JPH05337312A - 濾材固定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 気密性が良く、濾材の装着、取り外し作業を
迅速に行うことができ、しかもフィルタ装置内への汚れ
た空気の侵入を防止することができる濾材固定装置を提
供することを目的とするものである。 【構成】 本発明は、濾材が着脱可能に装着されるフィ
ルタ装置の空気流入側に配置した上下一対のレール１
３、１４と、濾材の空気流入側外周に設けた前記レール
１３、１４内に挿入されるフィルタ枠１５とからなり、
前記上部レール１３にはフィルタ枠１５挿入時にフィル
タ枠１５との間に隙間を形成する溝２１ａが設けられて
おり、前記下部レール１４にはフィルタ枠１５の厚みと
ほぼ同一の幅の溝２１ｂを有し、かつ溝２１ｂ底部にフ
ィルタ枠１５を受けて回転支持する支持ローラ２５を取
り付けた支持レール２８を収めた溝２６が設けられてい
ることを特徴とする濾材固定装置を要旨とするものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は濾材固定装置に関する。
詳細には、気密性が良く、濾材の装着、取り外し作業を
迅速に行うことができ、しかもフィルタ装置内への汚れ
た空気の侵入を防止することができる濾材固定装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、図７に示すように、フィルタ装置
における濾材固定装置は、フィルタ装置本体１の空気流
入側と空気流出側とに配置した上下一対のレール３と、
濾材２の外周に設けた前記レール３上に挿入されるフィ
ルタ枠６とを備え、濾材２の空気流出側にはパッキン４
が取り付けられ、装置本体１の空気流入側にはカム５が
取り付けられており、レール３にフィルタ枠６の位置を
合わせて挿入し、カムを回転させたとき、濾材２は装置
本体１の空気流出側に押し付けられて装置本体１の空気
流出側にパッキン４を介して密着し、濾材２が装置本体
１の空気流出側で気密状態に固定されるようになってい
た。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】フィルタ装置は高層ビ
ルや地下鉄の構内などに数多く設置されており、濾材の
交換時期も各建造物ごとにほぼ一致していることから、
その交換数は一度に数十から数百という数に上る場合が
あり、しかも、濾材の交換は一般に夜間に行われること
から、濾材の交換には厳しい時間的制限が課せられてい
た。

【０００４】従来の濾材固定装置にあっては、上記の如
くフィルタ装置本体の空気流入側と空気流出側とに配置
した一対のレール上に濾材の外周に設けたフィルタ枠の
位置を合わせて夫々挿入した後、装置本体の空気流入側
に取り付けたカムを回転させて濾材を装置本体の空気流
出側に押し付け、装置本体の空気流出側に濾材をパッキ
ンを介して密着させるという操作で濾材の装着、固定が
行われるようになっており、１つの濾材を交換するには
濾材の装着及び取り外しと、装着時及び取り外し時のカ
ム操作とを必要とした。このため、濾材の交換が数百に
も及ぶ場合には大変に手間のかかる作業となるうえに、
交換時にカム操作を怠って濾材が固定されないままに放
置されるという人的ミスが発生し易かった。

【０００５】又、この濾材固定装置にあっては、濾材を
装置本体の空気流出側で気密状態に固定するようになっ
ていたため、フィルタ装置内に濾過前の汚れた空気が侵
入して装置内を汚染するという不具合もあった。

【０００６】本発明は、このような事情に鑑みなされた
ものであり、気密性が良く、濾材の装着、取り外し作業
を迅速に行うことができ、しかもフィルタ装置内への汚
れた空気の侵入を防止することができる濾材固定装置を
提供することを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、濾材１２が着脱可能に装着されるフィル
タ装置の空気流入側に配置した上下一対のレール１３、
１４と、濾材１２の空気流入側外周に設けた前記レール
１３、１４内に挿入されるフィルタ枠１５とからなり、
前記上部レール１３にはフィルタ枠１５挿入時にフィル
タ枠１５との間に隙間を形成する溝２１ａが設けられて
おり、前記下部レール１４にはフィルタ枠１５の厚みと
ほぼ同一の幅の溝２１ｂを有し、かつ溝２１ｂ底部にフ
ィルタ枠１５を受けて回転支持する支持ローラ２５を取
り付けた支持レール２８を収めた溝２６が設けられてい
ることを特徴とする濾材固定装置をその要旨とした。

