JPH0544227U - 撹拌翼取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案の目的は、被撹拌流体の性状、品質に対
する最適撹拌を得るために撹拌翼を任意の位置に固定で
き、かつ、製作に困難を伴う長尺キーやサイズの大きな
多数のボルトを必要とするテーパースリーブ構造にかわ
る撹拌翼ボス部の小型化を図ることにある。 【構成】本考案は、撹拌軸のキー溝４，テーパーキー
６，ボスのキー溝７，締め付けボルト８およびクランプ
９で構成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、諸元の仕様が未定である実験用のパイロット撹拌槽や、製品の品種 に応じて運転上、撹拌翼の取り付け位置を適宜変える必要を有する撹拌槽に好適 な撹拌翼取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来は、撹拌翼の取り付け位置を可変とした翼の取付構造として、図４に示す 長尺キーを使用したセットボルト方式や、図５，６に示すテーパースリーブ方式 を採用していた。なお、この種の装置として関連するものには、例えば文献“撹 拌装置”（山本一夫著 ・・・・・ 化学工業社）第１３３頁記載のものがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来技術において、図４に示す長尺キーを使用したセットボルト方式の問 題点は、長尺キーの製作に困難を伴うことと、セットボルトを使用することによ り、撹拌翼の取り付け位置は完全に任意とはならず、この位置はセットのために キーの上に設けられた穴のピッチに左右される点にあった。

【０００４】 また、図５，６に示すテーパースリーブ方式の問題点としては、ボス部のボル トの締め付け力によって撹拌翼の自重を支えるだけではなく、この締め付け力に よって生じる摩擦力でシャフトからスリーブ，ボスを経て撹拌翼にトルクの伝達 を行なうので、サイズの大きな多数のボルトを必要とするとともに、さらにこの ことが押え板やボス部などの寸法を大きくしていた。

【０００５】 本考案の目的は、撹拌翼を任意の位置に固定でき、かつ、ボス部の小型化を図 ることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成するために、キーによって撹拌トルクの伝達を行ない、また 撹拌軸上の任意の位置に撹拌翼を固定する手段としてテーパー状のキー構造を撹 拌翼固定構造としたものである。

【０００７】

【作用】

撹拌軸と、撹拌翼が溶接などの手段で固定されたボスの両方にキー溝を設ける 。

【０００８】 この部分に使用するキーの形状はテーパーキーとし、このキーに対して、ボル トなどを使用したねじ機構によって、溝部に押し込む荷重を与える。この荷重は 、キーのくさび効果により、撹拌翼とボスの重量などを支える力にかわるので、 キー溝が設けられた軸上の任意の位置に撹拌翼を固定できる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１，図２及び図３により説明する。

【００１０】 撹拌槽１の内部の流体は、混合，発酵及び反応などを目的として撹拌軸２に取 付けられた撹拌翼３によって撹拌が行なわれる。この撹拌翼３の位置を以下の手 順により任意の位置に固定する。

【００１１】 撹拌軸２には撹拌翼３を固定したい範囲にわたり、キー溝４を施工しておく。 撹拌翼３のボス５は中央に撹拌軸２を通す穴があけられており、また、テーパー キー６が入るキー溝７も設けてある。ボス５の穴部に撹拌軸２を通し、固定した い位置に移動させる。そして、撹拌軸２とボス５のキー溝４，７を一致させて、 この部分にテーパーキー６を挿入する。

【００１２】 テーパーキー６はボルト８を締め付けることにより、クランプ９を介してキー 溝４，７の中に押し込まれる。この押し込み力が撹拌軸２とテーパーキー６間及 びテーパーキー６とボス５間に摩擦力を発生させて、撹拌翼３とボス５の重量を 支えて落下することなく固定できる。

【００１３】 本実施例によれば、撹拌翼を任意の位置に固定でき、かつ、ボス部の寸法の小 型化が可能となる。

【００１４】

【考案の効果】

本考案によれば、撹拌翼による槽内の流動状態が被撹拌流体の性状及び品質に 多大な影響を与える場合において、撹拌翼を最適撹拌を得るための位置に固定す ることが可能となる。また、固定する構造及び手段が単純なので、寸法の小型化 及び撹拌翼取付位置の変更作業の容易さの面で効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す部分断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ部の断面図である。

【図３】一般的な撹拌槽を表す断面図である。

【図４】従来の長尺キーを使用したセットボルト方式の
断面図である。

【図５】従来のテーパースリーブ方式の平面図である。

【図６】図５の一部断面正面図である。

【符号の説明】

１，２，３…撹拌槽、４…撹拌軸のキー溝、５…ボス、
６…テーパーキー、７…ボスのキー溝、８…締め付けボ
ルト、９…クランプ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 河村 直 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内 (72)考案者 神崎 淳光 山口県下松市大字東豊井794番地 日立テ クノエンジニアリング株式会社笠戸事業所 内 (72)考案者 明田 実 山口県下松市大字東豊井794番地 日立テ クノエンジニアリング株式会社笠戸事業所 内 (72)考案者 伊藤 幸香 山口県下松市大字東豊井794番地 日立テ クノエンジニアリング株式会社笠戸事業所 内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】撹拌軸に撹拌翼を固定したい範囲にわたり
   キー溝を施工し、一方、撹拌翼のボスにキー溝を設け、
   撹拌翼の固定位置において撹拌軸とボスとのキー溝にテ
   ーパーキーを挿入固定したことを特徴とする撹拌翼取付
   構造。