JPH0543274A - ガラス膜付基板の製造方法 - Google Patents

ガラス膜付基板の製造方法

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JPH0543274A
JPH0543274A JP20052991A JP20052991A JPH0543274A JP H0543274 A JPH0543274 A JP H0543274A JP 20052991 A JP20052991 A JP 20052991A JP 20052991 A JP20052991 A JP 20052991A JP H0543274 A JPH0543274 A JP H0543274A
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正隆 中沢
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康郎 木村
Hiroaki Okano
広明 岡野
Toshihide Tokunaga
利秀 徳永
Katsuyuki Imoto
克之 井本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 希土類元素を均一にドープした5μm以上の
厚さの透明ガラス膜を基板表面に形成する。 【構成】 金属アルコキシド溶液6と水4とを同一容器
1に入れて所定時間放置することによりその溶液6と水
4との界面にゲル膜5を形成させ、容器1内を排水する
などして上記ゲル膜を基板2上に静置し、乾燥後、希土
類元素ガス雰囲気中で焼結させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス等の基板表面に
希土類元素やその他のド−パントを含んだ透明ガラス膜
を形成したガラス膜付基板の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】金属アルコキシド溶液を用いて基板上に
ガラス膜を成膜するゾル・ゲル法が注目されている。従
来、このゾル・ゲル法によるガラス膜の成膜例として、
金属アルコキシド溶液(ゲル)をガラス等の基板上にデ
ィップコート法あるいはスピンコート法で塗布し、乾燥
後、加熱することによって、0.1 〜0.3 μmの膜厚の透
明で均一なガラス膜が得られている。また、ヒドロキシ
プロピルセルローズなどの増粘剤を添加することによっ
て最大0.5 μm の膜厚が実現されている。
【0003】上記値は1回の塗布−乾燥−加熱操作によ
って成膜できる膜厚値である。さらに厚い膜を実現する
方法として、上記操作の一回当たりの成膜膜厚を薄く
し、これを何回も繰り返すことによって膜を積層形成す
る方法も検討され、1.6 μmの膜厚が得られたという報
告がされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のゾル・ゲル法に
よるガラス膜の成膜では1.6 μm位の膜厚が限界であ
り、それ以上の膜厚を実現しようとすると、クラック,
剥離などの欠陥が生じることが知られている。これは、
ガラス膜を積層形成する際、すでに焼結して透明ガラス
化している膜は基板に対して密着性良く固着しているた
め、その後に塗布されたゲル膜の焼結工程においてさら
に繰り返し加熱されることにより膜の収縮の不均衡が表
面近傍の膜と内側の膜との間に生じ、内部応力が発生す
るためであると考えられている。従ってこの方法では、
光導波路用として必要な5 μm以上の膜厚の透明ガラス
膜を基板上に形成することは到底不可能であり、さら
に、希土類元素を均一にドープした厚膜のガラス膜を得
た例は皆無である。
【0005】本発明の目的は、前記した従来技術の欠点
を解消し、希土類元素を均一にドープした5μm以上の
厚さのガラス膜が得られるガラス膜付基板の製造方法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によるガラス膜付
