JPH0534037U - 船舶用台車における船底支持装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 主としてマリーナで使用される船舶用台車に
おける船底支持装置にあって従来使用されていた木材製
の補助材を一切不要とし、一台の台車を用意すれば種々
の船舶に自在に対応できることとする。 ［構成］ 台車上に設けられた支持装置を螺条やギア等
のノンベアリング機構により高さ位置をアジャストし、
また、船底の受部材を枢動可能として船底の曲面に合致
させることとする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は船舶、特にフィシングボート等のレジャー用船舶をマリーナにおい て水上から引き上げたり、また浮かべたりする際に陸上で運搬するための台車に 関し、その船底支持装置の改良に関する。

【０００２】

【考案の背景】

一般的に、マリーナにあって船舶は陸上の艇庫に入れられており、それを水 上へ浮かべるには台車上に船舶を乗せて水際まで運搬し、船舶を乗せたままの台 車をワイヤーを介してクレーンで吊って水面へ降ろし、そのまま台車を水中へ沈 めることでなされ、また、水上から船舶を引き上げるには前記と逆の手順で実行 されている。あるいは吊りの代わりにスロープを利用して台車を水中へ沈める場 合もある。そして、この作業に使用される台車には走行用の車輪と、上面に複数 の船底支持部が設けられたものとなっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の船舶用台車における船底支持部はシャーシ本体上に固 定状態とされており、そのために各種存在する船舶の船底形状と合致しない場合 が多く、通常は木材で成形したクサビ形の補助材を作成して一致させ密な設置状 態を得ていたもので、この補助材の作成は各船舶ごとに計測のうえ作成しなけれ ばならず非常に煩わしいものとなっていた。

【０００４】

【考案の目的】

そこで、本考案は上記した実情に着目してなされたもので、かかる問題点を 解消して、一切の補助材を不要として、各種の船舶の船底に密に合致させること ができることとした船舶用台車における船底支持装置を提供することを目的とし ている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するために、本考案に係る船舶用台車における船底支持装置 はシャーシ本体の上面に複数の船底受部材を備えた支持機構を有する船底支持装 置にあって、前記支持機構を少なくとも上下方向にアジャスト可能としたことを 特徴としている。

【０００６】

【作用】

上記した構成としたことによって、支持機構の少なくとも高さ調整が可能と なり、各種船舶の船底と受部材を密に当接させることができ、補助材は一切不要 とすることができる。さらに、受部材を任意に角度調整すれば船底との密接度も 増大することとなる。

【０００７】

【実施例】

次に、本考案の実施の一例を図面を参照して説明する。図１は本考案を実施 した船舶用台車の一部断面側面図、図２は同じく平面図、図３は同じく底面図、 図４は同じく正面図、図５は支持機構の側面図、図６は同じく正面断面図である 。

【０００８】 これらの図にあって１はシャーシ本体であり、このシャーシ本体は金属材を 格子状に接合して成形されている。このシャーシ本体の下面四隅には走行用の車 輪２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄが付けられており、前輪となる２ａ，２ｂはキャスタ ー状に回転可能とされている。

【０００９】 また、シャーシ本体１の両サイド面の前後部にはワイヤーの掛け用リング部 ３・３…が設けられ、さらに、シャーシ本体１の上面四隅には船底支持機構４・ ４…が設けられており、シャーシ本体１の上面中央前後端には船底中心の最深部 の支持部５・５が固設されており、この支持部５は船底形に合せて上面に凹部を 形成するとともにシャーシ本体１の前方側の支持部が後方側よりやや高く構成さ れている。そして、シャーシ本体１の中央位置には前記した船底支持機構４・４ …よりその頂部を低く位置させた中央支持体６が螺設され、上下方向に高さ位置 がアジャストできるようになっているもので、この中央支持体６は支持部５・５ と直線上に配置されることで船底中心を支持部５・５とともに支持することとな る。

【００１０】 前記した船底支持機構４は円板状の台座７を介してシャーシ本体１上面に立 設されているもので、その台座７に、内面に螺溝を形成した支承筒体８の基端が はめ付けられ固定されている。この支承筒体８には、外面に螺条が刻設された可 動軸体９が螺合されているもので、この可動軸体９は支承筒体８に対し、一杯に 螺合した状態で頭部が支承筒体８の外部へ突出するものとされ、その突出する部 分には螺条が省かれている。

【００１１】 前記した可動軸体９の支承筒体８から突出する頭部には軸芯と直交する貫通 孔１０が形成されており、この貫通孔１０に棒状の治具を挿し通し回転させるこ とで可動軸体９を螺条により上下方向へ動かすものとなっている。

【００１２】 さらに、可動軸体９の突出された頭部の頂部には船底受部１１が被冠取付さ れている。この船底受部１１は可動軸体９への被冠部材１２とその被冠部材１２ に対してボルト１３で枢支され枢動可能とされた枢動部材１４とを有しており、 その枢動部材１４の上面には凹溝１５が形成されて、その凹溝１５に断面略カマ ボコ状とされた受部材１６がはめ付け固着され、船底との当接につき損傷のない ように図られている。

【００１３】 本実施例にかかる船舶用台車における船底支持装置は上記のように構成され ている。即ち、支持部５・５に船底中心を合せてから、中央支持体６を上げて船 底に当接させ、次いで、可動軸体９を上昇させ枢動部材１４を傾けて船底曲面に 受部材１６を当接させることとする。なお、本実施例にあって可動軸体９の上下 動を螺条により行なうこととしたが、これにこだわるものではなく例えばラック 、ピニオン形式でも応用が可能である。

【００１４】

【考案の効果】

本考案にかかる船舶用台車における船底支持装置は上述のように構成され使 用される。そのため、従来のような補助材は一切不要となり、各種船舶の船底形 に合わせて自在にアジャストすることができる。また、構造が簡易で部品点数も 少なくて済むために、一貫した製造が可能でコストも安く供給することができる 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を実施した船舶用台車の一部断面側面図
である。

【図２】同じく平面図である。

【図３】同じく底面図である。

【図４】同じく正面図である。

【図５】船底支持機構の側面図である。

【図６】同じく断面正面図である。

【符号の説明】

１ シャーシ本体 ４ 船底支持機構 ７ 台座 ８ 支承筒体 ９ 可動軸体 １０ 貫通孔 １１ 船底受部 １２ 被冠部材 １３ ボルト １４ 枢動部材 １５ 凹溝 １６ 受部材

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シャーシ本体の上面に複数の船底受部材
   を備えた支持機構を有する船底支持装置にあって、前記
   支持機構を少なくとも上下方向にアジャスト可能とした
   ことを特徴とする船舶用台車における船底支持装置。
2. 【請求項２】 前記した支持機構はシャーシ本体の複数
   個所に配備し、アジャストはボルトやギアによることを
   特徴とする請求項１に記載の船舶用台車における船底支
   持装置。
3. 【請求項３】 前記した船底受部材はボルトによって受
   角度のアジャスト可能としたことを特徴とする請求項１
   又は請求項２に記載の船舶用台車における船底支持装
   置。