JPH05343165A - 正抵抗温度係数発熱体およびその製造方法 - Google Patents
正抵抗温度係数発熱体およびその製造方法Info
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- JPH05343165A JPH05343165A JP14714392A JP14714392A JPH05343165A JP H05343165 A JPH05343165 A JP H05343165A JP 14714392 A JP14714392 A JP 14714392A JP 14714392 A JP14714392 A JP 14714392A JP H05343165 A JPH05343165 A JP H05343165A
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- resistance temperature
- positive resistance
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 安全でしかも長寿命を実現できる高出力の正
抵抗温度係数発熱体とその製造方法を提供する。 【構成】 シート状の正抵抗温度係数抵抗体4の両面に
一対の電極体5,6を配設し、抵抗体4の厚さ方向の投
影面で前記一対の電極体5,6が重合しない部位に気体
よりなる空隙7が構成されるように、これらを外装材
8,9で外装する。 【効果】 ホットゾーン等の危険性を防止し、安全でし
かも信頼性の高い高出力の正抵抗温度係数発熱体を実現
できる。
抵抗温度係数発熱体とその製造方法を提供する。 【構成】 シート状の正抵抗温度係数抵抗体4の両面に
一対の電極体5,6を配設し、抵抗体4の厚さ方向の投
影面で前記一対の電極体5,6が重合しない部位に気体
よりなる空隙7が構成されるように、これらを外装材
8,9で外装する。 【効果】 ホットゾーン等の危険性を防止し、安全でし
かも信頼性の高い高出力の正抵抗温度係数発熱体を実現
できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、採暖器具および一般の
加熱装置として有用な正抵抗温度係数発熱体およびその
製造方法に関するものである。
加熱装置として有用な正抵抗温度係数発熱体およびその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種の正抵抗温度係数発熱体は、
例えば特公昭57−43995号公報や特公昭55−4
0161号公報に示されているような構成であり、一対
の電極間の抵抗体の正抵抗温度特性により一定の温度に
自己制御されているものであった。しかし、特に大きな
電力密度や高温度が要求される場合においては、発熱体
自体の温度分布を一様にするため、あるいはホットゾー
ン等の異常を防止するために、一対の電極間方向の温度
分布を常に均一にすることが不可欠であり、その解決策
として特公昭62−59415号公報や図4に示すよう
に一対の電極間距離を互いに接近させて構成する方法が
講じられた。すなわち、図4において、1,2は互いに
接近して設けられた一対の電極であり、その間に結晶性
重合体に導電性微粉末を混合分散して形成した抵抗体3
を配することにより高出力の正抵抗温度係数発熱体を得
ていた。
例えば特公昭57−43995号公報や特公昭55−4
0161号公報に示されているような構成であり、一対
の電極間の抵抗体の正抵抗温度特性により一定の温度に
自己制御されているものであった。しかし、特に大きな
電力密度や高温度が要求される場合においては、発熱体
自体の温度分布を一様にするため、あるいはホットゾー
ン等の異常を防止するために、一対の電極間方向の温度
分布を常に均一にすることが不可欠であり、その解決策
として特公昭62−59415号公報や図4に示すよう
に一対の電極間距離を互いに接近させて構成する方法が
講じられた。すなわち、図4において、1,2は互いに
接近して設けられた一対の電極であり、その間に結晶性
重合体に導電性微粉末を混合分散して形成した抵抗体3
を配することにより高出力の正抵抗温度係数発熱体を得
