JPH0541164A

JPH0541164A - プラズマ表示装置

Info

Publication number: JPH0541164A
Application number: JP3198060A
Authority: JP
Inventors: Nobuhiko Saegusa; 信彦三枝
Original assignee: Pioneer Electronic Corp
Current assignee: Pioneer Corp
Priority date: 1991-08-07
Filing date: 1991-08-07
Publication date: 1993-02-19

Abstract

(57)【要約】【目的】発光効率が高いプラズマ表示装置を提供す
る。【構成】一対の平行な基板の間に配置された一対の電
極と、電極の間に印加される電圧によって放電を生ずる
気体と、基板を保持しかつ放電が生じる放電空間を囲繞
する絶縁体のメインリブとを有するプラズマ表示装置に
おいて、一対の電極が絶縁体のメインリブの対向側壁に
互いに対向して形成され、放電空間に露出した絶縁体の
内壁上に形成された蛍光体膜を有するので、放電経路を
長くすることが容易になり、陽光柱領域が増大して紫外
線発光量が増えるので発光効率が向上する。さらに、蛍
光面積が増大するとともに、蛍光面を直視できるので発
光効率が高まる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【技術分野】本発明はプラズマ表示装置に関する。

【０００２】

【背景技術】プラズマ表示装置は、透明板等によって気
密的に封止された減圧気体中に配置された一対の電極の
間に電圧が印加されたときのグロー放電を利用した表示
装置として知られている。プラズマ表示装置は、構造的
には対向電極型、面放電型が知られ、印加電圧の分類で
は直流型、交流型が知られている。例えば、モノクロプ
ラズマ表示装置は、例えばネオンＮｅを含む封入ガス中
のグロー放電によってオレンジ色の光を発光させる。カ
ラープラズマ表示装置は、放電セル、例えばキセノンＸ
ｅを含む封入ガス中のグロー放電によって紫外線を発生
させ、紫外線によって目視側透明板内側に塗布した紫外
線励起蛍光体を発光させる。カラープラズマ表示装置に
おいては、適当な蛍光体を選ぶことによって、任意色の
単色発光をさせることができる。例えば、赤、緑、青の
蛍光体は、例えば、赤色ではＹ₂Ｏ₃：Ｅｕ，ＹＶＯ₃：
Ｅｕ，（Ｙ，Ｇｄ）ＢＯ₃：Ｅｕや、緑色ではＢａＡｌ
₁₂Ｏ₁₉：Ｍｎ，Ｚｎ₂ＳｉＯ₄：Ｍｎや、青色ではＢａＭ
ｇ₂Ａｌ₁₄Ｏ₂₃：Ｅｕ，ＢａＭｇＡｌ₁₄Ｏ₂₃：Ｅｕ等か
ら組み合わせることができる。

【０００３】蛍光体を用いるプラズマ表示装置の表示部
（ディスプレーパネル）の放電セルには、電極が放電空
間を隔てて対向する対向直流型と、電極を片側基板にま
とめた面放電交流型とが主に用いられている。対向直流
型は構造が簡単であり、その製造において従来の直流型
モノクロプラズマ表示装置の作成技術や駆動技術が利用
できる。一方、面放電交流型は、蛍光体と放電空間とが
空間的に分離されているので、放電の際に発生した荷電
粒子の衝撃による蛍光体の輝度劣化に対して有利であ
る。

【０００４】例えば、図５は面放電交流型プラズマ表示
装置の放電セルを示す。このプラズマ表示装置において
は、ガラス平板の背面板１及び前面板１１が互いに平行
に対向して配設され、背面板１の前面板側には、背面板
１に直行する障壁すなわちメインリブ６が固着されてい
る。このメインリブ６は、前面板１１と背面板１との間
隙を所定の間隔で保持し放電セルを画定している。ま
た、背面板２の前面板側には、直交する２本の電極２，
４を離間せしめつつ包埋する誘電体層３が形成されてい
る。前面板１１の背面板側には蛍光体１０からなる蛍光
面が形成されている。メインリブ６、前面板１１及び背
面板１により囲まれた放電セル内のにはガス１２が封入
される。図６に示すように、メインリブ６は複数の放電
セルをマトリクス状に画定して、全体がプラズマ表示装
置の表示部のパネルとなるように構成されている。

【０００５】この面放電交流型プラズマ表示装置の放電
セルにおいては、２本の電極２，４間に交流電圧を印加
することにより、電極２，４の近傍の誘電体層３の一対
の表面上の間にてグロー放電が発生する。このグロー放
電により生じる紫外線が空間的に離れた蛍光体１０を発
光させ、蛍光体１０及び前面板１１を透過する光を観察
者が目視する。