基板の製造方法には、次の4つの態様がある。
【0007】第1は、金属アルコキシド溶液と水とを同
一容器に入れて所定時間放置することにより金属アルコ
キシド溶液と水との界面にウェット状のゲル膜を形成さ
せ、その後その容器内を排水するなどして上記ゲル膜を
基板上に静置し、乾燥後、希土類元素ガス雰囲気中で焼
結させるものである。
【0008】第2は、金属アルコキシド溶液と希土類元
素化合物を溶解させた水溶液とを同一容器に入れて所定
時間放置することにより金属アルコキシド溶液と水溶液
との界面に希土類元素を含んだウェット状のゲル膜を形
成させ、その後その容器内を排水するなどして上記ゲル
膜を基板上に静置し、乾燥後、焼結させるものである。
【0009】第3は、金属アルコキシド溶液と水とを同
一容器に入れて所定時間放置することにより金属アルコ
キシド溶液と水との界面にウェット状のゲル膜を形成さ
せ、その後その容器内を排水するなどして上記ゲル膜を
基板上に静置し、その基板を希土類元素化合物を溶解さ
せた水溶液中に所定時間浸漬してそのゲル膜に希土類元
素化合物を含浸させ、その水溶液中から基板を取り出
し、乾燥後、焼結させるものである。
【0010】第4は、金属アルコキシド溶液と水とを同
一容器に入れて所定時間放置することにより金属アルコ
キシド溶液と水との界面にウェット状のゲル膜を形成さ
せ、その後その容器内を排水するなどして上記ゲル膜を
基板上に静置し、乾燥後、その基板を希土類元素化合物
を溶解させた水溶液中に所定時間浸漬してそのゲル膜に
希土類元素化合物を含浸させ、その水溶液中から基板を
取り出し、乾燥後、焼結させるものである。
【0011】また、上記1乃至4のそれぞれの態様にお
いて、上記ゲル膜の主成分はSiO2 あるいはSiO2
にP,B,F,Ti,Ge,Alなどのドーパントを少
なくとも1種含んだものであることが望ましい。
【0012】更に、上記金属アルコキシドの少なくとも
一部は次の化学構造式A
【0013】
【化1】
【0014】(但し、Rはアルコキシ基、アルキル基、
OH基、ハロゲン基或いはフェニル基を表し、n≧0)
で示される物質であることが望ましい。
【0015】なお、化学構造式Aの物質はそのR基の総
数の少なくとも50%以上がアルコキシ基である。
【0016】
【作用】上記第1の態様によれば、溶剤として例えば炭
化水素溶剤のように金属アルコキシド溶液を溶かし水に
対して不溶で水よりも軽い液体を用いることにより、金
属アルコキシド溶液の層は水の層の上に形成される。そ
して、水との界面において金属アルコキシド溶液が加水
分解反応を起こすことにより、その界面にウエット状の
ゲル膜が形成される。ゲル膜は、容器内が排水されるこ
とにより下降して基板上に静置される。ゲル膜は基板上
に静置された状態で乾燥され、続いて希土類元素ガス雰
囲気中で焼結され透明ガラス化する。透明ガラス化する
際ゲル膜中に希土類元素が拡散し、希土類元素がド−プ
された透明ガラス膜が基板表面に成膜される。
【0017】上記第2の態様によれば、容器内における
ウェット状のゲル膜の形成段階においてゲル膜に希土類
元素がド−プされる。従って、このゲル膜を基板上に静
置し、乾燥させたのち焼結させれば、希土類元素がド−
プされた透明ガラス膜が基板表面に成膜される。
【0018】上記第3の態様によれば、基板上に静置さ
れたウェット状のゲル膜に希土類元素がド−プされる。
従って、このゲル膜を乾燥させたのち焼結されば、希土
類元素がド−プされた透明ガラス膜が基板表面に成膜さ
れる。
【0019】上記第4の態様によれば、基板上に静置さ
れた乾燥ゲル膜に希土類元素がド−プされる。従って、
水溶液中から基板を取り出し、乾燥後、このゲル膜を焼
結されば、希土類元素がド−プされた透明ガラス膜が基
板表面に成膜される。
【0020】上記それぞれの態様において、透明ガラス
膜の膜厚は、金属アルコキシド溶液の組成、粘度等を変
えることにより制御することが可能であり、数μmのも
のから数百μmの厚いものまで形成可能である。また、
