JPH05333390A - 非線形光学素子 - Google Patents

非線形光学素子

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JPH05333390A
JPH05333390A JP14305892A JP14305892A JPH05333390A JP H05333390 A JPH05333390 A JP H05333390A JP 14305892 A JP14305892 A JP 14305892A JP 14305892 A JP14305892 A JP 14305892A JP H05333390 A JPH05333390 A JP H05333390A
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JP
Japan
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optical element
substituent
electron
ring
group
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JP14305892A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Kato
勉 加藤
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】光第二高調波発生に優れる非線形光学素子を得
る。 【構成】光第二高調波発生用の光学結晶に一般式(I)
または(II)のアゾール誘導体を用いる。 【化1】 (式中、R1 は水素原子,電子供与性または弱い電子吸
引性の置換基、R2 は水素原子,電子吸引性の置換基、
Xはヘテロ原子、Cn は五員環もしくは六員環の縮合芳
香環を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は非線形光学素子に係
り、特に光第二高調波発生に供される非線形光学素子の
光学結晶用有機物質に関する。
【0002】
【従来の技術】物質にレーザ光が照射されると、その強
磁場により物質中に分極Pが誘起される。分極Pは以下
の式(III )で表現される。 P=x(1) E+x(2) E・E+x(3) E・E・E+・・・ (III ) ここでx(n) はn次の非線形感受率 Eは電場の強さである。
【0003】第一項が線形分極、第二項以降が非線形分
極であり、x(n) はn≧2のときn次の非線形感受率で
ある。この式で第二項から二次の非線形効果が生じる。
この効果から第二高調波発生あるいはパラメトリック発
振と称される光の波長変換が可能となる。さらに第三項
から三次の非線形効果が生じ、第三高調波発生による光
の波長変換が可能となる。
【0004】図1はバルク型非線形光学素子を示す斜視
図である。図2は導波路型非線形光学素子を示す断面図
である。ニオブ酸リチウムからなる基板1の上にプロト
ン交換ニオブ酸リチウムからなる非線形光導波路2が設
けられる。非線形光導波路に半導体レーザ素子から基本
波であるレーザ光(0.84μm)が照射されると基板
内に光第二高調波(0.42μm)が発生する。このよ
うな非線形光学素子に使用される非線形光学材料には上
述の他、KTiPO4 、KH2 PO4 などが知られてい
る。
【0005】しかしこれらの非線形光学材料は非線形性
や破壊しきい値に問題があり実用化が遅れている。これ
に対し近年有機の非線形光学材料が無機系の非線形光学
材料に比し非線形感受率が高いこと、電子分極が支配的
で応答速度が速いことなどから注目を集めている。例え
ば2−メチル−4−ニトロアニリン(MNA)、N−
(4−ニトロフェニル)−(L)−プロリノール(NP
P)、3−メチル−4−ニトロピリジン−1−オキサイ
ド(POM)等があり、大きな非線形光学特性が知られ
るに至った。
【0006】このような有機系非線形光学材料はπ電子
共役系であること、π電子共役系に電子供与性置換基と
電子吸引性置換基が導入されること、また結晶に反転対
称性がないことが大きな二次非線形効果を持つために必
要とされる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】π電子共役系に電子供
与性と電子吸引性の両方の置換基を導入すると分子の双
極子モーメントが大きくなり、結晶中の双極子−双極子
相互作用が強くなる。この双極子−双極子相互作用によ
り二分子間の双極子が打ち消す構造である中心対称性の
結晶が形成される。ところが中心対称性の結晶では非線
形感受率は存在しない。
