JPH05332823A - 赤外線センサの冷却温度可変方法およびその装置 - Google Patents

赤外線センサの冷却温度可変方法およびその装置

Info

Publication number
JPH05332823A
JPH05332823A JP4162322A JP16232292A JPH05332823A JP H05332823 A JPH05332823 A JP H05332823A JP 4162322 A JP4162322 A JP 4162322A JP 16232292 A JP16232292 A JP 16232292A JP H05332823 A JPH05332823 A JP H05332823A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
cooling
peltier element
infrared sensor
sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4162322A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0760121B2 (ja
Inventor
Takashi Ishida
石田孝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Avionics Co Ltd
Original Assignee
Nippon Avionics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Avionics Co Ltd filed Critical Nippon Avionics Co Ltd
Priority to JP4162322A priority Critical patent/JPH0760121B2/ja
Publication of JPH05332823A publication Critical patent/JPH05332823A/ja
Publication of JPH0760121B2 publication Critical patent/JPH0760121B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Radiation Pyrometers (AREA)
  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ペルチエ素子により冷却される赤外線センサ
の冷却温度を使用環境温度による影響を無くすこと。 【構成】 使用環境温度を検出し,赤外線センサを冷却
するペルチエ素子の相対的な冷却温度を検出し,ペルチ
エ素子の相対的な冷却温度差が,一定となるようにこの
ペルチエ素子に一定の冷却電流を流し,この冷却温度に
反比例する赤外線センサからのビデオ信号を増幅する電
圧制御形増幅器の利得を,使用環境温度に対応した制御
電圧により制御するようにして赤外線センサの感度を補
正する。 【効果】 赤外線センサの感度が常に一定に維持され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は,対象物が放射する赤
外線を検出して対象物の熱像を得る赤外線カメラにおい
て,ペルチエ素子により冷却される赤外線センサの冷却
温度可変方法およびその装置に関するもので,送電線等
の接続不良箇所における異常温度を監視するために利用
されるものである。
【0002】
【従来の技術】一般に,赤外線カメラに使用されている
赤外線を検出するための量子形センサに属する赤外線セ
ンサとしては,光起電力形(PV形)のインジウム・ア
ンチモン(InSb),光導電形(PC形)の水銀カド
ミニウム・テルル(HgCdTe)等の素子が用いられ
ている。このような赤外線センサにより光電変換する場
合,赤外線センサ自体が熱雑音を発生しているので,こ
の赤外線センサを冷却することにより,熱雑音を減少さ
せて対象物からの放射エネルギ−(赤外線)との差のエ
ネルギ−を取り出すようにしたもので,冷却すればする
ほど感度が良好となるため,赤外線センサは一般に極低
温に冷却される必要がある。
【0003】そこで,現在,実用化されている冷却方法
としては,電気冷蔵庫等で採用されているように,ヘリ
ウムガス等の気体を断熱膨張,断熱圧縮することによ
り,冷却するスタ−リングク−ラ方法,液体窒素を吹き
付けてこの気化熱を利用する方法あるいはペルチエ効果
を利用してペルチエ素子にペルチエ電流(以下,冷却電
