JPH0539105Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は磁気記憶媒体であるフロツピーデイス
クを収納するフロツピーデイスク用ケースに関す
る。

〔従来技術と問題点〕

デイスク面への損傷を防止するため、フロツピ
ーデイスクは１枚ずつケース内に収納されて保
管、運搬が行なわれる。従来のフロツピーデイス
ク用ケースは紙を折り曲げ加工したり、プラスチ
ツクを成形加工して袋状に成形されている。従来
のケースは、フロツピーデイスクの取り出しを容
易にするため、フロツピーデイスクの上部がケー
ス外部に露出するようにフロツピーデイスクの上
縁よりも低く形成されている。従つて、ケースか
ら露出した部分に外部磁気が作用し易く、これに
より記憶情報の消失やノイズの発生が生じてい
る。このため、フロツピーデイスク全体を収納す
る大きさのケースも多いが、この場合にはフロツ
ピーデイスクの取り出しが難しくなる、問題が生
じている。

〔考案の課題〕

本考案は上記事情を考慮してなされ、フロツピ
ーデイスクの全面が覆われて、保護が確実に行な
われれ、しかもその取り出しが容易なフロツピー
デイスク用ケースを提供するものである。

〔課題解決の手段〕

本考案は、ケース本体外側から操作できるフロ
ツピーデイスクの下縁に接してこれを押上げる機
構を取り付けることにより、フロツピーデイスク
のほぼ全体の収納を可能とし、しかも、フロツピ
ーデイスクの取り出しを容易にする。

〔考案の構成〕

本考案によれば、フロツピーデイスクが出し入
れされる取出口が上縁に形成され、該フロツピー
デイスクが完全に収容される実質的に正方形の袋
状のケース本体と； 該ケース本体の一側縁と底縁に近い位置に、該
ケース本体の表裏面の同じ位置に設けられた傾斜
長孔と； 該傾斜長孔内を摺動可能に前記ケース本体に収
容され、前記フロツピーデイスクの下端部に当接
するフロツピーデイスク押上げ桿と； 該押上げ桿を前記ケース本体の外面より操作す
る操作ボタンと； よりなるフロツピーデイスク収納ケース が提供される。

前記押上げ機構は、フロツピーデイスクの外端
縁に当接し、且つ取出口方向にスライドするもの
であれば、その構造、形状は特に限定されない。
例えば、ケース本体に貫通する一本のピンでもよ
く、このピンにつまみを取り付けたものでもよ
い。又、押上げ機構のスライドは取出口方向に移
動するものであれば、取出口と直交する方向にス
ライドする構造でも、取出口に対して斜め方向に
スライドする構造でもよい。このような押上げ機
構の配設によりフロツピーデイスクの取り出しが
容易に行なわるから、ケース本体はフロツピーデ
イスク全体を収納するサイズに形成でき、磁気シ
ールドケースに本考案を用いた場合、磁気シール
ド性が格段に向上する。

〔実施例〕

以下、本考案を図示する実施例を参照して、具
体的に説明する。

第１図は本考案の一実施例の斜視図、第２図は
その−線断面図、第３図は第２図の分解斜視
図、第４図は使用状態の斜視図である。フロツピ
ーデイスク用ケースはフロツピーデイスクＡが収
納されるケース本体１と、ケース本体に取り付け
られた押上げ機構１０とからなつている。ケース
本体１はフロツピーデイスクＡが完全に収容され
る実質的には正方形状に成形されており、上部端
面が開口されてフロツピーデイスクＡを出し入れ
するための取出口２を形成している。このケース
本体１は厚紙、プラスチツク板等によつて成形で
きるが、フロツピーデイスクＡの保護を確実に行
なうためには、磁気シールド性の高い金属板で成
形するのが好ましい。磁気シールド性の高い金属
としては、純鉄等の鋼材あるいはアルミニウム、
ステンレス等が使用される。この場合、磁気シー
ルド性はケース本体１内に洩入する磁束が150〜
200G程度に低減させれば、フロツピーデイスク
の記録は影響を殆んど受けない。一般に日常生活
で外部磁気は最大1500G程度であり、これを1/10
程度に遮蔽するものが好ましい。

かかるケース本体１の内面には保護シート３を
設けるのが好ましい。保護シート３としては、ポ
リウレタン発泡体等の発泡プラスチツクシートあ
るいはゴムシート等のような弾性体シートが好ま
しいが、一定厚みのプラスチツクシート、紙等で
あつてもよい。この保護シート３は、貼着、塗布
あるいはスプレー等の適宜の手段で設けることが
できる。かかる保護シート３の形成により、フロ
ツピーデイスクＡに加わる衝撃が緩和し、また、
フロツピーデイスクＡとケース本体１との滑りが
改善され、フロツピーデイスクＡを確実に保護す
ることができ、また、その出し入れが一層容易に
なる。さらに、ケース本体１の取出口２には表面
材４と裏面材５との間に段差が設けられ、表面材
４の上縁部が裏面材の上縁部よりも低く形成され
ており、これにより、裏面材５の上縁部がフロツ
ピーデイスクＡ差し入れの際のガイドとなり、フ
ロツピーデイスクＡの差し入れが容易となる。
又、この取出口２の表面材４の一方の角部は直線
状に切り欠かれて切欠部６が形成されている。こ
の切欠部６の形成によりケース本体１内に収納さ
れたフロツピーデイスクＡの角部が露出するか
ら、空ケースか否かの判別が一見して可能であ
り、また、露出した角部を摘んでフロツピーデイ
スクＡを取り出すことは可能である。