【０００６】図７は、フルカラーの面放電交流型のプラ
ズマ表示装置における表示パネルの蛍光面を示す。マト
リクス状のメインリブ６は、グロー放電による紫外線を
遮蔽して画像のにじみや混色を防止する。複数の放電セ
ル１３はドット状に配列され、各々の前面板１１の背面
側内面に、赤Ｒ、緑Ｇ、青Ｂの所定の蛍光面が形成され
ている。このようにして、赤、緑、青の蛍光体をモザイ
ク状に配列し、電極に電圧を印加する駆動回路によって
表示ドットの放電セル１３を選択すれば、多色表示がで
き、これに多階調機能を付加してフルカラーも表示でき
る。

【０００７】しかしながら、これらプラズマ表示装置に
おいては、発光効率の低さに問題がある。直流型の発光
効率は、低圧Ｘｅ封入ガス中での短パルス放電（タウン
ゼント放電）を利用して最大で、約１．６lm／Ｗ程度で
あるが、一般的な直流型ではこの値よりも１桁小さい。
また、面放電交流型は、輝度について100ｃｄ／ｍ²（白
色）以上が得られ性能的には優れた点が多いけれども、
その発光効率は、０．１〜０．５lm／Ｗ程度である。

【０００８】

【発明の目的】本発明の目的は、発光効率の高いプラズ
マ表示装置を提供することにある。

【０００９】

【発明の構成】本発明のプラズマ表示装置は、一対の平
行な基板の間に配置された一対の電極と、前記電極の間
に印加される電圧によって放電を生ずる気体と、前記基
板を保持しかつ前記放電が生じる放電空間を囲繞する絶
縁体とを有するプラズマ表示装置であって、前記一対の
電極が前記絶縁体の対向側壁に互いに対向して形成さ
れ、前記放電空間に露出した前記絶縁体の内壁上に形成
された蛍光体膜を有することを特徴とする。

【００１０】

【発明の作用】本発明によれば、陽光柱領域を容易に延
長でき蛍光面を直視できるので発光効率が向上する。

【００１１】

【実施例】以下に、本発明による実施例を図面を参照し
つつ説明する。図１は本実施例の対向直流型のプラズマ
表示装置の放電セルの拡大断面図を示す。図１に示すよ
うに、本実施例のプラズマ表示装置は、一対の平行な平
板ガラス板１，１１間に配置された一対のカソード及び
アノード２，４を担持する絶縁体３の基底部５と、グロ
ー放電を生ずる気体が充填される放電空間を囲繞する絶
縁体からなるメインリブ６と、基底部５表面及びメイン
リブの一対の対向側壁６ａ，６ｂ（図２）上に形成され
た蛍光体膜１０とを有し、カソード及びアノード２，４
がこの基底部から放電空間のメインリブの残る対向側壁
６ｃ，６ｄへ突出し互いに対向するように形成されてい
る。このようにして、放電経路を平板ガラス板に平行に
形成する。

【００１２】このプラズマ表示装置の製造は、以下のよ
うに行われる。基板としての背面ガラス平板１上に、カ
ソード２のストリップを複数平行に並設したものを用意
する。そのカソード２の上に絶縁体膜３を形成する。こ
の時、カソード２の一部が絶縁体膜３の上に露出するよ
うに形成する。次に図２に示すように、絶縁体膜３の上
にアノード４のストリップを複数平行に並設し絶縁体膜
中においてカソード及びアノード２，４が直角に規則的
に配列してＸＹマトリクス状となるように基底部５を形
成する。この時、カソード及びアノード２，４の一部が
絶縁体膜３の上に露出し、メインリブ６の対向側壁へ突
出するように形成する。

【００１３】次に、かかる基底部５の上に所定マスクを
載置してガラスペーストを複数回、塗布することによっ
て、メインリブ６を形成する。ここで、図３に示すよう
にメインリブ６は、直交カソード及びアノード２，４の
交差部上に平行壁部を配置し、例えば目視側から見て長
方形の壁となるように形成されている。図１及び図２に
示すようなマトリクス状のメインリブ６は、例えば、ガ
ラスペーストの光吸収性物質を５〜１０回塗布するスク
リーン印刷法により積層し、乾燥工程を繰り返して、基
底部５の上に５０〜200μmの高さに積み重ねることによ
り、形成されている。メインリブ６は、目視側から見て
長方形の壁となるように形成しているが、正方形、円形
などその形状に如何なるものでも良い。