金属アルコキシド溶液と水とを容器に入れて放置してお
く時間、溶剤の量、PH等を変えることによっても膜厚
制御が可能である。従って、基板表面に形成する透明ガ
ラス膜の膜厚を5 μm以上とすることにより、この基板
を光導波路用基板に適用することが可能となる。 ま
た、シリコンアルキシドとして、次の化学構造式A
【0021】
【化1】
【0022】(但し、Rはアルコキシ基、アルキル基、
OH基、ハロゲン基或いはフェニル基を表し、n≧0)
で示される物質を使用することより、従来周知のSi
(OR)4 で示されるシリコンアルコキシドを使用した
場合よりも、更に厚膜のガラス膜を得ることができる。
なお、置換基Rは、その総数の50%以上が例えば−O
CH3 基等のアルコキシ基であることが望ましい。これ
が50%以下になると、厚膜のガラス膜が得られ難くな
り、ガラス膜にクラックが発生しやすくなる。また、上
記化学構造式Aで示される物質は単独で使用されてもよ
いし、これに他のシリコンアルコキシドSi(OR)4
を併用してもよい。具体的には、例えば次の化学構造式
Bで示される物質
【0023】
【化2】
【0024】(コルコート社製、商品名:メチルシリケ
ート51)が使用できる。この場合にも、上述の通り、
例えばSi(OCH3 4 等のアルコキシシランを50
%以下の割合で併用することが可能である。なお、ガラ
ス膜には、上述の通り少なくとも1種類以上のドーパン
トが添加されていてもよいが、例えばGe(OCH3
4 等の金属アルコシキドのほか、次の化学構造式C
【0025】
【化3】
【0026】(但し、R′,R″はアルキル基を表す)
で示されるダブルアルコキシドを1種類若しくは2種類
以上を組み合わせて使用することができる。
【0027】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。
【0028】図1は本発明に係るガラス膜付基板の製造
方法の第1の実施例を示す工程図で、(a)に示すよう
に反応容器1内の水表面にウエット状ゲル膜5を形成す
る工程と、(b)に示すようにウェット状ゲル膜5を基
板2の表面に静置する工程と、(c)に示すようにウェ
ット状ゲル膜5を乾燥させる工程と、(d)に示すよう
に炉心管14内が希土類元素ガス雰囲気となっている電
気炉10内に上記乾燥ゲル膜を置き、希土類元素をド−
プしながら焼結させる工程の4つの工程からなる。
【0029】先ず、(a)の工程から説明すると、有底
筒体状の反応容器1の内底部に基板固定用ベース3をセ
ットし、基板固定用ベース3を完全に浸漬するまで反応
容器1内に水4を注ぎ込む。次に、基板固定用ベース3
の上に基板2を置き、反応容器内1の水4の上面に溶剤
に溶けた金属アルコキシド溶液6を注ぐ。このような状
態で所望の時間放置しておくことにより、水4と溶液6
との界面にウェット状のゲル膜5が形成される。
【0030】ここで、水4のPHは3 〜13の範囲に設定す
る。金属アルコキシド溶液6としてはSi(OCH3
4 ,Si(OC2 5 4 ,Si(OC3 7 4 など
のシリコンアルコキシド、あるいは、これらのシリコン
アルコキシドにGe(OCH3 4 ,Ge(OC
2 5 4 ,Ge(OC4 9 4 などのゲルマニウム
アルコキシド、Ti(OCH3 4 ,Ti(OC
2 5 4 ,Ti(OCH4 9 4 などのチタンアル
コキシド、PO(OCH3 3 ,PO(OC
2 5 3 ,PO(OC4 9 3などのリンアルコキ
シドを少なくとも1種類含んだものを用いる。金属アル
コキシド液を希釈する溶剤としては、金属アルコキシド
液を溶かし水に不溶で水よりも比重が小さい溶剤が好ま
しく、ベンゼン(C6 6 )やトルエン(C6 5 CH
3 )が適当である。基板2には石英ガラス、多成分ガラ
ス、シリコン、金属材料を用いることができる。
【0031】本実施例では水4はPH=10.0とし、これを
50g用いた。金属アルコキシド溶液6は溶媒に50gのベ
ンゼンを用い、その中に1gのSi(OCH3 4 と0.
