JPH05340509A - 流動層燃焼におけるn2o,nox低減方法 - Google Patents

流動層燃焼におけるn2o,nox低減方法

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    • F23CMETHODS OR APPARATUS FOR COMBUSTION USING FLUID FUEL OR SOLID FUEL SUSPENDED IN  A CARRIER GAS OR AIR 
    • F23C10/00Fluidised bed combustion apparatus
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    • F23C10/10Fluidised bed combustion apparatus with means specially adapted for achieving or promoting a circulating movement of particles within the bed or for a recirculation of particles entrained from the bed the particles being circulated to a section, e.g. a heat-exchange section or a return duct, at least partially shielded from the combustion zone, before being reintroduced into the combustion zone characterised by the arrangement of separation apparatus, e.g. cyclones, for separating particles from the flue gases the separation apparatus being located outside the combustion chamber

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 元来NOX 濃度が低い流動層燃焼において、さ
らにNOX を低減すると同時に、近年地球温暖化ガスとし
て問題となっているN2O をも低減する、流動層ボイラや
流動層燃焼炉等の流動層燃焼におけるN2O, NOX の低減
方法を提供する。 【構成】 流動層燃焼室1の底部から1次燃焼空気2を
供給し、底部側壁3から石炭4および石灰石5を供給す
るとともに、石炭4および石灰石5の供給位置より上方
の底部側壁3から2次燃焼空気6を、さらに燃焼室1の
高さHの0.25〜0.40の高さ位置Lの燃焼室側壁7から3
次燃焼空気8をそれぞれ供給して流動層燃焼が行われ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流動層ボイラや流動層
燃焼炉等の流動層燃焼におけるN2O, NOX の低減方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】石油危機を契機に石炭の利用拡大が推進
されてきている。しかしながら、石炭は灰分、窒素分を
多量に有し、また燃焼性が悪い固有の問題を有してい
る。このため、石炭を燃料とするには、煤塵およびN2O,
NOX の窒素酸化物に対する公害対策や省エネルギの面
から燃焼性改善策が必要となる。
【0003】石炭燃焼ボイラは従来はストーカ焚きが多
かったが、近年は大型化とボイラ効率の向上を目指して
微粉炭焚きが多くなってきた。しかしながら、微粉炭焚
きボイラでは、石炭の灰中未燃分の増加、燃焼室の肥大
化、高温の火炉壁へ灰が溶着、付着するスラッギング現
象や低温の熱交換器などへ堆積するファウリングなどの
問題を生じ使用石炭が限定されている。さらに加えて、
微粉炭燃焼では高温燃焼のためNOX が高く、また石灰石
噴射による直接脱硫も反応温度が高過ぎて採用できず、
高価で大型な脱硝装置や脱硫装置が必要となている。
【0004】そこで、最近ではこれらの脱硝装置や脱硫
装置が不要であり、また幅広い石炭を高い燃焼率で燃焼
できる循環流動層ボイラが注目を集め、技術開発が盛ん
に行われつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
地球温暖化の問題がクローズアップされ、CO2 ,メタ
ン,N2O の発生が問題となっている。特に循環流動層ボ
イラは低温燃焼のためN2Oの発生が問題となっている。
【0006】本発明は、上記の問題点を改善するべくな
したものであって、その目的は、元来NOX 濃度が低い流
動層燃焼において、さらにNOX を低減すると同時に、近
年地球温暖化ガスとして問題となっているN2O をも低減
する、流動層ボイラや流動層燃焼炉等の流動層燃焼にお
けるN2O, NOX の低減方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係わる流動層燃焼におけるN2O, NOX の低
減方法は、1段目燃焼空気を燃焼室底部から、2段目燃
焼空気を燃焼室底部側壁からそれぞれ供給するととも
に、さらに3段目燃焼空気を燃焼室側壁の、燃焼室の高
さの0.25〜0.40の高さ位置から供給するものである。
【0008】そして、上記燃焼空気の供給において、1
段目燃焼空気の空気比が2段目燃焼空気の空気比より高
く、且つ両者の空気比の和がほぼ理論空気比となるよう
に1段目燃焼空気と2段目燃焼空気を供給するとよい。
【0009】
【作用】次に、本発明の構成並びに作用について詳細に
説明する。本発明者が流動層燃焼におけるN2O, NOX
成特性について詳細に検討した結果、N2O, NOX の大部
分は燃焼室底部で発生していることが判明した。例え
ば、石炭燃焼におけるNOX は75%以上がフューエル(fu
