JPH0533144Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は一時的に発声ができなくなつた患者が
自己の意志を看護人などに伝達するための患者用
意志伝達装置に関する。

（従来の技術） 例えば手術や集中治療のために、気管挿管や気
管切開を受け一時的に発声ができなくなつた患者
や、声帯手術などにより一時的に発声を禁じられ
た患者が、自己の意志を看護人などに伝達する方
法としては、メモによる筆談や「あいうえお」の
五十音が記入された文字盤上の文字を示して会話
する方法が一般的である。

また類似の意志伝達手段としては、実開昭62−
44332号公報に記載されたように、多数の互いに
近接する入力キーの押圧操作によつて意志伝達内
容を表示手段に表示する障害者用意志伝達装置が
ある。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、一般に手術や集中治療中の患者
の場合、麻酔などの影響により意識レベルが低下
したり、点滴や観血的血圧測定のためのカテーテ
ル装着により腕の自由が効かないときは筆談は困
難である。

一方、文字盤による会話は比較的簡単にできる
が、患者が長い言葉を伝えようとしているとき
は、看護人は患者が示した文字を目で追いながら
頭の中で文章を組み立てるため、理解するのに労
力を必要とする欠点がある。

また前記公報に記載された意志伝達装置は、本
体構造が消毒しやすいようには配慮されておら
ず、キーボードと入力キーとの間には凹部がある
ため消毒しにくいという問題があつた。すなわ
ち、手術室、集中治療室及び一般病室では感染予
防の意味から、患者が手に触れる装置は消毒する
必要があるが、この消毒がしにくかつた。またこ
の消毒のためにはアルコールなどの液体を用いる
ことが多く、さらに血液や注射液が装置にかかる
恐れもある。しかし前記装置には防滴に対する配
慮がなされておらず、水分が装置内部に浸入し、
操作キーの接触不良や、表示部、CPUなどの端
子の腐食が発生して故障の原因となる恐れもあつ
た。

さらに前記装置は操作キーや表示盤の文字が小
さく、老人が多い患者にとつては操作や読取りが
困難であるという欠点もあつた。

本考案は上記の点に鑑みてなされたものであ
り、操作や消毒が容易で防滴効果を有する患者用
意志伝達装置を提供することを目的とする。

［考案の効果］ ［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案は、相互に
近接して配設された多数の入力キーを押圧操作す
ることにより、患者が自己の意志を表示手段によ
り表示する患者用意志伝達装置であつて、前記入
力キーを防滴構造を有するフラツトシートキーで
構成するとともに、呼び出し機能を設けたもので
ある。

（作用） 上記の構成によると、患者が自己の意志を表示
したい場合は、呼び出し機能を用いて看護人など
を呼び、入力キーを操作して表示手段に自己の意
志を表示して看護人などに伝えることができる。
また入力キーがフラツトシートキーで構成されて
いるので防滴効果があり、消毒も容易で水分によ
る装置の故障の発生を防止することができる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明
する。

第１図は本実施例の正面図、第２図は同じく側
面図、第３図は同じく機能ブロツク図である。

第１図及び第２図において、意志伝達装置１は
操作盤２と表示手段の１つである表示盤３とから
なつている。操作盤２には入力キーである大型の
フラツトシートキー４が多数配列されており、各
キー４は例えば「あおうえお」など46文字や０〜
９の数字や符号などの文字釦４ａと、電源入、電
源切、１字訂正、全字訂正などの機能釦４ｂとか
らなつている。

また、表示盤３は例えば１字を６×６ドツトで
表示する液晶デイスプレイで構成されており、同
時に表示できる文字数は40字迄となつている。そ
して40字をこえて文字を入力すると先頭の文字を
消して最後の文字が表示されるようになつてい
る。

一方、表示盤３の上部には取手５が設けられて
おり、取手５には看護人などを呼び出す呼び出し
機能であるコールスイツチ６が設けられている。
そしてこのスイツチ６を押すとスイツチ６に内蔵
された表示手段の１つであるランプが点滅し、同
時に図示しないブザーが鳴るようになつている。
さらにもう一度スイツチ６を押すとブザーが止ま
りランプも消える。

第２図に本実施例の機能ブロツクを示す。フラ
ツトシートキー４を押圧すると該当する文字など
の信号がCPU７に入力され、CPU７内の図示し
ないROM内に記憶されている内容のうち前記文
字の内容が読み出され、表示回路８に送られる。
表示回路８は表示盤３の液晶回路を駆動して当該
文字を表示する。また、コールスイツチ６を押す
とCPU７を介してランプ９が点灯しブザー１０
が鳴る。再びコールスイツチ６を押すとランプ９
が消灯しブザー１０が止まる。

本実施例によれば、発声できない患者が看護人
などを呼び出して意志の伝達を容易に行なうこと
ができる。また入力キーが大型のフラツトシート
キー４で構成されているので操作がしやすく、し
かも操作盤２の表面に凹凸がないので消毒が容易
に行なわれる。またフラツトシートキー４は防滴
効果を有するので、消毒液、注射液、血液などの
滴が装置にかかつても装置内に侵入せず、故障を
おこすことを防止できる。

上記実施例における表示盤３の文字数は40字に
限定されるものではない。また装置１をキー４が
押されると確認音がなるようにしたり、電源であ
る電池交換警告機能を付加したり、プリント機能
を付加したりしてもよい。また取手５の位置を変
えて例えば側面につけてもよい。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案によれば、患者の
意志の伝達を容易に行なうことができ、しかも消
毒が容易ですぐれた防滴効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はそれぞれ本考案の一実施例
を示す正面図及び側面図、第３図は同じく機能ブ
ロツク図である。 １……意志表示装置、４……フラツトシートキ
ー、６……コールスイツチ（呼び出し機能）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 相互に近接して配設された多数の入力キーを押
   圧操作することにより、患者が自己の意志を表示
   手段により表示する患者用意志伝達装置であつ
   て、前記入力キーを防滴構造を有するフラツトシ
   ートキーで構成するとともに、呼び出し機能を設
   けたことを特徴とする患者用意志伝達装置。