【0008】またπ電子共役系で分子内に高い非線形性
を得ようとすると、p−ニトロアニリンに代表されるよ
うに強い電子供与性置換基と電子吸引性置換基の両方が
導入される。ところがこのような分子の光吸収位置は長
波長側にあり、例えばMNAに示されるように光の吸収
波長は370nmから430nmにおよび青色透過性が
悪いという問題が発生する。このような結晶を用いると
半導体レーザ光(830nm)を照射したときに発生す
る光第二高調波を取りだすことができない。
【0009】この発明は上述の点に鑑みてなされその目
的は、二次の非線形性が大きい上に光吸収波長が短波長
側にあり、光第二高調波発生に優れる光学結晶用の有機
物質を有する非線形光学素子を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の非線形光学素子
はレーザ光の照射により、光第二高調波を発生する光学
結晶を有し、この光学結晶は一般式(I)または(II)
で示されるアゾール誘導体であるとすることにより達成
される。
【0011】
【化2】
【0012】(式中、R1 は水素原子,電子供与性また
は弱い電子吸引性の置換基、R2 は水素原子,電子吸引
性の置換基、Xはヘテロ原子、Cn は五員環もしくは六
員環の縮合芳香環を表す。)電子供与性の置換基はハメ
ット則置換基定数σP が0ないし−1の範囲にある置換
基で、アルキル基,置換され若しくは置換されないアミ
ノ基,水酸基,メトキシ基,エトキシ基等が含まれ、弱
い電子吸引性の置換基はハメット則置換基定数σP が0
ないし0.4の範囲にある置換基で、メルカプト基、メ
チルチオ基,ハロゲン原子等が含まれる。ヘテロ原子は
酸素原子,硫黄原子または窒素原子である。五員環の縮
合芳香環はフラン環,ピロール環またはチオフェン環で
あり、六員環の縮合芳香環にはベンゼン環,ピリジン環
等が含まれる。
【0013】アゾール誘導体の具体例が化学式1ないし
化学式32に示される。
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】
【作用】有機化合物分子の共役性または分子中の置換基
の電子供与性もしくは電子吸引性を高めると、有機化合
物結晶の非線形性が大きくなる。しかし分子中の置換基
の電子供与性,電子吸引性を高めることは有機化合物結
晶の光吸収波長を長波長側にシフトさせる。
【0018】アゾール環に置換したピリジン環はアゾー
ル環と共同して分子の共役性を高め有機化合物結晶の非
線形性を向上させるが、ピリジン環のアゾール環に対す
る電子吸引性は弱いので有機化合物結晶の光吸収波長を
短波長化することができる。
【0019】
【実施例】
実施例1 この非線形光学素子に使用される化学式1で示されるア
ゾール誘導体は以下の公知の方法で調製される。1,2
−ジアミノ−4−ニトロベンゼン1.53g(0.01
モル)、4−ピコリン0.93g(0.01モル)と硫
黄0.32g(0.03モル)を油浴中で150ないし
160℃で10h加熱した。得られた生成物をエタノー
ルで抽出し、さらにヘキサンで再結晶を行った。得られ
た淡い黄色の結晶2−(4−ピリジル)−6−ニトロ−
ベンゾイミダゾール0.12g(0.005モル)を鉄
/塩酸により還元し、ジクロロメタンで抽出し、四塩化
炭素から再結晶した。このようにして淡い黄色の粉末2
−(4−ピリジル)−6−アミノ−ベンゾイミダゾール
が得られた。この粉末の試料にNd:YAGレーザ光
(波長1.064μm)を照射すると波長0.532μ
mの緑色の散乱光が観測された。また上記の粉末を蒸発
法により単結晶化して前述の図に示すようなバルク型の
非線形光学素子を調製し、上記と同様にして波長変換を
行ない0.532μmの緑色光を取り出すことができ
た。 実施例2 化学式2で示されるアゾール誘導体は以下のようにして
調製した。2−アミノ−5−ニトロフェノール1.54
g(0.01モル)、4−ピコリン0.93g(0.0
1モル)と硫黄0.32g(0.03モル)を油浴中1
50ないし160℃で10h加熱する。得られた生成物
をエタノール抽出し、さらにヘキサンで再結晶した。得
られた淡い黄色の結晶2−(4−ピリジル)−6−ニト
ロ−ベンゾオキサゾール0.12gを鉄/塩酸により還
元し、ジクロロメタンで抽出し、四塩炭素から再結晶し
た。こうして淡い黄色の粉末2−(4−ビリジル)−6
−アミノ−ベンゾオキサゾールを得た。この粉末の試料
にNd:YAGレーザ(波長1.064μm)を照射す
ると、波長0.532μmの緑色の散乱光が観測され
た。 実施例3 化学式3で示されるアゾール誘導体は以下のようにして
調製した。2−メルカプト−3−ニトロアニリン1.7
0g(0.01モル)、4−ピコリン0.93g(0.