流と記す)を流すことにより冷却する電子冷却方法等が
採用されている。
【0004】この内,図9に基本的な回路図を,図10
にその詳細回路図を示すように,電子冷却方法で採用さ
れているペルチエ効果を利用したペルチエ素子50は,
冷却電流を流せば流すほど冷却することが出来るが,あ
る値以上流すとペルチエ素子50自身の発熱が大きくな
り,冷却効果が悪くなる。このため,ペルチエ素子50
の発熱面と冷却面との相対温度差のうち効率よく利用で
きる相対温度差は約110°C程度である。そこで,ペ
ルチエ素子50の冷却面には,赤外線センサ51と温度
センサ52とが接触して取付けられており,温度センサ
52はIC60,Ic61,IC62からなる増幅器5
3を介してペルチエ素子50に流れる冷却電流をオン・
オフするための電流制御回路54(IC64およびパワ
−トランジスタTr)に接続されているとともに,この
温度センサ52に一定電流を供給している定電流源回路
56に接続されている。即ち,温度センサ52として
は,実際にはトランジスタのPN接合部,即ち,ベ−ス
・エミッタ間をダイオ−ドとして使用し,例えば,約2
mv/°Cのように,出力電圧値と温度との対応関係を
利用している。このように,温度センサ52はその出力
電圧値と温度とは対応関係にあるから,温度センサ52
からの出力電圧を可変抵抗55により設定されている設
定基準電圧(設定温度)と比較増幅して冷却のための電
流を制御して,赤外線センサ51の冷却温度を一定にし
て感度が変動しないように構成されている。
【0005】一方,電子冷却方法が採用されている赤外
線カメラの使用環境温度を,例えば,0°C〜40°C
等のように規定している。これは,ペルチエ素子50に
取付られて,冷却される赤外線センサ51の感度が,赤
外線センサ51の温度が変化すると変動するので,赤外
線センサ51の感度を常に一定に維持するために,ペル
チエ素子50の温度は,設定基準温度と比較して使用環
境温度が規定温度内で変化しても一定温度に維持される
ように冷却電流の量を制御している。
【0006】このように構成されているので,温度セン
サ52により検出されたペルチエ素子50の冷却温度が
上昇すると,電流制御回路54により制御されてペルチ
エ素子50に冷却電流が多く流れて冷却される。この冷
却温度を温度センサ52により検出して,所定の温度に
なると電流制御回路54により制御されて冷却電流が減
少する。このように,温度センサ52の冷却電流を増減
することにより,ペルチエ素子50の冷却温度を一定に
維持して,赤外線センサ2を一定温度に冷却している。
【0007】一方,ペルチエ素子50は冷却面と発熱面
との相対的な温度差によりペルチエ素子50の能力が定
義されている。従って,相対温度差能力が100°Cの
ペルチエ素子50を使用すると,赤外線カメラの使用さ
れる使用環境温度が+40°Cの時,赤外線センサ51
の冷却温度は−60°Cとなる。又,使用環境温度が0
°Cの時には,赤外線センサ51の冷却温度は−100
°Cとなるが,冷却電流を制御して−60°Cにするこ
とが出来る。一方,赤外線センサ51自体が,対象物
(図示せず)を検出し得る能力は,赤外線センサ51自
体の冷却温度に依存している。即ち,対象物から放射さ
れてくるエネルギ−と自己放射エネルギ−との差が大き
いほどS/Nが良好となる。このように,赤外線センサ
51の感度は,赤外線センサ51自身の冷却温度に依存
しているので,この冷却温度が変動すると,それにつれ
て,エネルギ−の相対値が変動するので,得られるビデ
オ信号のレベルも変動し,正確な熱像信号が得られな
い。従って,使用環境温度に関係なく赤外線センサ51
の冷却温度は一定に固定されている。
【0008】又,赤外線カメラが使用される使用環境温
度は,例えば,冬場の北海道と夏場の沖縄とでは使用条
件が非常に異なるため,対象物自体も使用環境温度に比
例して上昇したり下降したりする。しかしながら,使用
環境温度範囲は,一応,例えば,0°C〜40°C等の
ように規定しているとともに,赤外線センサ51の冷却
温度は,使用環境温度範囲内では,感度が変動しないよ
うに,一定に保持されるように構成されている。
【0009】
【発明が解決しようとする問題点】このように,一応は
使用環境温度範囲を規定しているが,実際はペルチエ素
子50の最大相対温度差は約110°Cであるから,こ
の最大相対温度差を基準として利用できるならば,規定
されている使用環境温度範囲外であっても,ペルチエ素
子50の持つ相対的な冷却能力を最大限有効に利用し
て,S/Nの改善を図ることが出来る。しかし,従来
は,どこで使用されるか不明であるため,上記のように