1 gのGe(OC4 9 4 を溶解させたものを用い
た。基板2は3インチの厚さ1tの石英ガラスを用い
た。そして、上記の状態に24時間保って、水4と金属ア
ルコキシド溶液6の界面にウェット状のゲル膜5を得
た。
【0032】次に、液体排出用バルブ7を開いて、液体
排出口8より残留した水4と金属アルコキシド溶液6を
排出することで、図1(b)に示すように石英ガラス基
板2の上にウェット状のゲル膜5を載せた。
【0033】その後、図1cに示すように石英ガラス基
板2をシャーレ9に移し約100 ℃の温度でウェット状の
ゲル膜5を2〜3時間乾燥させ、乾燥ゲル膜とした。
【0034】次に、図1(d)に示すように、乾燥ゲル
膜付きの石英ガラス基板2を電気炉10の炉心管14内
に置く。炉心管14の一端には希土類元素化合物12が
入れられており、電気炉10は希土類元素化合物を収容
した部位を基板収容部位とは別の専用ヒ−タで加熱する
ことができるようになっている。そして、石英ガラス基
板2を加熱処理する際に、希土類元素化合物12を加熱
し気化させて炉心管14内を希土類元素ガス雰囲気とす
る。これにより、乾燥ゲルが焼結される際に希土類元素
が乾燥ゲル中にドープされて、石英ガラス基板2上に希
土類元素がド−プされた透明ガラス膜13が形成され
る。希土類元素化合物として、ErCl 3 ,EuCl
3 ,NdCl3 ,YbCl3 などが適当で、本実施例で
はErCl3 を選び専用ヒ−タで約1000℃に加熱し気化
させた。また乾燥ゲルの焼結温度は1450℃として約1時
間電気炉10内で保持した。その結果、石英ガラス基板
2上に透明なErを含むSiO2 −GeO2 ガラス膜を
密着性良く成膜することができた。膜厚は10μmで、ガ
ラスの組成はSiO2 90%、GeO2 7%,Er 3%
という結果であった。
【0035】図2は本発明に係るガラス膜付き基板の製
造方法の第2の実施例を示す工程図で、(a)に示すよ
うに反応容器1内の水表面に希土類元素を含有したウエ
ット状ゲル膜16を形成する工程と、(b)に示すよう
にウエット状ゲル膜16を基板上に静置する工程と、
(c)に示すようにウェット状ゲル膜16を乾燥させる
工程と、(d)に示すように電気炉10内で乾燥ゲル膜
を焼結させる工程の4つの工程からなる。
【0036】先ず、(a)の工程から説明すると、反応
容器1内に基板固定用ベース3をセットし、基板固定用
ベース3を完全に浸漬するまで希土類元素化合物を溶解
させた水溶液15を反応容器1内に注ぎ込む。次に、基
板固定用ベース3の上に基板2を置き、反応容器1内の
水溶液15の上に溶剤に溶けた金属アルコキシド溶液6
を注ぐ。このような状態で所望の時間放置しておくこと
により、水溶液15と溶液6との界面に希土類元素がド
ープされたウェット状のゲル膜16が形成される。
【0037】ここで、希土類元素化合物は水に溶解する
ものを用いることが望ましく、Er塩としてErCl3
・6H2 O,Er(NO3 3 ・5H2 O,Er2 (S
4 3 ・xH2 O、Nd塩としてNdCl3 ・6H2
O,Nd(NO3 3 ・5H2 O,Nd2 (SO4 3
・8H2O、Eu塩としてEuCl3 ・6H2 O,Eu
(NO3 3 ・6H2 O,Eu2 (SO4 3 ・8H2
Oが適当である。また、これらの希土類元素を少なくと
も1種類含む水溶液のPHは 3〜13の範囲に設定する。
【0038】本実施例では、希土類元素化合物として1
gのErCl3 ・6H2 OをPH=10の水50gに溶かし水
溶液15とした。金属アルコキシド溶液6並びに金属ア
ルコキシド液を希釈する溶剤としては、上記実施例1と
同じものを用いた。また、基板2にも上記実施例1と同
じものを用いた。そして、上記の状態に24時間保つこと
により、水溶液15と金属アルコキシド溶液6の界面
に、Erがド−プされたウェット状のゲル膜16を得
た。
【0039】次に、液体排出用バルブ7を開いて、液体