【０００８】尚、本発明において、上部レール１３とフ
ィルタ枠１５との間に隙間を形成する溝２１ａとは、フ
ィルタ枠１５上部を溝２１ａの両側壁に摺れないで挿入
できる程度のゆとりを設けた溝を意味する。

【０００９】

【作用】本発明の濾材固定装置にあっては、濾材１２の
空気流出側を持ち上げることにより、濾材１２の空気流
入側外周に設けたフィルタ枠１５上部が上部レール１３
の溝２１ａの側壁に接触しない状態とすることができ、
この状態で濾材１２を装置本体１１に押し入れることに
より、フィルタ枠１５が下部レール１４上の支持レール
２８の溝２１ｂ底部の支持ローラ２５に沿って回転支持
されながら挿入されるようになっている。このため、濾
材の挿入時の抵抗が小さく、楽に、かつ迅速に濾材の挿
入作業が行える。

【００１０】濾材１２を挿入し終わったとき、濾材１２
の空気流出側を降ろすことにより、フィルタ枠１５は濾
材１２の重みによってレール１３、１４の溝２１ａ、２
１ｂの側壁に当接するようになる。こうして濾材１２の
装着が完了した後、該フィルタ装置の運転が開始される
と、濾材１２には風圧が加わり、フィルタ枠１５は前記
濾材１２の重みと運転時の風圧とによってレール１３、
１４に密着し、濾材１２は装置本体１１の空気流入側で
固定されるようになる。

【００１１】又、この濾材固定装置にあっては、フィル
タ枠１５下部を支持する支持レール２８が下部レール１
４の溝２６内に収められており、フィルタ枠１５は前記
濾材１２の重みと運転時の風圧とによってレール１３、
１４に密着するようになっていることから、濾材１２が
レール１３、１４に気密状態に固定されるようになって
いる。

【００１２】又、このようにして固定された濾材１２の
取り外しは、濾材１２の空気流出側を持ち上げて、この
状態でフィルタ枠１５を上部レール１３及び下部レール
１４から引き出すことで行うことができるようになって
いる。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の濾材固定装置について図面に
示した一実施例に従って詳細に説明する。図４及び図５
に示すように、本発明のフィルタ装置本体１１は箱型を
なし、装置本体１１前面には空気流入口２２が設けら
れ、後面には空気流出口２３が設けられ、装置本体１１
側方には濾材１２を装着し取り出すための取出口２４が
設けられている。この装置本体１１内に上下二段に又奥
行き方向に２個の濾材１２と補助濾材１６とが装着され
るようになっている。

【００１４】濾材１２は、例えば圧縮ガラス繊維シート
や極細合成繊維よりなる不織布を材料としており、図６
に示す四角形のフィルタ枠１５と横断面が波形状の梁２
７との間に、これらフィルタ枠１５と梁２７とを一体に
樹脂成型する時に、交互に折り畳まれると共に梁２７の
形状に沿って波形状となるように接着されている。補助
濾材１６は紙、編織布、不織布等の材料を用いて板状に
成形したものであり、前記濾材１２よりも繊維密度が粗
であり通気抵抗も小さくなっている。尚、これら濾材１
２と補助濾材１６の繊維密度や通気抵抗の差は装置本体
の規模や使用状態に合わせて適宜決定すると良い。

【００１５】次に、本発明の特徴をなす濾材固定装置に
ついて説明する。図１、図２、図３、図４及び図５に示
すように、装置本体１１の空気流入口２２を構成する天
井パネル１８と装置本体１１中央の厚さ方向に貫通固定
した軸棒１７下面とには上部レール１３が配置され、装
置本体１１の空気流入口２２を構成する床パネル１９と
前記軸棒１７上面とには下部レール１４が配置されてい
る。これら上部レール１３及び下部レール１４は夫々２
つの溝２０ａ、２０ｂ、溝２１ａ、２１ｂを有し、上流
側の溝２０ａ、２０ｂには補助濾材１６が装着され、下
流側の溝２１ａ、２１ｂには濾材１２の空気流入側外周
に設けたフィルタ枠１５が補助濾材１６との間に一定の
間隔をおいて挿入されるようになっている。