使用温度範囲を決定していた。一方,ペルチエ素子50
の設定温度は,使用環境温度に関係なく一定に定められ
ているので,北海道などのように寒い地方では,対象物
が冷たいので,赤外線センサ51の冷却温度が一定とい
うことにすると,S/Nが悪いという問題が発生する。
【0010】
【問題点を解決するための手段】第1の発明は,赤外線
センサの冷却温度を一定にするのではなく,使用環境温
度を検出し,赤外線センサを冷却するペルチエ素子の相
対的な冷却温度差が,一定となるようにこのペルチエ素
子に一定の冷却電流を流し,この冷却温度とほぼ反比例
関係にある赤外線センサからのビデオ信号の振幅を増幅
する電圧制御形増幅器の利得を,使用環境温度に対応し
た制御電圧により制御するようにして赤外線センサの感
度を補正して,赤外線センサの感度が常に一定に維持さ
れるようにしたものである。
【0011】第2の発明は,赤外線を光電変換する赤外
線センサと,この赤外線センサを冷却するペルチエ素子
と,このペルチエ素子の相対的な冷却温度差が最大とな
るように一定の冷却電流を流す定電流源と,使用環境温
度を検出する室温センサと,赤外線センサからのビデオ
信号の増幅利得を制御するための制御電圧を出力する補
正回路と,この補正回路からの制御電圧により,ビデオ
信号の増幅利得を制御する電圧制御形増幅器とにより赤
外線カメラをいかなる使用環境温度のもとでも温度監視
装置として使用することが出来るようにしたものであ
る。
【0012】第3の発明は,使用環境温度を室温センサ
により検出し,ペルチエ素子に貼着されている温度セン
サによりペルチエ素子の冷却面の温度を検出し,室温セ
ンサにより検出された使用環境温度に対応する使用環境
温度信号と検出されたペルチエ素子の冷却温度信号とに
より,ペルチエ素子の相対温度差が一定となるように,
ペルチエ素子の冷却電流を制御し,赤外線センサからの
ビデオ信号を増幅する電圧制御形増幅器の利得を,使用
環境温度をパラメ−タとする赤外線センサからのビデオ
信号の振幅と相対的温度差との関係から補正のためのR
OMデ−タを作成し,使用環境温度に対応した制御電圧
により制御するようにして,温度補償用のROMデ−タ
のバラツキを補正して,赤外線センサの感度のバラツキ
を補正するようにしたものである。
【0013】さらに,第4の発明は,赤外線を光電変換
する赤外線センサと,この赤外線センサを冷却するペル
チエ素子と,このペルチエ素子により冷却される赤外線
センサの冷却温度を検出する温度センサと,使用環境温
度を検出する室温センサと,ペルチエ素子の相対的温度
差が最大となるように,維持するためのペルチエ素子の
冷却電流を制御する相対温度維持制御回路と,使用環境
温度をパラメ−タとする赤外線センサからのビデオ信号
と冷却温度との関係からROMデ−タを作成して,これ
を記憶するROMを接続するとともに,温度センサで検
出した冷却温度に比例する赤外線センサからのビデオ信
号の増幅利得を制御するための制御電圧を出力する補正
回路と,この補正回路からの制御電圧により,ビデオ信
号の増幅利得を制御する電圧制御形増幅器とにより赤外
線カメラをいかなる使用環境温度のもとでも温度監視装
置として使用することが出来るようにするとともに,赤
外線センサからのビデオ信号の振幅を補正し,使用環境
温度による影響がないようにした温度監視装置である。
【0014】
【作用】第1の発明による方法では,室温センサにより
使用環境温度を検出し,一方,赤外線センサを冷却する
ペルチエ素子の相対的な冷却温度が,このペルチエ素子
の冷却能力が最大となるように定電流源からペルチエ素
子に一定の冷却電流を流し,この冷却温度と反比例関係
にある赤外線センサからのビデオ信号の振幅を増幅する
電圧制御形増幅器の利得を,使用環境温度に対応した制
御電圧により制御するようにして赤外線センサからのビ
デオ信号の振幅を補正して,使用環境温度による影響が
ないようにビデオ信号の振幅が常に一定に維持されるよ
うにしたものである。第3の発明による方法では,室温
センサにより使用環境温度を検出し,この使用環境温度
とペルチエ素子の最大冷却温度との差成分に相当する冷
却温度を維持するように,ペルチエ素子の冷却電流を相
対温度維持制御回路により制御し,一方,補正回路は,
温度センサで検出した環境温度をもとに,冷却温度とに
反比例関係にある赤外線センサの出力とのわずかな非直
線性を補正するためのROMデ−タを作成し,これを記
憶したROMを接続して,増幅利得を制御する制御電圧
を出力して,この制御電圧により赤外線センサからのビ
デオ信号の振幅を増幅する電圧制御形増幅器の利得を制
