JPH0542809Y2 -

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【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、治療時等に使用済の包帯等を入れた
り、患者の吐物等を受けるための膿盆に関するも
のであり、特にガーゼ、ピンセツト等の治療、手
当てに必要な治療用具を収納することが可能なも
のに関する。

（従来の技術）従来の膿盆は、実開昭55−2310号公報に示され
ているように、そら豆形をなし、金属製、プラス
チツク製、使い捨ての紙製のものがあり、また大
きさや深さも数種類のものがある。

この膿盆には大別して処置用膿盆と患者用膿盆
に分けることができ、処置用膿盆は治療処置時に
使用して不要になつた包帯材料、使用済器具ある
いは洗浄後の廃液等を入れるのに用いられ、これ
には比較的深さが浅いものが多い。

また、患者用膿盆は含そう水（うがい液）や吐
物等を受けるのに用いられ、比較的深くかつ開口
部の縁が多少厚めに形成されている。

このような膿盆は、使い捨てのものを除き、使
用後に薬液消毒した後、良質の磨き砂や洗剤等で
洗い、拭いて乾かして再度使用するものである。

（考案が解決しようとする課題）従来の膿盆は、使用済の治療用具や吐物等を入
れるためにだけ使用されていたので、治療に必要
な用具は膿盆とは全く別個に持ち運ばれていた。

特に使用後の膿盆は汚染されているため、その
中に未使用の用具を入れることはできず、膿盆と
治療用具とをそれぞれ別個に持ち運んだり、ある
いは用意することが必要であつた。

本考案は常時膿盆と用具を一組の器具として取
り扱うことができるようにして、持ち運び等の取
り扱いを容易にし、かつ衛生的にすることができ
る膿盆を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段）本考案の膿盆は、内部に治療用具を衛生的に収
納することができるように構成されている。

即ち、この膿盆は、膿盆本体と、この膿盆本体
の開口部を覆う蓋と、膿盆本体内に収納される用
具載置皿と、を具備するものである。

（作用）本考案の膿盆においては、用具載置皿上に用具
を置いて膿盆内に用具を収納し、蓋を閉じること
により膿盆と用具とを一体的かつ衛生的に取り扱
うことを可能にしている。

（実施例）以下図面に基づいて本考案の実施例を説明す
る。

第１図は本考案の一実施例に係る膿盆を示す分
解斜視図、第２図は第１図に示す膿盆の蓋を透視した平面
図、第３図は第２図のＡ−Ａ断面図である。

膿盆本体１は、金属、プラスチツク、紙等から
なるもので、平面形状がそら豆形をなす有底の容
器である。

この膿盆本体１は上方に開口部１ａを有し、そ
の側部１ｂは底部１ｃから開口部１ａの方向に向
かつて広がるように傾斜している。

蓋２は膿盆本体１の開口部１ａの周縁に外嵌さ
せることにより膿盆本体１を密閉するものであ
り、膿盆本体１と同じく金属、プラスチツク、紙
等からなるものである。

用具載置皿３はプラスチツクあるいは金属、紙
等からなるもので、底部３ａと、この底部３ａよ
り上方に向かつて広がるように傾斜して立ち上が
る側部３ｂを有する。

この側部３ｂの傾斜は、膿盆本体１の側部１ｂ
の傾斜に一致するように設定されており、さらに
この側部３ｂの上端部ほより囲まれる面積が膿盆
本体１の開口部１ａの面積にほぼ等しくなるよう
にその寸法が設定されている。

従つて、この用具載置皿３を膿盆本体１の開口
部１ａに嵌めると、傾斜が同じ側部１ｂ，３ａは
適合し、また側部３ｂの上端部は開口部１ａ付近
に係止する。

このため、用具載置皿３の底部３ａは、膿盆本
体１内の側部３ｂの高さ分だけ下がつた所に位置
する。

また、この用具載置皿３の底部３ａには、各種
の治療用具をより整理、収納し易くするための位
置決め用の凹部３ｃ〜３ｈが設けられている。

上記各構成部品を組み合わせると、第３図に示
すように、膿盆内は用具載置皿３によりダーテイ
ーゾーン４とクリーンゾーン５に二分割される。

従つて、ダーテイーゾーン４内に汚染された物
を入れる限り、汚染物の影響を受けることなくク
リーンゾーン５内に用具を衛生的に収納すること
が可能である。

尚、本実施例における膿盆を使い捨てにする場
合には、膿盆本体１内に用具載置皿３と治療用具
を入れ、蓋２により見閉した後、さらに滅菌処理
することにより、蓋２を開けるまで膿盆だけでな
く治療用具をも無菌状態に保つことができる。

第４図は第１図に示す膿盆の用具載置皿３に治
療用具を載置した状態を示す平面図である。

治療、手当でに必要な一連の用具の中で、例え
ば各種テープ類やガーゼ６は矩形状の凹部３ｃ内
に収納される。

また、ピンセツト７は、凹部３ｃよりも浅い凹
部３ｄ〜３ｆ内にその端部を収めることにより、
凹部３ｃ内に収納されたガーゼ６等の上を横切る
ように収納される。

このほか、凹部３ｇ，３ｈにはそれぞれイソジ
ン線球やヒビテン線球等が入つた長円形の容器
８，９や軟膏チユウブ等を収納することができ
る。

尚、これら凹部内に収納されたものを取り出し
易くするため、各凹部の側部をその開口部方向に
広がるように傾斜させて形成したり、あるいは凹
部３ｇ，３ｈの縁に浅い凹部３ｉ〜３ｋを形成す
ることにより指でつまみ易くしている。

また、凹部の形状を変更することにより薬剤等
も収納することが可能である。

（考案の効果）本考案によれば、膿盆内に治療用具を収納する
ことができるので、膿盆と治療用具を一組の器具
として取扱うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る膿盆を示す分
解斜視図、第２図は第１図に示す膿盆の蓋を透視
した平面図、第３図は第２図のＡ−Ａ断面図、第
４図は第１図に示す膿盆の用具載置皿に治療用具
を載置した状態を示す平面図である。１……膿盆本体、２……蓋、３……用具載置
皿。

【実用新案登録請求の範囲】