JPH0541364A - 金属薄膜のドライエツチング方法及びドライエツチング装置 - Google Patents

金属薄膜のドライエツチング方法及びドライエツチング装置

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JPH0541364A
JPH0541364A JP19425391A JP19425391A JPH0541364A JP H0541364 A JPH0541364 A JP H0541364A JP 19425391 A JP19425391 A JP 19425391A JP 19425391 A JP19425391 A JP 19425391A JP H0541364 A JPH0541364 A JP H0541364A
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JP
Japan
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etching
aluminum chloride
etched
gas
aluminum
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JP19425391A
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English (en)
Inventor
Masaaki Sato
政明 佐藤
Mutsunobu Arita
睦信 有田
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】通常の加熱温度ではハロゲン化物が揮発せずエ
ッチングが困難であった金属あるいは金属化合物につい
て、より低温で揮発可能な反応生成物を形成することに
よりエッチングを可能とするドライエッチング方法及び
ドライエッチング装置を提供する。 【構成】減圧気相下での塩素または臭素を含むガスを用
いた金属あるいは金属化合物のドライエッチング法にお
いて、エッチングガスとしてあるいはエッチングガスの
一部として塩化アルミニウムまたは臭化アルミニウムを
使用する。 【効果】エッチングの異方性が得られるため加工精度が
飛躍的に向上するとともに従来実現できなかった微細幅
の金属加工が可能となる利点が生ずる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属または金属化合物
を気相中で反応、除去するドライエッチング技術に関す
るもので、特に半導体装置の製造工程、高温超伝導装置
の製造工程等において、その装置の電極配線または機能
材料として使われる金属または金属化合物のドライエッ
チングに好適な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、金属またはその化合物のエッチン
グ方法としては、酸あるいはアルカリの水溶液中で、酸
化還元反応や溶解反応を用いたウエットエッチング方法
が主として用いられた。この方法では酸やアルカリの種
類、濃度の組み合わせを選ぶことにより、ほぼ全ての金
属やその化合物がエッチング可能である。しかし、金属
やその化合物を部分的にマスクしてエッチングし、残っ
た材料を電極配線や機能材料として使用するとき、ウエ
ットエッチング法ではエッチングに方向性がないため、
マスクの下もエッチングされてしまう、いわゆるアンダ
カットが問題となり、幅が材料の厚さの2倍以下の微細
パタンの作成は困難であった。
【0003】この問題の解決のために、エッチングに方
向性を持たせた反応性イオンエッチング法が提案され、
気相中で方向性を持ったイオンとプラズマにより分解励
起したガスの相互作用でイオンの入射方向に異方性を持
ったドライエッチングが可能になり、ハロゲン系のガス
を用いてアルミニウム、チタン、タングステン、モリブ
デン、銅などの金属、銅入りアルミニウム、ガリウム砒
素、インジウムリン、タングステンシリサイド、チタン
シリサイド等の金属化合物の方向性エッチングが可能に
なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ドライ
エッチングできる金属の種類はその金属のハロゲン化物
などの化合物が減圧下で揮発するものに限られ、常温で
揮発しないものは、揮発可能な温度まで加熱する必要が
あった。例えば、G. C. SchwartzとP. M. Schaibleによ
