JPH0538787Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、模擬コンパクト・デイスクを装填
することにより、所定の動作をさせて遊ぶデイス
クプレイヤ玩具に関するものである。

解決しようとする技術課題 コンパクト・デイスク（以下、CDという）は、
小径のデイスクで大容量の情報を記憶することが
でき、これを利用して各種の動作をするようにし
たCDプレイヤが各種娯楽産業機器及び事務産業
機器に実用化されており、幼児なども強い関心を
寄せている。しかし、実際の製品は、CDもCDプ
レイヤも高価で、幼児などには安易に購入して使
用することは出来ないため、これらの興味を抱く
幼児などにCD及びCDプレイヤに対して失望させ
たり、これらに関する正しい知識の習得を困難に
するなどの問題点があつた。

この考案は、上記の点に鑑み、模擬CDを模擬
CDプレイヤに装填するとそのCDプレイヤが所定
の動作をするように構成することにより、見掛
上、CDプレイヤがCDに記録された情報を読出
し、これに基いて所定の動作をするような印象を
与えるデイスクプレイヤ玩具を提供しようとする
ものである。

課題解決手段 この考案では、上記課題を解決するため、模擬
CDと模擬CDプレイヤを用いる。

模擬CDは片面に環状の導電部を一本又は複数
本を同心円状に有して、外観的にCDに類似して
いる。このような模擬CDはそれぞれ導電部の本
数及び位置が異なる複数枚が用意される。

模擬CDプレイヤは、前記模擬CDを装填した場
合にONされる第１のスイツチと、装填された模
擬CDの前記各導電部に接触して導通される複数
個の第２のスイツチとを有している。また、各ス
イツチが導通されたときに与えられる入力を所定
のコードに変換して出力するエンコーダを有し、
そのエンコーダの出力をアドレスとして所定エリ
アから動作内容を決めるデータを読出す動作メモ
リを備えており、さらに、その動作メモリから読
出したデータに基いて所定の動作をする動作回路
を有する。

作 用 模擬CDを装填すると、その導電部のパターン
の種類に係わりなく、第１のスイツチがONされ
る。また、導電部のパターンに応じて第２のスイ
ツチのいずれかがONされる。いずれのスイツチ
がONされたかにより、エンコーダから所定のコ
ードが出力され、動作メモリにアドレスとして与
えられる。これに従つて、動作メモリから所定の
内容の動作データが読出され、動作回路に与えら
れる。

従つて、動作回路は装填された模擬CDの導電
部の配置パターンにより決定された内容の動作を
行う。

この考案の実施例 次に、この考案の実施例について図面に基いて
説明する。

第１図は模擬プレイヤ１に模擬CD２を装填し
た状態を示している。

模擬CD（以下、単にCDという。）について先に
説明すると、CDは、第２図に示すように、中央
に孔３を有する円盤状に形成してあり、同一径を
有する複数個が用意され、それぞれのCDはイの
２₁のように導電部がまつたく設けられていない
ものと、ロ，ハの２₂，２₃のようにCDの片面に
環状の導電部が一つ４ａ，４ｂ又はニの２₄のよ
うに複数個４ａ，４ｂ設けられているものとがあ
り、導電部の数が等しい場合は、各導電部の位置
が異なる。第２図においては、４ａ，４ｂはそれ
ぞれ共通位置に存する。

模擬プレイヤ１は、この玩具によつて実行させ
ようとする動作内容に応じた適切な外観と形状を
備える。図示の実施例はオーデイオプレイヤとし
て実現したものであるで、模擬プレイヤ１は、外
観をステレオに類似させるための模様、形状を備
えた箱５を有する。この箱には第５図に示すよう
なフレーム６と、そのフレームの上に備えられた
スピーカ７とが背面の開口から挿入され、その背
面に蓋８をねじにより開閉自在に固定してフレー
ム６とスピーカ７が取り付けられている。

フレーム６は左右の垂直な側板６ａ，６ｂをそ
の間に設けられたブロツク６ｃで連結してなり、
両側板の下端部を箱の底部内面に設けた溝８に嵌
合し、側板の前端部を箱の正面部内面に形成して
ある溝９に嵌合するとともに、フレーム６の前部
上端を箱の正面部内面に形成してある凸条１０の
下面に当接してフレームを箱内に固定している。

フレーム６のブロツク６ｃ上側には、CDを載
せて保持するCDホルダ１１が備えられ、CDホル
ダの左右両端が側板６ａ，６ｂの対向面に形成し
てある溝１２に前後方向に摺動自在に嵌合して保
持されており、そのCDホルダの後端部上面に設
けたピン１３と両側板６ａ，６ｂの間に固定した
軸１４の間に装着したばね１５により常時前方に
付勢されて、CDホルダ１１は前端部に箱の正面
に設けられたCDホルダ出入れ用孔１６から第１
図に示すように、前方に突出し又は内部挿入する
ことが可能とされている。

箱５とCDホルダ１１の間には、これを箱内に
押入したときにその状態に係止して保持し、操作
ボタン１７を操作したときは係止を解除してCD
ホルダ１１を、前記ばね１５による付勢力により
前方に突出させる係止機構が設けられている。す
なわち、側板６ｂの外側に突起１８が固定され、
その突起の上側に係止部１９ａと作動部１９ｂと
を有してほぼレ字形をなす係止レバー１９が屈曲
部において軸２０により側板６ｂに設けてある孔
２１内で回転自在に取付けられ、係止レバーの両
端部がCDホルダ１１のやや上方において箱内に
突出されている。そして、軸２０にコイルばね２
２が巻回されて、そのばねの一端を係止レバー
に、他端を側板６ｂに当接させている。これによ
り係止レバー１９は第７図に示すように、前記孔
２１の前端部に係止された状態で保持される。

作動部１９ｂは係止部１９ａよりもやや上側に
存し、前記CDホルダ１１の係止レバー１９と同
一側の後端部上面に係止部１９ａと同一高さにお
いて突起２３が設けてある。こうして、CDホル
ダ１１を押入したときは、突起２３が係止部１９
ａをばね２２に抗して回転させ、さらに内方に進
み、係止部よりも内側の所定位置まで到達する
と、突起２３が係止部１９ａから外れるため、係
止レバー１９がばね２２により復帰する。従つ
て、第６図に示すように、押入されたCDホルダ
１１が係止レバー１９により係止される。

箱の正面に設けてある操作ボタン出入れ用孔内
に出没自在に備えた操作ボタン１７は、その後端
部が前記係止レバー１９の作動部１９ｂに対向し
てあり、操作ボタン１７を押さない状態ではばね
２２の力により操作ボタン１７の先端が箱の正面
から外部に突出する状態に保持されるが、操作ボ
タンを押した状態では、その先端が係止レバーの
作動部１９ｂを内方に押入するため、係止部１９
ａがCDホルダ１１の突起２３から外れる。従つ
て、操作ボタンを押すと、CDホルダ１１がばね
１５により第１図に示すように箱の正面から外側
に突出される。

CDホルダ１１の上面中央部には、CDの中央の
孔３に嵌合してCDを保持する突起２４を有し、
その孔の左右両側の対称位置に孔２５，２６を設
けられている。

前記CDホルダ１１のすぐ下側に存するブロツ
ク１６ｃには、第８図に示すように、上面及び前
面に開口する複数対の溝２７ａ，２７ｂが設けて
あり、それぞれの溝内にスイツチの接点となる導
電片２８ａ，２８ｂが備えられ、各導電片の前端
部は溝の前部において逆Ｕ字形、Ｖ字形又はこれ
に類似する形状に曲げられて弾力性を有してお
り、その曲げ部がCDホルダ１１の移動面に弾性
的に突出させてある。

これらの溝２７ａ，２７ｂ及び導電片２８ａ，
２８ｂの数は前述したCD２の導電部４の最大数
の二倍に等しい数であり、また、各導電片の位置
はCDホルダ１１の一対の孔２５，２６に対応し、
かつ、CDホルダにCDを装填してこれを箱５内に
挿入した状態において各孔２５，２６内において
各導電片が各孔内に進入してそれぞれCDの所定
の導電部４ａ，４ｂに接触する位置関係を備えて
いる。すなわち、第２図のロのCDの場合は内側
の一対の導電片２８ａが導電部４ａに接触し、ま
た、同図ハの場合は外側の一対の導電片２８ｂが
導電部４ｂに接触し、さらに、同図ニの場合は二
対の導電片２８ａ，２８ｂが各導電部４ａ，４ｂ
に接触するようになつている。

こうして、前記各対の導電片２８ａ，２８ｂ
は、これに対応するCDの導電部４ａ，４ｂとと
もにそれぞれスイツチを構成する。さらに、CD
ホルダ１１の上側には、CDを装填したCDホルダ
をプレイヤ内に挿入した時にそのCDによりON
されるもう一つのスイツチ２９が設けてある。

前記第１のスイツチ２９、第２のスイツチ４
ａ，２８ａ，４ｂ，２８ｂは、フレーム６の側面
に取り付けられたプリント基板３０に備えられた
回路に接続されている。この回路は箱５の底部内
側に設けた電池ボツクス３１に備えた乾電池３２
を電源として動作するものであり、第９図に示す
ように、前記各スイツチ２９，４ａ，２８ａ，４
ｂ，２８ｂからの入力を所定のコードに変換する
エンコーダ３３と、所定番地に動作内容を決定す
るデータを記憶させてあり、前記エンコーダの出
力するコードをアドレスとして所定エリアからデ
ータを読出す動作メモリ３４と、動作メモリの出
力内容に応じた動作をする動作回路３５とから構
成されている。

前記動作メモリの動作内容を決定するデータと
は、例えば、模擬オーデイオ機器として実現する
この実施例では、各種メロデイ、チヤイムなどの
音が、既知の方法によりデイジタル方式で記憶さ
れている。また、各種の機械的運動もしくはその
組み合わせにより所定の動作をするように実現す
る場合は、データは当該機械部分の運動を制御す
るためのデータである。

そして、動作回路３５は、動作メモリから読み
出されるデイジタルデータを入力して音声信号を
発生する音声発生回路又はデイジタル信号をアナ
ログ信号に変換するDA変換回路と、その音声発
生回路又はDA変換回路の出力を所要レベルまで
増幅する増幅回路と、その増幅出力を電気機械変
換するトランスデユーサから構成される。模擬オ
ーデイオ機器として実現するこの実施例では、前
記トランスデユーサにはスピーカが用いられる。

上記の構成により、この玩具を使用するときの
作用を説明すると、まず、操作ボタン１７を押す
と、操作ボタン１７により係止機構の係止レバー
１９の作動部１９ｂが内側に移動されるため係止
部１９ａがCDホルダ１１の突起２３から外れる
ため、CDホルダ１１はばね１５の力により第１
図に示すように前方に突出されてこれにCD２を
装填することが可能になる。そこで、第２図のい
ずれかのCDをCDホルダ１１の上面に載せた後、
このCDホルダの前面を押して箱５内に挿入させ
る。所定の位置に到達すると、CDホルダ１１の
突起２３が係止機構の係止部１９ａに係止される
と同時に、CDホルダに保持されたCDが所定位置
まで進入したことにより第１のスイツチ２９が
ONされ、さらに、ブロツク６ｃの各導電片２８
ａ，２８ｂがCDホルダの孔２５，２６内に突出
するため、CDホルダに装填されたCD２に当接す
る。