前記押上げ機構１０はケース本体１の下部に設
けられている。この押上げ機構１０はケース本体
１内に収納されるフロツピーデイスクＡの外縁部
に当接する位置に取り付けられており、又、ケー
ス本体１の取出口２の方向にスライドする構造と
なつている。この押上げ機構１０のスライドによ
つてフロツピーデイスクＡがケース本体１から押
し出される。本実施例において、ケース本体１の
表面材４および裏面材５には斜めに延びるガイド
溝７，８が形成されており、押上げ機構１０はこ
のガイド溝７，８に沿つてスライドするように形
成されている。この押上げ機構１０はガイド溝
７，８内をスライドする円板状の一対のボタン１
１，１２と、ボタン１１，１２に両端が取り付け
られてケース本体１内でスライドする押上げ杆１
３とから構成されている。図示のものの断面Ｕ字
状であるが、単に円柱杆であつてもよい。ここ
で、押上げ杆１３は下側に屈曲して凹部を形成す
るように成形されており、フロツピーデイスクＡ
の外端縁が押上げ杆１３に嵌められた状態で押し
出されるようになついてる。第２図および第３図
中、９ａ，９ｂは補強板であり、ケース本体１内
面のガイド溝７，８部分に接合され、押上げ機構
１０の作動をガタつきのないように支持してい
る。更に、該補強板９ａ，９ｂはボタン１１，１
２を表面材４、裏面材５と同一平面に設ける場合
に、該ボタン１１，１２の支持部分となる。即
ち、この場合、上記ガイド溝７，８の横幅はボタ
ン１１，１２よりも広く形成され、該ボタン１
１，１２はガイド溝７，８の内側に収納される。
一方、補強板９ａ，９ｂにはボタン１１，１２の
軸が嵌合する溝９ｃ，９ｄが設けられており、ボ
タン１１，１２は該補強板９ａ，９ｂにより支持
され、該溝９ｃ，９ｄに沿つてスライドする。

次に、フロツピーデイスクの出し入れの状態を
第４図により説明する。フロツピーデイスクＡ
は、フロツピーデイスクＡと取出口２からケース
内部に差し込んで収納される。出し入れの際、裏
面材の上縁部がガイド面となり、容易に出し入れ
を行なうことができる。フロツピーデイスクＡが
ケース内部に収納されると、フロツピーデイスク
Ａの下部外端縁が押上げ機構１０の押上げ杆１３
に当接する。フロツピーデイスクＡを取り出す場
合、ボタン１１，１２を押し上げれば押上げ杆１
３によつてフロツピーデイスクＡは第４図のよう
に、上部がケース本体１から露出するから、この
部分を摘んで抜き取ることにより、容易に取り出
すことができる。このように、本実施例において
は、フロツピーデイスクＡの取り出しが容易に、
しかも確実に行なうことができる。このため、フ
ロツピーデイスクＡを露出させずに、完全にケー
ス内部に収納することができ、これによりフロツ
ピーデイスクＡの機械的損傷、磁気的損傷から確
実に保護することができる。

第５図は上記収納ケース１を一枚の板材から形
成する場合を示す展開図である。下端面となる中
央部分に設けた折曲線ａ，ｂを介して表面材４お
よび裏面材５が連続して形成されている。表面材
４の両側辺には折曲線ｃ，ｄを介して下端面およ
び裏面材５に密着する折り返り辺２３，２４がそ
れぞれ形成され、更に表面材４の上部辺には外側
に折り返される折り返し辺２１が折曲線ｅ，ｆを
介して形成されている。ここで、折曲線ｅはケー
ス１の組み立て後には取出口２の縁辺となり、折
曲線ｆは切欠部６の縁辺となる。一方、裏面材５
の側辺には折曲線ｇ，ｈ，ｉを介して裏面側に折
り返される折り返し辺２２が形成されている。ケ
ース１は、各折曲線を所定の方向に折り曲げて折
り返し辺７，８を表面材４および裏面材５に密着
させ、接着、溶接あるいはビス止め等により接合
することにより容易に組立てられる。