御することにより,赤外線センサかのビデオ信号の振幅
を使用環境温度による影響がないように,ビデオ信号の
振幅が一定となるように維持されるようにしたものであ
る。
【0015】
【発明の実施例1】この発明の第1の実施例を,図1〜
図2および図5〜図6に基づいて詳細に説明する。図1
はこの発明の第1の実施例を示す構成図,図2は図1の
詳細回路図,図5はIC2の入出力特性,図6は電圧制
御形増幅器の利得特性図である。図1および図2におい
て,1はペルチエ素子で,その冷却面には,赤外線セン
サ2とペルチエ素子1の冷却温度を検出するための温度
センサ3とが貼着されている。4は室温センサで,ペル
チエ素子1に取り付けられている赤外線センサ2のヒ−
トシンク(図示せず)またはヒ−トシンクの働きをする
赤外線カメラの筐体(図示せず)に取付られている。室
温センサ4としては,この実施例では,図2に示すよう
に,スイッチングダイオ−ドCR1が用いられており,
温度が1°C上昇すると順方向電圧Vf が約2mV減少
するダイオ−ドが用いられている。なお,この温度セン
サ3としては,上記のように,温度の変動を電気信号に
変換可能な素子であればいかなるものでも良い。
【0016】5は室温センサ4で検出される室温信号電
圧を増幅する増幅器で,出力インピ−ダンスを小さくす
る目的で電圧フォロア−形の演算増幅器IC4が用いら
れている。6は定電流源回路で,ペルチエ素子1の冷却
面と発熱面との相対的な冷却温度差がこのペルチエ素子
1の最大冷却温度となるように一定の冷却電流を流して
いる。
【0017】7は補正回路で,演算増幅器IC5,A/
D変換器IC6,ROMIC7およびD/A変換器IC
8,演算増幅器IC9とにより構成されており,赤外線
センサ2の冷却温度に反比例して変化するビデオ信号振
幅を制御するための制御電圧が出力される。ペルチエ素
子1の冷却面に貼着されている温度センサ3により検出
される温度(冷却温度)と赤外線センサ−2の出力信号
との関係,および温度センサ3の出力(冷却温度)とペ
ルチエ素子1に流す冷却電流との関係は,いずれもほぼ
直線的に変化するが,冷却電流を極端に増加させると,
ペルチエ素子1の自己発熱により冷却効果が相殺される
ことによる使用限界があるとともに,空気の対流,放射
熱伝達の影響により温度センサ3の出力と,ペルチエ素
子1の実際の冷却温度との関係が非直線的に変化するの
で,補正回路7はこの非直線性をも補正する。
【0018】8は赤外線センサ2からのビデオ信号を増
幅する前置増幅器で,超低ドリフト,且つ,超低雑音特
性の演算増幅器IC1が用いられている。9は電圧制御
形増幅器で,赤外線センサ2からのビデオ信号を前置増
幅器8を介して増幅するとともに,補正回路7からの制
御電圧により利得が変動するもので,ディスクリ−ト回
路,又は電圧制御形増幅器で,例えば,図5に示す入出
力利得特性を持つIC2が用いられている。10は電圧
制御形増幅器9の出力増幅器で,利得の変動のない固定
利得の演算増幅器IC3が用いられている。
【0019】次に,作用動作について,図1および図2
に基づいて詳細に説明する。赤外線センサ2はペルチエ
素子1の冷却面に取付られており,このペルチエ素子1
には,定電流源回路6から,一定の冷却電流が流されて
おり,冷却面と発熱面との相対的な冷却温度が最大とな
るように一定に保持されている。
【0020】そこで,まず,赤外線センサ2からのビデ
オ信号(対象物のビデオ信号)は,前置増幅器8(演算
増幅器IC1)で増幅される。この際,入射赤外線の光
軸と赤外線センサ2の面の直角度,配置や赤外線センサ
2の物理的寸法のバラツキによる感度の差を補正するた
めに,環境温度+25°C(恒温槽)下において,対象
物を+50°Cのものと+300°Cのものとの2つを
準備して,演算増幅器IC1の出力が,装置ごとに感度
のバラツキがないようにするために,帰還抵抗R4 によ
り調整して初期設定している。演算増幅器IC1からの
ビデオ信号は,電圧制御形増幅器9(IC2)に入力さ
れる。
【0021】一方,ペルチエ素子1の設定温度は,従来
のように固定されていないので,使用環境温度によりペ
ルチエ素子1の冷却面の温度が変動するが,ペルチエ素
子1に流れる電流が一定であるならば,相対的な冷却温
度は一定である。そこで,この実施例では,ペルチエ素
子1には,定電流源回路6から,このペルチエ素子1の
最大冷却温度となるように一定の冷却電流が供給されて
いる。なお,ここで,赤外線センサ2からのビデオ信号
は,赤外線センサ2の冷却温度に反比例している。
【0022】そこで,室温センサ4により検出される使
用環境温度は,演算増幅器IC4で増幅された後,演算
