JPH05382Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、クリスマスカード、誕生カード、そ
の他の所謂グリーテイングカードの構造に関する
ものである。

「従来の技術」 種々の目的で使用されるグリーテイングカード
は、第一義的には、外観体裁が良好であることが
要求される。

この観点から、色彩を豊かにしたり、デザイン
に工夫を凝らしたり、更には、開いた際に内部に
折り曲げてあつた部分が立体的に突出する構造と
したりすることが、広く行われている。

例えば、意匠登録第672138号公報で開示された
カードが、立体的な構造として代表的なものであ
る。このカードは、紙葉を中央部で折曲げると共
に、この折曲げ線を中心にして対称形状の装飾片
を半抜き状に切り欠き、更に装飾片を折曲げ線部
分で反転折曲げした構成であり、紙葉の半開き状
態でこの装飾片が前方に突出する。

また、この種の製品としては、特に幼児用の絵
本にも見られる。これは、反転折曲げした装飾片
の端部を本の見開き２ページにわたつて接着し、
本を開くと同時にこの装飾片が起き上がるように
構成したものである。

「考案が解決しようとする課題」 しかしながら、上記した従来のこの種のカード
等は、単に装飾片が前方に突出するだけであつ
て、奥行のある立体感を満足させるものではなか
つたのである。

本考案は、上述した従来の不満点を解消し、要
求に応えるべく考案されたカード体であつて、美
麗にして外観体裁が良好であり、しかも複数層に
わたつて立体感が視認できるようにすることを目
的とする。

「課題を解決するための手段」 上記目的を達成するために、本考案のカード体
は、背景板の両側端に側板を屈曲連設すると共
に、該側板の夫々の他端にガイド板を反転屈曲連
設し、前記両側板に、縦長なスリツトを対向して
開設した操作体と、対向する前記スリツトに抜け
出し不能に挿通されて、前記両側板間に架設され
る装飾体と、平板に窓孔を開設すると共に、背面
の該窓孔の両側近傍に、前記両ガイド板が夫々挿
通する挿通部を設けた表面体と、から構成したも
のである。

「作用」 従つて、非操作時には、操作体に於ける背景板
と側板との間、及び側板とガイド板との間を反転
屈曲して折り畳むことにより、背景板と側板とガ
イド板とが三層に重なり、更に、両ガイド板が相
互に近接する方向にスライドする結果、表面体の
窓孔が両ガイド板によつて閉じられ、全体とし
て、表面体を含む四層のシート状のカードとな
る。

この場合、両側板間に架設さた装飾体は、スリ
ツトに抜け出し不能に挿通されているだけである
から、側板を折り畳んだ際にスリツト内をスライ
ドし、スリツト内に挿通した状態で、中央部では
背景板と側板との間に挟持されて重なり、両端部
では側板とガイド板との間に挟持されて重なるこ
とになる。

そして、この状態から、両ガイド板の側端を引
つ張つて両ガイド板を離反方向にスライドさせる
と、表面体の窓孔が開口する。また、この操作と
同時に、折り畳まれて同一平面上に位置する両側
板も夫々立ち上がるので、表面体は側板の立ち上
がり幅だけ背景板に対して前方に進出し、更に、
スリツト内に挿通されて両側板に支持されている
装飾体も、このスリツトと背景板との間隔だけ僅
かに前方に進出する。

この結果、開口した表面体の窓孔から、装飾体
と背景板とが視認され、表面体を含めて少なくと
も三層の立体構造となるのである。

「実施例」 実施例について、図面を参照して説明する。

操作体１は、比較的厚手の紙で製作された横長
で且つ幅広の帯板形状であり、中央部を背景板２
とすると共に、この背景板２の両側端に側板３，
３を第一の屈曲部４，４を介して前方に屈曲して
連設し、更に、この側板３，３の夫々の他端にガ
イド板５，５を第二の屈曲部６，６を介して後方
に反転屈曲して連設した構成である。

側板３，３の横幅は、背景板２の横幅の1/2で
あり、従つて、第一の屈曲部４，４で前方に屈曲
させて折り畳むと、両側板３，３は、同一平面上
に並列姿勢となり、背景板２の前面に重なる。

背景板２の前面は色彩が施され、図示実施例で
は、上部に月や星が描かれている。

側板３には、縦長なスリツト７が３本、スリツ
ト７ａ，７ｂ，７ｃとして並列に開設されてい
る。この各スリツト７ａ，７ｂ，７ｃは、下端が
同一高さ位置にあり、後方即ち背景板２寄りのス
リツト７程、高さの高いもの、つまり長いものと
なつている。そして、両側板３，３にあつて、各
スリツト７ａ，７ｂ，７ｃは相互に対向させる。

また、ガイド板５は側板３とほぼ等しい横幅を
有し、両側板３，３を第一の屈曲部４，４で屈曲
させて折り畳み、ガイド部５，５を第二の屈曲部
６，６で後方に反転屈曲して折り畳むと、両ガイ
ド板５，５は同一平面上に並列姿勢となり、両第
二の屈曲部６，６部分が相互に当接した状態で、
側板３，３及び背景板２に重なる。