排出口8より残留した水溶液15と金属アルコキシド溶
液6を排出することで、図2(b)に示すように石英ガ
ラス基板2の上にErを含むウェット状のゲル膜16を
載せた。
【0040】その後、図2(c)に示すように石英ガラ
ス基板2をシャーレ9に移し約100℃の温度でウェット
状のゲル膜16を2〜3時間乾燥させ、Erを含む乾燥
ゲルとした。
【0041】次に、図2(d)に示すように、乾燥ゲル
膜付きの石英ガラス基板2を電気炉10内で約1450℃の
温度に約1時間保持し、石英ガラス基板2上の乾燥ゲル
膜を焼結させた。その結果、石英ガラス基板2上に透明
なErを含むSiO2 −GeO2 ガラス膜を密着性良く
成膜することができた。この透明ガラス膜13の膜厚並
びにガラス組成は、第1の実施例と同じであった。
【0042】図3は本発明に係るガラス膜付き基板の製
造方法の第3の実施例を示す工程図で、(a)に示すよ
うに反応容器1内の水表面にウエット状ゲル膜5を形成
する工程と、(b)に示すようにウェット状ゲル膜5を
基板2の表面に静置する工程と、(c)に示すようにウ
ェット状ゲル膜5に希土類元素化合物を含浸させる工程
と、(d)に示すように希土類元素を含んだウェット状
ゲル膜16を乾燥させる工程(e)に示すように乾燥ゲ
ル膜を焼結させる工程の5工程からなる。なお、(a)
及び(b)の工程は上記第1の実施例と全く同じである
ため、ここでは(c)の工程から説明する。
【0043】図3(c)に示すように、ウェット状のゲ
ル膜5が形成された石英ガラス基板2を希土類元素化合
物を溶解させた水溶液15の入っているシャ−レ9の中
に入れ、ゲル膜5に希土類元素を含浸させる。
【0044】ここで、希土類元素化合物は、実施例2に
おいて挙げた希土類元素化合物(Er塩、Nd塩、Eu
塩、など)が適当である。本実施例では、水溶液15と
して1gのErCl3 ・6H2 Oを50gの水に溶かし
たものを用いた。尚、石英ガラス基板2を水溶液15中
に浸漬させておく時間は5分とした。
【0045】次に、図3(d)に示すように石英ガラス
基板2を別のシャ−レ9に移し、ウェット状ゲル膜を約
100 ℃の温度で2〜3時間乾燥させ、乾燥ゲル膜18と
する。
【0046】続いて、図3(e)に示すように、乾燥ゲ
ル膜付きの石英ガラス基板2を電気炉10内で約1450℃
の温度に約1時間保持し、石英ガラス基板2上の乾燥ゲ
ル膜を焼結させた。その結果、石英ガラス基板2上に透
明なErを含むSiO2 −GeO2 ガラス膜を密着性良
く成膜することができた。この透明ガラス膜13の膜厚
並びにガラス組成は、第1及び第2の実施例と同じであ
った。
【0047】図4は本発明に係るガラス膜付き基板の製
造方法の第4の実施例を示す工程図で、(a)に示すよ
うに反応容器1内の水表面にウエット状ゲル膜5を形成
する工程と、(b)に示すようにウェット状ゲル膜5を
基板2の表面に静置する工程と、(c)に示すようにウ
ェット状ゲル膜5を乾燥させる工程と、(d)に示すよ
うに乾燥ゲル膜11に希土類元素化合物を含浸させる工
程と、(e)に示すように希土類元素を含んだゲル膜を
焼結させる工程の5工程からなる。なお、(a)〜
(c)の工程は上記第1の実施例と全く同じであるた
め、ここでは(d)の工程から説明する。
【0048】図4(d)に示すように、乾燥ゲル膜11
が形成された石英ガラス基板2を希土類元素化合物を溶
解させた水溶液15の入っているシャ−レ9の中に入
れ、ゲル膜11に希土類元素を含浸させる。
【0049】ここで、希土類元素化合物は、実施例2に
おいて挙げた希土類元素化合物(Er塩、Nd塩、Eu
塩、など)が適当である。本実施例では、水溶液15と
して1gのErCl3 ・6H2 Oを50gの水に溶かした
ものを用いた。尚、乾燥ゲル膜付きの石英ガラス基板2
を水溶液15中に浸漬させておく時間は5〜10分であ
る。
【0050】次に、乾燥ゲル膜付きの石英ガラス基板2