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな従来の正抵抗温度係数発熱体は、高出力を現出する
ための構造としては優れていたが、抵抗発熱する部位を
両面より一対の電極1,2で覆う構造となるため、前記
電極1,2と抵抗体3との接触面積も大きく、前記電極
1,2と前記抵抗体3との界面部や前記電極1,2の端
部に熱応力が集中し、電圧集中によるホットゾーンが発
生することにより、前記抵抗体3の損傷等が進み、寿命
が低下することがあった。また、前記電極1,2の間隔
が接近していることにより、前記電極1,2のお互いに
対向した異極電極端部において、結晶性重合体の劣化、
さらには結晶性重合体の劣化に伴うマイクロクラック等
が生じた場合に、湿気、気圧、前記電極1,2の端面の
バリ等の条件によっては空中放電、耐電圧破壊が生じ、
発煙、発火に至る危険性も有していた。発熱体として
は、ライフエンド時までの安全性を図っていくことが最
優先となるが、こうした安全性のメカニズムに関しては
明確になっておらず、異常過熱、発煙、発火等の危険性
のない、安全でしかも長寿命な高出力の正抵抗温度係数
発熱体を作り出すことができなかった。
うな従来の正抵抗温度係数発熱体は、高出力を現出する
ための構造としては優れていたが、抵抗発熱する部位を
両面より一対の電極1,2で覆う構造となるため、前記
電極1,2と抵抗体3との接触面積も大きく、前記電極
1,2と前記抵抗体3との界面部や前記電極1,2の端
部に熱応力が集中し、電圧集中によるホットゾーンが発
生することにより、前記抵抗体3の損傷等が進み、寿命
が低下することがあった。また、前記電極1,2の間隔
が接近していることにより、前記電極1,2のお互いに
対向した異極電極端部において、結晶性重合体の劣化、
さらには結晶性重合体の劣化に伴うマイクロクラック等
が生じた場合に、湿気、気圧、前記電極1,2の端面の
バリ等の条件によっては空中放電、耐電圧破壊が生じ、
発煙、発火に至る危険性も有していた。発熱体として
は、ライフエンド時までの安全性を図っていくことが最
優先となるが、こうした安全性のメカニズムに関しては
明確になっておらず、異常過熱、発煙、発火等の危険性
のない、安全でしかも長寿命な高出力の正抵抗温度係数
発熱体を作り出すことができなかった。
【0004】本発明はこのような従来の問題点を解決
し、長寿命で安全性の高い正抵抗温度係数発熱体とその
製造方法を提供することを目的とする。
し、長寿命で安全性の高い正抵抗温度係数発熱体とその
製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明の正抵抗温度係数発熱体は、導電性微粉末と
結晶性重合体よりなるシート状の正抵抗温度係数抵抗体
と、その正抵抗温度係数抵抗体の厚さ方向に電圧を印加
するために設けられた一対の電極体と、前記正抵抗温度
係数抵抗体および前記一対の電極体を覆う外装材とから
なり、前記正抵抗温度係数抵抗体の厚さ方向の投影面で
前記一対の電極体が重合しない部位での前記正抵抗温度
係数抵抗体と前記外装材との間に気体よりなる空隙を設
けたものである。
めに本発明の正抵抗温度係数発熱体は、導電性微粉末と
結晶性重合体よりなるシート状の正抵抗温度係数抵抗体
と、その正抵抗温度係数抵抗体の厚さ方向に電圧を印加
するために設けられた一対の電極体と、前記正抵抗温度
係数抵抗体および前記一対の電極体を覆う外装材とから
なり、前記正抵抗温度係数抵抗体の厚さ方向の投影面で
前記一対の電極体が重合しない部位での前記正抵抗温度
係数抵抗体と前記外装材との間に気体よりなる空隙を設
けたものである。
【0006】
【作用】本発明は上記した構成によって、正抵抗温度係
数抵抗体において、一対の電極が重合しない部位に、気
体よりなる空隙を形成することにより、この空隙内の気
体が、抵抗体内、特に導電性微粉末と結晶性重合体との
境界層に侵入し、導電性微粉末による連鎖に不導通部を
形成し、電気抵抗を高抵抗化するため、一対の電極が重
合しない部位の周辺の抵抗体の体積固有抵抗を増大させ
電流密度を小さくすることにより、この部位での発熱量
が抑えられ、熱応力集中を緩和し、ホットゾーン等の異
常過熱、発煙、発火等の危険性を防止される、さらには