ガイド板５の他端にあつて、中央部には、側方
に突出する引張片８が設けられ、上下両端には、
上方及び下方に突出する係止片９が設けられる。

尚、図示実施例では、背景板２の背面は、同様
の紙で製作されたベース板１０に貼着される。

次に装飾体１１は、背景板２の横幅よりもやや
長い厚手の紙製であり、スリツト７に挿通されて
両側板３，３間に架設される。細帯板状となつた
本体部１２の両側端の上下両端には、上方及び下
方に突出した係止突片１３が設けられてあり、こ
の係止突片１３がスリツト７上下の側板３背面に
係止して、装飾体１１はスリツト７から抜け出し
不能となる。

本体部１２の上下幅は、スリツト７の上下長さ
よりもやや小さく、従つて、対向する両側板３，
３間に架設されて、係止突片１３がスリツト７の
上下に係止しない限り、左右方向にスライドでき
るのである。

装飾体１１は、前述した両側板３，３の相互に
対向する各スリツト７ａ，７ｂ，７ｃに挿通され
る装飾体１１ａ，１１ｂ，１１ｃとなつており、
これ等の各本体部１２の上縁には、所望形状に切
り抜かれ、好みに応じて色彩を施した装飾片１４
が夫々立設されている。

例えば、図示実施例でのこの装飾片１４は、背
景板２に最も近い最後列の装飾体１１ａでは樹
木、その前の装飾体１１ｂでは家屋、最前列の装
飾体１１ｃでは雪達磨の如きであり、後列の装飾
体１１が視認し易いように、後方の装飾体１１
程、本体部１２の上下幅を大きくし、このため、
前述したように後方即ち背景板２寄りのスリツト
７程、高さの高い、長さのあるものとしている。

次いで、表面体１５は、同じく厚手の紙製であ
り、ベース板１０よりもやや小さい程度の比較的
大型の平板であつて、図示実施例では雪達磨形状
であり、ガイド板５の上下幅よりやや小さい直径
の円形の窓孔１６を下部に開設すると共に、背面
に於けるこの窓孔１６の両側近傍に、縦長姿勢で
帯片１７，１７を貼着した構成である。

帯片１７は、その上下両端部のみを表面体１５
の背面に貼着したものであつて、中央部では表面
体１５との間に間隙が形成されており、挿通部１
８となつている。

挿通部１８の上下幅は、前記したガイド板５の
上下幅よりやや大きく、従つて、この挿通部１８
内にガイド板５が挿通されて左右方向にスライド
できるものであるが、ガイド板５の他端の上下両
端に係止片９が突出設されているので、この係止
片９が貼着された帯片１７の上下両端部に係止
し、抜け出しを防止することになる。

また、ガイド板５他端の中央部の引張片８は、
表面体１５の側端から突出する。

上述した構成にあつて、第一の屈曲部４，４と
第二の屈曲部６，６とを屈曲させて両側板３，３
と両ガイド板５，５とを折り畳むと、両側板３，
３と両ガイド板５，５は背景板２に重なり、相互
に近接する両ガイド板５，５は、表面体１５の窓
孔１６の中央で第二の屈曲部６，６が当接して窓
孔１６を閉じることになる。また、この際、両側
板３，３間に架設された装飾体１１は、スリツト
７内をスライドして、背景板２と両側板３，３、
及び両側板３，３と両ガイド板５，５との間で挟
持され、装飾体１１部分が多少膨らむものの、全
体としては、ベース板１０、操作体１、装飾体１
１、表面体１５が重なつてシート状のカードとな
るのである。

そして、表面体１５の側端から突出する両ガイ
ド板５，５の引張片８を側方に引くことにより窓
孔１６が開いて、両側板３，３が立ち上がり、表
面体１５の図柄、窓孔１６内に於ける最前列の装
飾体１１ｃ、中央の装飾体１１ｂ、最後列の装飾
体１１ａの夫々の装飾片１４、及び背景板２が視
認され、五層の奥行のある立体的な図柄を現出さ
せることができることになる。

「考案の効果」 本考案は、以上説明したような構成となつてい
るので、グリーテイングカードとして極めて美麗
であり、奥行のある立体的な面白味に富む装飾効
果を得ることができ、構成が簡単であつて成形が
容易である等、多くの優れた作用効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のカード体の開いた状態の正
面図、第２図は、第１図の−線拡大断面図、
第３図は、カード体の閉じた状態の正面図、第４
図は、第３図の−線拡大断面図、第５図は、
第１図の右側面図、第６図は、表面体の背面図、
第７図は、操作体と装飾体の分解斜視図である。 符号の説明、１……操作体、２……背景板、３
……側板、５……ガイド板、７……スリツト、１
１……装飾体、１５……表面体、１６……窓孔、
１７挿通部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 背景板２の両側端に側板３を屈曲連設すると共
   に、該側板３の夫々の他端にガイド板５を反転屈
   曲連設し、前記両側板３に、縦長なスリツト７を
   対向して開設した操作体１と、 対向する前記スリツト７に抜け出し不能に挿通
   されて、前記両側板３間に架設される装飾体１１
   と、 平板に窓孔１６を開設すると共に、背面の該窓
   孔１６の両側近傍に、前記両ガイド板５が夫々挿
   通する挿通部１８を設けた表面体１５と、 から成るカード体。