JPH0535243Y2

JPH0535243Y2 -

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Publication number: JPH0535243Y2
Application number: JP1988161268U
Authority: JP
Priority date: 1988-12-14
Filing date: 1988-12-14
Publication date: 1993-09-07
Anticipated expiration: 2003-09-07
Also published as: JPH0281969U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）この考案に係るメタルシリンダヘツドガスケツ
トは、自動車用エンジンのシリンダブロツク上面
とシリンダヘツド下面との間に挟持し、両面間の
気密及び液密を保持するのに利用する。

（従来の技術）エンジンのシリンダブロツク上面とシリンダヘ
ツド下面との間にはシリンダヘツドガスケツトを
挟持して、シリンダブロツクに形成したシリンダ
内で発生する高圧の燃焼ガスや、シリンダブロツ
クとシリンダヘツドとの間で流通する冷却水或は
潤滑油が外部に漏洩する事を防止している。

この様なシリンダヘツドガスケツトとして従来
は、フツク付鉄板等の芯材の表裏両面に、アスベ
スト、或はカーボン等のガスケツト材料の層を形
成したものが広く使用されていたが、近年エンジ
ンの高出力化等に起因して、シリンダヘツドガス
ケツトに高度の耐熱性が要求される様になり、金
属板製のメタルシリンダヘツドガスケツトが使用
される場合が多くなつている。

このメタルシリンダヘツドガスケツトは、例え
ば第３図に示す様に構成されている。

即ち、このメタルシリンダヘツドガスケツト１
は、１枚乃至積層された複数枚の金属板２から成
り、この金属板２に、シリンダブロツク上面に開
口したシリンダ孔に整合する複数のボア孔３，３
と、同じくシリンダブロツク上面に開口した水、
油孔に整合する透孔４，４、及び、シリンダブロ
ツクとシリンダヘツドを結合するボルトを挿通す
る為の小円孔５，５を形成している。

各ボア孔３，３の周囲には必要に応じて、金属
薄板製のグロメツトを装着したり、何れかの金属
薄板を180度折り返したり、或は各種断面形状を
有する突条を形成したりする事により、このボア
孔３，３周囲の押圧力を大きくして、エンジンの
運転に伴なつて上記シリンダ孔内で発生する高圧
の燃焼ガスが、外部に漏洩する事の防止を図つて
いる。

ところが、上述の様に構成され作用する従来の
メタルシリンダヘツドガスケツト１の場合、次に
述べる様な不都合を生じる。

即ち、シリンダブロツクの上面とシリンダヘツ
ドの下面との間でメタルシリンダヘツドガスケツ
ト１を押圧する力は、上記シリンダブロツクとシ
リンダヘツドとを互いに結合する為のボルトの締
付け力によつて得るが、この締付け力は、小円孔
５，５に挿通されるボルトからの距離が大きくな
る、隣り合うボア孔３，３の間に存在する幅狭部
６，６部分で小さくなる事が避けられない。

この為、ボア孔３，３周囲の気密保持が、上記
幅狭部６，６部分で不完全となり易く、不完全と
なつた場合、隣り合うシリンダ孔同士の間での高
圧の燃焼ガスの漏洩（所謂吹き抜け）により、エ
ンジンの性能が低下してしまう。

この様な吹き抜けの発生を防止する為従来か
ら、第１〜２図に示す様に、隣り合うボア孔３，
３の間に存在する幅狭部６ａ，６ｂ，６ｃに、薄
いシム板７ａ，７ｂ，７ｃを積層し、この幅狭部
６ａ，６ｂ，６ｃに於ける押圧力が十分に大きく
なる様にして、隣り合うボア孔３，３の間で高圧
の燃焼ガスの漏洩を防止する事が行なわれてい
る。