この場合のCD２が第２図に示すイ〜ニのいず
れであるかにより、エンコーダ３３に入力する信
号が種々異なる。すなわち、イのCDの場合は、
エンコーダ３３には第１のスイツチ２９を介して
第１端子t₁のみに入力し、ロのCDの場合は第１
のスイツチ２９及び第２のスイツチ４ａ，２８ａ
を介して第１端子t₁と第２端子t₂に入力し、ま
た、ハの場合は第１端子t₁と第３端子t₂に、さら
にニのCDの場合は第１端子t₁、第２端子t₂及び第
３端子t₃の全て入力する。

上記イ〜ニのCDを装填した場合にエンコーダ
３３が出力するコードの一例を示すと、それぞれ
“100”，“101”，“110”，“111”のようになる。そ
して、これらのそれぞれ異なるコードをアドレス
として入力する動作メモリ３４は、それぞれ所定
エリアから動作内容を決定するデータを読み出し
て動作回３５に与えるので、例えば、各CDによ
りそれぞれ異なるメロデイ又はチヤイムが動作回
路であるスピーカより出力される。

図示の例では、CDホルダ１１を水平方往復移
動させることによりCDを装填し、第１及び第２
のスイツチがONされるようにしたが、CDホル
ダを一端において水平軸周りに回転自在に設け、
そのCDホルダにCDを載せ、CDホルダを水平状
態にした時に所定装填状態となり、そのCDによ
り所定のスイツチがONされるように配置するこ
ともできる。

この考案の効果 上述のように、この考案によれば、CDは単に
円盤状の材料の片面に同心円状に導電部を設ける
だけであり、また、CDプレイヤは前記CDにより
選択的にON動作されるスイツチを備えるととも
に、そのスイツチを介して与えられる信号をコー
ド化して動作メモリの所定エリアからデータを読
出して動作回路に与える回路を備えてなるもので
あるから、実際のCD装置に比し、非常に安価に
製作でき、しかも、模擬CDを模擬CDプレイヤに
装填すると、見掛上、CDに記録された情報をCD
プレイヤが読出し、これに基いて所定の動作をす
るような印象を遊戯者に与え、本物のCDプレイ
ヤを使用しているような満足感が得られる。

【図面の簡単な説明】

図面は、この考案の一実施例を示すものであ
り、第１図は模擬CDを装填した状態の模擬CDプ
レイヤを示す斜視図、第２図は各種の模擬CDを
示す平面図、第３図は模擬CDホルダの平面図、
第４図は箱の内側を示す斜視図、第５図はCDプ
レイヤの内部を示す断面図、第６図はフレームの
縦断面図、第７図は第６図の横断面図、第８図は
CDホルダと各導電片との位置関係を示す一部断
面図である。第９図は電気回路図である。 １……模擬CDプレイヤ、２……模擬CD、４
ａ，４ｂ……導電部、１１……CDホルダ、１８，
１９，２０，２１，２２，２３……係止機構、１
９……係止レバー、１９ａ……係止部、１９ｂ…
…作動部、２２……ばね、２３……突起、２５，
２６……孔、２８ａ，２８ｂ……導電片、２９…
…第１のスイツチ、４ａ，２８ａ，４ｂ，２８ｂ
……第２のスイツチ、３３……エンコーダ、３４
……動作メモリ、３５……動作回路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (イ) 一つ又は複数の環状の導電部を少なくとも片
   面に有し、それぞれ導電部の本数及び位置が異
   なる複数個の模擬デイスクと、 (ロ) ａ 前記模擬デイスクを所定位置に装填した
   ことによりONされる第１のスイツチ及び前
   記各デイスクの各導電部に２ケ所において接
   触する複数対の導電片からなる第２のスイツ
   チ、 ｂ 各スイツチを介して与えられる入力を所定
   コードに変換して出力するエンコーダ、 ｃ 前記エンコーダの出力するコードをアドレ
   スとして所定エリアより動作内容を決めるデ
   ータを読み出す動作メモリ、 ｄ 前記動作メモリの出力内容に応じた動作を
   する動作回路、 を備えた模擬プレイヤ、 とからなるデイスクプレイヤ玩具。