01モル)、硫黄0.32g(0.03モル)を油浴中
で150ないし160℃で10h加熱する。得られた生
成物をエタノールで抽出し、さらにヘキサンで再結晶を
行った。得られた黄色い結晶2−(4−ピリジル)−6
−ニトロ−ベンゾチアゾール0.13g(0.005モ
ル)を鉄/塩酸により還元し、ジクロロメタンで抽出
し、四塩化炭素から再結晶した。このようにして淡い黄
色の粉末2−(4−ピリジル)−6−アミノベンゾチア
ゾールが得られた。
【0020】この粉末の試料にNd:YAGレーザ(波
長1.064μm)を照射すると波長0.532μmの
緑色の散乱光が観測された。
【0021】
【発明の効果】この発明によればレーザ光の照射によ
り、光第二高調波を発生する光学結晶を有し、光学結晶
は一般式(I)または(II) で示されるアゾール誘導体
であるのでアゾール環に置換したピリジン環はアゾール
環と共同して分子の共役性を高め有機化合物結晶の非線
形性を高めるが、ピリジン環のアゾール環に対する電子
吸引性は弱いので有機化合物結晶の光吸収波長を短波長
化することができる。このようにして光第二高調波発生
に優れる非線形光学素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の非線形光学素子を示す斜視図
【図2】従来の異なる非線形光学素子を示す断面図
【符号の説明】
1 基板 2 光導波路

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザ光の照射により、光第二高調波を発
    生する光学結晶を有し、 光学結晶は一般式(I)または(II) で示されるアゾー
    ル誘導体であることを特徴する非線形光学素子。 【化1】 (式中、R1 は水素原子,電子供与性または弱い電子吸
    引性の置換基、R2 は水素原子または電子吸引性の置換
    基、Xはヘテロ原子、Cn は五員環もしくは六員環の縮
    合芳香環を表す。)
  2. 【請求項2】請求項1記載の非線形光学素子において、
    五員環の縮合芳香環はフラン環,ピロール環またはチオ
    フェン環であることを特徴とする非線形光学素子。
  3. 【請求項3】請求項1記載の非線形光学素子において、
    六員環の縮合芳香環はベンゼン環であることを特徴とす
    る非線形光学素子。
  4. 【請求項4】請求項1記載の非線形光学素子において、
    電子供与性の置換基はハメット則置換基定数σP が0な
    いし−1の範囲にある置換基であることを特徴とする非
    線形光学素子。
  5. 【請求項5】請求項4記載の非線形光学素子において、
    ハメット則置換基定数σP が0ないし−1の範囲にある
    置換基はアルキル基,置換され若しくは置換されないア
    ミノ基,水酸基,メトキシ基,エトキシ基であることを
    特徴とする非線形光学素子。
  6. 【請求項6】請求項1記載の非線形光学素子において、
    弱い電子吸引性の置換基はハメット則置換基定数σP
    0ないし0.4の範囲にある置換基であることを特徴と
    する非線形光学素子。
  7. 【請求項7】請求項6記載の非線形光学素子において、
    ハメット則置換基定数σP が0ないし0.4の範囲にあ
    る置換基はメルカプト基、メチルチオ基,ハロゲン原子
    であることを特徴とする非線形光学素子。
  8. 【請求項8】請求項1記載の非線形光学素子において、
    ヘテロ原子は酸素原子,硫黄原子または窒素原子である
    ことを特徴とする非線形光学素子。
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