異常過熱の防止によりこの部位の抵抗体の劣化も抑制さ
れる。
数抵抗体において、一対の電極が重合しない部位に、気
体よりなる空隙を形成することにより、この空隙内の気
体が、抵抗体内、特に導電性微粉末と結晶性重合体との
境界層に侵入し、導電性微粉末による連鎖に不導通部を
形成し、電気抵抗を高抵抗化するため、一対の電極が重
合しない部位の周辺の抵抗体の体積固有抵抗を増大させ
電流密度を小さくすることにより、この部位での発熱量
が抑えられ、熱応力集中を緩和し、ホットゾーン等の異
常過熱、発煙、発火等の危険性を防止される、さらには
異常過熱の防止によりこの部位の抵抗体の劣化も抑制さ
れる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本実施例の正抵抗温度係数発熱体は、図1に示す
ように、厚さ0.5mmの正抵抗温度係数抵抗体4の上下面
に電極体5,6が接着され、抵抗体4の厚さ方向の投影
面で、電極体5,6が重合しない部位に、空隙7が形成
されるように電気絶縁層の外装材8,9で外装してい
る。正抵抗温度係数抵抗体4は、例えば、導電性微粉末
としてのファーネスブラックと高密度ポリエチレンとを
混練加工等することによって得られる。電極体5,6が
重合しない部位に形成された空隙7内の気体が漸次抵抗
体中に侵入し、侵入部分の抵抗体4の体積固有抵抗を増
大させるため、この周辺の部位の発熱は無く、この部分
を除いた電極体5,6が重合する部位だけが発熱部とな
る。この部位は温度分布が一様であり、金属材料等より
なる電極体で覆われているために劣化しにくく、ホット
ゾーン等の異常も発生しにくく、安全な発熱特性を有す
る。また一方、この空隙7内の気体は外装材8,9と抵
抗体4の間の一定の容積内に限定されるものであり、一
対の電極体5,6が重合する部位までも侵入しないよう
に前記気体の量を調整することは容易であり、前記一対
の電極体5,6の非重合部位のみを高抵抗化することに
より、ホットゾーン等の異常発生を抑制でき、長寿命で
安全性の高い正抵抗温度係数発熱体を実現できる。空隙
7内の気体に適宜な量の酸素を含む気体が含有されてい
ると、結晶性重合体の適度な劣化から前記一対の電極体
5,6の非重合における抵抗体4の高抵抗化が促進さ
れ、信頼性はさらに確実なものとなる。
する。本実施例の正抵抗温度係数発熱体は、図1に示す
ように、厚さ0.5mmの正抵抗温度係数抵抗体4の上下面
に電極体5,6が接着され、抵抗体4の厚さ方向の投影
面で、電極体5,6が重合しない部位に、空隙7が形成
されるように電気絶縁層の外装材8,9で外装してい
る。正抵抗温度係数抵抗体4は、例えば、導電性微粉末
としてのファーネスブラックと高密度ポリエチレンとを
混練加工等することによって得られる。電極体5,6が
重合しない部位に形成された空隙7内の気体が漸次抵抗
体中に侵入し、侵入部分の抵抗体4の体積固有抵抗を増
大させるため、この周辺の部位の発熱は無く、この部分
を除いた電極体5,6が重合する部位だけが発熱部とな
る。この部位は温度分布が一様であり、金属材料等より
なる電極体で覆われているために劣化しにくく、ホット
ゾーン等の異常も発生しにくく、安全な発熱特性を有す
る。また一方、この空隙7内の気体は外装材8,9と抵
抗体4の間の一定の容積内に限定されるものであり、一
対の電極体5,6が重合する部位までも侵入しないよう
に前記気体の量を調整することは容易であり、前記一対
の電極体5,6の非重合部位のみを高抵抗化することに
より、ホットゾーン等の異常発生を抑制でき、長寿命で
安全性の高い正抵抗温度係数発熱体を実現できる。空隙
7内の気体に適宜な量の酸素を含む気体が含有されてい
ると、結晶性重合体の適度な劣化から前記一対の電極体
5,6の非重合における抵抗体4の高抵抗化が促進さ
れ、信頼性はさらに確実なものとなる。
【0008】本発明の有効性を調べるために、この空隙
を構成したサンプル、構成しないサンプルを加工し、実
際に次の比較実験を行った。
を構成したサンプル、構成しないサンプルを加工し、実
際に次の比較実験を行った。
【0009】この比較実験は150℃耐熱促進後に通電
評価する方法で行い、通電測定前には通電エージングに
より抵抗安定化処理を行った。その結果、空隙を構成し