る“Reactive Ion Etching of Copper Films”, Journa
l of Electrochemical Society, 130, 1777(1983)に示
された銅のエッチングにおいては、エッチング電極を2
25℃まで加熱して塩化銅の揮発を助けている。さらに
多くの金属とその化合物は通常の装置で加熱可能な40
0℃以下の温度では揮発せずドライエッチングは困難で
あった。
【0005】本発明は、上述の課題を解決するためにな
されたもので、通常の加熱温度ではハロゲン化物が揮発
せず、エッチングが困難であった金属あるいは金属化合
物について、より低温で揮発可能な反応生成物を形成す
ることによりエッチングを可能とするドライエッチング
方法及びドライエッチング装置を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明においては、エッチングガスあるいはその一
部として塩化アルミニウムまたは臭化アルミニウムを使
用するものである。
【0007】
【作用】本発明のドライエッチング方法において金属を
揮発する化合物の形にするには、塩化アルミニウムまた
は臭化アルミニウムと、金属のハロゲン化物との反応を
用いる。例えば塩化アルミニウム(AlCl3)と金属
(化学式をMで代表させる)の塩化物(MCln)を混
ぜて反応させると、クロロアルミネートを形成する。こ
れは例えば4面体構造を持つテトラクロロアルミネート
イオン(AlCl4 -)と金属イオンあるいは金属塩化物
イオン(MCln-1 +)の混塩である。あるいはヘプタク
ロロアルミネートイオン(Cl3AlClAlCl3 -
との混塩になることもある。
【0008】この例としては、LiCl・AlCl
3(融点143.5℃)、NaCl・AlCl3(同18
5℃)、KCl・AlCl3、CuCl・AlCl3(融
点233℃)、AgCl・AlCl3、4AlCl3・3
CaCl2(融点<300℃)、4AlCl3・3SrC
2(融点<300℃)、2AlCl3・BaCl2(融
点290℃)等である。これらの化合物の特徴は、融点
が比較的低いことである。例えば元の金属塩化物の融点
を記すとLiClの融点は614℃、NaClの融点は
800.4℃、CuClの融点は422℃、CaCl2
融点は776℃、SrCl2の融点は873℃、BaC
2の融点は962℃である。従って、クロロアルミネ
ートになることで融点が例での最大で672℃、最小の
CuCl・AlCl3でも189℃低下している。
【0009】金属塩化物の融点が高いのは、金属と塩素
の結合がM+−Cl-の形のイオン結合性が高く、結晶全
体がイオン間の引力で引き合っているイオン結晶を形作
っているからである。このような化合物結晶は非常に高
温に加熱しないと揮発しにくい。これに対し、テトラク
ロロアルミネートイオンは4面体構造という安定な構造
であり、塩素負イオンがアルミニウム正イオンを完全に
取り囲む形になっている。クロロアルミネート全体がM
+−AlCl4 -の形でイオン結晶となるもののそのイオ
ン結合性はM+−Cl-に比べはるかに小さい。このため
融点が低下し、減圧下ではより低温で揮発しやすくな
る。
【0010】金属臭化物と臭化アルミニウムによるブロ
モアルミネートも同様に金属臭化物の減圧下での揮発性
を高める。例えばLiBrの融点は547℃なのに対し
LiBr・AlBr3は197℃、AgBrが434℃
に対しAgBr・AlBr3は215.6℃、ZnBr2
が394℃に対しZnBr2・2AlBr3は111.5
℃等である。
【0011】このように塩化アルミニウムまたは臭化ア
ルミニウムと金属ハロゲン化物との反応により金属とハ
ロゲンとのイオン結合がより結合の弱いクロロアルミネ
ートあるいはブロモアルミネートとのイオン結合に変わ
り揮発性が高まることを本発明では利用している。すな
わち被エッチング物である金属または金属化合物を載置
したエッチング室に金属のハロゲン化用として塩素及び
臭素の内の1つまたは複数を含むガスを導入し、加熱、
放電プラズマ、イオン、電子、光等の手段でガス及び被
エッチング物またはそのいずれかを励起し、金属のハロ
ゲン化物を被エッチング物表面に形成させる。同時に、
エッチング室に塩化アルミニウムまたは臭化アルミニウ
ムを導入することにより、被エッチング物表面ではクロ
ロアルミネートまたはブロモアルミネートが形成され、
揮発して被エッチング物をエッチングすることができ