なお、本考案の種々の変更が可能である。押上
げ機構をケース本体の中央部分に設けてもよく、
押上げ機構を２個以上設けてもよい。又、ボタン
をケース本体の片面にだけ設けることもできる。
さらには、ケース本体を折り曲げ加工によつて成
形せず、個々の表面材４と裏面材５を２枚重ねに
して、溶接によつて成形してもよい。

更に、本考案の収納ケースは、ケース内部に保
護シートを内張りし、かつ、取出口の縁辺を外側
に折返して形成することにより、一層、保護機能
を高めることができる。この実施例を第６図に示
す。図示するように、収納ケース１は矩形の板状
表面材４と円形状の裏面材５とを重ね合せた状態
に形成され、該表面材４と裏面材５との間にフロ
ツピーデイスクＡを収納する空間が形成されてい
る。該ケース１の一側端にはフロツピーデイスク
Ａを出し入れする取出口２が形成されており、該
取出口２の縁辺は、その一端が一定角度を有して
直線状に切り欠かれて切欠部６が形成されてい
る。尚、該切欠部６は、フロツピーデイスクＡが
該ケース１に収納された際、該デイスク内部の円
板状記録部分本体の外側に位置するように設けら
れる。該切欠部６の形状は円弧状、直線状いずれ
でもよく、適宜な形状に形成される。該切欠部６
により、該ケース１内に収納されたフロツピーデ
イスクＡの１箇所の角部が露出するから、空ケー
スか否かの判別が容易に行なわれ、また、露出し
た角部を掴むことができるのでフロツピーデイス
クＡの取り出しが容易になる。又、この表面材４
の取出口２の縁辺は全長に亘つて外側に折り返さ
れて表面材４の外面に密着している。すなわち、
表面材４の取出口部分には、その縁辺に沿つて帯
状に折り返し辺４ａが形成されている。この折り
返しにより取出口２の縁辺は丸味を帯び、フロツ
ピーデイスクＡが縁辺に引掛かることがないか
ら、フロツピーデイスクＡの差し入れおよび抜き
取りを極めて円滑に行なうことができる。又、こ
の折り返し辺４ａに適宜、ラベル等を貼着して見
出しとして利用することもできる。尚、本実施例
においては、裏面材５の縁辺も同様に折り返され
ており、この折り返し辺５ａの形成によつてケー
ス１の強度が増大すると共に、周縁部全体が丸味
を帯びるため取り扱いの安全性を一層高めること
が可能となつている。更に、該ケース１の内面全
体には保護シート２０が内張りされている。保護
シート２０はスポンジ状のプラスチツク発泡シー
ト、一定厚さのプラスチツクシートあるいは紙等
が適宜使用され、スロツピーデイスクＡの両面が
保護シート２０に囲まれており、保護シート２０
のクツシヨン性によつて衝撃が緩和されると共
に、フロツピーデイスクＡをケース１から出し入
れする際に、その滑りをよくしている。

尚、該保護シート２０は表面材４および裏面材
５の上記折返し部分４ａ，５ａを一体に外側に折
返し、取出口２の周縁を囲むように形成するとよ
い。

〔考案の効果〕

以上のとおり本考案によると、フロツピーデイ
スクを押し上げる押上げ機構をケース本体に有す
るので、フロツピーデイスクの取り出しが確実
に、しかも容易に行なわれる。このため、取出し
のためにフロツピーデイスクの一部を露出させる
必要がなく、ケースに完全に収納することができ
るからフロツピーデイスクの保護を確実に行なう
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す外観斜視図、
第２図はその−線断面図、第３図は第２図の
部分分解組立図、第４図は使用状態の説明図、第
５図はケース本体の展開図。 １……ケース本体、２……取出口、７，８……
ガイド溝、１０……押上げ機構、１１，１２……
ボタン、１３……押上げ杆。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ フロツピーデイスクが出し入れされる取出口
   が上縁に形成され、該フロツピーデイスクが完
   全に収容される実質的に正方形の袋状のケース
   本体と； 該ケース本体の一側縁と底縁に近い位置に、
   該ケース本体の表裏面の同じ位置に設けられた
   傾斜長孔と； 該傾斜長孔内を摺動可能に前記ケース本体に
   収容され、前記フロツピーデイスクの下端部に
   当接するフロツピーデイスク押上げ桿と； 該押上げ桿を前記ケース本体の外面より操作
   する操作ボタンと； よりなるフロツピーデイスク収納ケース。 ２ 前記ケース本体の表裏両面に設けられる各種
   操作ボタンが、該ケース本体の表裏外面と同一
   面となるように取り付けられている実用新案登
   録請求の範囲第１項に記載のフロツピーデイス
   ク収納ケース。 ３ 前記ケース本体が磁気シールド性の高い材料
   で製作され、かつ該ケース本体表裏面のフロツ
   ピーデイスクと当接する面に、保護シートが内
   張りされている実用新案登録請求の範囲第１ま
   たは２項に記載のフロツピーデイスク収納ケー
   ス。