たサンプルでは、150℃耐熱処理が2400時間レベ
ルまで発熱温度はほとんど変化なく、それ以降徐々に発
熱温度が低下していっており、試験サンプル数n=10
間でのばらつきも小さいものであった。これに対して、
空隙を構成しないサンプルでは、n=10の試験サンプ
ルのうちn=3のサンプルは100〜300時間から発
熱温度の低下が続き、その他のサンプルは3000時間
レベルまで発熱異常はなかったが、約3600時間でn
=2がスパーク発生した。実際の発熱体寿命は熱、通
電、湿度等により決ってくるが、シミュレーション等に
よりこの通電寿命を推定すると、この空隙を構成したサ
ンプルでは、24000〜28000時間でそれ以降は
徐々に発熱温度が降下し、安全にライフエンドとなる。
これに対し、空隙を構成しないサンプルでは、1000
〜3000時間程度の短い発熱寿命であったり、200
00時間レベル以上発熱するが、ライフエンド時にスパ
ーク、さらには発煙・発火に至るという危険性を有する
ものもあり、ばらつきも大きく寿命も定まらないと想定
される。実際使用されるモードにより寿命は変化するも
のの、一対の電極体が重合しない部位に、気体よりなる
空隙を構成した正抵抗温度係数発熱体は、ライフエンド
時までの高い安全性を確保できるという優れた性能を示
した。
評価する方法で行い、通電測定前には通電エージングに
より抵抗安定化処理を行った。その結果、空隙を構成し
たサンプルでは、150℃耐熱処理が2400時間レベ
ルまで発熱温度はほとんど変化なく、それ以降徐々に発
熱温度が低下していっており、試験サンプル数n=10
間でのばらつきも小さいものであった。これに対して、
空隙を構成しないサンプルでは、n=10の試験サンプ
ルのうちn=3のサンプルは100〜300時間から発
熱温度の低下が続き、その他のサンプルは3000時間
レベルまで発熱異常はなかったが、約3600時間でn
=2がスパーク発生した。実際の発熱体寿命は熱、通
電、湿度等により決ってくるが、シミュレーション等に
よりこの通電寿命を推定すると、この空隙を構成したサ
ンプルでは、24000〜28000時間でそれ以降は
徐々に発熱温度が降下し、安全にライフエンドとなる。
これに対し、空隙を構成しないサンプルでは、1000
〜3000時間程度の短い発熱寿命であったり、200
00時間レベル以上発熱するが、ライフエンド時にスパ
ーク、さらには発煙・発火に至るという危険性を有する
ものもあり、ばらつきも大きく寿命も定まらないと想定
される。実際使用されるモードにより寿命は変化するも
のの、一対の電極体が重合しない部位に、気体よりなる
空隙を構成した正抵抗温度係数発熱体は、ライフエンド
時までの高い安全性を確保できるという優れた性能を示
した。
【0010】以上の結果により、導電性微粉末と結晶性
重合体よりなるシート状の正抵抗温度係数抵抗体と、そ
の正抵抗温度係数抵抗体の厚さ方向に電圧を印加するた
めに設けられた一対の電極体で構成される高出力正抵抗
温度係数発熱体において、ホットゾーン等の異常が発生
しやすい部位である、正抵抗温度係数抵抗体の厚さ方向
の投影面で前記一対の電極体が重合しない部位、さらに
は一対の電極体が重合する部位との境界領域を一定量の
気体の侵入により高抵抗化させることにより、この部位
での発熱による異常を防止でき、ライフエンド時までの
高い安全性を確保できる効果がある。また、発熱体高出
力化には、正抵抗温度係数抵抗体の厚さが1mm以下であ
る方が好ましいが、前記一対の電極体5,6の非重合部
位の高抵抗化により電極間隔が接近するほど上記効果も
顕著となる。
重合体よりなるシート状の正抵抗温度係数抵抗体と、そ
の正抵抗温度係数抵抗体の厚さ方向に電圧を印加するた
めに設けられた一対の電極体で構成される高出力正抵抗
温度係数発熱体において、ホットゾーン等の異常が発生
しやすい部位である、正抵抗温度係数抵抗体の厚さ方向
の投影面で前記一対の電極体が重合しない部位、さらに
は一対の電極体が重合する部位との境界領域を一定量の
気体の侵入により高抵抗化させることにより、この部位
での発熱による異常を防止でき、ライフエンド時までの
高い安全性を確保できる効果がある。また、発熱体高出
力化には、正抵抗温度係数抵抗体の厚さが1mm以下であ