（考案が解決しようとする課題）ところが、従来のメタルシリンダヘツドガスケ
ツトの場合、総ての幅狭部６ａ，６ｂ，６ｃに積
層するシム板７ａ，７ｂ，７ｃの寸法を互いに等
しくしていた為、必ずしも十分なシール性能を発
揮する事が出来なかつた。

即ち、エンジンの運転と停止とを繰り返す事に
より、エンジンのシリンダブロツクとシリンダヘ
ツドとが熱による膨張と収縮とを繰り返すが、こ
の動きはシリンダブロツク側よりもシリンダヘツ
ド側で大きくなり、且つシリンダヘツドが動く量
は、このシリンダヘツドの長さ方向（第１，３図
の左右方向）両端側で大きくなる事が知られてい
る。

この様にシリンダヘツドの長さ方向両端部の動
きが大きくなつた場合、この両端部でシリンダヘ
ツドガスケツト１の幅狭部６ａ，６ｃとシリンダ
ヘツド下面とが強く擦れ合い、次第にこの部分に
於けるシール性が低下する様になる。

本考案のメタルシリンダヘツドガスケツトは、
上述の様な不都合を解消するものである。

（課題を解決する為の手段）本考案のメタルシリンダヘツドガスケツトは何
れも、前述した従来のメタルシリンダヘツドガス
ケツトと同様、第１〜２図に示す様に、１枚乃至
積層された複数枚の金属板２から成り、シリンダ
ブロツク上面に開口したシリンダ孔に整合する４
個以上のボア孔３，３を有すると共に、隣り合う
ボア孔３，３の間に位置する３箇所以上の幅狭部
６ａ，６ｂ，６ｃに、それぞれシム板７ａ，７
ｂ，７ｃを積層する事で構成されている。

更に、本考案のメタルシリンダヘツドガスケツ
トの内、請求項１に記載されたものに於いては、
メタルシリンダヘツドガスケツト１の長さ方向両
端寄りに存在する幅狭部６ａ，６ｃに積層するシ
ム板７ａ，７ｃの厚さを、長さ方向中央寄りに存
在する幅狭部６ｂに積層するシム板７ｂの厚さよ
りも厚くした事を特徴としている。

長さ方向両端寄りのシム板７ａ，７ｃの長さＴ
を、長さ方向中央寄りのシム板７ｂの厚さｔより
も厚くする量としては、各シム板７ａ，７ｂ，７
ｃの厚さを20〜70μmとした場合で、10〜50μmと
する（Ｔ＝（10〜50μm）＋ｔ）のが好ましい。

次に、請求項２に記載されたメタルシリンダヘ
ツドガスケツトに於いては、メタルシリンダヘツ
ドガスケツト１の長さ方向両端寄りに存在する幅
狭部６ａ，６ｃに積層するシム板７ａ，７ｃの幅
を、長さ方向中央寄りに存在する幅狭部６ｂに積
層するシム板７ｂの幅よりも狭くした事を特徴と
している。

（作用）上述の様に構成される本考案のメタルシリンダ
ヘツドガスケツトの場合、請求項１に記載された
ものも、請求項２に記載されたものも、何れも、
メタルシリンダヘツドガスケツト１の長さ方向両
端寄りの幅狭部６ａ，６ｃ部分での押圧力が高く
なり、この部分のシール性能が高くなる。

即ち、請求項１に記載された考案の場合、両端
寄りに設けたシム板７ａ，７ｃの厚さが大きい分
だけ、各シム板７ａ，７ｃを積層した幅狭部６
ａ，６ｃの押圧力が高くなり、請求項２に記載さ
れた考案の場合、両端寄りに設けたシム板７ａ，
７ｃの幅が小さい分だけ押圧力が作用する面積が
狭くなり、各シム板７ａ，７ｃを積層した幅狭部
６ａ，６ｃの押圧力が高くなる。