el)NOX と言われており、さらにフューエルNOX は燃焼
初期に発生する揮発性(volatile)NOX と、主として燃
焼後期に発生するチャー中の残留窒素分によるチャー
(char)NOX とからなる。
【0010】本発明者の調査結果によると、上記のよう
に燃焼室底部において揮発性NOX およびN2O を多量に発
生しており、この揮発性NOX およびN2O の発生を抑制す
ることにより、大幅に燃焼排ガス中のNOX ,N2O を低減
できることを見出した。
【0011】特に、この揮発性NOX は燃焼空気と石炭か
ら発生する揮発分との混合が律速であり、混合速度を低
下させることによりNOX の発生を効果的に抑制できる。
すなわち、本発明は、多段燃焼を行うに際して、1段目
燃焼空気は石炭から発生する揮発分を燃料過濃状態で燃
焼させ、2段目燃焼空気でほぼ理論空気比で燃焼させ、
3段目燃焼空気で完全燃焼させる点に特徴がある。
【0012】より具体的には、2段目燃焼空気の供給位
置はアンモニア、シアンなど窒素含有中間生成物の濃度
の高い領域に供給することが肝要であり、これにより、
N2OおよびNOX 低減効果はより顕著となることが明らか
になった。さらに3段目燃焼空気は未燃分を効果的に完
全燃焼させ、N2O, NOX の発生を抑制するように供給す
る点が重要であり、これには供給位置が燃焼室の高さの
0.25〜0.40範囲の高さの燃焼室側壁から供給する必要が
ある。実験によればこの範囲を外れると、適切な燃料過
濃域および完全燃焼域が実現できないことが判明した。
【0013】
【実施例】図1は、本発明に係わる循環流動層ボイラの
概念図である。この循環流動層ボイラでは、流動層燃焼
室1の底部から1段目燃焼空気2を供給し、底部側壁3
から石炭4および石灰石5を供給するとともに、石炭4
および石灰石5の供給位置より上方の底部側壁3から2
段目燃焼空気6を、さらに炉底からLの高さ位置の燃焼
室側壁7から3段目燃焼空気8をそれぞれ供給して流動
層燃焼が行われるようになっている。なお、図中、9は
循環路に配設されたホットサイクロンを、Hは流動層燃
焼室1の高さをそれぞれ示す。
【0014】そして、流動層燃焼に際しては、先ず、1
段目燃焼空気2を空気比0.5 〜0.85の範囲で供給し、燃
料過濃状態で燃焼させ、アンモニア、シアンなどの窒素
含有中間生成物を多量に発生させ、一方NOなどの発生を
抑制する。
【0015】次に、2段目燃焼空気6を、1段目燃焼空
気2と2段目燃焼空気6の合計空気比が1.05以下となる
ように空気比0.5 〜0.20の範囲で供給し、アンモニア、
シアンなどの窒素含有中間生成物をNOにならないように
反応させる。
【0016】さらに、3段目燃焼空気8をLの高さ位置
から供給しCO, H2などの未燃分を完全燃焼させ、さらに
その上部での未燃チャーの燃焼を促進する。この場合、
3段目燃焼空気8の供給高さ位置Lが重要であり、N2O
およびNOの発生に影響を及ぼす。
【0017】図2は、3段目燃焼空気8の供給位置Lの
N2O, NOに及ぼす影響を示す。3段目燃焼空気8の供給
位置Lは流動層燃焼室1の全高Hに対する無次元数で示
す。空気比は1段目空気比0.6 、2段目空気比0.4 、3
段目空気比0.2 である。
【0018】3段目燃焼空気8の供給位置Lを高くする
ほど、燃焼率は次第に低下し、0.4以上では空気不足の
燃焼域が広くなり過ぎ顕著に燃焼率が低下する。またN2
O およびNOX はL/Hが0.25〜0.4 の範囲で顕著に低下
する。この理由は、L/H=0.25〜0.4 で適切な燃料過
濃域および完全燃焼域が実現され、燃焼率を低下させる
ことなくN2O, NOX を低減できるからである。
【0019】このように、燃焼率をそれほど低下させる
ことなく、循環流動層ボイラで問題となるN2O,の発生を
抑制できるとともに、NOX も低下できる。
【0020】本発明は、循環流動層ボイラの実施例で説
明したが、バブリング流動層ボイラや、都市ごみ、下水
汚泥、産業廃棄物の流動層燃焼炉にも応用できることは
言うまでもない。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にによれ
ば、元来NOX 濃度が低い流動層燃焼において、さらにNO
X を低減すると同時にN2O をも低減することができ、公
害対策や省エネルギの面は元より、近年問題となってい
る地球温暖化ガスの排出を低減することができ工業的価
値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる循環流動層ボイラの概念図であ
る。
【図2】3段目燃焼空気の供給位置と煙道におけるN2O,
NOX および燃焼率との関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1:流動層燃焼室 2:1段目燃焼空気
3:底部側壁 4:石炭 5:石灰石
6:2段目燃焼空気 7:燃焼室側壁 8:3段目燃焼空気
9:ホットサイクロン L:3段目燃焼空気の供給位置までの炉底からの高さ H:流動層燃焼室の高さ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1段目燃焼空気を燃焼室底部から、2段
    目燃焼空気を燃焼室底部側壁からそれぞれ供給するとと
    もに、さらに3段目燃焼空気を燃焼室側壁の、燃焼室の
    高さの0.25〜0.40の高さ位置から供給することを特徴と
    する流動層燃焼におけるN2O, NOX の低減方法。
  2. 【請求項2】 1段目燃焼空気の空気比が2段目燃焼空
    気の空気比より高く、且つ両者の空気比の和がほぼ理論
    空気比となるように1段目燃焼空気と2段目燃焼空気を
    供給する請求項1記載の流動層燃焼におけるN2O, NOX
    の低減方法。
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