る。この際、被エッチング物は、クロロアルミネートや
ブロモアルミネートが揮発できるような温度に維持する
必要があることはいうまでもないが、この温度はもとの
金属ハロゲン化物を揮発させるのに必要な温度に比べ大
幅に低い。
【0012】以下、本発明について具体的な実施例によ
り説明するが、実施例を説明する全図において、同一機
能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明
は省略する。
【0013】
【実施例】〔実施例1〕図1乃至図7を参照して実施例
1を詳細に説明する。図1は、本例のドライエッチング
方法を実施する装置を示す図、図2は、図1における被
エッチング物のエッチング時の温度変化を示すグラフ、
図3は、図1における温媒の温度に対する3分エッチン
グ後の被エッチング物の温度を示すグラフ、図4は、本
例のエッチング装置でエッチング後の下地表面のX線回
折分析結果を示す図、図5は、従来のエッチング装置で
エッチング後の下地表面のX線回折分析結果を示す図、
図6は、エッチング後の試料表面の模式図で、(a)は
本例の装置によるエッチング後、(b)は従来の装置に
よるエッチング後であり、図7Aは、本例によるエッチ
ング後の表面のオージェ分析結果を示す図、図7Bは、
従来例によるエッチング後の表面のオージェ分析結果を
示す図である。
【0014】図1において、被エッチング物1の配置さ
れたカソード電極2と、対向するアノード電極3がエッ
チング室である真空チャンバ16内に配設されている。
カソード電極2は熱交換器5より循環する温媒が流せる
様な構造としており、また被エッチング物1とカソード
電極2間の熱接触改善のため静電チャック用電極4が埋
め込まれている。エッチング時この電極には高圧電源8
により直流電圧が掛けられ、被エッチング物1は静電チ
ャック用電極4に吸い付けられる。さらに熱接触の改善
のため被エッチング物1の裏側にHeガス導入路13か
らHeが流せる構造としている。温媒は熱交換器5によ
り加熱温度調節されカソード電極2内を循環するので、
カソード電極2は一定温度に維持できる。本装置では温
媒としてオイルを用いているので40℃から250℃ま
での一定温度での加熱が可能である。カソード電極2に
は高周波電源6がマッチングユニット7を介して接続さ
れている。高周波の周波数はここでは13.56MHz
を用いた。エッチングガスはガス導入ユニット9で流量
調節、混合され、ガス導入バルブ10を通して真空チャ
ンバ16内に導入される。そして、真空チャンバ16内
は真空ポンプ14により排気される。またスロットルバ
ルブ15により真空チャンバ16内のガス圧は一定に保
たれる。さらに本例の装置では塩化アルミニウムを真空
チャンバ16に導入するために、塩化アルミニウム導入
ユニット11が付けられている。このユニットには塩化
アルミニウムが封入され、一定温度に加熱できる構造に
なっている。このユニットで揮発した塩化アルミニウム
は導入バルブ12を通して真空チャンバ16に導入され
アノード電極3から他のエッチングガスと共に被エッチ
ング物1に吹き付けられる。
【0015】次に、被エッチング物としてパターンニン
グした有機レジスト膜をマスクとしたA1−Cu膜の配
線加工を行う方法について説明する。
【0016】まず、カソード電極2を熱交換器5により
40℃から250℃のある温度に加熱維持する。カソー
ド電極2の静電チャック用電極4上に被エッチング物1
を配置した後、真空チャンバ16内を真空ポンプ14に
より10-2Pa以下に排気する。本例では被エッチング
物1として半導体素子が形成されたシリコンウエハ上に
SiO2層間絶縁膜を形成し、Al−2%Cu膜を堆積
し、有機レジスト膜を塗布した後、露光現像工程により
部分的に有機レジスト膜を除去しパターンニングされた
試料を用いた。その後、ガス導入ユニット9と真空チャ
ンバ16の間のガス導入バルブ10を開いてエッチング
用ガスを導入する。このときのガスは例えば塩素20S
CCM、四塩化珪素30SCCMであった。そしてスロ
ットルバルブ15により真空チャンバ16内の圧力を例
えば0.6Paとする。次に静電チャック用電極4に例
えば200Vを印加する。その後、高周波電源6により
例えば300Wの高周波電力をカソード電極2に印加す
る。この時高周波電力印加と同時にHeガスを被エッチ
ング物の裏側から導入する。高周波電力印加により真空
チャンバ16内に発生したグロー放電によりエッチング
