視図である。

【符号の説明】

１ 屋根 ２ ゲレンデ ３ 天井材 ４ 断熱シート ５ アルミニウム箔 ６ 滑車 ７ 昇降索

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 人工スキー場のゲレンデ上部に構築した
   屋根の下面に昇降自在に懸吊された可撓性の断熱シート
   よりなる天井材と、同天井材の昇降装置とよりなること
   を特徴とする人工スキー場の可動天井。
2. 【請求項２】 前記天井材は、可撓性断熱シートの表面
   にアルミニウム箔が層着された請求項１記載の人工スキ
   ー場の可動天井。