増幅器IC5,A/D変換器IC6,ROMIC7,D
/A変換器IC8および演算増幅器IC9からなる補正
回路7により,図6に示す利得特性曲線のオフセット電
圧が設定され,この信号は電圧制御形増幅器9(IC
2)の制御信号として電圧制御形増幅器9に入力し,赤
外線センサ2からのビデオ信号の利得が制御されて,使
用環境温度の相違によるビデオ信号レベルが補正され,
この信号は出力増幅器10から画像処理部(図示せず)
に入力される。このようにして,いかなる使用環境温度
にあってもペルチエ素子1の相対的な冷却温度を一定に
した状態を維持することが出来るので,送電線や配電線
等の断線ぎみ,接触不良箇所における異常温度を監視す
ることの出来る赤外線監視装置として用いられる。
【0023】
【発明の実施例2】この発明の第2の実施例を,図3〜
図4および図6〜図8に基づいて,詳細に説明する。図
3は,この発明の第2の実施例を示す構成図,図4は図
3の詳細回路図である。なお,実施例1と同一のものは
同一符号で記載されている。この実施例2では,環境温
度と赤外線センサの出力とのわずかな非直線性を補正す
るもので,ペルチエ素子1の相対温度差が一定となるよ
うに,ペルチエ素子1の冷却電流を制御している。しか
し,赤外線センサ2は,通常,その物理的な寸法や材質
等に,あるいは空気伝導による放熱の影響などにより,
感度にバラツキがある。以下,これについて説明する。
実施例1で述べたように,ペルチエ素子1の相対温度差
(ペルチエ素子1の冷却面の冷却温度−環境温度)を最
大にすることと,実施例2におけるように,ペルチエ素
子1の相対温度差を一定にすることとは異なる。ペルチ
エ素子1の最大能力を知るためには,冷却電流量を変え
ながらデジタルボルトメ−タを用いて,ペルチエ素子1
の冷却面の温度を測定するための温度センサの指示値と
環境温度を測定するための室温センサの指示値とを測定
する。この時,例えば,+25℃一定にしておく必要が
ある。
【0024】この結果,ペルチエ素子1に流す冷却電流
(電流計の読み)とペルチエ素子1の温度センサ3との
関係は,図7に示すように,放物線が得られる。この放
物線の最小値を示す電流Iが一定となるように調整され
る必要がある。しかし,この電流Iの値には点線で示す
ように,ペルチエ素子1によりバラツキがあり,これは
感度のバラツキとなる。従って,この感度特性のバラツ
キに対応するために,環境試験槽に設置された赤外線セ
ンサ2からのビデオ信号と使用環境温度をパラメ−タと
の関係からROMデ−タを作成して,これを記憶するR
OMIC7が補正回路7に接続されている。
【0025】一方,ペルチエ素子1の発熱は,ヒ−トシ
ンクおよび赤外線カメラの筐体により冷却されている
が,ペルチエ素子1の取付時のネジの締め付け強度のバ
ラツキがあるので,温度補正のためのROMデ−タにバ
ラツキが増加する。従って,この実施例では,これをな
くそうとするもので,図4では,ペルチエ素子1のペル
チエ電流(冷却電流)を制御する相対温度維持制御回路
11を示しており,室温センサ4で検出された使用環境
温度を非反転増幅器13で増幅し,一方,温度センサ3
で検出されたペルチエ素子1の冷却温度信号を電圧フォ
ロア−形の前置増幅器12および反転増幅器14でそれ
ぞれ増幅した後,増幅器15において,相対温度設定用
の可変抵抗R5 により設定されているペルチエ素子1の
相対温度差が一定に維持されるように,増幅器16,ト
ランジスタTrを介して制御電圧がペルチエソ素子1に
入力して冷却電流を制御し,ROMデ−タによる補正制
御電圧を電圧制御形増幅器9に加えて,赤外線センサ2
からのビデオ信号の振幅を補正し,使用環境温度におけ
る影響が無いようにしている。
【0026】次に,ROMの作成手順について説明す
る。まず,上記のようにして,最小値を示す電流Iが決
定されると,この電流Iは一定に維持される。次に,図
8に示すように,環境温度をパラメ−タとしてビデオ信
号の振幅を測定する。この際,電圧制御形増幅器9に
は,一定の制御電圧を印加するように設定されている。
ビデオ信号の振幅をデジタル値に変換し,+20℃の時
のビデオ信号の振幅(デジタル値)を基準”1”とし
て,各環境温度で得られたビデオ信号の値から,下式に
よりそれぞれ補正値が算出される。 (各環境温度のビデオ信号の振幅)/(+20℃の時の
ビデオ信号の振幅)×補正値=1 なお,発明者の実験では,補正値は,1.2〜0.8程
度の値が得られた。この補正値をROMデ−タとする
が,例えば,ROMが10ビットのものを使用すると,
補正値1の時を512デジットとすると,,補正値1.
