JPH05337175A - 膜型人工肺及びその製造法 - Google Patents

膜型人工肺及びその製造法

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JPH05337175A
JPH05337175A JP17484992A JP17484992A JPH05337175A JP H05337175 A JPH05337175 A JP H05337175A JP 17484992 A JP17484992 A JP 17484992A JP 17484992 A JP17484992 A JP 17484992A JP H05337175 A JPH05337175 A JP H05337175A
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JP
Japan
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membrane
blood
gas
housing
filled
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Application number
JP17484992A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Ishihara
義久 石原
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Nippon Medical Supply Corp
Original Assignee
Nippon Medical Supply Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、予め水溶液を充填しておい
ても血液中の水分が透過してガス交換ができない等の問
題点がなく事前に生理的食塩水等の水溶液を含有させる
ことにより、緊急的に即座に使用可能な人工肺を提供す
ることにある。 【構成】 ハウジング内に、膜面を介して血液と酸素含
有ガスのガス交換を行うガス交換膜を少なくとも内蔵す
る膜型人工肺において、ガス交換膜が均質膜または均質
層を有する膜で構成され、かつハウジング内に水溶液が
充填され滅菌処理されていることを特徴とする膜型人工
肺。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な膜型人工肺およ
びその製造方法に関する。さらに詳しくは、緊急使用が
可能な膜型人工肺とその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】近年、心臓疾患に対する体外循環法を用い
た開心術の成功率が向上しているが、この要因の1つと
して、人工心肺装置の発展がある。この中でも、とくに
人工肺の発展はその成功率の向上に大きく寄与してい
る。すなわち、旧来の物に比べて長時間使用が可能で、
血液損傷が少なく、さらに血液充填量の低下による輸血
量の低減と輸血副作用の低減等である。このため、長時
間を要する難手術に対しても安全に手術が行え、開心術
の成功率を向上させている。ところで、ここ数年来、急
性の循環器不全に対して、人工肺、血液ポンプおよび人
工心肺回路より構成される循環補助用人工心肺装置が用
いられ、従来救命し得なかった症例が救命できるように
なってきている。すなわち、循環器不全を起こした患者
の血管に脱血カテーテルと送血カテーテルを接続し、こ
れに人工心肺装置を接続して、とりあえず患者の血液循
環および肺でのガス交換を確保しておき、心臓の機能回
復を待つかあるいは開心術を行う等の処置をする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】循環補助用人工心肺装
置を用いた治療は緊急的であるため、本装置に要求され
る最大のポイントは、「即座に使用可能」なことであ
る。しかし、従来の人工肺は使用に先立ってプライミン
グと呼ばれる等張液の充填操作を行う必要があり、使用
できる状態になるまでに時間がかかるという問題があっ
た。このプライミング操作を省くためには、予め人工肺
の内部に等張液などの水溶液を充填し滅菌しておけばよ
い。しかし、従来の人工肺に使用されているガス交換膜
はポリプロピレンなどの疎水性材料からなる多孔質膜で
あり、膜の表面張力により血液中の水分の透過を阻止し
ながらガス交換を行っている。このような多孔質膜を使
用した人工肺の問題点は、膜が血液と接触すると血液中
の蛋白質や脂質により膜の親水化が起こって血液中の水
分が透過し、ガス交換ができなくなることである。ま