【００１６】図１、図２及び図３に示すように、前記上
部レール１３の溝２１ａはフィルタ枠１５を挿入した時
にフィルタ枠１５との間に隙間を形成するだけの幅を有
している。又、下部レール１４の溝２１ｂはレール１４
の下流側の溝２６内に取り付けた支持レール２８によっ
て構成されており、フィルタ枠１５の厚みとほぼ同一の
幅を有している。又、下部レール１４の溝２１ｂ底部に
はフィルタ枠１５を受けて回転支持する支持ローラ２５
が取り付けられている。そして、濾材１２を装着すると
きには、フィルタ枠１５下部が前記下部レール１４の溝
２１ｂに沿って支持ローラ２５に回転支持されつつ嵌挿
されると共に、フィルタ枠１５上部が前記上部レール１
３の溝２１ａに沿って遊挿されるようになっており、濾
材１２の装着が円滑に行えるようになっている。

【００１７】上記濾材１２のフィルタ枠１５を上部レー
ル１３及び下部レール１４の溝２１ａ、２１ｂに挿入し
て濾材１２を装置本体１１に装着し、補助濾材１６を溝
２０ａ、２０ｂに装着したとき、濾過すべき汚れた空気
は装置本体１１の空気流入口２２から装置本体１１内に
侵入し、上流側の補助濾材１６で空気中の比較的大きな
塵やほこりが濾過される。次いで下流側の濾材１２によ
って前記補助濾材１６を通過した微細な塵やほこりが濾
過され、装置本体１１後面の空気流出口２３より清浄空
気として放出されるようになっている。

【００１８】尚、本発明の濾材固定装置にあっては、上
に示した実施例に限定されるものではなく、例えば補助
濾材１６と濾材１２とを一体化して補助濾材１６の交換
と濾材１２の交換とを１回の交換作業で行えるようにし
たりする等、特許請求の範囲に記載した範囲内で適宜変
更することができる。

【００１９】

【発明の効果】上記構成を備えたことにより、本発明の
濾材固定装置にあっては、濾材の空気流出側を持ち上
げ、この状態で装置本体の空気流入側に配置した上下一
対のレールに濾材の空気流入側外周に設けたフィルタ枠
を挿入し、挿入が完了したとき、濾材の空気流出側を降
ろすことにより、濾材が装置本体の空気流入側で気密状
態に固定されるようになっている。又、その取り外しは
濾材の空気流出側を持ち上げ、この状態でレールからフ
ィルタ枠を引き出すだけで行うことができる。しかも、
この濾材の装着、取り外しの際、上部レールにはフィル
タ枠を挿入してもフィルタ枠との間に隙間を形成できる
幅の溝が設けられており、下部レールの溝の底部には支
持ローラが取り付けられていることから、フィルタ枠を
小さな抵抗で移動させることができ作業を迅速且つ確実
に行うことができる。

【００２０】又、この濾材固定装置にあっては、フィル
タ枠下部を支持する支持レールが下部レールの溝内に収
められており、フィルタ枠は前記濾材の重みと運転時の
風圧とによってレールに密着するようになっていること
から、濾材がレールに気密状態に固定されるようになっ
ている。このため、気密性が良く、フィルタ装置内が汚
れた空気によって汚染されることもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】上部レール及び下部レールにフィルタ枠を挿入
した状態を示す拡大側面図である。

【図２】フィルタ枠を回転支持する支持ローラと溝とを
示した拡大平面図である。

【図３】同じく拡大側面図である。

【図４】本発明のフィルタ装置を示した側面図である。

【図５】同じく平面図である。

【図６】濾材を示した拡大平面図である。

【図７】従来のフィルタ装置を示した側面図である。

【符号の説明】 １１ 装置本体 １２ 濾材 １３ 上部レール １４ 下部レール １５ フィルタ枠 ２１ａ、２１ｂ 溝 ２５ 支持ローラ ２８ 支持レール

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 濾材が着脱可能に装着されるフィルタ装
   置の空気流入側に配置した上下一対のレールと、濾材の
   空気流入側外周に設けた前記レール内に挿入されるフィ
   ルタ枠とからなり、 前記上部レールにはフィルタ枠挿入時にフィルタ枠との
   間に隙間を形成する溝が設けられており、前記下部レー
   ルにはフィルタ枠の厚みとほぼ同一の幅の溝を有し、か
   つ溝底部にフィルタ枠を受けて回転支持する支持ローラ
   を取り付けた支持レールを収めた溝が設けられているこ
   とを特徴とする濾材固定装置。