を水溶液15中から取り出し乾燥させたのち、図4
(e)に示すように電気炉10内で約1450℃の温度に約
1時間保持し、石英ガラス基板2上の乾燥ゲル膜11を
焼結させた。その結果、石英ガラス基板2上に透明なE
rを含むSiO2 −GeO2 ガラス膜13を密着性良く
成膜することができた。この透明ガラス膜13の膜厚並
びにガラス組成は、第1乃至第3の実施例と同じであっ
た。
【0051】次に、上述の化学構造式Aで示されるシリ
コンアルコキシドを原料として使用した場合の実施例に
ついて説明する。
【0052】原料としての金属アルコキシドが上述の化
学構造式Bで示されるメチルシリケート51である以外
は、全て上記各実施例と同じ条件で4つのガラス膜付基
板を製造した。
【0053】得られたガラス膜はSi(OCH3 4
用いた上記各実施例よりも厚く、いずれも15μmであっ
た。
【0054】以上の実施例から明らかなように、本発明
の方法によればウエット状のゲル膜を容易に基板上に静
置させることができ、ウエット状のゲル膜をそのまま乾
燥させたのち焼結させることにより、透明で10μm程度
の厚い希土類元素添加ガラス膜を基板表面に密着性良く
成膜することができる。この方法を用いればさらに厚い
ガラス膜の成膜も可能である。また、種々の希土類元素
(Er,Nd,Eu,など)や屈折率制御用ド−パント
(P,B,F,Ti,Ge,Al,など)を含んだ組成
のガラス膜を簡単なプロセスで、かつ大気圧中において
成膜できるというメリットもある。すなわち、成膜され
る透明ガラス膜の屈折率を基板のそれよりも高くしてお
けば、この透明ガラス膜付き基板を種々の光導波路用基
板(光伝搬用,光増幅用,など)に適用することができ
る。
【0055】
【発明の効果】第1の発明によれば、容器内でド−パン
トを含んだウエット状のゲル膜を形成し、これを基板上
に容易に静置させることができ、そのまま乾燥後、希土
類元素ガス雰囲気中で焼結させることにより基板表面に
希土類元素や上記ド−パントを含んだ透明で5μm以上
の厚いガラス膜を基板表面に密着性良く成膜することが
できる。
【0056】第2の発明によれば、容器内で希土類元素
やその他のド−パントを含んだウエット状のゲル膜を形
成し、これを基板上に容易に静置させることができ、そ
のまま乾燥後、焼結させることにより基板表面に希土類
元素や上記ド−パントを含んだ透明で5μm以上の厚い
ガラス膜を基板表面に密着性良く成膜することができ
る。
【0057】第3の発明によれば、容器内でド−パント
を含んだウエット状のゲル膜を形成し、これを基板上に
容易に静置させることができ、そのまま希土類元素化合
物を含む水溶液中に浸漬してウエット状のゲル膜に希土
類元素を含浸させた後、乾燥させ焼結させることにより
基板表面に希土類元素や上記ド−パントを含んだ透明で
5μm以上の厚いガラス膜を基板表面に密着性良く成膜
することができる。
【0058】第4の発明によれば、容器内でド−パント
を含んだウエット状のゲル膜を形成し、これを基板上に
容易に静置させることができ、そのまま乾燥後、希土類
元素化合物を含む水溶液中に浸漬して乾燥ゲル膜に希土
類元素を含浸させ、焼結することにより基板表面に希土
類元素や上記ド−パントを含んだ透明で5μm以上の厚
いガラス膜を基板表面に密着性良く成膜することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガラス膜付き基板の製造方法の第
1の実施例を示す工程図である。
【図2】本発明に係るガラス膜付き基板の製造方法の第
2の実施例を示す工程図である。
【図3】本発明に係るガラス膜付き基板の製造方法の第
3の実施例を示す工程図である。
【図4】本発明に係るガラス膜付き基板の製造方法の第
4の実施例を示す工程図である。
【符号の説明】