2の時は,614デジット,補正値0.8の時は409
デジットとなるデ−タをROMデ−タとする。又,電圧
制御形増幅器9の利得は,10ビットROMでなくとも
8ビットROMを用いて,増幅利得を変えることができ
る。このようにして,ROMデ−タが作成される。
【0027】
【発明の効果】第1の発明は,ペルチエ素子の相対的な
冷却温度がこのペルチエ素子の最大冷却温度となるよう
にペルチエ素子に一定の冷却電流を流し,室温センサに
より使用環境温度を検出し,冷却温度に反比例する赤外
線センサからのビデオ信号を増幅する電圧制御形増幅器
の利得を,使用環境温度に対応した制御電圧により制御
するようにしたので,いかなる使用環境温度でも赤外線
センサの感度を一定に維持したものを出力することがで
きる。又,第2の発明は,赤外線を光電変換する赤外線
センサと,この赤外線センサを冷却するペルチエ素子
と,このペルチエ素子の相対的な冷却温度差が最大とな
るように一定の冷却電流を流す定電流源と,使用環境温
度を検出する室温センサと,赤外線センサからのビデオ
信号の増幅利得を制御するための制御電圧を出力する補
正回路と,この補正回路からの制御電圧により,ビデオ
信号の増幅利得を制御する電圧制御形増幅器とにより赤
外線カメラをいかなる使用環境温度のもとでも温度監視
装置として使用することが出来るようにしたものであ
る。
【0028】第3の発明は,使用環境温度を検出し,ペ
ルチエ素子に貼着されている温度センサによりペルチエ
素子の冷却面の温度を検出し,室温センサにより検出さ
れた使用環境温度に対応する使用環境温度信号と検出さ
れたペルチエ素子の冷却温度信号とにより,ペルチエ素
子の相対温度差が一定となるように,ペルチエ素子の冷
却電流を制御し,赤外線センサからのビデオ信号を増幅
する電圧制御形増幅器の利得を,使用環境温度をパラメ
−タとする赤外線センサからのビデオ信号の振幅と相対
的温度差との関係から補正のためのROMデ−タを作成
し,使用環境温度に対応した制御電圧をROMデ−タに
よる補正制御電圧を加えて制御するようにしたので,被
写体の温度を正確に測定することが出来る。又,第4の
発明は,赤外線を光電変換する赤外線センサと,この赤
外線センサを冷却するペルチエ素子と,このペルチエ素
子により冷却される赤外線センサの冷却温度を検出する
温度センサと,使用環境温度を検出する室温センサと,
ペルチエ素子の相対的温度差が最大となるように維持す
るためのペルチエ素子の冷却電流を制御する相対温度維
持制御回路と,使用環境温度をパラメ−タとする赤外線
センサからのビデオ信号の出力振幅との関係から補正の
ためのROMデ−タを作成して,これを記憶するROM
を接続するとともに,温度センサで検出した冷却温度に
反比例する赤外線センサからのビデオ信号の増幅利得を
制御するための制御電圧を出力する補正回路の出力によ
り,ビデオ信号の増幅利得を電圧制御形増幅器を利用し
て制御することにより,赤外線カメラをいかなる使用環
境温度のもとでも温度監視装置として使用することが出
来るようにするとともに,赤外線センサの感度のバラツ
キをも補正することが出来る。特に,冬場の北海道のよ
うに,環境温度が0°C以下になる場合でも,送電線等
の異常箇所を監視する赤外線監視装置として利用するこ
とが出来る。従って,ユ−ザ−に対しても,従来のよう
に個別に説明する必要もなく,販売経路を拡販すること
が出来,便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す構成図である。
【図2】この発明の実施例を示すもので,図1に示す詳
細回路図である。
【図3】この発明の他の実施例を示す構成図である。
【図4】この発明の他の実施例を示すもので,図3に示
す詳細回路図である。
【図5】この発明の実施例で使用されている電圧制御形
増幅器の利得特性図である。
【図6】この発明の実施例で使用されている電圧制御形
増幅器に加える制御電圧と室温センサによる温度との特
性図である。
【図7】ペルチエ素子の温度特性図である。
【図8】ペルチエ素子に一定電流を流した時の環境温度
と赤外線ビデオ出力振幅との関係図である。
【図9】従来例を示すペルチエ電流制御回路の構成図で
ある。
【図10】従来例を示すペルチエ電流制御回路図であ
る。
【符号の説明】
1 ペルチエ素子 2 赤外線センサ 3 温度センサ 4 室温センサ 6 定電流源回路 7 補正回路 9 電圧制御形増幅器 11 相対温度維持制御回路 ROM 温度補償用のデ−タを記憶するROM

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペルチエ素子により冷却される赤外線セ
    ンサの冷却温度可変方法において,使用環境温度を検出
    し,前記赤外線センサを冷却する前記ペルチエ素子の相
    対的な冷却温度差が,一定となるようにこのペルチエ素
    子に一定の冷却電流を流し,前記赤外線センサからのビ
    デオ信号を増幅する電圧制御形増幅器の利得を,前記使
    用環境温度に対応した制御電圧により制御することを特
    徴とする赤外線センサの冷却温度可変方法。
  2. 【請求項2】 ペルチエ素子により冷却される赤外線セ
    ンサの冷却温度可変装置において,赤外線を光電変換す
    る前記赤外線センサと,この赤外線センサを冷却する前
    記ペルチエ素子と,このペルチエ素子の相対的な温度差
    が最大となるように一定の冷却電流を流す定電流源と,
    使用環境温度を検出する室温センサと,前記赤外線セン
    サからのビデオ信号の増幅利得を制御するための制御電
    圧を出力する補正回路と,この補正回路からの制御電圧