【００１４】蛍光体膜１０は絶縁体のメインリブ６の側
壁６ａ，６ｂ及び絶縁体膜３上に形成され、カソード及
びアノード２，４を除いて、放電セル内面は蛍光体で覆
われる。電極の寿命を伸ばすためにカソード及びアノー
ド２，４の上面は蛍光体で覆わない。さらに、メインリ
ブ６の側壁６ａ，６ｂは、図２及び図３に示すように背
面ガラス平板１の法線に対して傾斜するテーパを有して
いる。これによって、放電によって発生し紫外線で蛍光
体が励起され、前面ガラス平板１１への光量が増大す
る。また、蛍光体１０の膜面上にＭｇＯからなる保護膜
を形成することもできる。

【００１５】前面ガラス平板１１はメインリブ６の上面
に載置され固着される。このように、放電セル内面は、
前面ガラス平板１１の内面及び電極面を除いて蛍光体で
覆われる。基底部及び前面ガラス平板並びにメインリブ
に画定された空間に放電ガス１２（Ｈｅ，Ｘｅ）が充填
されて、放電セルが形成される。前面ガラス平板１１と
背面ガラス平板１との間隙は、放電セルの減圧とメイン
リブ６の存在とにより所定の間隔に保持されている。

【００１６】このように、本実施例は、対向メインリブ
側壁上に対向電極を設けることにより放電経路が横にな
り長くなり、陽光柱領域が長くなるため、紫外線発光量
が増え蛍光体への励起量が増加して発光効率が向上す
る。さらに、メインリブに加え基底部表面に蛍光体を塗
布することにより、蛍光体面積が広くなり、発光効率が
向上する。さらに、前面ガラス平板に蛍光面を設けてい
ないので、観察者は、光が蛍光体を通過せずに蛍光体面
を直視することができる。これらによって、放電セルを
平面上０．９×０．７ｍｍ、深さ０．２ｍｍとした場
合、実施例の放電セルは、蛍光面積が約２倍、直視によ
る光量増加が約２倍、放電経路が２倍近くとなり、同サ
イズの面放電交流型の従来構造のプラズマ表示装置に比
して、約８倍も発光量が増大する。

【００１７】上記の実施例においては、対向するアノー
ド及びカソードを配置して直流型のプラズマ表示装置に
付いて説明したが、他の実施例においては、図４に示す
ように、対向カソード及びアノード２，４の各々の上に
誘電体膜７を形成し、これによって交流型のプラズマ表
示装置としても良い。また、上記の実施例のアノード及
びカソードの配置は例示であり、いずれの配置でも良
く、例えば交流型であればマトリクス状に配置された互
いに直交する電極配置でも良い。

【００１８】これら実施例においては、製造上、背面ガ
ラス平板上に電極、メイン及びサブリブ等が実装または
印刷され寸法精度が良くなるため、放電開始電圧のバラ
ツキが減少し、封入ガス中のＸｅ成分の混合比を増加で
き、発光効率が向上する。

【００１９】

【発明の効果】本発明によれば、一対の平行な基板の間
に配置された一対の電極と、電極の間に印加される電圧
によって放電を生ずる気体と、基板を保持しかつ放電が
生じる放電空間を囲繞する絶縁体のメインリブとを有す
るプラズマ表示装置において、一対の電極が絶縁体のメ
インリブの対向側壁に互いに対向して形成され、放電空
間に露出した絶縁体の内壁上に形成された蛍光体膜を有
するので、放電経路を長くすることが容易になり、陽光
柱領域が増大して紫外線発光量が増えるので発光効率が
向上する。さらに、蛍光面積が増大するとともに、蛍光
面を直視できるので発光効率が高まる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるプラズマ表示装置の放電セルの部
分拡大断面図である。

【図２】図１の側断面図である。

【図３】本発明によるプラズマ表示装置の複数の放電セ
ルの前面ガラス平板を取り除いたときの部分拡大斜視図
である。

【図４】本発明による他の実施例のプラズマ表示装置の
放電セルの拡大断面図である。

【図５】従来のプラズマ表示装置の放電セルの部分拡大
断面図である。

【図６】従来のプラズマ表示装置の複数の放電セルの前
面ガラス平板を取り除いたときの部分拡大斜視図であ
る。

【図７】マトリクス配置の複数の放電セルからなるプラ
ズマ表示装置の正面図である。

【符号の説明】

１……背面ガラス平板２，４……電極３……絶縁体膜５……基底部６……メインリブ７……誘電体膜１０……蛍光体膜１１……前面ガラス平板

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】一対の平行な基板の間に配置された一対
の電極と、前記電極の間に印加される電圧によって放電
を生ずる気体と、前記基板を保持しかつ前記放電が生じ
る放電空間を囲繞する絶縁体とを有するプラズマ表示装
置であって、前記一対の電極が前記絶縁体の対向側壁に互いに対向し
て形成され、前記放電空間に露出した前記絶縁体の内壁上に形成され
た蛍光体膜を有することを特徴とするプラズマ表示装
置。