1 容器 2 基板 4 水 5 ゲル膜(ウェット状ゲル膜) 6 金属アルコキシド溶液 10 電気炉 11 ゲル膜(乾燥ゲル膜) 15 水溶液 16 ゲル膜(Erがドープされたウェット状ゲル膜)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡野 広明 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社オプトロシステム研究所内 (72)発明者 徳永 利秀 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社オプトロシステム研究所内 (72)発明者 井本 克之 茨城県土浦市木田余町3550番地 日立電線 株式会社アドバンスリサーチセンタ内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属アルコキシド溶液と水とを同一容器
    に入れて所定時間放置することにより該溶液と水との界
    面にゲル膜を形成させ、その後該ゲル膜を基板上に静置
    し、乾燥後、希土類元素ガス雰囲気中で焼結させるよう
    にしたことを特徴とするガラス膜付基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 金属アルコキシド溶液と希土類元素化合
    物を溶解させた水溶液とを同一容器に入れて所定時間放
    置することにより該金属アルコキシド溶液と水溶液との
    界面に希土類元素を含んだゲル膜を形成させ、その後該
    ゲル膜を基板上に静置し、乾燥後、焼結させるようにし
    たことを特徴とするガラス膜付基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 金属アルコキシド溶液と水とを同一容器
    に入れて所定時間放置することにより該溶液と水との界
    面にゲル膜を形成させ、その後該ゲル膜を基板上に静置
    し、該基板を希土類元素化合物を溶解させた水溶液中に
    所定時間浸漬してそのゲル膜に希土類元素化合物を含浸
    させ、該水溶液中から基板を取り出し、乾燥後、焼結さ
    せるようにしたことを特徴とするガラス膜付基板の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 金属アルコキシド溶液と水とを同一容器
    に入れて所定時間放置することにより該溶液と水との界
    面にウェット状のゲル膜を形成させ、その後該ゲル膜を
    基板上に静置し、乾燥後、該基板を希土類元素化合物を
    溶解させた水溶液中に所定時間浸漬してそのゲル膜に希
    土類元素化合物を含浸させ、該水溶液中から基板を取り
    出し、乾燥後、焼結させるようにしたことを特徴とする
    ガラス膜付基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記ゲル膜の主成分はSiO2 あるいは
    SiO2にP,B,F,Ti,Ge,Alなどのドーパ
    ントを少なくとも1種含んだものであることを特徴とす
    る請求項1乃至4のいずれかに記載のガラス膜付基板の
    製造方法。
  6. 【請求項6】上記金属アルコキシドの少なくとも一部が
    次の化学構造式A 【化1】 (但し、Rはアルコキシ基、アルキル基、OH基、ハロ
    ゲン基あるいはフェニル基を表し、n≧0)で示される
    物質であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか
    に記載のガラス膜付基板の製造方法。
  7. 【請求項7】上記化学構造式Aの物質の前記R基の総数
    の少なくとも50%以上がアルコキシ基であることを特
    徴とする請求項6に記載のガラス膜付基板の製造方法
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