    により,前記ビデオ信号の増幅利得を制御する電圧制御
    形増幅器と,を備えたことを特徴とする赤外線センサの
    冷却温度可変装置。
  3. 【請求項3】 ペルチエ素子により冷却される赤外線セ
    ンサの冷却温度可変方法において,使用環境温度を検出
    し,前記ペルチエ素子に貼着されている温度センサによ
    り前記ペルチエ素子の冷却面の温度を検出し,前記検出
    された使用環境温度に対応する使用環境温度信号と前記
    検出されたペルチエ素子の冷却温度信号とにより,前記
    ペルチエ素子の相対温度差が一定となるように,前記ペ
    ルチエ素子の冷却電流を制御し,前記赤外線センサから
    のビデオ信号を増幅する電圧制御形増幅器の利得を,前
    記使用環境温度をパラメ−タとする前記赤外線センサか
    らの前記ビデオ信号の振幅と前記相対的温度差との関係
    から補正のためのROMデ−タを作成し,前記使用環境
    温度に対応した制御電圧により制御することを特徴とす
    る赤外線センサの冷却温度可変方法。
  4. 【請求項4】 ペルチエ素子により冷却される赤外線セ
    ンサの冷却温度可変装置において,赤外線を光電変換す
    る前記赤外線センサと,この赤外線センサを冷却する前
    記ペルチエ素子と,このペルチエ素子により冷却される
    前記赤外線センサの冷却温度を検出する温度センサと,
    使用環境温度を検出する室温センサと,前記ペルチエ素
    子の相対的温度差が最大となるように維持するための前
    記ペルチエ素子の冷却電流を制御する相対温度維持制御
    回路と,前記使用環境温度をパラメ−タとする前記赤外
    線センサからの前記ビデオ信号と前記冷却温度との関係
    からROMデ−タを作成して,これを記憶するROMを
    接続するとともに,前記温度センサで検出した前記冷却
    温度に比例する前記赤外線センサからのビデオ信号の増
    幅利得を制御するための制御電圧を出力する補正回路
    と,この補正回路からの制御電圧により,前記ビデオ信
    号の増幅利得を制御する電圧制御形増幅器と,を備えた
    ことを特徴とする赤外線センサの冷却温度可変装置。
JP4162322A 1992-05-28 1992-05-28 赤外線センサの冷却温度可変方法およびその装置 Expired - Fee Related JPH0760121B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4162322A JPH0760121B2 (ja) 1992-05-28 1992-05-28 赤外線センサの冷却温度可変方法およびその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4162322A JPH0760121B2 (ja) 1992-05-28 1992-05-28 赤外線センサの冷却温度可変方法およびその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05332823A true JPH05332823A (ja) 1993-12-17
JPH0760121B2 JPH0760121B2 (ja) 1995-06-28

Family

ID=15752334

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4162322A Expired - Fee Related JPH0760121B2 (ja) 1992-05-28 1992-05-28 赤外線センサの冷却温度可変方法およびその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0760121B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07200986A (ja) * 1993-12-28 1995-08-04 Nippon Signal Co Ltd:The 画像式歩行者検出装置
WO2002033366A1 (fr) * 2000-10-16 2002-04-25 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Camera infrarouge
CN112968985A (zh) * 2021-02-01 2021-06-15 维沃移动通信有限公司 红外传感器补偿方法、装置和电子设备

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07200986A (ja) * 1993-12-28 1995-08-04 Nippon Signal Co Ltd:The 画像式歩行者検出装置
WO2002033366A1 (fr) * 2000-10-16 2002-04-25 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Camera infrarouge
JP2002122472A (ja) * 2000-10-16 2002-04-26 Mitsubishi Electric Corp 赤外線カメラ
US6894280B2 (en) 2000-10-16 2005-05-17 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Infrared camera
CN112968985A (zh) * 2021-02-01 2021-06-15 维沃移动通信有限公司 红外传感器补偿方法、装置和电子设备