た、水溶液を充填して蒸気滅菌を行うと、細孔内に液が
侵入して完全に親水化してしまい、上記と同様に血液中
の水分が膜を透過し、ガス交換が困難になる。さらに、
蒸気滅菌以外の滅菌処理(例えばガンマ線滅菌)を行っ
ても膜の親水化が起こるので、やはり上記の現象を避け
ることはできない。したがって、多孔質膜を使用した従
来の人工肺では、予め水溶液を充填して即座の使用に備
えることは困難であった。
【0004】
【目的】本発明の目的は、予め水溶液を充填しておいて
も前記のような問題点がなく事前に生理的食塩水等の水
溶液を含有させることにより、緊急的に即座に使用可能
な人工肺を提供することにある。
【0005】
【構成】本発明においては、ガス交換膜に均質膜または
均質層を有する膜を使用し、人工肺内部に予め水溶液を
充填して滅菌処理することにより、上記の目的を達成し
た。すなわち第1の発明は、ハウジング内に少なくとも
ガス交換膜を内蔵し、膜を介して血液と酸素含有ガスを
接触させてガス交換を行う膜型人工肺において、ガス交
換膜として均質膜または均質層を有する膜を使用し、こ
のような膜型人工肺のハウジング内部に水溶液を充填し
滅菌処理してなることを特徴とする膜型人工肺である。
また、第2の発明は人工肺の製造方法に係るものであ
り、均質膜からなるガス交換膜を内蔵する膜型人工肺の
内部に水溶液を充填し、次いで滅菌処理することを特徴
とする水溶液の充填された膜型人工肺の製造方法であ
る。
【0006】本発明においては、ガス交換膜として均質
膜または均質層を有する膜を使用する。すなわち、膜全
体が緻密な層から形成された均質膜あるいはそのような
均質層が多孔質層に積層された構造の膜を使用する。こ
のような膜の均質層におけるガスの透過は、従来使用さ
れている多孔質膜のように細孔を通じてガスが透過する
のではなく、ガスが均質層の膜材質に溶解して拡散し膜
を透過する現象によるものである。従って、本発明にお
いては、ガス交換膜には細孔を有していない層が存在す
るので、水溶液を充填してもガス交換に支障を生じるよ
うな事態は起きることがない。
【0007】以下、本発明の膜型人工肺の構成について
具体的に説明する。本発明の人工肺は、ハウジング内に
少なくとも均質膜または均質層を有する膜からなるガス
交換膜が内蔵されているものである。前記ガス交換膜は
血液の入口と出口およびガスの入口と出口を有するハウ
ジング内に、血液が流れる側と酸素ガスが流れる側が区
画された状態で設置される。膜の形態は、装置をコンパ
クトにできるので中空糸状のものが好ましいが、中空糸
状の形態以外のものとしては、シリコーンゴム膜をメッ
シュ状のスペーサーとともに折たたんで、ガス流路と血
液流路を作り、ガスおよび血液流路を取り付けた積層型
人工肺あるいはスペーサーを中に入れた扁平状の二枚重
ねのシリコーンゴムシートをコイル状に巻いたコイル型
人工肺のようなものであってもよい。中空糸状の膜を使
用する場合、膜の厚さは30〜200μm、内径は10
0〜1000μmの範囲のものが好ましい。これらガス
交換膜を使用する場合、血液は該ガス交換膜の内側ある
いは外側のいずれでも流すことができるが、外側に流す
ようにした方が圧力損失が少ないなどの利点があり好ま
しい。また本発明の人工肺は、下記に述べるように高圧
蒸気滅菌あるいはガンマ線等の放射線により滅菌処理さ
れるものであるので、該人工肺を構成する材料として
は、十分な耐熱性あるいは、耐放射線にも優れているこ
と、さらにはこれら双方に優れていることが好ましい
が、シリコーンゴムはこれら要件を満足するだけでな
く、酸素や二酸化炭素の透過係数が大きいので、前記ガ
ス交換膜の材料としては特に好ましい。また、多孔質膜
にシリコーンゴムを積層したものや、多孔質膜にポリウ
レタンからなる均質層を積層した多層構造の膜も好適で
ある。その他例えば、フッ素系重合体からなる均質膜も
使用することができる。
【0008】本発明においては、人工肺のセルの内部に
水溶液を充填するが、充填した液を置換することなく即
座に使用できることから、水溶液としては生理食塩液な
どの等張液が好ましい。水溶液は血液の流れる部分に充
填されていれば十分であるが、ガス側にも充填すること
ができる。また、血液側には水溶液をほぼ完全に充填す
ることが好ましい。水溶液を充填した人工肺は、血液の
出入口および必要に応じてガスの出入口にもキャップを
して液が漏れないようにした後滅菌処理を行う。滅菌方
法としては、高圧蒸気滅菌かガンマ線等の放射線による
滅菌が好ましい。
【0009】図1は、本発明の人工肺の一例を示す部分
断面図である。この実施例では、中空糸状のガス交換膜
2がハウジング3内に収納されており、その両端は接着