る方が好ましいが、前記一対の電極体5,6の非重合部
位の高抵抗化により電極間隔が接近するほど上記効果も
顕著となる。
【0011】次に、本発明の他の実施例を図2を用いて
説明する。図2において、前記実施例と相違する点は、
例えば、カーボンブラックと130℃の融点をもつ高密
度ポリエチレンとから構成される、厚さ0.5mmの抵抗体
10は幅方向の端部が凹凸状になっており、この凹凸状
の部分が一対の電極体11,12の非重合部に位置する
ように前記電極体11,12を前記抵抗体10に接着
し、さらに電気絶縁層の外装材13,14を順次配する
構成としたことにあり、この構成によれば抵抗体10の
幅方向の端部の凹部に空気による空隙が形成されるため
に、一対の電極体11,12の非重合部に位置する抵抗
体の高抵抗化を実現できる簡単な製法が得られる。
説明する。図2において、前記実施例と相違する点は、
例えば、カーボンブラックと130℃の融点をもつ高密
度ポリエチレンとから構成される、厚さ0.5mmの抵抗体
10は幅方向の端部が凹凸状になっており、この凹凸状
の部分が一対の電極体11,12の非重合部に位置する
ように前記電極体11,12を前記抵抗体10に接着
し、さらに電気絶縁層の外装材13,14を順次配する
構成としたことにあり、この構成によれば抵抗体10の
幅方向の端部の凹部に空気による空隙が形成されるため
に、一対の電極体11,12の非重合部に位置する抵抗
体の高抵抗化を実現できる簡単な製法が得られる。
【0012】次に本発明の第3の実施例を図3を用いて
説明する。図3において、正抵抗温度係数抵抗体15の
両面に一対の電極体16,17を接着の後、この長尺方
向後部に空気よりなる空隙18が形成されるように、外
装材19,20を外装し、前記抵抗体15の融点よりも
高い150℃で熱処理する。この製法により前記一対の
電極体16,17の非重合部に空隙18内の空気を拡散
させることにより、前記抵抗体15の前記非重合部を高
抵抗化できる製法を提供できる効果がある。
説明する。図3において、正抵抗温度係数抵抗体15の
両面に一対の電極体16,17を接着の後、この長尺方
向後部に空気よりなる空隙18が形成されるように、外
装材19,20を外装し、前記抵抗体15の融点よりも
高い150℃で熱処理する。この製法により前記一対の
電極体16,17の非重合部に空隙18内の空気を拡散
させることにより、前記抵抗体15の前記非重合部を高
抵抗化できる製法を提供できる効果がある。
【0013】
【発明の効果】以上のように本発明の正抵抗温度係数発
熱体によれば、正抵抗温度係数抵抗体の厚さ方向の投影
面で一対の電極体が重合しない部位に気体よりなる空隙
を構成することにより、次の効果が得られる。
熱体によれば、正抵抗温度係数抵抗体の厚さ方向の投影
面で一対の電極体が重合しない部位に気体よりなる空隙
を構成することにより、次の効果が得られる。
【0014】(1)正抵抗温度係数抵抗体の厚さ方向の
投影面で一対の電極体が重合しない部位の抵抗体を高抵
抗化できるので、この部位で発生しやすいホットゾーン
等の危険性を防止でき、安全で高出力な正抵抗温度係数
発熱体を実現でき、また長期にわたる高い信頼性も得ら
れる。
投影面で一対の電極体が重合しない部位の抵抗体を高抵
抗化できるので、この部位で発生しやすいホットゾーン
等の危険性を防止でき、安全で高出力な正抵抗温度係数
発熱体を実現でき、また長期にわたる高い信頼性も得ら
れる。
【0015】(2)正抵抗温度係数抵抗体の厚さ方向の
投影面で前記一対の電極体が重合しない部位の抵抗体の
幅寸法を長尺方向に変化させて加工し、外装材を構成す
ることにより空隙を構成できるので、簡単に本発明の構
造の正抵抗温度係数発熱体が製造できる。
投影面で前記一対の電極体が重合しない部位の抵抗体の
幅寸法を長尺方向に変化させて加工し、外装材を構成す
ることにより空隙を構成できるので、簡単に本発明の構
造の正抵抗温度係数発熱体が製造できる。
【0016】(3)長尺方向前後の空隙を形成し易いと
ころに空隙を形成し、抵抗体の融点よりも高い温度で熱
処理し、一対の電極体が重合しない部位の抵抗体近傍ま
でこの空隙を拡大できるので、簡単に本発明の構造の正
抵抗温度係数発熱体が製造できる。
