JPH0541794U

JPH0541794U - 圧胴洗浄装置のための安全装置

Info

Publication number: JPH0541794U
Application number: JP10884091U
Authority: JP
Inventors: 茂寿斉藤
Original assignee: 株式会社篠原鉄工所
Priority date: 1991-11-05
Filing date: 1991-11-05
Publication date: 1993-06-08

Abstract

(57)【要約】【目的】圧胴洗浄装置の旋回移動の際の事故を防止す
る。【構成】圧胴（３）と、これに旋回可能に対置された
圧胴洗浄装置（６）との間に、印刷機の側壁（８）方向
に移動可能な複数のシートガイド（７）が介設されたも
のにおいて、これらのシートガイド（７）の退避を確認
する手段（１３）を設けたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、枚葉式印刷機の用紙搬送系に関し、特に、用紙に印刷圧力を加える圧胴の洗浄装置のための安全装置に関する。

【０００２】

【考案の背景】

多色刷の枚葉式印刷機にあっては、図６に示すように、版胴（１）、ブランケット胴（２）及び圧胴（３）を主要な構成要素とする複数の印刷ユニットが渡し胴（４）、（５）によって連結され、これらの圧胴（３）及び渡し胴（４）、（５）等の用紙搬送系によって用紙が移送されつつ、各々の印刷ユニットのブランケット胴（２）と圧胴（３）との間で用紙が加圧され、印刷が行われる。

【０００３】ブランケット胴（２）に対向して用紙に印刷圧力を加える圧胴（３）には、本来付着してはならないインキが付着したり、また、紙粉等の浮遊塵が不可避的に降着する。

【０００４】そこで、このようなインキ及び塵芥を圧胴（３）表面から除去するため、特公昭５６−３７０６８号公報に開示されたようなベルト状の洗浄布及び洗浄液を内包した圧胴洗浄装置（６）が圧胴（３）に近接して配設され、洗浄作業時に非接触位置から接触位置に旋回されて、洗浄布を圧胴（３）の外表面に押着させるようになされている。

【０００５】ところで、印刷されるべき用紙が厚紙の場合、そのコシが強いので、圧胴（３）の咬え爪に咬持されていない後縁は、圧胴（３）の外周に密着することなく、遊離、振動してしまう。そして、遊離、振動する厚紙の後縁が非接触位置（休止位置）にある圧胴洗浄装置（３）に接触してこすれると、印刷面に傷が発生し、損紙となってしまう。

【０００６】このような損紙の発生を防止するため、圧胴（３）と、これに対置される圧胴洗浄装置（６）との間に、部分円弧状のバー材であるシートガイド（７）が介設され、印刷作業時（つまり、非洗浄作業時）には、このシートガイド（７）に沿って用紙が導かれるようになっている。そして、反対に圧胴（３）の洗浄作業時には、これらのシートガイド（７）を印刷機の左右の側壁近傍に退避させた上で、圧胴洗浄装置（６）を作業位置（つまり、接触位置）にまで旋回させ、洗浄布を繰り出して、圧胴（３）の外表面を洗浄するのである。

【０００７】ところで、シートガイド（７）が未だ退避されていないのに圧胴洗浄装置（６）を作業位置に旋回させたり、ましてや作動させたりすると、シートガイド（７）と衝突するばかりか、作動不良を起こしてしまい、極めて不都合である。

【０００８】

【従来の技術】

前記した特公昭５６−３７０６８号公報等は、圧胴洗浄装置の事故対策には何等言及していない。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記した問題に鑑みてなされ、進歩した圧胴洗浄装置のための安全装置を提供するもので、その目的は、圧胴洗浄装置の旋回移動の際の事故を防止することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

このために、本考案は、圧胴（３）と、これに旋回可能に対置された圧胴洗浄装置（６）との間に、印刷機の側壁（８）方向に移動可能な複数のシートガイド（７）が介設されたものにおいて、これらのシートガイド（７）の退避を確認する手段（１３）を設けたことを特徴とする。

【００１１】

【作用】

これにより、シートガイド（７）の退避が確認されて始めて圧胴洗浄装置（６）が圧胴（３）に接触できるようになるので、不都合な事故が防止される。

【００１２】

【実施例】

以下、図面を参照して、本考案の実施例につき詳細に説明する。図１は、本考案に係る圧胴洗浄装置のための安全装置を具備した印刷機の要部側面図、図２は、図１の矢印ＩＩ方向からの矢視図である。

【００１３】図１及び図２においては、図６におけると同じく、圧胴は符号（３）で、また、渡し胴も符号（５）で示されており、更に、圧胴洗浄装置及びシートガイドも、それぞれ符号（６）、（７）で示されている。

【００１４】圧胴洗浄装置（６）は、それ自体が一つのユニットとなっており、印刷機の左右の側壁（８）に近接した取付ブラケット（９）に図示しないピン等によって結合されている。そして、この取付ブラケット（９）は、側壁（８）間に差し渡された軸体（１０）によって旋回可能に支持されている。従って、圧胴洗浄装置（６）もこの軸体（１０）を中心にして、圧胴（３）に接触する洗浄作業位置と、圧胴（３）から離間した休止位置との間を必要に応じて旋回される。なお、符号（１１）は、圧胴洗浄装置（６）の旋回時の移動を滑らかに行わせるためのバランサを示す。

【００１５】圧胴（３）に沿った部分円弧状のバー材であるシートガイド（７）は、その上部において、前記軸体（１０）に係着されるとともに、その下部においても、同じく側壁（８）間に差し渡された他の軸体（１２）に係合しており、これらの軸体（１０）、（１２）によって、複数のシートガイド（７）（図２においては４本）が側壁（８）方向（図２の左右方向）に移動可能に支持されている。

【００１６】しかし、シートガイド（７）の上部を支える軸体（１０）は、単にシートガイド（７）の支持部に貫入して、このシートガイド（７）の移動には何等の制限を加えることがないのに比し、下部を支える軸体（１２）には、ストッパ（１３）が設けられている。

【００１７】このストッパ（１３）は、軸体（１２）の切欠部（１４）において、ピボット（１５）を中心に旋回可能に配設され、スプリング（１６）によって、印刷機の中心方向に付勢されており、切欠部（１４）の段差に当接した状態（図２の右方のもの）で、軸体（１２）の外周から突出するようになっている。

【００１８】そして、このストッパ（１３）とシートガイド（７）との関係は、図３及び図４の部分側面図に示すように２種類存在し、左右の側壁（８）に近い方のシートガイド（７）は、図３に示すように、ストッパ（１３）と何等干渉することなく、軸体（１２）に係合して支持されるのに対し、印刷機の中心に最も近いシートガイド（７）のみが、図４に示すように、ストッパ（１３）と干渉して旋回させ、このストッパ（１３）を図２の左方に示すように軸体（１２）の切欠部に収容させる。

【００１９】次に、作用について説明すると、このストッパ（１３）が図２の右方に示す如く軸体（１２）の外周から突出したままの状態であると、圧胴洗浄装置（６）は、誤った指令により圧胴（３）との接触位置に旋回してしまうとしてもこのストッパ（１３）に当接してしまい、それ以上下降できなくなるものである。

【００２０】そしてまた、この時には、シートガイド（７）も側壁（８）の近傍に移動、退避されていない訳であるから、圧胴洗浄装置（６）を作動させてはならないのは無論である。

【００２１】しかし、図２の左方に示す如く、全てのシートガイド（７）（正確には、左右に振分けられた全てのシートガイド（７））が側壁（８）近傍に退避され、従って、ストッパ（１３）もピボット（１５）を中心に旋回されて切欠部（１４）に収容されてしまうと、もはや圧胴洗浄装置（６）の旋回を妨げるものはなくなってしまった訳であり、このとき、図１に示す取付ブラケット（９）付設のドック（１７）が洗浄位置確認のためのリミットスイッチ（１８）をたたき、図５に示すように洗浄作業が開始できることとなる。このように、ストッパ（１３）は、シートガイド（７）の退避を確認する手段を構成しているのである。

【考案の効果】

本案装置によれば、圧胴洗浄装置の旋回移動の際の事故を防止して、安全、かつ、確実に洗浄作業を遂行することができるという有意義な効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る圧胴洗浄装置のための安全装置を
具備した印刷機の要部側面図である。

【図２】図１の矢印ＩＩ方向からの矢視図である。

【図３】シートガイドとストッパとの関係を示す部分側
面図である。

【図４】同じく、シートガイドとストッパとの関係を示
す部分側面図である。

【図５】圧胴洗浄装置の洗浄作業時を示す部分側面図で
ある。

【図６】圧胴洗浄装置を有する枚葉式印刷機の概略側面
図である。

【符号の説明】

３圧胴６圧胴洗浄装置７シートガイド８側壁１０軸体１２軸体１３ストッパ１４切欠部１５ピボット１６スプリング

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】圧胴（３）と、これに旋回可能に対置さ
れた圧胴洗浄装置（６）との間に、印刷機の側壁（８）
方向に移動可能な複数のシートガイド（７）が介設され
たものにおいて、該シートガイド（７）の退避を確認す
る手段（１３）を設けたことを特徴とする圧胴洗浄装置
のための安全装置。