剤で形成された隔壁5によって固定され、中空糸の内外
を隔離している。中空糸は平行に束ねたものでもよい
が、この実施例では斜めに交差させて、中空糸間に適度
の隙間が形成されるようにしている。このようにするこ
とによって、血液の流れる空間が確保され、中空糸全体
に均一に血液を流すことができる。ハウジングの側面に
は血液の入口1と出口6が設けられ、これらは中空糸の
外側と連通している。また、左右にはガスの入口7と出
口4が設けられており、中空糸の内部に連通している。
【0010】本発明の人工肺を使用するに際しては、人
工心肺回路12に等張液を充填し、図2に示すように人
工肺10に接続する。本発明の人工肺では予め人工肺に
水溶液が充填されているので、これらの処理がきわめて
迅速に行われる。そして次に、回路の両端を血管に経皮
的に挿入したカテーテル13および14に接続して体外
循環回路を形成する。そして血液ポンプ11を駆動させ
ると、脱血カテーテル13によって抜き出された静脈血
は人工心肺回路を通って人工肺に供給される。人工肺で
は血液と酸素ガスがガス交換膜を介して接触し、血液中
の二酸化炭素が酸素ガス中に移行するとともに酸素が血
液中に移行する。このようにして酸素加された血液は人
工心肺回路を通って再び送血カテーテル14より患者に
返される。従来の人工肺では、人工肺に液が充填されて
いなかったので、最初の等張液の充填操作の際に人工肺
内の空気を完全に等張液で置換するのに時間がかかる。
すなわち、血液の入口から等張液を流入させても、細か
い気泡が中空糸に多数付着したままなかなか脱離しない
ので、振動を与えたり軽く叩いたりしなければならな
い。したがって、緊急使用に対応できない。救命率は処
置が迅速に行われるか否かに依存するので、本発明の人
工肺を使用すれば従来の人工肺を使用した場合よりも格
段に高い救命率が期待できる。
【0011】
【効果】本発明の人工肺は即座に体外循環が可能な状態
にできるので、緊急時にすばやく対応でき、急性循環器
不全などの救急患者の救命率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の人工肺の一例を示す部分断面図であ
る。
【図2】本発明の人工肺が使用される人工心肺回路を示
す図である。
【符号の説明】
1 血液入口 2 ガス交換膜 3 ハウジング 4 ガス出口 5 隔壁 6 血液出口 7 ガス入口 10 人工肺 11 ポンプ 12 人工心肺回路 13 脱血カテーテル 14 送血カテーテル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に、膜面を介して血液と酸
    素含有ガスのガス交換を行うガス交換膜を少なくとも内
    蔵する膜型人工肺において、ガス交換膜が均質膜または
    均質層を有する膜で構成され、かつハウジング内に水溶
    液が充填され滅菌処理されていることを特徴とする膜型
    人工肺。
  2. 【請求項2】 均質膜または均質層がシリコーンゴムか
    ら構成された中空糸状の膜である請求項1記載の膜型人
    工肺。
  3. 【請求項3】 水溶液が生理的食塩水である請求項1ま
    たは2記載の膜型人工肺。
  4. 【請求項4】 ハウジング内に、膜面を介して血液と酸
    素含有ガスのガス交換を行う均質膜または均質層を有す
    る膜で構成されるガス交換膜を少なくとも内蔵する膜型
    人工肺のハウジング内部に水溶液を充填し、所望により
    該人工肺を滅菌処理することを特徴とする請求項1、
    2、3または4記載の膜型人工肺の製造方法。
JP17484992A 1992-06-09 1992-06-09 膜型人工肺及びその製造法 Pending JPH05337175A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6217546B1 (en) 1997-05-19 2001-04-17 United States Surgical Corporation Catheter system
JP2010213851A (ja) * 2009-03-16 2010-09-30 Jms Co Ltd 血液処理装置

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US6217546B1 (en) 1997-05-19 2001-04-17 United States Surgical Corporation Catheter system
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