ころに空隙を形成し、抵抗体の融点よりも高い温度で熱
処理し、一対の電極体が重合しない部位の抵抗体近傍ま
でこの空隙を拡大できるので、簡単に本発明の構造の正
抵抗温度係数発熱体が製造できる。
【0017】(4)正抵抗温度係数発熱体の抵抗安定性
が優れているため、薄型で高出力の発熱体が得られる。
が優れているため、薄型で高出力の発熱体が得られる。
【図1】本発明の第1の実施例における正抵抗温度係数
発熱体の斜視図
発熱体の斜視図
【図2】本発明の他の実施例における正抵抗温度係数発
熱体の製造方法を示す斜視図
熱体の製造方法を示す斜視図
【図3】本発明のさらに他の実施例における正抵抗温度
係数発熱体の製造方法を示す斜視図
係数発熱体の製造方法を示す斜視図
【図4】従来の正抵抗温度係数発熱体の斜視図
4,10,15 正抵抗温度係数抵抗体 5,6,11,12,16,17 電極体 7,18 空隙 8,9,13,14,19,20 外装材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉本 弘次 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】導電性微粉末と結晶性重合体よりなるシー
ト状の正抵抗温度係数抵抗体と、その正抵抗温度係数抵
抗体の厚さ方向に電圧を印加するために設けられた一対
の電極体と、前記正抵抗温度係数抵抗体および前記一対
の電極体を覆う外装材とからなり、前記正抵抗温度係数
抵抗体の厚さ方向の投影面で前記一対の電極体が重合し
ない部位での前記正抵抗温度係数抵抗体と前記外装材と
の間に気体よりなる空隙を設けた正抵抗温度係数発熱
体。 - 【請求項2】空隙は酸素を含む気体からなる請求項1記
載の正抵抗温度係数発熱体。 - 【請求項3】正抵抗温度係数抵抗体の厚さが1mm以下で
ある請求項1または2記載の正抵抗温度係数発熱体。 - 【請求項4】正抵抗温度係数抵抗体の厚さ方向の投影面
で一対の電極体が重合しない部位での正抵抗温度係数抵
抗体の幅寸法を長尺方向に変化させて設け、前記正抵抗
温度係数抵抗体の幅寸法が小さい部位に空隙が形成され
るように外装材を設けた請求項1または2記載の正抵抗
温度係数発熱体。 - 【請求項5】正抵抗温度係数抵抗体は薄肉長尺状であ
り、この長尺方向に長尺の電極体を前記正抵抗温度係数
抵抗体の両面に形成し、この長尺方向の前あるいは後部
の少なくとも一方に空隙を有するよう外装材で外装した
後、前記正抵抗温度係数抵抗体の融点よりも高い温度で
熱処理し、一対の前記電極体が重合しない部位の前記正
抵抗温度係数抵抗体の近傍まで前記空隙を拡大させてな
る請求項1または2記載の正抵抗温度係数発熱体の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14714392A JPH05343165A (ja) | 1992-06-08 | 1992-06-08 | 正抵抗温度係数発熱体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14714392A JPH05343165A (ja) | 1992-06-08 | 1992-06-08 | 正抵抗温度係数発熱体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05343165A true JPH05343165A (ja) | 1993-12-24 |
Family
ID=15423559
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14714392A Pending JPH05343165A (ja) | 1992-06-08 | 1992-06-08 | 正抵抗温度係数発熱体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05343165A (ja) |
-
1992
- 1992-06-08 JP JP14714392A patent/JPH05343165A/ja active Pending
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