CN112968985B (zh) * 2021-02-01 2023-07-04 维沃移动通信有限公司 红外传感器补偿方法、装置和电子设备

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0760121B2 (ja) 1995-06-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6538250B2 (en) Microbolometer focal plane array with controlled bias
US6610984B2 (en) Method and apparatus for correction of microbolometer output
US6891160B2 (en) Method and apparatus for temperature compensation of an uncooled focal plane array
US6730909B2 (en) Methods and apparatus for compensating a radiation sensor for temperature variations of the sensor
US6953932B2 (en) Microbolometer focal plane array with temperature compensated bias
US6465785B1 (en) Apparatus and method for compensating for pixel non-uniformity in a bolometer
US7235785B2 (en) Imaging device with multiple fields of view incorporating memory-based temperature compensation of an uncooled focal plane array
CA2226495C (en) Thermal sensing system having a fast response calibration device
Parrish et al. Improvements in uncooled systems using bias equalization
CN106679817B (zh) 一种用于标定红外热像仪的方法
US20020166968A1 (en) Apparatus and method of measuring bolometric resistance changes in an uncooled and thermally unstabilized focal plane array over a wide temperature range
JPH10221183A (ja) ロードセル荷重検出器の温度補償方法及びその装置
US6023053A (en) Laser output measuring apparatus
US5291073A (en) Thermal power sensor
Jansson et al. Theoretical analysis of pulse bias heating of resistance bolometer infrared detectors and effectiveness of bias compensation
JPH05332823A (ja) 赤外線センサの冷却温度可変方法およびその装置
US3621258A (en) Peltier-controlled bolometer temperature reference technique
Ji et al. Nonuniformity correction scheme for an infrared camera including the background effect due to camera temperature variation
JPH10104082A (ja) 赤外線熱画像装置における温度ドリフト補正装置および方法
JPH0835885A (ja) 赤外線熱画像装置における温度ドリフト補正装置および方法
Chen et al. A new bias method for microbolometer array
Duykers Test results of a factory calibration technique for nonuniformity correction of an InSb infrared system
US20050023469A1 (en) Digital video thermal electric controller loop utilizing video reference pixels on focal plane arrays
Chen et al. A new bias equalization for microbolometer array
SU301561A1 (ru) Абсолютный радиометр

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080628

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090628

Year of fee payment: 14

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees