JPH05372A - コンプレツサー用羽根車の製造方法 - Google Patents

コンプレツサー用羽根車の製造方法

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JPH05372A
JPH05372A JP3169011A JP16901191A JPH05372A JP H05372 A JPH05372 A JP H05372A JP 3169011 A JP3169011 A JP 3169011A JP 16901191 A JP16901191 A JP 16901191A JP H05372 A JPH05372 A JP H05372A
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義則 牛房
Eihiko Tsukamoto
頴彦 塚本
Yasuyuki Yoshida
康之 吉田
Yasuhiro Fukaya
保博 深谷
Tsunetaka Hiromi
常登 広実
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    • B23K26/00Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
    • B23K26/346Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring in combination with welding or cutting covered by groups B23K5/00 - B23K25/00, e.g. in combination with resistance welding
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンプレッサー用羽根車を溶接により組立製
造する方法に関するもので、狭間隙空間を必要とする構
造物の狭い間隙部材の溶接を高精度を維持して行ない、
かつ疲労破壊や脆性破壊などの心配のない強度面で優れ
たコンプレッサー用羽根車を得ることを目的としてい
る。 【構成】 まずコンプレッサー用羽根車の上板1とリブ
3付き下板2とを重ね合せ、ついで上板1とリブ3の重
ね合せ部を上板側から電子ビーム溶接又は炭酸ガスレー
ザ溶接を行ない、上板1の板厚を貫通してリブ部3まで
溶け込み溶接を行なうと共に、重ね合せ部の両端部およ
びその近傍部を、狭間隙部から間隙部に入る小型のMI
G又はTIGトーチを用いて隅肉溶接4を行なう。この
結果強度面ならびに精度面とも良好な組立溶接ができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコンプレッサー用羽根車
を溶接により組立製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンプレッサー羽根車等のような狭間隙
の空間を必要とする構造物を製作する方法として精密斜
造法による一体製作や、放電加工により狭間隙部分を除
去する方法があるが、前者の方法は表面粗さが粗く、ま
たコストも高い、また後者の方法は多大な時間を要し、
かつ電極消耗を生じてコスト高になるため、溶接により
組立製造する方法が従来行なわれている。
【0003】図4〜図6は従来の溶接による組立製造方
法を示すもので、これらの図において従来のものはリブ
3′を備えたコンプレッサー下板2′上に、溶接開先
4′を設けた上板1′を重ね合せ、開先部を溶接により
接合5して組立てる方法を採用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで前述した従来
行なわれているコンプレッサー羽根車等のような狭間隙
の空間を必要とする構造物の狭間隙部材の溶接組立方法
では、図5に示すような溶接前の初期間隙高さH0 が溶
接後には図6に示すようにH1 に変化するという問題が
ある。
【0005】これは溶接部5を形成する際の溶接収縮に
よるもので、この大きさは溶接条件の微少な変動でバラ
ツキを生じるため、精度の高い、均一な狭間隙を形成す
ることが極めて困難であった。
【0006】また均一な裏波ビードを形成させるため溶
接条件の高精度制御を必要としていた。
【0007】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
狭間隙空間を高精度に維持して狭間隙部材の溶接組立を
行う新たなコンプレッサー用羽根車の製造方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明のコンプレッサー用羽根車の製造方法は、リブ付
板の上に溶接開先をとらずに上板を重ね合せ、しかるの
ち、上板とリブの重ね合せ部を上板側から電子ビーム溶
接又は炭酸ガスレーザ溶接により上板の板厚を貫通させ
てリブ部まで溶け込み溶接を行うとともに、前記重ね合
せ部の両端部並びにその近傍部を狭間隙部から間隙部に
入る小型MIG又はTIGトーチを用いて隅肉溶接を行
うことを特徴としている。
【0009】
【作用】上述の本発明のコンプレッサー用羽根車の製造
方法は、リブを備えた下板の上に上板を重ね合せ、この
状態で上板側からアーク熱源より、エネルギー密度が高
い(約106 w/cm2 以上)ため溶接入熱の少ない電子
ビーム溶接法や炭酸ガス溶接法により、上板の板厚を貫
通させてリブ板まで深溶け込み溶接を行なって高精度に
接合させると共に、その重合部の両端部並びにその近傍
部は回転時の作用応力が大きく、切欠部から破壊する恐
れが大きい個所であるので、この破壊を防止するため、
最低溶接長さをリブ厚さの2倍以上としてその両側を隅
肉溶接部に形成させて一体化して狭間隙部材の組立てを
行なう。
【0010】隅肉溶接部の長さ並びに溶接脚長は回転時
の強度から設定することは勿論、外周側の端部は外周側
の間隙から入れるMIG又はTIGトーチの移動距離
に、又、内側の端部は内周側の間隙から入れるMIG又
はTIGトーチの移動拒離にも依存して決定されるもの
である。
【0011】また重ね溶接の電子ビーム溶接部は、端か
ら端まで溶接する必要はなく隅肉溶接部は除外して溶接
する場合もある。
【0012】これらの方法はリブ材の板厚が同一ではな
く、変化する場合や、リブ材が傾斜している場合でも同
様に容易に施工できる。
【0013】本発明は、このように比較的応力の高いコ
ンプレッサー用羽根車の重ね合せ部の両端部やその近傍
部は切欠きが存在しないように両側から隅肉溶接を行な
い、中央部の比較的応力の低い部位は切欠きが残存する
が、溶接変形が少ない電子ビーム溶接や炭酸ガスレーザ
溶接を行い、その結果、強度面並びに精度面とも良好な
コンプレッサー用羽根車の組立溶接ができる。
【0014】
【実施例】以下図面により本発明の第1,第2の実施例
方法について説明すると、図1(a),(b)はコンプ
レッサー用羽根車の正面図及び側断面図を示し、図2は
図1(a)の端部のA−A断面図、図3は同図の端部以
外のB−B断面図である。
【0015】実施例1 最初に本発明の第1の実施例について説明すると、コン
プレッサー用羽根車の上板1,リブ3及び下板2(リブ
の厚さ5mm、リブの高さ8mm、リブのピッチ50mm)を
用い、奥行150mmの狭間隙が10個連なった狭間隙部
材の溶接組立を行なった。材質はクロム・モリブデン鋼
である。なお1aは軸芯穴を示す。
【0016】このような継手をまず前述の従来方法によ
り即ち図4に示す溶接開先4′をTIG溶接したが、溶
接金属5′の裏波ビード6′が溶落したり、あるいは裏
波が不足したり形成されなかったりした。その上溶接入
熱が大きいため、間隙高さが著しく変化し、不均一とな
った。
【0017】これに対し、本発明の方法では、図1〜図
3に示すように、まず上板1とリブ3の重ね合せ部を端
から端まで上板1側から電子ビーム溶接法によりリブ材
まで溶接を行ない、しかるのち、重ね合せ部の両端部並
びに両端からリブ厚さの2倍以上の長さを行うとしてこ
こでは30mm長さの隅肉部を間隙部からMIG溶接法に
より隅肉溶接部4を形成させた。なお5は上板側からリ
ブ材まで溶接したときの電子ビーム溶接金属を示す。
【0018】このようにして製造したコンプレッサー用
羽根車を用いて回転テストを実施した結果、所要の回転
性能を得ることができた。
【0019】実施例2 次ぎに図1(a),(b)に示す形状のコンプレッサー
用羽根車において、リブ3の両先端肉厚が2mmの超薄肉
でリブ3の中央部肉厚は8mm,リブ高さが8mm,リブピ
ッチ50mmの狭間隙部材T継手の溶接組立を行った。材
質はクロム・モリブデン鋼である。
【0020】この継手をまず従来法で即ち図4〜図6に
示すように溶接開先4′をTIG溶接したが、リブ板
3′の肉厚が変化しているため、溶接金属5′の裏波部
が不均一となり、良好な溶接部を得るのは困難である。
【0021】これに対し、本発明の方法では図1〜図3
に示すようにリブ3の肉厚が6mm以上の部分をまず上板
1側から電子ビーム溶接法により、リブ材3まで貫通溶
接5を行ない、しかるのち、リブ材3の肉厚6mm以下の
部分の両端部並びにその近傍部の隅肉部をMIG溶接法
により隅肉溶接部4を形成させた。しかる後本製造方法
により製作されたコンプレッサー用羽根車を用いて回転
テストを実施したが、所要の回転性能を得、良好であっ
た。
【0022】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明のコンプレッ
サー用羽根車の製造方法によれば、次の効果がある。 (1)コンプレッサー用羽根車のリブを備えた下板と上
板との重ね合せ部の両端部及びその近傍は、溶接熱がバ
ランスする両側隅肉溶接を行ない、その他の上板とリブ
部との重なり部は入熱の少ない電子ビーム溶接法を採用
するため、溶接による変形が著じるしく少ない。この結
果精度の高いコンプレッサー用羽根車を得ることができ
る。 (2)また応力がもっとも作用する両端部は隅肉溶接し
ているため切欠きが存在せず、使用性能即ち疲労破壊、
脆性破壊などの懸念はなく、良好な継手性能を有してい
る。この結果強度面で優れたコンプレッサー用羽根車を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例方法で組立製造するコンプレ
ッサー用羽根車を示し、(a)は正面図、(b)は側断
面図である。
【図2】図1(a)におけるA−A断面図である。
【図3】図1(a)におけるB−B断面図である。
【図4】従来方法による溶接部の拡大斜視図である。
【図5】図4における溶接開先部の拡大断面図である。
【図6】図5の溶接開先部の溶接後の状態を示す断面図
である。
【符号の説明】
1,1′ 上板 2,2′ 下板 3,3′ リブ 4 隅肉溶接金属 4′ 溶接開先 5 電子ビーム溶接金属 5′ 溶接金属 6′ 裏波ビード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深谷 保博 広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱 重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 広実 常登 広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱 重工業株式会社広島研究所内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 リブ付板の上に溶接開先をとらずに上板
    を重ね合せ、しかるのち、上板とリブの重ね合せ部を上
    板側から電子ビーム溶接又は炭酸ガスレーザ溶接により
    上板の板厚を貫通させてリブ部まで溶け込み溶接を行う
    とともに、前記重ね合せ部の両端部並びにその近傍部を
    狭間隙部から間隙部に入る小型MIG又はTIGトーチ
    を用いて隅肉溶接を行うことを特徴とするコンプレッサ
    ー用羽根車の製造方法。
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