ガスは分解、電離して被エッチング物1に加速イオン及
び反応性ラジカルが到達し、被エッチング物1上のAl
−Cu合金膜がエッチングされる。
【0017】この時の被エッチング物1のエッチング時
の温度変化の一例を図2に示す。温度が80℃のとき、
放電開始により被エッチング物の温度は当初約10℃上
昇するが、静電吸着とHeガスによる熱伝導により上昇
は抑えられ、エッチングの間ほぼ90℃から95℃に保
たれた。同様な測定を、温度を40℃から230℃まで
変えていった時の3分エッチング後の被エッチング物の
温度を図3に示す。温媒の温度より被エッチング物の温
度は高いがその差は20℃以内に抑えられ、有効に温度
制御が可能となっている。
【0018】上記の処理条件により温媒の温度を変え
て、Al−Cu合金膜のエッチング後のSiO2下地膜
の表面に残る残渣をX線回折法により調べた。ここで、
エッチングガス導入と同時に塩化アルミニウム導入バル
ブ12を開いてエッチングガスに塩化アルミニウムを混
合した。その混合量は例えば0.1SCCM程度であっ
た。そして、温媒を180℃に加熱してAl−Cu膜の
エッチングを行った。このときの、X線回折の結果を図
4に示す。図5と対比してみると分かるように、SiO
2下地膜表面には塩化銅の残渣は無くなる。
【0019】図5は温媒温度180℃の時の従来の方法
によるエッチング後の下地表面の分析結果である。この
図の結晶方位110、020、201が存在することか
らみて明らかなように、Al−Cu膜エッチング後の表
面にはCuCl2・2H2Oが存在する事が分かる。これ
は、温媒温度が180℃では銅の塩化物が揮発するには
平衡蒸気圧が低すぎるため(180℃で(CuCl)3
の蒸気圧は約1.5×10-4Pa程度)である。銅膜の
塩素中での反応をさらに詳しく調べた結果では(K. Ohn
o, M. Sato and Y. Arita, “Effect of Temperature o
n Dry Etching ofCopper Films in Chlorinated Gase
s”, Extended Abstracts of 21st Conference on Soli
d State Devices and Materials, Tokyo, August, 198
9, p157)、塩化銅((CuCl)3)の平衡蒸気圧が5
×10-3Pa程度に上昇する220℃より高い温度まで
加熱しないと、銅のエッチングは出来ないことが分かっ
ている。実際、この系で温媒温度を230℃に加熱した
ところ、塩化銅の残留は無くなった。それに対し80℃
まで下げると、さらに多くの塩化銅の残渣が残った。
【0020】走査型電子顕微鏡による観察でも、図6に
示すように塩化アルミニウムを導入しないときの下地表
面(b)には塊状の塩化銅と思われる残渣物が多数見ら
れるのに対し、塩化アルミニウムを導入したときの下地
表面(a)にはまったく残渣19が見られなくなった。
前記図6において、17は基板、18はSiO2膜、1
9は残渣である。
【0021】この現象は、次のように考えられる。Al
−Cu膜中の銅はガス中の塩素あるいは塩素ラジカルと
反応しCuClを形成する。これは、180℃程度の温
度では減圧雰囲気中でも揮発しない。しかしAl−Cu
膜中のアルミニウムがエッチングされてできた塩化アル
ミニウムと反応し、テトラクロロアルミネート銅が形成
され揮発する。しかし、塩化アルミニウムを積極的に導
入しない系ではアルミニウムのエツチングが速く進み被
エッチング物上のアルミニウムがなくなると塩化銅の揮
発も停止し下地膜上に塩化銅が残留する。塩素はさらに
供給されるので塩化が進みCuCl2が残る。エッチン
グ後、この試料を空気中に取り出すと塩化銅は空気中の
水分と反応し水和物のCuCl2・2H2Oが形成され
る。
【0022】これに対し、塩化アルミニウムを積極的に
導入した系では、Al−Cu膜中の銅が塩化してできた
CuClと導入した塩化アルミニウムが反応するので、
テトラクロロアルミネート銅の揮発により、塩化銅は被
エッチング物表面より完全に取り除かれ残渣が発生しな
い。発明者らの検討によれば、塩化アルミニウムの流量
を増加させ、ガス中の塩化アルミニウムの分圧を上昇さ
せることにより、さらに低温でも残渣の無いエッチング
が可能であり、例えば、0.3SCCMの塩化アルミニ
ウムの流量で、温媒温度80℃でもまったく残渣の無い
加工が可能であった。
【0023】図7Aは本例のエッチング後の表面のオー
ジェ分析結果である。温媒の温度40℃では銅や塩素が
残留しているのに対し、80℃では銅の残留は見えなく
なり、120℃で塩素の残留も無くなった。図7Bの従
来技術では銅や塩素がエッチング後の表面から見えなく
なるには温媒の温度230℃の加熱が必要であり、本発
明により約110℃の低温化が可能となった事が分か
る。なお、図中のSiは、SiO2膜のSiを示すもの
である。
【0024】〔実施例2〕次に、図8を用いて実施例2
の説明をする。
【0025】本例は、塩化アルミニウムの発生手段を真
空チャンバの内部に設けたものである。図8に示したも
のは、塩化アルミニウムの発生手段としてカソード電極
2上に一定面積のアルミニウム板20をおいたものであ
る。このアルミニウム板20は、被エッチング物1のエ
ッチングと同時にエッチングされ、エッチングガスとの
反応により塩化アルミニウムを発生する。この塩化アル
ミニウムと被エッチング物の塩化物とを反応させてテト
ラクロロアルミネートを形成し揮発させる。この場合、
塩化アルミニウムの分圧の制御は、カソード電極を覆う
アルミニウム板20の面積とガスの流量や電力等のエッ
チングパラメータを制御して行う。
【0026】真空チャンバの内部に設ける塩化アルミニ
ウムの発生手段としては、前記図8に示したものに限ら
ず、例えば、真空チャンバの内部にアルミニウム電極を
別途設け、該電極に高電圧を印加して直流放電により塩
化アルミニウムを発生させるなど、任意の手段を採用す
ることができるものである。
【0027】〔実施例3〕次に、図9を用いて実施例3
の説明をする。
【0028】本例は、塩化アルミニウムの発生手段を真
空チャンバの内部に設けたものである。図9に示したも
のは、塩化アルミニウム導入ユニット11として、ユニ
ット室内にアルミニウム電極21を設け、塩素を含むガ
スを導入し、高電圧電源22によりアルミニウム電極2
1に高電圧例えば300Vを印加し、直流放電により塩
化アルミニウムを製造して真空チャンバ16に送り込む
ようにしたものである。本例を用いたエッチング方法
は、実施例1のエッチング方法とまったく同様である。
前記図9において、23は塩素系ガス導入バルブであ
る。
【0029】真空チャンバの外部に設ける塩化アルミニ
ウムの発生手段としては、前記図9に示したものに限ら
ず、任意の手段を採用することができるものである。
【0030】以上、実施例1乃至実施例3を用いて本発
明を具体的に説明してきたが、本発明は、上記実施例に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
で、種々変更可能であることは言うまでもない。
【0031】例えば、上記各実施例では塩素を含むガス
を用いて、エッチングを行ったが、これを臭素に置き換
えてもほぼ同様の効果がある。この場合、塩化アルミニ
ウムの代わりに臭化アルミニウムを用い、エッチングガ
スとしても塩素を含むガスのかわりに臭素を含むガスを
真空チャンバに導入する。この場合、臭化物の揮発には
塩化物に比べ若干高温が必要な場合も或るが他の条件な
どは前記各実施例と同様である。
【0032】更に、前記各実施例の説明では、被エッチ
ング物としてAl−Cu膜を選んだが、これは半導体装
置の製造工程で特に広く使用されている材料のエッチン
グへの適用ということにすぎず、他の金属あるいは金属
化合物に対しても同様な効果が得られる。例えば銅単体
の膜のエッチングは、従来の方法では250℃以上の試
料温度が必要であったが、本発明の装置により、180
℃程度にエッチング温度を低下出来た。また、Al−M
g合金膜は従来の方法では通常の加熱温度では塩化マグ
ネシウムが揮発せず加工は不可能であったが、本発明の
装置を用いた方法で、200℃程度の加熱で残渣の無い
良好な加工特性が得られた。このように本発明の装置を
用いたエッチング方法では、加熱温度の最適化によりい
ままでドライエッチングが不可能と思われていた多種の
金属、金属化合物の気相エッチングが可能となった。加
熱温度は高くとも200℃付近であり、これは金属塩化
物または臭化物がテトラクロロアルミネートを作った時
の融点がほとんどの場合300℃以下であるのと関係し
ていると考えられる。すなわち、300℃付近に融点の
あるクロロアルミネートはほぼ200℃付近で平衡蒸気
圧が10-2Pa程度まで上昇しテトラクロロアルミネー
トとして金属塩化物が揮発できるようになる。200℃
付近までの加熱の場合、マスクとして普通の工程で用い
られる有機レジストが使えるため、他の工程との整合性
も優れている。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、エッチ
ングガスとしてあるいはエッチングガスの一部として塩
化アルミニウム又は臭化アルミニウムを導入することに
より従来の方法では気相エッチングが困難であった金
属、あるいは金属化合物を気相中でエッチング可能にす
るという利点がある。気相エッチングで条件の最適化を
行えば、液層エッチングでは困難であったエッチングの
異方性が得られるため加工精度が飛躍的に向上するとと
もに、従来実現できなかった微細幅の金属加工が可能と
なる利点が生ずる。このことは、これらの金属を配線材
料などに使うLSIや他の電子部品の性能を飛躍的に向
上できるための基礎技術を本発明が提供できることを意
味している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1のドライエッチング方法を
実施する装置を示す図。
【図2】 図1における被エッチング物のエッチング時
の温度変化を示すグラフ。
【図3】 図1における温媒の温度に対する3分エッチ
ング後の被エッチング物の温度を示すグラフ。
【図4】 本発明のエッチング装置でエッチング後の下
地表面のX線回折分析結果を示す図。
【図5】 従来のエッチング装置でエッチング後の下地
表面のX線回折分析結果を示す図。
【図6】 エッチング後の試料表面の模式図で、(a)
は本発明の装置によるエッチング後、(b)は従来の装
置によるエッチング後を表す。
【図7A】 本発明によるエッチング後の表面のオージ
ェ分析結果を示す図。
【図7B】 従来例によるエッチング後の表面のオージ
ェ分析結果を示す図。
【図8】 本発明の実施例2のドライエッチング装置を
示す図。
【図9】 本発明の実施例3のドライエッチング装置を
示す図。
【符号の説明】
1…被エッチング物、2…カソード電極、3…アノード
電極、4…静電チャック用電極、5…熱交換器、6…高
周波電源、7…マッチングユニット、8…高圧電源、9
…ガス導入ユニット、10…ガス導入バルブ、11…塩
化アルミニウム導入ユニット、12…塩化アルミニウム
導入バルブ、13…Heガス導入路、14…真空ポン
プ、15…スロットルバルブ、16…真空チャンバ、1
7…基板、18…SiO2膜、19…残渣、20…アル
ミニウム板、21…アルミニウム電極、22…高電圧電
源、23…塩素系ガス導入バルブ。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年10月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】本例は、塩化アルミニウムの発生手段を真
空チャンバの部に設けたものである。図9に示したも
のは、塩化アルミニウム導入ユニット11として、ユニ
ット室内にアルミニウム電極21を設け、塩素を含むガ
スを導入し、高電圧電源22によりアルミニウム電極2
1に高電圧例えば300Vを印加し、直流放電により塩
化アルミニウムを製造して真空チャンバ16に送り込む
ようにしたものである。本例を用いたエッチング方法
は、実施例1のエッチング方法とまったく同様である。
前記図9において、23は塩素系ガス導入バルブであ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減圧気相下での塩素又は臭素の一方又は
    両方を含むガスを用いた金属あるいは金属化合物のドラ
    イエッチング方法において、エッチングガスとしてある
    いはエッチングガスの一部として塩化アルミニウムまた
    は臭化アルミニウムを使用することを特徴とするドライ
    エッチング方法。
  2. 【請求項2】 エッチングガスとして塩素又は臭素の一
    方又は両方を含むガスを使用し、エッチング室内の内部
    に塩化アルミニウム又は臭化アルミニウムを発生させる
    手段を設けたことを特徴とする金属薄膜のドライエッチ
    ング装置。
  3. 【請求項3】 エッチングガスとして塩素又は臭素の一
    方又は両方を含むガスを使用し、エッチング室の外部に
    塩化アルミニウム又は臭化アルミニウムを発生させる手
    段を設けたことを特徴とするドライエッチング装置。
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