この結果、両端寄りの幅狭部６ａ，６ｃ部分の
シール性が、中央寄りの幅狭部６ｂ部分のシール
性よりも向上し、エンジンを長時間運転する事に
伴なつて、両端寄りの幅狭部６ａ，６ｃがシリン
ダヘツド下面と強く擦れ合つた場合に於いても、
この部分のシール性が不足する事がなくなる。

（実施例）尚、メタルシリンダヘツドガスケツトの長さ方
向両端部に於けるシール性の低下を防止する為、
シム板の厚さや幅を変える事に加え、シム板の材
質も併せて変える事で、より確実な効果を得る事
も出来る。

例えば、メタルシリンダヘツドガスケツト１の
長さ方向両端寄りのシム板７ａ，７ｃを硬質のス
テンレス材製とし、中央寄りのシム板７ｂを、軟
質のステンレス材、或は亜鉛メツキ鋼板等により
造れば、メタルシリンダヘツドガスケツト１の両
端寄りの幅狭部６ａ，６ｃに於けるシール製を、
長期間に亙つてより確実に保持する事が出来る。

更に必要に応じて、各シム板７ａ，７ｂ，７ｃ
（特に両端寄りのシム板７ａ，７ｃ）にビードを
形成し、シム板装着部分のシール性をより一層向
上させる事も出来る。この場合に於いて、総ての
シム板７ａ，７ｂ，７ｃにビードを形成するので
あれば、両端寄りのシム板７ａ，７ｃに形成する
ビードの高さを、中央寄りのシム板７ｂに形成す
るビードの高さよりも大きくする事が好ましい。

又、図示の例に於いては、４個のボア孔３，３
と３個の幅狭部６ａ，６ｂ，６ｃとを有するメタ
ルシリンダヘツドガスケツトに就いて説明した
が、本考案は、ボア孔３，３を４個以上有するメ
タルシリンダヘツドガスケツトであれば、適用す
る事が出きるものである。

（考案の効果）本考案のメタルシリンダヘツドガスケツトは、
以上に述べた通り構成され作用する為、エンジン
のシリンダブロツク上面とシリンダヘツド下面と
の間の気密保持を長期間に亙つて確実に行なう事
が出来、エンジンの性能向上に果たす役割は大き
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の対象となる、シム板を設けた
メタルシリンダヘツドガスケツトの１例を示す平
面図、第２図は第１図の拡大Ａ−Ａ断面図、第３
図はシム板を設けないメタルシリンダヘツドガス
ケツトの１例を示す平面図である。１……メタルシリンダヘツドガスケツト、２…
…金属板、３……ボア孔、４……透孔、５……小
円孔、６，６ａ，６ｂ，６ｃ……幅狭部、７ａ，
７ｂ，７ｃ……シム板。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) １枚乃至積層された複数枚の金属板から成
り、シリンダブロツク上面に開口したシリンダ
孔に整合する４個以上のボア孔を有すると共
に、隣り合うボア孔の間に位置する３箇所以上
の幅狭部に、それぞれシム板を積層して成るメ
タルシリンダヘツドガスケツトに於いて、メタ
ルシリンダヘツドガスケツトの長さ方向両端寄
りに存在する幅狭部に積層するシム板の厚さ
を、長さ方向中央寄りに存在する幅狭部に積層
するシム板の厚さよりも厚くした事を特徴とす
る、メタルシリンダヘツドガスケツト。 (2) １枚乃至積層された複数枚の金属板から成
り、シリンダブロツク上面に開口したシリンダ
孔に整合する４個以上のボア孔を有すると共
に、隣り合うボア孔の間に位置する３箇所以上
の幅狭部に、それぞれシム板を積層して成るメ
タルシリンダヘツドガスケツトに於いて、メタ
ルシリンダヘツドガスケツトの長さ方向両端寄
りに存在する幅狭部に積層するシム板の幅を、
長さ方向中央寄りに存在する幅狭部に積層する
シム板の幅よりも狭くした事を特徴とする、メ
タルシリンダヘツドガスケツト。