JPH05373Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、コンロツドの如き複雑な形状を有す
る自動車部品等の種々の部品に刻印する刻印機の
改良に関するものである。

（従来技術） この種の刻印機は、例えば、機枠と、この機枠
に取付けられ被刻印物が着脱自在に支持される治
具と、この治具に支持された被刻印物に圧接され
る刻印を支持する刻印具と、この機枠に取付けら
れこの刻印具をこの被刻印物に対して進退する油
圧シリンダの如き加圧手段とから成つており、被
刻印物にかかる荷重は加圧手段例えば油圧ポンプ
の圧力及び油圧シリンダの荷重受け面積で設定し
ていた。しかし、被刻印物がコンロツドの如き複
雑な形状を有していると、加圧手段によつて刻印
を被刻印物に加圧しても被刻印物の取付位置によ
つて加圧手段のロツドのかじりや油圧系の漏れに
よる圧力低下によつて被刻印物に圧力が有効にか
からないで刻印がなされなかつたり、刻印が薄く
なる欠点があつた。このため、刻印から被刻印物
に掛けられる荷重を測定して被刻印物が適正に刻
印されているか否か判断することが要求される
が、被刻印物が自動車用コンロツドのように複雑
な形状を有すると、刻印から被刻印物に掛けられ
る荷重を高い精度で測定することができないた
め、このような荷重測定手段を設置することがで
きなかつた。

（考案の目的） 本考案の目的は、複雑な形状を有する被刻印物
に刻印から掛けられる荷重を精度よく測定して刻
印が確実になされたことを確認することができる
刻印機を提供することにある。

（考案の構成） 本考案の刻印機は、機枠と、この機枠に取付け
られ被刻印物が着脱自在に支持される治具と、こ
の治具に支持された被刻印物に圧接される刻印を
支持する刻印具と、機枠に取付けられ刻印具を被
刻印物に対して進退する加圧手段とから成つてい
るが、治具と機枠との間に配置され刻印から被刻
印物に掛けられる荷重を測定する荷重測定手段を
更に備え、この荷重測定手段は、治具の底面に取
付けられた球面座とこの球面座に係合する凹面座
とこの凹面座から荷重を受けるロードセルの如き
荷重計とから成つていることを特徴としている。

このように、治具の底面に取付けられた球面座
とこの球面座に係合する凹面座とを介して刻印時
の荷重を測定することによつて刻印が確実になさ
れたか否かを確認することができ、従つて被刻印
物の取付位置等を修正して刻印を確実に行なうよ
うにすることができる。

（実施例） 本考案の実施例を図面を参照して詳細に説明す
ると、図面は本考案に係る刻印機１０を示し、こ
の刻印機１０は、機枠１２と、この機枠１２に取
付けられ被刻印物１４が着脱自在に支持される治
具１６と、この治具１６に支持された被刻印物１
４に圧接される刻印１８を支持する刻印具２０
と、機枠１２に取付けられ刻印具２０に接続され
てこの刻印具２０を被刻印物１４に加圧して被刻
印物１４を刻印する加圧手段２２とから成つてい
る。図示の実施例では、被刻印物１４として自動
車用のコンロツドであるのが示してあるが、他の
部品であつてもよい。

治具１６は、支持ピン２４を介して機枠１２に
支持された略Ｕ字形のブラケツト２６とこのブラ
ケツト２６の一方の内面に取付けられて被刻印物
１４を受けるパツト２８と被刻印物１４をパツト
２８に加圧するように被刻印物１４を加圧して被
刻印物１４を固定するシリンダの形態のクランプ
３０とから成つている。図示の実施例ではブラケ
ツト２６の被刻印物１４を受ける底面及び側面は
被刻印物１４が小さな角度例えば4°傾くように設
定されている。また、加圧手段２２は刻印具２０
に接続されたピストンロツド３２ａを有する油圧
シリンダ３２から成つている。従つて、油圧シリ
ンダ３２のピストンロツド３２ａを伸張すること
によつて治具１６に支持された被刻印物１４に刻
印１８を加圧して刻印することができる。

本考案の刻印機１０は、治具１６と機枠１２と
の間に配置され刻印１８から被刻印物１４に掛け
られる荷重を測定する荷重測定手段３４を更に備
えている。この荷重測定手段３４は、治具１６の
底面にねじ３６により取付けられた球面座３８と
この球面座３８に係合しつつ支持ピン２４上を摺
動することができるように支持ピン２４に間隙を
有して取付けられた凹面座４０と機枠１２の底に
ねじ４２によつて取付けられ支持ピン２４がねじ
込まれ凹面座４０から荷重を受けるロードセルの
如き荷重計４４とから成つている。従つて、刻印
時に油圧シリンダ３２から被刻印物１４及び治具
１６が受ける荷重は球面座３８、凹面座４０を介
してロードセル４４に垂直にかかり、この荷重は
図示しない電気的表示回路によつて表示される。
特に、被刻印物１４が、図示のように、コンロツ
ドの如き複雑な形状を有すると、油圧シリンダ３
２によつて刻印１８から被刻印物１４に掛けられ
る荷重は、平面的な被刻印物を刻印する場合とは
異なり、多方向成分を有するが、上記のように球
面座３８と凹面座４０とによつて有効な刻印作用
を行なう垂直成分に換算して確実に測定すること
ができ、従つて複雑な形状の被刻印物１４への刻
印が適正に行なわれたか否かを確実に確認するこ
とができる。

このように、刻印時に被刻印物１４が受ける荷
重は荷重測定手段３４によつて確認することがで
きるのでこの荷重が所定の値以下であればその刻
印は有効でないことが判断される。若し、荷重が
この所定の値以下であれば、油圧シリンダの油圧
を増加するように調整して荷重を所定値以上に設
定することができる。また、刻印の再作業を適正
に行なうことができ、更に、荷重が適正値を越え
更に増加していると判断されるときには直ちに荷
重を除くことができる。

（考案の効果） 本考案によれば、上記のように、球面座と凹面
座とを含む荷重測定手段によつて複雑な形状を有
する被刻印物に刻印から掛けられる刻印時の荷重
を精度よく測定することができるので刻印が確実
になされたか否かを確認することができ、従つて
圧力等調整することによつて刻印を確実に行なう
ようにすることができる実益がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る刻印機の断面図である。 １０……刻印機、１２……機枠、１４……被刻
印物、１６……治具、１８……刻印、２０……刻
印具、２２……加圧手段、３４……荷重測定手
段、３８……球面座、４０……凹面座、４４……
荷重計。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 機枠と、前記機枠に取付けられ被刻印物が着
   脱自在に支持される治具と、前記治具に支持さ
   れた被刻印物に圧接される刻印を支持する刻印
   具と、前記機枠に取付けられ前記刻印具に接続
   されて前記刻印具を前記被刻印物に加圧して前
   記被刻印物を刻印する加圧手段とから成る刻印
   機において、前記治具と前記機枠との間に配置
   され前記刻印から前記被刻印物に掛けられる荷
   重を測定する荷重測定手段を更に備え、前記荷
   重測定手段は、前記治具の底面に取付けられた
   球面座と、前記球面座に係合する凹面座と、前
   記凹面座から荷重を受ける荷重計とから成つて
   いることを特徴とする刻印機。 (2) 前記荷重計はロードセルである実用新案登録
   請求の範囲第１項に記載の刻印機。